きょうから四姉妹　２
きづきあきら＋サトウナンキ
月刊コミックバーズ連載
全３巻

私　男の子なんて好きじゃない
自分も含めて男の子なんか大キライ

『きょうから四姉妹　２』本文より

『きょうから四姉妹』２巻目。
これがトランスジェンダーのつらいところか。
女の子の感覚を持っているけれども自分の体はそうじゃなくて男そのものだからこその悩みがこれか。
そりゃあ自分を否定もするし、じゃあそれを救ってくれる人がいるかどうかは大きいな…

かしわちゃんの問題だけじゃなく、四姉妹それぞれにいわゆる「普通」ではない恋愛観が進んできた。
二次元大好きな末っ子にしても長女の不倫にしても。
誰もが恋愛観が違うというのはそりゃそうなんだが、四姉妹が基本的にどこかズ抜けて変わっているからこその面白さが出てきた。

きょうから四姉妹　１
きづきあきら＋サトウナンキ
月刊コミックバーズ連載
全３巻

かしわは今日から女の子になります！
またみんなでなかよく暮らそうね！

『きょうから四姉妹　１』本文より

『きょうから四姉妹』１巻。

今度は性転換かよ！
ほんと性の見方が自由でだからこその人間関係の新たな見方が次々に見ることができて、やっぱりきづきあきらとサトウナンキの漫画は面白い。
また４姉妹ということで各々がまたいろいろもってなー。
主人公格のぼたんちゃんが振り回され役で他の子たちの恋愛の王道をいけないマイノリティに突っ走り、ゆえの困難にぶち当たりそうな感じに期待がもてる。

暁の明星　１
きづきあきら＋サトウナンキ
もっと！連載
全２巻

今日起きた事は全て忘れなさい
それがここの秩序
守れますね？

『暁の明星　１』本文より

きづきあきら＋サトウナンキの『暁の明星』１巻。
えぐいフランスものが出てきたもんだ。
性描写と男女の想いのすれ違いをこれまでも様々な作品で描いてきた作者だけど、こういう神を信じる世界で神のいる修道院での神は見捨てたもうたのかと思うほどの辛さの描き方。

少女たちの逃げられないが神はきっと救ってくれるとすら信じている純粋さと、それを利用する大人たちの対比と、じゃあ彼女はどうやってこの世界を見てそれでいてどう対峙しようとするのか。
予測のできない物語だな。

にしても衣装がほんと華やかだなぁ。
見てて楽しい。

僕 ３
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル増刊嵐連載
全３巻

じゃあ一緒に地獄に落ちましょうか　先パイ

『僕　３』本文より

『僕』完結巻。

ハッピーエンドなんてもちろん至るはずもなく、これでもかと過酷な結末へと至らせた。
ああこれは確かに地獄への第一歩。
強烈な印象を思いっきりたたきこまれた感じすらする。

性描写ありきじゃないと書き切れないこのバッドエンド感。
たった３巻なのに蛍の描写をここまで掘り下げることでこそできた読後感だよな。
恐れ入った。

バター猫のパラドクス ２
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル連載

まあ俺からの経験からの忠告
よく「自分に正直に」とか言うけど
自分に一番ウソつくのは自分だからな
だまされるなよ

『バター猫のパラドクス ２』本文より

八日堂の忠告に笑った。
お前が言うか（笑
うそパラ１０冊分の重みがずっしりすぎるわ。

『バター猫のパラドクス』２巻目。

このバター猫の男女のすれ違いっぷり、価値観の違い、すべてが悪い方へと向かうさまはうそパラ以上。
それを男女別々の視点で交互に描くからこそこの効果は最大限に発揮されてるんじゃないだろうか。
最初はうそパラのある意味続編というような形ではじまり、あのドロっとした雰囲気から一転して初々しさが残りまくる主人公ふたりだから濃厚さは減るんじゃないかと思っていたけれども。
構成が心を抉ってくる感じがする。

