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猫たちの減量

獣医さんに減量を言い渡された猫たち。まず最初に、5種類のダイエットフード試食が行われ、彼らが選んだのがこの2つ。
Metabolic/メタボリック(代謝)というドライフード。一日50g/一匹
ダイエットキャッツフード
Obesity/オベジティ。ズバリ、肥満、デブという名前のソース入りフード。一日一袋(100g)ずつ。
何が入っているか知らないけど高すぎ:一ヶ月2匹で140ユーロ。早いとこ痩せてもらわないと・・・
ダイエットキャッツフード

これで一日持たせるのはけっこうしんどい。子供たちが「だって鳴くんだもん」とやってしまうので、夜になると一日の配当量が殆ど残っていない。
猫たちはいつもお腹を空かせていて、私たちがご飯を食べていると、テーブルに上がってきてあちこち匂いを嗅いだり、魚を舐めたり・・・猫嫌いのお客さんならひっくり返りそうな光景になる。

海苔まで食べるタマ

タマ

「テーブルの上で待機するしかない・・・」

タマ&リュリュ

人間なら、健康のため、とか美しくなるというモチベーションがあるけど、猫にはないのでかわいそうだ。今まで食べ放題バイキングだったのに理解できない。飼い主を変えようかという相談をしているかもしれない。
あんまりお腹を空かせているので、鶏の胸肉でそぼろを作ってみた。野良猫をやったことのあるリュリュはハグハグと喜んで食べ、タマは匂いを嗅いだだけで立ち去った。

一ヵ月後。「体重を量ってみよう!ママン、抱いて体重計に乗ってよ」と息子が言うので、「じゃ、服を脱がなくちゃ」と言ったらシーンとなった。そうか、引き算すればいいわけね・・・
タマは6,7kgが6,2kgに!500g痩せていた。目標は5kgだからまだ先は長いけどヤッタゼ。
リュリュは逃げ回って捕まらなかったけど、彼は“肥満”までいっていないので、まぁいいか。



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どこかの郊外にある寂れたアパートの一室で、住人たちがエレベーター修理を協議している:〇×さんは7時間、×〇さんは2時間、閉じ込められた、みんなでお金を出し合って修理しよう。多数決をとると中年男ひとりだけ(ソファの左端)手を挙げない。

サミュエル・ベンシェトリ『アスファルト』

理由は「だって僕は2階に住んでるからエレベーターを使ったことがない」 
「君には連帯の協力という観念がないのかね?」
結局、エレベーターは修理するけど、この中年男には使わせないことで意見がまとまった。ある日、この中年男はひょんなことから怪我をし、車椅子で病院から戻ってきた。エレベーターは禁止されているし、さてどうしよう?

このエピソードを皮切りに、アパートに住む住人-80年代にはヒットしたけど売れなくなった女優、母親が帰ってこないで、ひとりで暮らす高校生、息子がムショ暮らしのアルジェリア人オバサン-が描かれる『Asphalte/アスファルト』

サミュエル・ベンシェトリ『アスファルト』

ナンセンスな可笑しさと、孤独を癒そうと近づきあう人々、その温かさ・・・
特に、練習中に不時着した宇宙飛行士と、彼を泊めるアルジェリア人オバサンの“カップル”が可笑しくてかわいい。

サミュエル・ベンシェトリ『アスファルト』

売れなくなった女優(イザベル・ユペール)と孤独を癒しあう高校生(ジュール・ベンシェトリ)は、この作品の監督、サミュエル・ベンシェトリの息子。
サミュエル・ベンシェトリ『アスファルト』
photos:allociné

母親は女優のマリー・トランティニァン。ジャン=ルイ・トランティニァン(クロード・ルルーシュの『男と女』、最近の主演作は『愛、アムール』)の娘で、ベンシェトリと別れた後、一緒に暮していたロック歌手ベルトラン・カンタに殴打され、脳浮腫で2003年に死亡している。
ジュールは中性的な美青年で、これが初めての”大役”だけどカメラに向かって全く物怖じしない。カエルの子はカエルだ。
寡作ではあるけど、すごく笑えて、人間の温かさが残る作品。

