2012.06.15 「ふじみ分水の森」
八ヶ岳山麓の四季 73 

小口隆三 


八ヶ岳山麓も梅雨に入り、雨天、曇天の下で木々の緑色が日々濃くなっています。私が住む富士見町(長野県諏訪郡。人口約15000。)は八ヶ岳連峰の西南麓(標高1000m前後)にあります。大都会に比べて、生き生きとした緑、きれいな空気、美味しい水、少ない騒音等々、街中(まちなか)の自然環境には恵まれている方だと思います。
その富士見町に今年4月、「ふじみ分水の森」(ぶんすいのもり)という、自然の地形を生かした、いわば自然公園的な場所ができました。そこへ行くと街中の自然環境とは一味ちがった「森林の空気」とでもいえるような澄んだ雰囲気が広がっていて、森の生態系の中に自分自身が入り込んだ気分になれます。拙宅から徒歩10分ということもあってたいへん気に入り、ちょっとした森林浴気分にひたりながらゆったりとウオーキングをしています。

「分水の森」整備の基本的コンセプトは、「樹木が成長して森が自然な形に整っていくのを今後数年かけて見守りながら慎重に間伐、遊歩道作りなどの手を入れていく」というものです。いわば時間の経過とともに変わっていく森の姿を大切に見守りながら整備していくのだともいえます。したがって目下は整備途上にあるのですが、トイレ(清潔な水洗式)と駐車場(30台分)の整備は終わっています。
「分水の森」の広さは約5ヘクタールで、外周にぐるりと総延長800mの遊歩道が通っていて、一周約10分間の歩行時間です。また林の中にもいくつかの小道が通っていて、小鳥の囀りを聞きながら静かな散策を楽しめます。遊歩道(小道)には間伐した樹木をチップにして敷き詰めてあるのでクションが利いて歩きやすく、雨が降ってもぬかるみません。勿論車類はまったく入ってきませんから安心して伸び伸びと歩けます。

「分水の森」になっている場所を地元の人たちは「渡辺別荘」と呼んでいました。昔ある人(渡辺家)が多額の相続税のために物納。国有地としてかれこれ50年間ほど放置されていたものを富士見町が国から買い取り、自然公園的な場所にするように整備を進めているのですが、ここに至るまでのさまざまなエピソードはいずれ折に触れて紹介したく思っています。

今後「ふじみ分水の森」に注目して写真に撮りながら、移り変わる森の姿を見守り、報告したいと思います。地味な写真に終始すると思いますが、この「八ヶ岳山麓の四季」に時折登場させることをご了解ください。
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写真(1)
外周遊歩道の一部です。左側の林は今後時間をかけて間伐する予定。


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写真(2)
外周遊歩道の一部。


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写真(3)
林の中の小道。

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写真(4)
間伐後の林に光が射し込んでいます

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写真(5)
林の中の開けた部分です。

写真をクリックすると拡大されます。
撮影年月日:2012年6月3日、4日
撮影場所 :長野県諏訪郡富士見町「ふじみ分水の森」にて
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