コバちゃん開発日誌
きづきあきら＋サトウナンキ
コミックバーズ連載
全１巻

だから
支配し支配されるためだけの相手が必要だったんだ

『コバちゃん開発日誌』本文より

コミックバーズで連載された『コバちゃん開発日誌』。さらに以前に掲載されていたコミックガム版も収録。
クラシック版の絵柄が懐かしい。
ヨイコノミライとかメイド諸君！のあのあたりだろうか。
クラシックもクラシックであの頃感もでるし、うそパラを経たきづきあきらの現在を見れるという。

エロい。
エロいが性的な行為があるわけではなし。
むしろ特殊性癖とその後ろめたさが、もう完全にきづきあきらの世界だよな。

僕 ２
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル増刊嵐連載
全３巻

僕 2 (ジェッツコミックス) (2012/10/29) きづき あきら、サトウ ナンキ 他 商品詳細を見る

ねえ先パイ
初めては女だけが苦痛なんてヘンだと思いません？

『僕　２』本文より

『僕』（しもべ）の２巻目。
弱みを握られたお金持ちのおぼっちゃん。
すがすがしいまでにやられてるなぁ。

弱みどうこうだけじゃなく、好きと憎しみがいりまじる加減が絶妙。
この決して結ばれなさそうなふたりの行きつく先はどこなのか。
あと１冊でどう終わるのかというより、だらだら続くものでもないけれども…

目的がどこにあるのか。
それに周囲の人間の好意の向きがどう完結へと向かうのか。
行先不明だけれども、このエロと謎の加減好きだなー。

バター猫のパラドクス １
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル連載

バター猫のパラドクス 1 (ジェッツコミックス) (2013/04/26) サトウナンキ、きづきあきら 他 商品詳細を見る

好きになってほしい人に拒絶されるのって
すごくショックで
怖い¨

『バター猫のパラドクス １』本文より

『うそつきパラドクス』からのスピンオフ。

今度は恋に奥手なふたりかよ。
まったく違う内容でスピンオフにするとは思っていたけれども。

しかも今回は恋に発展することすら難しい。
お互いに奥手な上に相手は自分に気がないところからスタート。
このパラドクス。
おいおいほんとにアニマル連載かよと思えるくらいの。
思わせぶりなところは非常にエロす。
さらには思わせぶりだけれども、相手が思っていると勘違いしていることをやっていってあげようというあたりがまたいい感じのすれ違いっぷりを見せてくれそうだ。

僕 １
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル増刊嵐連載
全３巻

僕 1 (ジェッツコミックス) (2012/02/29) きづきあきら+サトウナンキ、きづきあきら 他 商品詳細を見る

僕にはもう従うこと以外に選択肢はなかった

『僕 １』本文より

『僕』１巻目。
もちろん「しもべ」の意味。

きづきあきらとサトウナンキのタッグなだけに性的にも物語の謎的にも見どころがいっぱいだった。

痴漢された優等生。痴漢というよりは痴女だったわけだけれども、痴女＝年下の女の子に脅迫され性的に支配されていく。
というのならただのエロ漫画でいいじゃないってなるんだけれども、これがまた一方的な関係だしセックスそのものはない。
なぜ主人公が狙われたのか、なにが目的なのか。
単に主人と奴隷という関係ではなさそうだし、家柄とかその辺を絡めてくるのか。
謎もまた魅力的。
さて、うそパラ同様どこに着地するのか楽しみになる１冊だった。

うそつきパラドクス １０ 時間外手当
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル連載
全１０巻

うそつきパラドクス 10 時間外手当 (ジェッツコミックス) (2012/06/29) サトウナンキ、きづきあきら 他 商品詳細を見る

何番目に会ったってその人を一番好きならいいよね？

『うそつきパラドクス １０』本文より

短編「時間外手当」を残りの分を一挙収録。
そんでもってＯ野木さんのポエム集とかＯ野木さんの次号予告コメントを一気に収録。
うそパラのおまけようそ満点の最終巻。

あの３人以外のそれぞれに恋愛に苦労する様が見て取れてニヤニヤ。
それぞれの愛の形に苦笑しながらニヤニヤする１冊でございました。

そして９巻から登場した彼女の次の「パラドクス」の予告編もあり、と本編が終わったからこそまったりゆっくり読める１冊になってた。

もー
本編ラストの方のどんよりな空気と打って変わって読みやすい読みやすい（笑
それでいてラストを読んでいるからもう先をやきもきしなくていいからすんなり素直に楽しく読めたかも。

