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セシリアの告白

ELLE

離婚する、という噂が飛び交って2週間。大統領官邸のスポークスマンは「マスコミの(くだらない)噂にいちいち答えていられない」と一切コメントしなかったけど、やっぱり噂ではなかった。
18日(木曜日)に公にされた「協議離婚成立」はニュースのトップになり、国鉄が気合を入れていた大規模ストがかすんじゃったほど。
「現職大統領の離婚は初めて」だけれど、ミッテランが当選したとき、愛人との子供マザリンは既に生まれていたし、シラクも日本に愛人がいた。つまり建前で夫婦をやっていたわけだ。

離婚がこれだけ騒がれるのは、サルコジが非常にメディアティックな大統領で、セシリアがジャッキー・ケネディに比較される素敵なファーストレディだったから。さらに、大統領選の前に「よりを戻した」2人が仲良く寄り添い見詰め合う写真があちこちに載ったので、「あれは選挙のため?」「大統領就任式のレッドカーペットを一緒に歩くためだったの?」。愛人を追いかけてNYに行ってしまったセシリアを呼び戻すために「相当額のお金が積まれた」という説もあるくらい。

正式離婚を先駆けで記事にしたのはNouvel Ovservateurだけど、突然、週刊誌の表紙はこぞってセシリアになり、土曜日にはELLEが発売を2日間繰り上げて、離婚した胸の内を語るセシリアの独占インタビューを載せた(買ってしまった!)。
つまりかなり前からわかっていたってこと。ELLEのインタビューは「偽らずに、私の人生を生きたい」というタイトル、「20年間、サルコジを陰で支え続けたけど、ファーストレディのプレッシャーは自分には重すぎた。普通の生活がしたい」という、セシリアファンの女性が望むような「離婚の理由」が語られている。一方、口の悪い噂は「セシリアはもっと金持ちの相手を見つけたから離婚を決めた」。まさにジャッキー・ケネディの再来。噂はまだまだ続きそう、ウフフ・・・
Boucheron

ヴァンドーム広場のブシュロンで、新作発表というのがあった。普段、敷居の高い高級ジュエリー店に入れて、その上シャンパンも飲めるとあって、店内はにぎやか。いつもはお客を入れない階上のプライベートサロンに、Haute Joaillerie、つまりジュエリーのオート・クチュールが展示されていた。 今年のテーマは花。中でもBotannと題された、ネックレス、イヤリング、リングは作るのに1800時間かかったという大作、一日10時間作業したとして6ヶ月!
次のカンヌで女優の誰かがつけるんだろうか?ところで、Botannは日本語の牡丹なのだった。最近ではマッチャ、シソ、ダイコンなども日本語のまま使われることが多くなったけど、花の名前まで!と鼻が高い。
背の高いグラス(つまり量が多い)に注がれる冷えたシャンパンを飲み、手の届かないジュエリーを眺める、ひと時の現実逃避!
ところで、招待状には「Franz Westのヴェルニサージュにご招待、その機会にプライベートサロンで新作を・・・」と書いてある。Franz Westとは、ウィーン出身のコンテンポラリーアーティスト、目下ヴァンドーム広場に、わけのわからないオブジェを展示している。ポンピドーセンター広場に置けばまだしっくりきたかもしれないけど、この広場には全然似合わない。あと1ヶ月もすると、巨大なクリスマスツリーが広場を飾り、大人もサンタクロースを夢見る季節が来る。
ren-2005-2.jpg

新しいクラスや先生に慣れて、ダレてくる頃だ。フランスの義務教育の中で大きく変わるのは、小学校から中学校。パリの中学校では“自分の教室”というのがなく、フランス語(つまり国語)の教室、歴史の教室、と生徒たちは渡り歩く。授業が終わると次の教室めがけて脱兎のように走るそうだ。入りたての頃は、どこへ行ったらいいのかわからずオロオロする生徒もいる。自分の教室がないと、持ち歩く教科書やノートが多くなり、かばんの重さは毎年文部省で問題になる。体重の10%が許容量だそうだ。学年の進み方は日本と逆で、6eme(日本の中一)、5eme、4eme・・・学年が上がるにつれて数字は若くなる。娘の中学は、1学年5クラス、各クラス30人弱、中学は4年だから、計約600人。カンティーヌ(学食)は高校生も一緒なので、1200人収容の大食堂でお昼を食べる。チョイスできるセルフサービスで、11時半から1時半まで空いている。「今日は何食べたの?」と聞くと「アントレはパスして、メインは鶏のカレーソースとニンジン、すごく美味しくて、友達が残したのまで食べた」などと報告する。回教徒で豚肉を食べない生徒もいるので、必ず選択肢がある。給食費の請求書に「奨学生、およびラマダン(回教徒の断食)をやる方は申し出てください」と書かれていた。ラマダン割引があるってことだ。育ち盛りは免除されるんじゃなかったっけ?
プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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