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ニュースではレディ・ガガやセリーヌ・ディオンのインパクトを挙げていた。
確かにステージで歌うのは4年ぶりのセリーヌ・ディオンの熱唱はファンでなくても感動した。
けど何より、このショーの演出を手掛けたトマ・ジョリの才能に大拍手。

パリ2024 開会式 トマ・ジョリー
©Linternaute.com

セーヌ川はパリを横切るだけでなく、何十世紀という時間を横切ってきたことを思い出させる演出。旧と新。伝統と斬新。
コンシェルジュリー、パリ造幣局(ここでメダルが造られる)、オルセー美術館・・・・の河岸モニュメントを見せて観光ガイド。
ポン・ヌフでは開会式に協賛したLVMHがちゃっかりルイ・ヴィトンの宣伝。
目を上げれば、ヴィデオゲーム『アサシン クリード』の人物が聖火を持って屋根から屋根に飛び移る。
顔は覆面で見えない。一体誰?…実はこの役を演じるのは12人。屋根を飛び移るのはパルクールのプロ、シモン・ノゲラ

パリ2024 開会式 聖火
©Midi Libre

昔と今が、この舞台では違和感なく溶け合う。
音楽も然り。トラップ歌手アヤ・ナカムラの伴奏をするのは 、1802年に生まれたフランス共和国親衛隊。
いかめしいオジサンが音楽に合わせて腰を振る。

パリ2024 開会式
©Actu.fr

河岸では100人近いダンサーたちがストリートダンス。その連続的な動きは遠目で見ると、うねる波のようだ。

パリ2024 開会式

屋根ではオペラの若いダンサーたち。落ちないように鎖でつながれている。

パリ
©France Bleu

トマ・ジョリーがこだわるテーマのひとつが「inclusif=包括的=あらゆる差別を排除する」。
橋の上では、LGBT、ドラッグクィーンが、パリコレに見立てたショーを繰り広げる。

そしてギリシャを皮切りに船で選手団の“行進”。夫は「これだけの船をどこから持ってきた!」
知らない国もけっこうあって・・・そういえば、昔から地理には弱かった。
天気予報では「夕立」みたいなことを言っていたけど、雨脚は強くなるばかり。
みんな笑顔で国旗を振っているけど、カメラが近づくと服はずぶぬれだ。

最後に舞台はエッフェル塔の前に移る。

パリ2024 開会式

聖火の最終ランナーは、国営放送FRANCE2のアナウンサーさえ知らされていない。
『アサシン クリード』が最初に聖火を託すのはジネディン・ジダン。

パリ2024 開会式 聖火
©Le Monde

そこから聖火台に火をともすまで、聖火はラファエル・ナダル、アメリ・モレスモ、そしてオリンピック&パラリンピックのメダル受賞者と、多くの選手の手に渡る。まるで「候補に挙がった人たちを全部出すことにした」というみたいに。

ロンドン五輪の閉会式も好きだったけど、もう一度観たい(全部じゃなくて)と思う開会式は初めてだ。
国民議会解散&総選挙で分断が深まっていたフランスが、これで少しは団結するか?


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聖火とネズミ

ラジオや政府広報では「100年ぶりのスポーツの祭典」「成功させよう!」と宣伝しているけど、地元では盛り上がらないオリンピック『PARIS 2024』。あちこちの道が通行止めになり(理由がよくわからん)、渋滞がひどく、物価は上がり、旅行者より警官の数の方が多い。
スポーツ相ウデア=カステラに続いて、パリ市長イダルゴが(重装備で)セーヌ川に飛び込み、「気持ちいい!」「ついにセーヌで泳げるなんて幸せ!」

パリのイダルゴ市長、セーヌ川
©mediapart

いろんなものが浮いているよどんだ水が「『気持ちいい』?よく言うよ」とみんなしらけた。

でも聖火にはけっこうときめく。アテネから船に乗り、マルセイユに着き、一万人以上の走者に次々と引き継がれ、フランス中を、海外領土まで駆け巡る。この“人の鎖”に感動してしまう…のはわたしだけではないらしく、ニュースで「それは民衆のものだからではないでしょうか」と言っていた。観戦のチケットは高くて手が届かない人が多いけど、聖火の移動は誰でも観れる。

7月14日、その聖火がすぐそばを通ったのに、見逃してしまったのはネズミのせいだ。
朝、リュリュが冷蔵庫の前を動かない。理由はひとつ、ネズミを見張っているのだ。「そこを動くんじゃないよ」と言いかけると、冷蔵庫脇の籠から、ネズミが頭を出した。その小さい顔があんまり可愛いので思わず見とれるが、あっという間にリュリュが飛びかかり、ネズミは逃げた。逃がすな!