いいなー
こういう終わった後のオマケ要素が１冊分もあるっていうのはなんだか至福だ。

うそつきパラドクス ９
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル連載
全１０巻

うそつきパラドクス 9 (ジェッツコミックス) (2012/06/29) サトウナンキ、きづきあきら 他 商品詳細を見る

彼女を愛している俺だけが
彼女の手を離す事ができる
忘れる事ができる

『うそつきパラドクス ９』本文より

『うそつきパラドクス』完結。
残るは短編の１０巻だけ。


ああ。
これほど読むのが辛くて辛くて、でも気になるマンガも久しぶりだ。

３人で住む奇妙な同居生活、彼女を共有し、そして彼女もそれを許容する。
３人で生活していく違和感と、その幸せな時間はどうやって終わりをつげるのか。

マンガが、物語が終わるということは、このマンガにおいては幸せな時間が終了してしまうということ。

それを読むのが辛くて辛くて。
誰がどんな決断をするのか。
でも、それが気になって。

それでも読んだ。
そして心が動かされた。
そう、感動した。

表紙のような栖佑さんの笑顔が見れた。
ああ、こんな心からの笑顔を見たかったのだ。
このマンガを最後まで読むことができて本当によかった。


誰もが心と違う言葉を出し嘘をつく。
そして嘘が心の本音を潰していく。
でも、最後の最後で本音をさらけだし、前に進むことを決断した彼らに感動しました。

セックスなんか興味ない ４
きづきあきら＋サトウナンキ
ＩＫＫＩ連載
全４巻

セックスなんか興味ない 4 (IKKI COMIX) (2012/06/29) きづき あきら、サトウ ナンキ 他 商品詳細を見る

こんなにたくさんの人がいるのに、特別な人を探し出して、
その人の特別になるなんて、奇跡だよね。

『セックスなんか興味ない ４』本文より

『セックスなんて興味ない』最終巻。
最後は１冊丸ごとある双子の話。
ひとりはセックスをし、ひとりはセックスをしなかった。
容姿も含めまるきり同じＤＮＡをもったふたりの人生は大きく変わっていく。
一人は母親に一人はキャリアウーマンに。
彼女らの一生をほんとまるまる１冊かけて描かれてた。

究極的にセックスとはなんぞや、なにをもって人はセックスをするのか、その先になにがあるというのか。
一生を通して付きまとう問題に対して、違う人生を歩んだふたりの仲のよい姉妹を通して語られていた。

それがすごく考えさせられるというか。
もちろん生殖のためであるというのが根本なんだけど、じゃあセックスしないというのはどういうことなのかというと、それでも人は生きているわけで。
そして人とかかわりをもつというわけで。

セックスを通して、セックスをしないことを通して、人の関わり合いってなんだろうって感じて考えさせられたそんな全４冊でした。

セックスなんか興味ない ３
きづきあきら＋サトウナンキ
ＩＫＫＩ連載
全４巻

セックスなんか興味ない 3 (IKKI COMIX) (2011/09/30) きづき あきら、サトウ ナンキ 他 商品詳細を見る

「…子供が出来て、
自分の未来は見えた…って、今も思う？」
「…いや。
全然、未知の世界になったって、思う。」

『セックスなんか興味ない ３』本文より

「セックス」に関する短編であったり連作短編であったり。
まだまだ続く３作目。

結婚してからの性生活や、子供が出来た後の男性と女性の価値観の違いや、性教育に精通や生理の話かと思いきや結婚後のセックスレスから不倫まで。

実に様々な視点、老若男女の視点から語られるセックス観。
面白い。
前巻までもそうだけど、よりバリエーションが豊かになっている気がする。
誰も語らないし、なかなか話してくれない内容なだけに、そして自分が覗いたりできるわけではない「セックス」とは。
どんどん追求してほしい。
これは、もっと読んでみたい。

