2011.11.08 秋の八ヶ岳眺望
八ヶ岳山麓の四季 65

小口隆三 

私は八ヶ岳連峰の南麓(長野県諏訪郡富士見町)に住み、いつも目の前に聳え立つ八ヶ岳の山々を眺めていますが、その全体を遠望する機会は意外に少ないのです。今回霧ヶ峰方面から八ヶ岳の全体を眺める機会があり、いつも見慣れている光景とは異なった新鮮な姿を目にすることができました。
「八ヶ岳」という名前からは八つの山が直線上に並び連なっているように思えて山の名前を八つ上げたくなりますが、全体を遠望したり、地図を見たり、実際に縦走してみると、大小いくつもの山々が非整列に連なっていて、八つにこだわることもないと思えてきます。作家の深田久弥氏も著書「日本百名山」の八ヶ岳の項で、「漠然と多数を現したものと見なせばいいのだろう」と述べています。ついでになりますが深田氏は「日本百名山」の中の霧ヶ峰の項で、車山(霧ヶ峰の最高峰)の頂上からみた八ヶ岳を次のように記しています。「すぐ真向かいに蓼科・八ヶ岳の連峰が手に取るように見えた。殊に夕方、落日を受けた赤岳が、その名の通り赤く映えた姿は、美しさの限りであった。」

写真1
 
《写真(1)》
霧ヶ峰・踊り場湿原(標高1500m)から眺めた八ヶ岳連峰です。この湿原がある一帯は「池のくるみ」とも呼ばれ、稀少な植物の宝庫でもあります。

写真2

《写真(2)》
ビーナスラインから遠望した八ヶ岳連峰です。山麓の広がりも見て取れます。


写真3

《写真(3)》
八ヶ岳連峰の中枢部。右から阿弥陀岳(2805m)、赤岳(2899m)、横岳(2835m)。
横岳の手前の樹木に覆われた山頂は峰ノ松目(2567m)です。


写真4

《写真(4)》
 夕日に照らされて赤く染まりはじめた赤岳(左)と阿弥陀岳(右)です。


写真5

《写真(5)》
中枢部から南方向に約3km離れて位置する権現岳(2715m)です。画面の右端にあるのは編笠山(2524m)です。
≪画像をクリックすると拡大します≫
撮影場所:(1) 霧ヶ峰・踊り場湿原にて
    : (2)(3)(4)(5)
     白樺湖から車山方面へ向かうビーナスラインの道筋にて

撮影年月日:(1)   2011年10月4日
    :(2)(3)(4)(5)  2011年10月18日