この日、聖火はパリ祭のパレードに参加し、グランパレ、ノートルダム、2015年、同時テロがあったバタクラン劇場、バスティーユ広場を通り、パリ市庁舎広場に着く予定、なのにネズミの行方を追うのに忙しく(寝室に入ったら大変!)見逃してしまった。

聖火の走者たちは、過去のメダリストや有名人もいるけど、パリの人気ゴミ収集人、2015年の同時テロでお客たちを救ったスーパーの店員さん、毎日走っているという90歳のオジイサンなど様々な顔ぶれ。
開会式に入場する最終走者はまだ公表されていない。候補はジネディーヌ・ジダン、俳優のオマール・シィ、エムバペ、陸上短距離の金メダリスト、マリー=ジョセ・ぺレク。

マリー=ジョゼ・ペレク 

このペレクさん、という予想が高い。


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「同じ建物にいたミッシェルという娼婦のことを覚えていますか?」
ドキュメンタリー作家だという女性から電話がかかってきた。
彼女は、マレの娼婦の“生き残り”だったミッシェルのことを調べていて、通りのバーのオヤジから「あの夫婦が知っているはず」と言われたそうだ。
覚えている、と答えたら週末にうちにやってきた。

わたしたちがこのアパルトマンに越してきた96年、そのミッシェルは 60歳ぐらい、ブロンドに染めた髪、ミニスカートに網タイツという、ひと目でわかる姿で門の前に立っていた。
建物の一室が“仕事場”で、郊外から毎朝出勤して、夕方5時か6時に帰って行く。
すれ違えば言葉を交わすようになる。子供が好きで、6歳だった息子にも話しかけた。
「あの人だれ?」と聞くので「管理人よ」と言っておいた。

仕事場はうちの前の階段を上がったところのスチュディオ。翌年の3月、娘を出産して産休でうちにいたとき、見るともなく(?)見ていると、日に何回かお客と前の階段を上がっていく。へぇけっこう繁盛しているじゃない。
ある日、夫が一緒に階段を上っていくではないか!
唖然としていると「パパ、パパ!」と息子がその後を追いかける。
真相は、ミッシェルが“定年退職”を考えはじめ、スチュディオを売りに出すことにしたのだ。
それを聞いた夫が見学に行ったというわけ。

ミッシェルは、界隈の殆どの住人と顔見知り。警官とも仲良しみたいでびっくりしたが、それは同じ道にあったアートギャラリーが、地下で売春斡旋をしていたのをミッシェルが警察に垂れ込んだから。その代わり、ミッシェルの違法行為に目をつぶっていたのだ。
「きれいな人でしたか?」とドキュメンタリー作家。
「いいえ、あまり」とわたし。
「いや、全然」と夫はバッサリ。
「引退後はお年寄りの面倒を見る、と言っていました」
「アラ、まぁ!」とドキュメンタリー作家。
「方法は違っても、人の役に立つのが好きだったんじゃないですか?」と言うと、彼女は、
「そういう言い方もできますね」とゲラゲラ笑った。
ミッシェルが引退してから、彼女の職業を知った息子は「ウソつき!」と怒った。
「そうじもしないし、手紙も届けてくれないからヘンだと思った」

追伸:文芸春秋8月号の「昭和100年の100人」に、伯母、長谷川町子の思い出を書いています。
「この人も昭和の人だったの?」(もっと昔かと思った)という人もいて面白いです。

文芸春秋「昭和100年の100人」


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極右RNは単独過半数を取らないどころか、3位に落ちた。
既に首相になったつもりだったジョルダン・バルデラは(がっかりすると垂れ目になるらしい)
「これはマクロンらの陰謀だ。自分たちは被害者だ」

ジョルダン・バルデラ
photo: France Bleu

RNは被害者面するのが得意だ。裁判沙汰になる度に支持を増やすトランプに似ている。

RNの失墜の理由は、第一次投票と決選投票間の1週間に、移民が殴られる、移民が働く店に差別的落書き、ポスターを貼っていた与党議員のチームが20人以上の男に襲われ、一人があごの骨を折られる、RN議員が恐ろしい差別発言をする・・・・などニュースになるだけで50件に上ったこと。
見かけは「脱悪魔化」してふつうの右派政党に装っているけど、中身は父ルペン時代と変わっていない、ということだ。
そして「二重国籍を持つものは、役所、公営企業、公共サービスの職務につけないことにする」という公約が大きく足を引っ張った。果たしてフランスに二重国籍の人がどのくらいいるのか?・・・・その調査は長年していないそうで、2008-2009の調査で19歳から50歳の二重国籍は330万人だそうだ。

