最先端研究開発支援プログラムは誰が願ったものなのか?
科学者の要望とは思えなかったけど、経団連だったのか。
【2009年7月29日 最先端研究開発支援プログラムに経団連提言丸のみの批判 】@サイエンスポータルレビュー
>岩波書店発行の月刊誌「科学」8月号、オピニオン欄で吉岡斉・九州大学大学院比較社会文化研究院教授が「最先端研究開発支援プログラム」に対する疑問を呈している。
科学8月号目次(まだ次号予告になっているかもしれない)
ロゲルギストの特集という面白い内容なので、本紙を読んでいただきたい。
kasokenさんも記事を書いているし。
この中の科学通信の中で
オピニオン: 最先端研究開発支援プログラムへの疑問 吉岡 斉
とある。
吉岡先生は、科学史・科学社会学の専門家で、科学政策、中でも原子力政策について
疑問を呈したり、問題点を指摘してこられた方で、こんな著作もある。
で、元に戻ると、
>吉岡氏の主張は「文部科学省や総合科学技術会議が熟慮して企画・立案したものではなく、日本経済団体連合会の提言をほとんど丸のみにした」という記述に集約されていると思われる。
日本経団連の産業技術委員会は、4月6日に「世界最先端研究支援強化プログラム(仮称)の創設について」と、同17日に「世界最先端研究支援強化プログラム(仮称)の執行に係る枠組みのあり方について」という提言を相次いで発表している。
経団連がねえ。まあ、経団連が言うことなので、具体的に成果に直結するものを求めている。
>これら経団連の提言が直ちに補正予算に取り入れられ、内閣府総合科学技術会議は大急ぎで運営方針策定に乗り出し、6月19日の同会議による「最先端研究開発支援プログラム運用基本方針」の発表となった、というのが吉岡氏の主張だ。
吉岡先生の言うとおり、補正予算に何を出していいか迷っていた文科省と総合科学技術会議が飛びついたんだろうね。
大変なのはこれからで、この記事の中で指摘するように
>激しい陣取り合戦を適度な位置で収める難しい役を担わされているのは相澤益男・総合科学技術会議議員(最先端研究開発支援ワーキングチーム座長)だろう。
相澤さんは、こんなことを言っていたらしい。
>「これまで科学技術の支援というのは、研究者というより、その周辺までを含めたところへの投資ということであった。しかし、今回最も画期的なのは、研究者個人に対して、その優れた頭脳を思い切って発揮させるという仕組みをつくる。そのために今までにないようなサポートの仕組みを作っていいんだということ。これは科学技術政策の根本的な革新につながる。その意味からも、ぜひこのプログラムを成功させたい」
サポートの仕組みねえ。そこが問題だけど、そこに手が出せるかなあ。
利権の巣窟になりそうな予感がするけれど。
それにしても、サイエンスポータルレビューのコメント欄で
K_Tachibanaさん以外の意見を見ることがないような気がするのは私だけでしょうか?
>また、研究開発施策(日本の場合はこれを科学技術施策と混同しているきらいがある)と事業化に向けた出口を目指したイノベーション施策とは分けて考える必要があると思われるが、このあたり十分に議論し尽くされているようには感じられない。
この「研究開発施策」と「科学技術施策」の混同という指摘は流石だな。
どうしても「技術」開発になってしまうのは、官僚にも政治家にもわかりやすいからだろうか?
>最先端研究開発支援プログラムは、経済危機対策の一環である以上、研究開発施策とイノベーション施策をうまく融合することが重要なはずで、中心研究者以上に高度な戦略性をもったコーディネーターの存在が求められているように思われる。拙速に事を進めることに対し、大きな危惧を感じている。
そう、このコーディネーターの存在が重要なんだよね。
でも、それが「天下り」にならないように気をつけていただきたいなと思いますね。
一つだけK_Tachibanaさんに伝えたいのは、応募は24日で締め切ってますと言うことかな。
31日は24日までに申し込んだ人がさらに自由形式で申し込むんだと思う。
だから、1000件になることはないんじゃないかと思うけど、私の理解が違うのかな?