『Asphalte』
サミュエル・ベンシェトリ監督
主演:イザベル・ユペール、ギュスターフ・ケルヴァーン、ジュール・ベンシェトリ、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
1時間40分
2016年9月3日より日本公開
公式サイトはこちら



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批評が良く、好きなカトリーヌ・フロ主演、観ないわけにはいかない『Marguerite/マルグリット』。

マルグリット・デュモンは富豪の奥様。彼女の情熱はオペラで、毎日歌の練習に励み、友人を集めては披露する。

映画『Marguerite/マルグリット』

実は彼女、すごい音痴。聴衆は笑いをかみ殺すのにひと苦労だが、みんな偽善的で、拍手喝采を送る。彼女の夫も、マルグリットの歌を恥と思っていたが、それはオクビにも出さない。
でも、うちで“コンサート”があるときは、車の故障を理由にいつも終わった頃に着く。

映画『Marguerite/マルグリット』

誰も本当のことを言わないので、マルグリットは自分は歌が上手い、という幻想の中で生きていた。
ある日、彼女がオペラ座で公演すると言い出したので、夫や近親はギョッとする。あの音痴を公衆の前で披露するのはデュモン家の恥だ・・・

“オペラ座公演”の準備に、売れなくなったオペラ歌手が、個人教授になる。

映画『Marguerite/マルグリット』
photos:allociné

この映画は、封切り一ヶ月で観客動員数83万人のヒット、今、パリのメトロには『素晴らしい悲喜劇、カトリーヌ・フロ最高!可笑しくて感動的・・・』など、メディアの批評のパッチワークが書かれたポスターが貼ってある。

確かにカトリーヌ・フロの音痴歌は笑えるけど・・・なぜマルグリットがオペラの練習に熱中したか?を考えるとこの作品は悲劇だ。
素晴らしいオペラ歌手になって、自分に無関心な夫を振り向かせたかったから。ところが夫は妻のメッセージに気づかず-または見ないふりをして-仕事に逃げ、愛人宅に通う。妻はどんどん幻想の世界に埋没していく。
そして、ずっと幻想の中で生きてきた人に現実を突きつけるとどうなるか?

この作品で一番強いテーマは、マルグリットの哀しい心理とその行き着くところ、だと思うけど、それは掘り下げられず、音痴が毎日猛練習するとどうなるか?に大半が割かれていた。
カトリーヌ・フロ(『大統領の料理人』・・・)は上手い女優なのに残念。
監督は『ある日突然、スーパースター』(2012)のグザヴィエ・ジャノリ。日本では公開されなかった『A l’origine/初めは』(2009年)は、虚構の世界に住む詐欺師の話だ。

Marguerite
グザヴィエ・ジャノリ監督作品
主演:カトリーヌ・フロ、アンドレ・マルコン
2時間7分、フランスで上映中

追伸:10月21日夜10時、NHK BS『二度目のパリ』にフレンチ・コードとともに(ちょこっと)登場します。事前に観ていないのでどんな風に撮られたか不安ではありますが、お時間があれば!

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海水浴が目的でなければ、コート・ダジュールは内陸のホテルのほうがいい、と発見。海辺のホテルは部屋が狭く、機能的なだけで魅力に乏しく高い、ことが多い。
最後の日。そういうわけでニースのホテルは避け、ニース空港に近いカーニュ・シュル・メールに泊ることにした。まだ行ったことないし、と楽しみに、細い山道を(ミニバスで!)登っていくと、なんか見覚えが・・・前の夏に夫と娘と汗だくになって歩き回った村だった。自分で予約しておきながら、方向音痴だとこういうことになる。

Haut de Cagne/カーニュ高台というその村は人口650人。丘の上から下の町まで小型バスが巡回していて、買い物に行く住民や旅行者が利用している。下りはジェットコースターのようで、思わず2周してしまった。

歩行者用の道もこんな坂。住民はいい運動になるだろう。果たしてバスに乗ってきた住民は太った人が多かった。

カーニュ・シュル・メール

お城の広場にあるホテル・グリマルディは部屋が5室の小さなホテル兼レストラン。予約のとき「じゃ、ホテル全部予約」と言ったら「じゃ、おまけしよう」と30%以上オフにしてくれた。