非常に影響力ありそうなキリアン・エムバペが選挙前に、
「極右&極左が権力の入り口にいる。だから特に若い世代に、必ず投票に行ってほしい。この国の未来がかかっているからだ。文化と人種の混在、それを認める寛容さ、というフランスの価値を護らなければいけない」という主旨のメッセージを発信した。
これに対してマリーヌ・ルペンは「フランス人は教訓を与えられたり、誰に投票しろと指示されるのにウンザリしている」と間接的に切り返し、でも「エムバペは非常に優れたサッカー選手である」と付け加えた。
ムバッペを敵に回さないほうがいいと思ったから?
カメルーン人の父とアルジェリア人の母を持ち、パリで生まれたキリアンは、まさにRNが「諸問題の根源」とする「移民とその子供」なのに。必要とあれば公約、趣旨を変えるのもRNの得意とするところ。

UEFA欧州選手権の対オーストリア戦で鼻を折り、鼻がずれないようにマスクをして出てきたエムバペ。

キリアン・エムバペ

このマスクが流行るんじゃないか?さっそくLouis Vuittonあたりがロゴプリントで作るんじゃないか?と思ったけど、昨日の対スペイン戦ではもう取っていた。


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「俺たちはフランス人、ここは俺たちの国だ、お前のようなアラブ野郎は出ていけ!」
アン/Ain県の町で、チュニジア人男性が若い男2人に頭部を滅多打ちにされた。
7月1日、国民議会総選挙第一回投票で極右RNが1位についた日のこと。
犯人の2人(25歳)にすぐ懲役3年の刑が下った(ホッ!)

アヴィニヨンでは、コートジボワール人の見習いがいるパン屋の壁に火がつけられ、「黒野郎!」「出ていけ!」の落書き。

別のレストランの壁には、極右のシンボルマーク、ケルト十字の落書き。

raciste.jpg

パリでは極右運動員3人が、ゲイの人たちに暴力を振るい「バルデラが首相になればゲイを好きなだけ痛めつけられる!」「3週間後が待ち遠しい!」

6月9日、ヨーロッパ議会選挙で極右RNが最多数議席を取ってから、差別的暴言、暴力が急増。
「フランスの治安の悪さ、不況など社会の諸問題の原因は、移民とその子供たちにある」という考えが根底にある極右が勢力を伸ばし、差別が正当化されたと思い込む人が増えた、ということ。
RN議員の中にも「二重国籍の者は要職につかせるべきではない」と堂々と言う人が出てきて、こんな愚かな人たちが政権を取ったら・・・・と絶望的になっていたら、逆に、気兼ねなく暴言、暴力を振るう愚かな人が増えたお陰で、RNの支持率が少し低下している、とニュースで聞いた。
少し期待が持てる?
絶対多数を取らなければ「二重国籍の者は要職につかせない」などという差別法案を議会で通すことはできないから。
マグレブ(モロッコ、アルジェリア、チュニジア)系の二重国籍だけで、フランス人口の9%近くいるのだ。
こんなにハラハラする七夕は初めて・・・・


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知ってました?

フランスではほとんどテレビ番組を観ないけど、日本では珍しいので、ひとりの時よくつけている。
そのおかげで学んだのが「どうしてクセ毛と直毛の人がいるのか?」
単純に「遺伝でしょ」と思っていたけど、正解は「脳の温度を調整するため」!
人類が最初に出現したのはアフリカと言われ、そこでは日中は灼熱の暑さ、夜になると急激に温度が下がる。脳は過熱に弱い。クセ毛のほうが脳の温度を一定に保てるので、当時のアフリカ住人は縮れ毛になった。確かに直毛より数倍の厚みだ。
アジア人に直毛が多いのは、気候が温暖だから?
でも日本の熱帯化がさらに進めば、何世紀か後に縮れ毛のほうが多くなっているかもしれない。

ある雨の晩、息子のアパートで晩ごはんを食べた。アパートは駅から歩いて15分くらいかかるのに、電車の音が聞こえる。
「こんなに電車の音がしたっけ?」と聞くと、
「雨の晩はよく聞こえるんだ」
「どうして?雨とどういう関係があるの?」
「知らない」
まぁ探求心のない子ね…と携帯で「雨の時、遠くの音が聞こえるのは」と打ってみたら、バッチリ。
「音は気温の高い所から低い所に伝わりやすいのです。ふだんは地表付近よりも上空の方が気温が低いので、音は上に流れます。けれども、低気圧が近づくと上空に暖かい空気が流れ込んで地表付近の方が気温が低くなることも。すると、音は上に行かず水平方向に広がるので、ふだんは聴こえない遠くの音が聴こえるのだそうです。」(tenki.jp)
へぇ!全然知らなかった。同じ理屈で、冬の寒い日は遠くの音が聞こえるそうだ。

音
X.com

わたしは何か発見すると「ねぇ知ってた?」と会う人ごとに聞く習性があり、今回も「クセ毛」「雨と音」について、早速周囲に聞いてまわった。「それ、昨日も聞いたじゃない」と言われるまで・・・・

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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