【2009年7月29日 最先端研究開発支援プログラムに経団連提言丸のみの批判 】@サイエンスポータルレビュー
>岩波書店発行の月刊誌「科学」8月号、オピニオン欄で吉岡斉・九州大学大学院比較社会文化研究院教授が「最先端研究開発支援プログラム」に対する疑問を呈している。
科学8月号目次(まだ次号予告になっているかもしれない)
ロゲルギストの特集という面白い内容なので、本紙を読んでいただきたい。
kasokenさんも記事を書いているし。
この中の科学通信の中で
オピニオン: 最先端研究開発支援プログラムへの疑問 吉岡 斉
とある。
吉岡先生は、科学史・科学社会学の専門家で、科学政策、中でも原子力政策について
疑問を呈したり、問題点を指摘してこられた方で、こんな著作もある。
原子力の社会史―その日本的展開 (朝日選書) 朝日新聞社 1999-04 売り上げランキング : 126552 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
科学革命の現在史―日本の持続可能な未来のために 学陽書房 2002-07 売り上げランキング : 918563 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
で、元に戻ると、
>吉岡氏の主張は「文部科学省や総合科学技術会議が熟慮して企画・立案したものではなく、日本経済団体連合会の提言をほとんど丸のみにした」という記述に集約されていると思われる。
日本経団連の産業技術委員会は、4月6日に「世界最先端研究支援強化プログラム(仮称)の創設について」と、同17日に「世界最先端研究支援強化プログラム(仮称)の執行に係る枠組みのあり方について」という提言を相次いで発表している。
経団連がねえ。まあ、経団連が言うことなので、具体的に成果に直結するものを求めている。
>これら経団連の提言が直ちに補正予算に取り入れられ、内閣府総合科学技術会議は大急ぎで運営方針策定に乗り出し、6月19日の同会議による「最先端研究開発支援プログラム運用基本方針」の発表となった、というのが吉岡氏の主張だ。
吉岡先生の言うとおり、補正予算に何を出していいか迷っていた文科省と総合科学技術会議が飛びついたんだろうね。
大変なのはこれからで、この記事の中で指摘するように
>激しい陣取り合戦を適度な位置で収める難しい役を担わされているのは相澤益男・総合科学技術会議議員(最先端研究開発支援ワーキングチーム座長)だろう。
相澤さんは、こんなことを言っていたらしい。
>「これまで科学技術の支援というのは、研究者というより、その周辺までを含めたところへの投資ということであった。しかし、今回最も画期的なのは、研究者個人に対して、その優れた頭脳を思い切って発揮させるという仕組みをつくる。そのために今までにないようなサポートの仕組みを作っていいんだということ。これは科学技術政策の根本的な革新につながる。その意味からも、ぜひこのプログラムを成功させたい」
サポートの仕組みねえ。そこが問題だけど、そこに手が出せるかなあ。
利権の巣窟になりそうな予感がするけれど。
それにしても、サイエンスポータルレビューのコメント欄で
K_Tachibanaさん以外の意見を見ることがないような気がするのは私だけでしょうか?
>また、研究開発施策(日本の場合はこれを科学技術施策と混同しているきらいがある)と事業化に向けた出口を目指したイノベーション施策とは分けて考える必要があると思われるが、このあたり十分に議論し尽くされているようには感じられない。
この「研究開発施策」と「科学技術施策」の混同という指摘は流石だな。
どうしても「技術」開発になってしまうのは、官僚にも政治家にもわかりやすいからだろうか?
>最先端研究開発支援プログラムは、経済危機対策の一環である以上、研究開発施策とイノベーション施策をうまく融合することが重要なはずで、中心研究者以上に高度な戦略性をもったコーディネーターの存在が求められているように思われる。拙速に事を進めることに対し、大きな危惧を感じている。
そう、このコーディネーターの存在が重要なんだよね。
でも、それが「天下り」にならないように気をつけていただきたいなと思いますね。
一つだけK_Tachibanaさんに伝えたいのは、応募は24日で締め切ってますと言うことかな。
31日は24日までに申し込んだ人がさらに自由形式で申し込むんだと思う。
だから、1000件になることはないんじゃないかと思うけど、私の理解が違うのかな?
- 関連記事
-
- 国立大学の施設は誰のもの? (2009/08/06)
- 第3回最先端研究開発支援ワーキングチームの資料は宝の山 (2009/07/30)
- 最先端研究開発支援プログラムは誰が願ったものなのか? (2009/07/30)
- 564件の応募があったらしい:最先端研究開発支援プログラム (2009/07/28)
- 「先端的研究を推進して実現して欲しいこと」の集計結果が出た (2009/07/24)