カーニュのお城。旗のせいでディズニーランドみたいだけど、中世のお城。

カーニュのシャトー

屋根裏は大きなスイート(こんな部屋に住みたい!)、これが120ユーロ。

カーニュ、ホテル・グリマルディ

カーニュ、ホテル・グリマルディ

暮れ行く日を眺めながら、みんなでビールを飲んだ。

カーニュ夜景

カーニュ夜景

ホテルのレストランで晩ごはん。ご主人お薦めの、生ハムやモッツァレラ、赤ピーマンのマリネ、フォアグラまでのったオードブル。

オードブル

シャトー・エザの“エノキダケと酢豚”、国道沿いのお客のいないレストランで食べたクスクス、シャンパーニュの村の食堂で食べた田舎料理(日本人が大勢で来た、という噂が村を駆け巡ったとか)・・・みんなでワイワイ食べたご飯、命がけ(初日だけ)のドライブ、話が尽きずあっと言う間に過ぎていった時間は、かけがえのない思い出になった。
友人のひとりが「クラスメートが本当の友達になった」。ほんと、その通り。

世界で一番長いクラス会も、それぞれおうちに帰る時間が近づいた。翌朝、ニースからパリへ、数時間後にはロワシーへ(その数時間に男性3人の買い物につき合い、“ばら撒き用おみやげ”のダイナミックな買い方にびっくり)。
みんなと別れるとき、両頬にキスする習慣が日本にないのを残念に思った。ギョッとされそうでしなかったけど、触れ合うことで伝えたい感情がある・・・
友達を乗せたタクシーが遠ざかるのを見送りながら、私はブルーになった。


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私たちの旅は、ミニバスで怖い思いをしては、ご飯を食べているようにみえるけど(実際それに近いけど)美術館にも行った。
私の好きなアンティーブのピカソ美術館をみんなに見せ(この美術館は中身より景色のほうが素晴らしいかも)、

アンティーブ、ピカソ美術館

ニースのシャガール美術館にたどり着いたら、工事のため閉っていた!
広大な庭園に囲まれたマチス美術館にも行った。

ニース、マチス美術館

ニース、マチス美術館

晩ごはんを食べているとき、友人のひとりが「あなたが電車で回ったらって言った訳がわかったわ」

カンヌ-アンティーブ-カーニュ・シュル・メール-ニース-エズ-モナコ-マントン、そしてイタリアのヴェンティミーリアまで海岸線を走る電車を、私は勝手に“海岸電車”と名づけている。いろんな町を周るのに便利で、眺めもいい。運転ができない私は選択の余地がないんだけど。
それを提案したとき、誰からも反応がなかったので却下されたものと見なしていたら・・・今頃言われても遅いのよ。それに今回は、ペイヨンやヴァンスの内陸にも行ったので車があってよかった。

ヴァンスはこじんまり美しく、裕福そうな町。ブルジョア夫婦が子供なしで静かに休暇を過ごすのに選びそうだ。
市場にはパリと変わらない値段の野菜や魚が並んでいる。手前の黄色いきゅうりに見えるのはズッキーニ。

ヴァンス市場

スパイス屋。手前は全部コショウ:世界一美味しいといわれるサラワク(マレーシア)の黒コショウ、マダガスカル、タスマニア(オーストラリア)、四川省のコショウ・・・

ヴァンス市場

手前は塩のバリエーション
ヴァンス市場


朝は10度を割り、暖房をつけ出した今、9月のコート・ダジュールの光が遠く感じられる。日に日に褪せてくる日焼けのようだ。

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お城の客人たち

シャトー・エザのドレスコードは「男性はジャケットを着用のこと。ジーンズ、ショーツ、Tシャツ、テニスシューズの方はお断りする」。
近くのテーブルには、白雪姫のようなドレスの母、父はポロシャツ、5-6歳の女の子はバーバリーチェックのワンピースという中国人親子、その向こうにはワンピースの日本人女性が4人。お客の8割は東洋人だ。

そこへ、南米らしき3人組が入ってきた。男性はロゴの入ったTシャツにショーツにテニスシューズ、女性2人もTシャツだ。
ここに来る前に、シックな黒いショートパンツ姿だった友人に「やめたほうが安全じゃない」と言って着替えてもらったというのに、あれはなんだ !?
レストランは7割くらいしか埋まっていないし、背に腹は代えられない、ということ?

