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ルシアンは妻に先立たれて一人暮らし。お医者さんだった頃からボランティアや人助けが好きだったが、とうとう不法滞在の外国人を家に住まわせることに決める。
言葉もよく通じない、子沢山のファミリーを予期していた息子(ファブリス・ルッキーニ)と娘(カリン・ヴィアール)は、若くて美しいモルダヴィア人、タチアナとその娘を紹介されてびっくり。
滞在を合法化するため、お父さんと彼女が MAIAGE BLANC(見せかけの結婚)をしたと聞いてさらに唖然とする。

左が問題のお父さん(ミッシェル・オーモン)

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父親は明けても暮れてもタチアナ一色。
アパルトマンは少しずつタチアナの趣味で変えられ、遺産相続人を彼女にしたいと言い出す。
息子と娘はハラハラと見守るばかりだが、父親がヴィアグラ(精力剤)を飲んでいることを知ってもう黙っていられない。

「困ったもんだ」と息子と娘。

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「目を覚ましてくれよ!パパは利用されているだけだ」
「心臓が弱いのに・・・殺されちゃうわよ」と説得しようとするが、父親は耳を傾けない。
「私が最後の恋を生きて、何が悪いのかね?」

Anne Le Ny監督の『Les Invités de mon père/父親のお客さん』のテーマは、自分ならどう反応するだろう?と考えてしまう。

私の義父は、義母に先立たれた後、80歳で初恋の女性と再会した。彼女も夫を亡くして独り身、義父のうちに遊びに来て泊まっていったり、次は義父が彼女のうちに行ってお泊り・・・3人の子供も私も“お父さんの恋”に大賛成。モテるのが自慢の義弟は、80歳まで活躍できると知って、希望を持ったものだ。

この映画のルシアンの場合は、偽装結婚やお金の問題が絡んで、父親を護ろうとする子供たちの言い分も、最後の恋に“命をかけたい”父親の気持ちも理解できてしまう。
「この人が正しい」と言える人がいなくて、タチアナでさえ完全に黒とは言い切れず、人間みんな灰色、なところがリアルだ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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