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「空が緑に染まった」 生存者が語るアサド政権の化学兵器の恐怖

化学兵器が着弾した跡が残るサリームさんの自宅があったビルの屋上=シリア・ダマスカス近郊・ドゥーマで2024年12月16日、和田大典撮影
化学兵器が着弾した跡が残るサリームさんの自宅があったビルの屋上=シリア・ダマスカス近郊・ドゥーマで2024年12月16日、和田大典撮影

 薬品のにおいが充満し、倒れた人たちは口から泡を吹いていた。逃げようと思ったが、体がうまく動かない。空は緑色に染まって見えた。気がつくと、病院で横になっていた――。

 8日に崩壊したシリアのアサド政権は13年間におよぶ内戦で、国民に対して繰り返し化学兵器を使用していた。

 首都ダマスカス近郊ドゥーマでも約7年前、塩素ガスが使われ、この街に住むサリームさん(27)も被害を受けた。自身は九死に一生を得たが、一緒にいた母と10代の妹2人を失った。

 「ここに黄色の砲弾が飛んできて、屋根を突き破った」。サリームさんは自宅の屋上で、欠けたコンクリートを指さした。

 化学兵器の攻撃を受けたのは2018年4月7日。当時、反体制派はダマスカス郊外で次々と拠点を失っており、現場周辺はこの地域の「最後の拠点」となっていた。

 周囲では前日から激しい空爆が続き、サリームさんらは自宅から約100メートル離れた地下シェルターに逃げ込んでいた。

 午後7時ごろのことだったと記憶している。

 突然「シュー」という音が聞こえ…

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