私たちのすぐ隣のテーブルには、女性は20代、男性は30代半ばの日本人カップルが座っていた。
形はカップルなんだけど、聞こえてくる会話がひどく他人行儀。まるで初対面のようだ。
「お見合い?」
「まさかお見合いでエズまで来ないよ」
「大学の先生と学生?」
「ありうる・・・」
とひそひそと憶測する私たち。
その時、旅の掲示板で時々ある「現地で一緒に食事をする人を探しています」を思い出した。男性が先に立って帰ったとき、それは確信になった。ひとり旅の男性と女性が掲示板で約束して、このレストランで落ち合ったのであろう。格式のあるレストランはひとりでは入りにくいから、いいシステムだ。お見合いでも不倫でもなかったわけ。

さて、最後に「チップ、いくら置く?」
なにしろアペリティフ係、水係、メニュー係、ソムリエ、お皿を運んでくるのは3人いたし・・・50ユーロもおけば気前がいいんだろうけど、ワインで暴利を貪ってるしね、と35ユーロ置いたら、にっこりされた。


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私たちを乗せたミニバスは細い山道をエズに向かって登る。ドライバーが左ハンドル&マニュアルに慣れたせいか、私が崖側に座っていなかったせいか、お祈りなど必要なく景色を眺めた。

ライバルレストラン、シェーヴル・ドールの前を通り過ぎ、「この当たりのはず・・・」と見回すと、シャトー・エザの車係が現れた。
「ここからは徒歩で行ってください。車は僕が預かります」
洞窟のような入り口を入ると、空と地中海とヨットの絵のような光景が広がった。

シャトー・エザ眺め

ここで、誰が景色が見える側に座るかで揉めそうだが、女性が「運転する男性3人を景色側に座らせてあげよう」と寛大さを見せ、男性側は「いやいや、君たちこそ眺めのいい側に・・・」などと遠慮せず、あっさり席が決まった。

席に着くとまずアペリティフ係がやってきた。運転する人がいるからいい、というと次に“水係”がやってきた。
水を決めると、次にメニューを持った女性がやってきて、「Menu du Château/城のメニュー(52ユーロ)とMenu du Prince/王子のメニュー(62ユーロ)があるけど、自分は心からプリンスをお奨めする」
王子のほうがお城より高いんだ。みんな同じものを頼まなくてはいけないので「では全員王子様!」
次にソムリエがやってきた。ワインリストを開いて「あっ?!」
掛け率がすごく高い。手頃な値段のメニューで釣って、ワインで稼ごうというテね。

通常レストランでは、卸値10ユーロのワインは約3~4倍になる。でも、ワインの値段が高くなるほど掛け率は低くなるから、卸値100ユーロのワインはレストランでは2~2、5倍になるはず。ここでは高いワインも掛け率が5くらいの感じ。いやはや・・・
崖から落ちず生き延びたことを祝って、高級シャンパンDeutzを1本取って、最後まで持たせることにした。190ユーロ!でも7で割れば「ま、いいか」という値段にる。

さて突き出し:ヒヨコマメのムースにドライ生ハム

シャトー・エザ”プリンス・メニュー”

ゴルゴンゾラのチーズケーキ、牛肉のタルタルに春のキノコのマリネ
名前は長いけど、カルパッチョで巻いたタルタルはほんの2口。“春のキノコ”はシメジとエノキだった。

シャトー・エザ”プリンス・メニュー”

子牛の胸肉の煮込み、揚げパニス(ヒヨコマメのガレット)、トマトのキャラメルソース
「この味、何かに似てる」「確かに・・・何だろう?」正解は酢豚でした!

