2009.02.28
まだ「テロとの戦い」にしがみつくNHK東京
朝日はやっと「・・・という言葉も消えた」
オバマ大統領の施政方針演説(2月24日)の朝日新聞とNHKの報道について。
オバマ大統領が就任演説で全く使わなかった「テロとの戦い」という用語。いうまでもなくブッシュ政権がアフガニスタン攻撃からイラク戦争まで、世界に惨劇をもたらした政策と行動を象徴し、同盟国を動員する用語であり、決して一般的な用語ではなかった。ブッシュ政権や日本政府から、そしてメディアから聞かされ、読まされ続けた、忌むべき用語ではなかったか。
オバマ大統領は就任演説で、「War on Terror」という言葉を意識的に使わなかった。グアンタナモ基地の閉鎖とともに、ブッシュ政権との決別を示した極めて重要な点だった。残念だが、日本のメディアは、わたしの知る限り、どこもその点を指摘しなかったが。
26日の朝日新聞。論説でやっと「ブッシュ時代の『テロとの戦い』という言葉も消えた」と書いた。正しくは「就任演説に引き続き・・・」と書いて、オバマ氏の意識を明確に伝えるべきだろう。同紙3面の長文の解説では「消えた『対テロ戦争』」を中見出しにしている。
ところが前夜7時のNHKニュース。トップでオバマ演説を詳しく伝えていた。ワシントン特派員は、アフガニスタンやパキスタンでの、テロに対する「作戦」という用語で、意識的にブッシュ時代と区別し、「対テロ戦争」や「テロとの戦い」という用語を使わなかったのに、東京の記者たちの報道、コメントは「対テロ戦争」とか「テロとの戦い」というブッシュ用語を相変わらず使っていた。どうやら、ワシントン支局と東京本社の意識が違うようだ。NHK東京では依然、いつも政権寄りだった政治部の影響力が強いのだろうか。
(リベラル21-1月23日「ブッシュの悪霊を振り払えぬNHK」参照)
坂井定雄(中東ジャーナリスト)
オバマ大統領の施政方針演説(2月24日)の朝日新聞とNHKの報道について。
オバマ大統領が就任演説で全く使わなかった「テロとの戦い」という用語。いうまでもなくブッシュ政権がアフガニスタン攻撃からイラク戦争まで、世界に惨劇をもたらした政策と行動を象徴し、同盟国を動員する用語であり、決して一般的な用語ではなかった。ブッシュ政権や日本政府から、そしてメディアから聞かされ、読まされ続けた、忌むべき用語ではなかったか。
オバマ大統領は就任演説で、「War on Terror」という言葉を意識的に使わなかった。グアンタナモ基地の閉鎖とともに、ブッシュ政権との決別を示した極めて重要な点だった。残念だが、日本のメディアは、わたしの知る限り、どこもその点を指摘しなかったが。
26日の朝日新聞。論説でやっと「ブッシュ時代の『テロとの戦い』という言葉も消えた」と書いた。正しくは「就任演説に引き続き・・・」と書いて、オバマ氏の意識を明確に伝えるべきだろう。同紙3面の長文の解説では「消えた『対テロ戦争』」を中見出しにしている。
ところが前夜7時のNHKニュース。トップでオバマ演説を詳しく伝えていた。ワシントン特派員は、アフガニスタンやパキスタンでの、テロに対する「作戦」という用語で、意識的にブッシュ時代と区別し、「対テロ戦争」や「テロとの戦い」という用語を使わなかったのに、東京の記者たちの報道、コメントは「対テロ戦争」とか「テロとの戦い」というブッシュ用語を相変わらず使っていた。どうやら、ワシントン支局と東京本社の意識が違うようだ。NHK東京では依然、いつも政権寄りだった政治部の影響力が強いのだろうか。
(リベラル21-1月23日「ブッシュの悪霊を振り払えぬNHK」参照)