2007.11.29
寒空に首都見物の観光客の列
―中共党大会後の北京雑感―
11月末の三連休を利用して北京を訪れた。成田出発が予定より1時間半も遅れ、それについて機内アナウンスで「北京空港が込み合っているため」と説明があった。こうした理由による出発遅延は、中国行きでは初めて体験したことである。
北京空港に着くとひどい霧だった。単純な霧なのかどうか、1000メートルぐらい先になると乳白色にかすんで見えなくなる。「込み合い」の原因はこれだったのではないか。
空港構内に「北京オリンピックまであと260日」の表示があった。2008年8月8日に開幕する「北京奥運」(奥林匹克=オリンピック=運動会の略)までの「倒計時」(カウントダウン)である。これは天安門広場の国家博物館など市内の要所にもあった。
翌々日の朝、天安門広場に出かけた。ここでは、かつて文化大革命期の紅衛兵大集会や毛沢東主席追悼大会のとき、約60万人(東西の通路を含めると100万人)もの人が参集した。1989年には民主化要求の学生が座り込み、6月4日人民解放軍に武力で鎮圧されたところでもある。
広場は東西南北の四周が道路になっており、見物客は東西二箇所に設けられた横断歩道を渡って広場に入る。入口には検問所があり、バッグやポーチの類は中にあるものを出して見せなければならない。
この検問所や国旗掲揚塔の周囲にはカーキ色のオーバー姿の武装警官が2人ずつ詰めている。また、広場内には白地の車体に黒で「公安」と書かれたマイクロバスが駐車し、背中に「警察 POLICE」と白く表示した黒いウィンドブレーカー着用の警察官がパトロールしている。中国で「邪教」とされる気功集団「法輪功」や市民・農民による党・政府批判の動きを厳しく取り締まる態勢だ。
丹藤佳紀 (早大講師)
11月末の三連休を利用して北京を訪れた。成田出発が予定より1時間半も遅れ、それについて機内アナウンスで「北京空港が込み合っているため」と説明があった。こうした理由による出発遅延は、中国行きでは初めて体験したことである。
北京空港に着くとひどい霧だった。単純な霧なのかどうか、1000メートルぐらい先になると乳白色にかすんで見えなくなる。「込み合い」の原因はこれだったのではないか。
空港構内に「北京オリンピックまであと260日」の表示があった。2008年8月8日に開幕する「北京奥運」(奥林匹克=オリンピック=運動会の略)までの「倒計時」(カウントダウン)である。これは天安門広場の国家博物館など市内の要所にもあった。
翌々日の朝、天安門広場に出かけた。ここでは、かつて文化大革命期の紅衛兵大集会や毛沢東主席追悼大会のとき、約60万人(東西の通路を含めると100万人)もの人が参集した。1989年には民主化要求の学生が座り込み、6月4日人民解放軍に武力で鎮圧されたところでもある。
広場は東西南北の四周が道路になっており、見物客は東西二箇所に設けられた横断歩道を渡って広場に入る。入口には検問所があり、バッグやポーチの類は中にあるものを出して見せなければならない。
この検問所や国旗掲揚塔の周囲にはカーキ色のオーバー姿の武装警官が2人ずつ詰めている。また、広場内には白地の車体に黒で「公安」と書かれたマイクロバスが駐車し、背中に「警察 POLICE」と白く表示した黒いウィンドブレーカー着用の警察官がパトロールしている。中国で「邪教」とされる気功集団「法輪功」や市民・農民による党・政府批判の動きを厳しく取り締まる態勢だ。