うそつきパラドクス ８
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル連載
全１０巻

うそつきパラドクス 8 (ジェッツコミックス) (2012/02/29) サトウナンキ、きづきあきら 他 商品詳細を見る

「彼女を共有する」ってこういう事だろう？
俺もお前も　もう　後へは引けない
目の前にある先の見えない道を　ただ突き進むしかないんだ

『うそつきパラドクス ８』本文より

『うそつきパラドクス』８巻読了。

いまもしかしたらすごいものを読んでしまったのかもしれない。

純愛のすえにふたりの男を選んだ栖佑さん。
この異常な三角関係で同時に付き合うという一種異様な関係が発展していく。

この関係の末にはどう考えてもバッドエンドしかありえないのだけれども、ふしぎなくらいにいい関係に描かれるのが不思議。
なんかすべてがうまくいってしまいそうと思うけれども、当たり前の「常識」が彼らの前には立ちはだかっている。
もうね。どうなんの。
これどうやって結末を迎えるの。

完結一歩手前なのにまだ読めない。
ただただ彼らの心の機微の変化がお互いの嫉妬と独占欲から、いい友人いい恋人同士という三角関係ができあがってしまってる。
それなのに。
ああ。どうなるんだ。親類によってこの関係は壊され断ち切られるのか、それともやはりどちらかだけが結婚してひとりは事実上の結婚のようなことになるのか。

残る世間の常識というあまりに大きな壁の前にどう戦い結末するのかが楽しみだ。
本当に楽しみ。

バーバ・ヤガー ３
きづきあきら＋サトウナンキ
コミックアライブ連載

バーバ・ヤガー 3 (アライブ) (2012/03/23) きづきあきら＋サトウナンキ 商品詳細を見る

お前を殺せば
俺は
この忌わしい呪いから解放される

『バーバ・ヤガー ３』本文より

『バーバ・ヤガー』完結！
これぞ王道ホラーだ！

ああもう最高。

「呪い」そして「山姥」の謎の提示。
そしてそれらの伏線を回収し真実を示し、
そう示したあとからがまさにこの巻！

怒涛のラストへの着地。
真実が分かった後での本当の恐怖と呪い、そしておぞましいエピローグは見もの。
これをホラーと言わずなんと言う。

ハリウッドのようなホラーじゃない。
メイドインジャパンの王道ホラーをひたすら歩んだ素晴らしいラストでした。

この作者夫婦は相当なホラー好きだろうなぁ。
今まででも好きな作家さんだったけど、もっと好きになった。

うそつきパラドクス ７
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル連載

うそつきパラドクス 7 (ジェッツコミックス) (2011/09/29) サトウナンキ、きづきあきら 他 商品詳細を見る

たぶん今度失敗したら二度とチャンスはない
どうしたって慎重になりますよ

『うそつきパラドクス ７』本文より

『うそつきパラドクス』７巻。

大桑と八日堂の戦いはクライマックスへ。

どちらも栖佑さんを譲りたくない気持ちが激しいな。
しかしどちらにも応えてしまう栖佑さんも…
ああ。彼女がどちらかに決めてしまえばこんなことにはならなかったのに。

大桑にしても八日堂にしても、周りのサポートがあって栖佑さんを取りに行こうとする。
それもあってか、もう鬼気迫る戦いだった。

その戦いの末、まさかあんなことになろうとは。

栖佑さんを共有するだと…
え？これどうなんの？
ってか共有ってなんだよ。

そしてどこにこのマンガたどりつくの…
こんな恋愛のすったもんだの末で精神的にも肉体的にも共有する。
それを長い時間かけて描いてきた結果、これを書きたいがための伏線だったんだな…

うそつきパラドクス ６
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル連載

うそつきパラドクス 6 (ジェッツコミックス) (2011/05/27) サトウナンキ、きづきあきら 他 商品詳細を見る

使える手は全部使いなさい
…「正々堂々」とか「卑怯な手を使いたくない」なんてキレイ事
負けた後じゃただの泣き言よ

『うそつきパラドクス ６』本文より

『うそつきパラドクス』６巻。

どろどろが極まってきた。

栖佑さんによる責任の取り方。
結果的に大桑も八日堂もフラれ、いやいや、でも２人とも、しかも栖佑さんですらこれは諦めてないぞ。
誰かが諦めさえすれば、この泥沼の恋は解決するのに、誰もが過去にすがり続けている。