シャトー・エザ”プリンス・メニュー”

スズキのグリル、ルコラのピストゥー、サフラン風味のリゾット
Bar/スズキはフランスでも高級魚。美味しかった。

シャトー・エザ”プリンス・メニュー”

デザート:チョコレートケーキ、ブルーベリーとトンカマメ、ブルーベリーのソルベ・・・なぜか写真がなくてごめんなさい。

コーヒーと一緒に現れたお砂糖の串刺しアート!大きさも微妙に違う。
・・・よく考えると、下のを取りたい人は、上を外して取るわけだから、あまり清潔じゃない。

シャトー・エザ”プリンス・メニュー”


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5品62ユーロ VS 3品78ユーロ

2週間前、溢れるような光が紺碧の海に反射していたコート・ダジュール。この週末の大豪雨を誰が予想しただろう?気象史上の記録にないとか。多くの家屋が浸水、崩壊し、車は泥水に浮き、木は根こそぎ倒れ、死者は20人に上った。

カンヌ、豪雨

シャンパーニュの竜巻といい、これほど地球を怒らせることを人間はした(し続けている)に違いない。子供や孫の、その先の世代のことを考えなくでは・・・

さて私たちの『世界一長いクラス会』はエズに向かう。「エズの絶景レストランでお昼が食べたい」というクラスメートのリクエストで、シャトー・エザ/Château EZAに電話したのは7月初め。

エズ レストラン、シャトー・エザ

7人だと言うと、「7人からはお任せメニューになります」と電話の女性。
「自分の好きなものを選べるのがレストランじゃありませんか?」と私。
「サービスを速やかにするためです」
こっちは休みを取っていくんだから時間はある。速やかじゃなくても好きなものが食べたい。
その上、「ご予約のためにすぐにカード番号をメールで送ってください」
メールでカード番号なんて送れるか。
その上、「当日キャンセルの場合は、総額の50%をキャンセル料としていただきます」
このレストランのMenu Prince/王子様メニュー(!)が5品で62ユーロx7=434÷2=217ユーロが落とされるということ。電話の女性の口調も横柄だし、私はムッとして電話を切る。

そしてライバルレストラン、ラ・シェーヴル・ドール/La Chèvre d’orを当たることにする。

エズ レストラン、シェーヴル・ドール

『金の羊』という名前のライバルは、標高ではシャトー・エザより少し低い。のに値段は高い:3品で78ユーロ。
お任せメニュー、すぐにカード番号、直前キャンセルは1人100ユーロ・・・どうせ申し合わせているだろうと思ったけど、果たして同じような条件。見かけもご覧のように似たり寄ったりだ。
しかしメニューが78ユーロでキャンセル料が100ユーロ! どういう計算でこの数字が出てくるのかわからん。
この2つの電話にムラムラした私は、しばらく予約せず放っておいた。

日にちが近づくに連れて、日本からみんな来るんだからちゃんと予約しなくちゃ、と。でもどっちにしよう?全責任を負うのは躊躇われ、参加する友達の多数決にしたら、5品62ユーロが勝った。
そこでChâteau EZAに電話すると、前より感じい応対で、キャンセルついては「当日の直前でも電話してくれればキャンセル料はない」
カード番号は「もちろん電話でけっこうです」
「実は、シェーヴル・ドールとどっちにしようか迷ってるんですけど」と言うと、こっちのほうが眺めはずっといい、料理も美味しい・・・まあ、誰だって同じことを言うだろう。アホな質問であった。でもコストパーフォーマンス(食べてみないとわからないけど)と感じの良さと評価し、予約決定。(続く)


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ニースを一望できる場所といえば、Colline du Château/城の丘。
下から見ると、
ニース絶景

2年前の夏、娘とふーふー言いながら登り、足をガクガクさせながら降りたら、すぐ横にエレベーターがあった、という話をしたら、当然、みんなエレベーターを選んだ。
しかし。エレベーターを待つトンネル内はサウナ状態。クラスメートの中にはシャツの下にヒートテックを来ている人もいて汗だくだ(8月にエレベーターを使わなかったのは正解だった。)
頂上に着いてから、木陰がたくさんあるので、「脱いじゃえば」とみんなが言うのに、頑なに汗をかいていた。

