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受け継がれる思い

夕べは、某社の社長と新年会。

昨年末に、忘年会ランチで店をしくじったことを大いに反省したらしく、「自分の手持ちの中で、絶対に間違いのない店にしました」と気合い入ってます。

その店が、広尾商店街の突き当たり右手のビル2階にある「My Room 雲母(きらら)」。最近珍しくホームページもなく、口コミだけで満員というお店。

炭火焼が名物なのだそうですが、今夜は、健康的な冬の鍋で。
ゴボウでダシを取り、薄い醤油と味醂のベースに、たくさんの野菜と鯛のつみれ、鶏つくねが入ります。
ほどよく煮えたらば、取り分けてもらい、ハフハフいいながら食べます。

うまい。野菜に力がある感じ。ビールから焼酎に変えて、だらだら飲みつつ食べます。
締めは、雑炊にして、旨みを全部食べ尽くしたら、本当は焼き物に移っていくんですが、おじさん二人なので、鍋で満腹。あとは飲みに入ります。

正月の過ごし方から、お雑煮の地域差とか、今年の目標等々、話はあちらこちらに飛び跳ねながら、屈託無く伸びていきます。

「レベルチューンしないで話せるって楽しいですよね」と突然社長が言い出す。

知的レベルとか、常識レベルがそれほど違わないので、出身も年齢も違うのだけど(年齢はほぼ同じか)、説明せずに話があっちこっちいける楽しさ。

雑談の中から、珠玉の言葉が飛び出したりする唐突さ。そういう物が、本当に楽しい。

ベースになるのは、好奇心の強さと広さなのだろう。文化人類学を専攻していた教師の息子と、心理学を専攻していた修理工の息子に共通する物は、結局、人間と知識に対するあくなき好奇心だけのようだ。

でもそれさえあれば、どこまでもイメージの翼は飛翔できる。

それが楽しい夜だった。

そうそう、タイトルにある「思い」は、この店ががんで倒れた父の意志を継いだ娘さんが経営していることに起因している。映画会社の広報に努めていて、店の手伝いなどしていなかった娘は、父が倒れ、あっという間に死んでしまった時、店を継ぐ決心をした。
そして3年半。
口コミで多くの粋人が集まる店となった。

「お父さんも喜んでいらっしゃるでしょう」父の代から通っている社長は、娘さんである店主にそういった。
彼女は、はっきりとは答えず、はにかむように微笑んだ。

そのほほえみが自信に裏付けられていることが、この店の強みなのだろうと思った。
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fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
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2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
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