八日堂と大桑との対決も実に見ものだったけれども、より深みに嵌った八日堂の新たな「代理品」としての恋人との関係もどうなるのか見もの。

もうどう考えてもバッドエンドもいいところのようなラストしか匂ってこない。
でも「その時」がすぐに来るとも思えないから、すごく怖い。

この先の誰も報われない恋はどこへ行くのか。
楽しみです。


やっぱカバー裏のＯ野木さんの話おもしろい。

うそつきパラドクス ５
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル連載

うそつきパラドクス 5 (ジェッツコミックス) (2010/12/24) きづき あきら、サトウ ナンキ 他 商品詳細を見る

ひとりの男がフラれる話。

『うそつきパラドクス ５』帯文より

誰だ！この帯を考えたやつは！
これほど重圧的であり、内容を読んでから驚嘆し納得する帯なんてなかなかお目にかかられるもんじゃない。

『うそつきパラドクス』５巻目。
名古屋のかずくんがフラれるまでの話。

栖祐さんと大桑のすれ違い。それゆえの別れに至るさまが男女の言葉でない感覚の描き方にゾゾゾゾゾときた。
この離れていく距離感。
もう戻らない時間。
なにもかもが着実に別れへと進んでいくさまは読んでいて辛すぎる。

どうにかならなかったのか。
なぜこじれたのか。
理由を探っても意味は無いし、なにをしても手遅れ。
そんな哀しさがあまりに直接的に伝わってくる。

この５巻と、前の４巻によって八日堂との浮気話から男女の心の動きを巡るすれ違いというあまりに繊細な部分を丁寧に描く作品へと昇華されていってるような気がする。
もしかしたら、このマンガはきづきあきらとサトウナンキの代表作になるんじゃないかとすら思えてくる。

セックスなんか興味ない ２
きづきあきら＋サトウナンキ
ＩＫＫＩ連載

セックスなんか興味ない 2 (IKKI COMIX) (2010/09/30) きづきあきらサトウナンキ 商品詳細を見る

大丈夫。
ただセックスしただけだ。ただのセックス。
それ以上でもそれ以下でもない。
何も…

『セックスなんか興味ない ２』本文より

あまりにも強烈なタイトルを引っさげた連作短編集第２弾。

１話完結だけにセックスと引っ掛けながらもたった１話だけで完結し続ける。
これほど様々なテーマで男女の関係を掘り下げていくものを読んでるとさすがに疲れるな。
なんと難しく深いテーマに挑んでいるのだろう。

愛の形は人それぞれ。
そして誰にでも理解できる形ばかりでもないというものだからこそ面白いテーマだと思う。

うそつきパラドクス ４
きづきあきら＋サトウナンキ
ヤングアニマル連載

うそつきパラドクス 4 (ジェッツコミックス) (2010/09/29) きづき あきらサトウ ナンキ 商品詳細を見る

ヘンだ
何回「きらい」って言われても
反対に聞こえる

『うそつきパラドクス ４』本文より

まさかの新展開。
最初の書き下ろしでの３巻直後のたった数ページに出来事にぞくり。

そのあとのまさかまさかの名古屋の大桑の話がはじまったときにはのけぞった。

ば…ばかな。
これから名古屋の大桑との栖佑さんをめぐっての戦いでもはじまるのかと思いきや、大桑と栖佑さんの話だと…

しかもまた栖佑さんの学生時代のかわいい、初々しさがたまらん。
一方で嘘を塗り固めていく大桑の行動も気になる。
その嘘も栖佑さんが東京で作り続けた嘘とも重なるんだよなぁ...


東京サイドだけじゃなく、名古屋サイドでの話までも描かれてしまうと面白さが、主人公３人が一同に会した時になにが起こるのか。
もはや悲劇しか起こりえない予感するよな…


あいも変わらずカバー裏の編集Ｏ野木さんの話が楽しすぎるw