上からの眺め

ニース絶景

・・・大学時代の友達とこんな風に旅ができるなんて、思っていなかった。それぞれ違った道を歩いてきて、その道のりの成熟は感じるけど、当時の印象やキャラはそんなに変わっていない。髪に白いものが混じり、目じりのシワは増えているけど、ばったり会えば絶対わかる。夫は40何年ぶりの大学のクラス会に出て、当時好きだった女子が「今日は来てないね」と言ったら、目の前にいたそうだ。その後、会の間中、口をきいてくれなかった、と言っていた。

さて、私たちはニースを後に、ペイヨンという鷹ノ巣村に向かった、のはいいけど、くねくねした細い山道、左ハンドルに慣れていないドライバーは右に寄りがちで、右は崖だ。上からは地元の車がかなりのスピードで降りてくる。崖側に座っていた私は、「寄りすぎ!」「落ちる!」と叫びっぱなし。少し静かにしろと怒られても、怖さは変わらないんで、とっさに声が出る。
それが間もなく祈りに変わった。家族に「私にもしものことがあったら、みんな仲良く元気で暮らすのよ」とSMSを送ろうかと・・・ところが、奇跡的に無事に、私たちはホテルにたどり着いた。
ペイヨンは人口1500人に満たない山の上の村。

ペイヨン

石畳の上り坂の両側には12世紀に遡る石造りの家が並んでいる。
1500人がどこで何をしているのか知らないけど、ひっそり静まり返っている。

ペイヨンの村

鷹ノ巣村によくあるお土産物屋もレストランもなく、こうして昔の姿を保っているのは画期的。
そして神秘的・・・

ペイヨンの夜景

命がけで来た甲斐があった。

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パリから1時間足らずでこの光、この海の色・・・飛行機の窓から見える地中海を、私は魔法にかかった気持ちで眺めた。初めて9月に来るニース、渋滞がないせいか空気が澄んでいて、空も海も夏より美しい、気がする。

ニース眺め

どうして9月にコート・ダジュールに来れたかというと、これが長い話。
大学のクラス会をフランスでする?という話が出たのは2年前に帰ったときのこと。
「だって仏文じゃない!」
言いだしっぺの私も実現するか半信半疑。最初は手を挙げる人が2-3人で、やっぱり・・・ここまで来ないよね。

ところが少しずつ参加者が出始め、夥しいメールが行きかい、合計12人がフランスにやってきた。私たちの学年の殆どが今年還暦になる、記念すべき年の「世界で一番長いクラス会」だ。

さてニース。まず予約したレンタカーを取りに行く。運転する男子が日本で借りてくれたのは、車じゃなくてミニバスだった。
左ハンドルで、マニュアルで(フランスの車は殆どがマニュアル)、こんな大きいモノ、運転できるんだろうか?(それが非常に大胆で危険な思いつきであったことがわかるのはもう少し後のこと。)とりあえずマックスに保険をかけることにした。一日30ユーロ。

私たち7人(そう、南仏まで来たのは12人中7人)はミニバスに乗り込み、スーツケースを積み、旧市街に行こう!ところがレンタカーのGPSは(当然)日本語がないから通訳つき。Iphoneで日本語のカーナビを見ている友達は、時々仏版と違うことを言う。
地元なんだから仏版のほうが正しいはず、いや日本版のほうが正確そうだ(そうかも)、どっちも違う、遠ざかってる気がする・・・車の中は喧々諤々で、ドライバーは何を信じたらいいのか混乱し、その上、マニュアルに慣れないのでしばしばエンストし。
それでもなんとか駐車場を見つけ、地上に出たら、花市場が終わったばかりの旧市街の真ん中だった。ばっちりじゃない。

すでに14時すぎ、とにかくお昼を食べよう、とカフェに入る。私はトイレでストッキングとボディを脱いだ。
ニースといえばサラド・ニソワーズ。
このカフェのは、ツナ缶でなくグリルしたマグロで、”焼き加減”まで聞いてきた。

サラダ・ニソワーズ

旧市街で出会った猫。写真に慣れている雰囲気

ニースの猫

ナニ、2枚も撮るの?

ニースの猫2

こうしてコート・ダジュール珍道中が始まった。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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