勝手に契約、自宅で待ち伏せ暴言 ビッグモーター強引販売の証言
自動車保険の保険金不正請求が問題となっている中古車販売大手ビッグモーターを巡り、中古車売買のトラブルの相談が消費生活センターに多く寄せられている。中古車の購入を強引に迫られたという千葉県に住む男性(30)は「保険金請求以外にも不正が行われているのではないか」と訴えている。
男性は2021年夏ごろ、マイカーを運転中に衝突事故に遭った。過失割合を巡って民事訴訟に発展する可能性があったため、弁護士から事故前後の車の評価額を提出するよう求められた。ビッグモーターの千葉県内の店舗に電話して依頼内容を説明すると前向きな返事があり、さっそく車に乗って店を訪れ、査定をしてもらうことにした。
しかし、店に着くと、男性店員から車の購入が査定の前提になると言われた。男性は車の買い替えも考えており、査定だけしてもらうのも悪いと思い、中古車のリストを見せてもらった。興味を持った車は九州の店舗にあった。男性は「事前に現物を見たい」と伝えたが、店員から「納車した後でないと見られない」と突っぱねられた。
店員はそのまま売買契約の手続きを進めようとしたため、男性は査定してもらうのをあきらめ、一刻も早く店を出たいと思ったという。「車購入のためのローンの仮審査だけなら応じる」と言って書類に必要事項を記入し、店を後にした。
約1時間後、携帯電話が鳴り、ローンの審査会社から、審査が通ったので売買契約に向けた手続きを進めると告げられた。「仮審査だけという話だったのに店員に勝手に本契約まで進められた」。男性はビッグモーターの相談窓口に電話してそう苦情を伝えた。
その日の夕方、男性が車で帰宅すると、対応した店員が待ち構えていた。男性によると、店員は男性が乗る車の窓ガラスに顔を近づけて、…
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