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女の戦い-仏政治界

MA

女2人の決勝戦になった社会党第一書記(党首)の選挙。
候補者は、大統領選でサルコジと戦ったセゴレーヌ・ロワイヤル、リール市長、マルティーヌ・オブレイ(写真)、パリ市長ベルトラン・ドラノエ。ところが、パリ市長は、対立候補に対する意見をコロコロ変えるし、パリ・プラージュや、ニュイ・ブランシュ(眠らない夜)など楽しいイベントを考えだすのは得意だけど、果たして政治ができるのか?という不安が生じ、支持率が低下。立候補を取り下げた。

20日、ボージョレヌーヴォー解禁の日に、ロワイヤル、オブレイ、そして41歳のブノア・アモンの3人を、党員が投票。結果、ロワイヤル43,1%、オブレイ34,5%、アモン22%。過半数に達した人がいないので、翌21日、女2人の決選投票となった。投票が夜10時に終わり、日本の昼頃には結果がわかるはず。
サルコジの錘になるのは、理想論に走るセゴレーヌではなく、マルティーヌ・オブレイと思うけど(体重もありそうだし)。彼女は、ミッテラン政権の蔵相、欧州委員会長だったジャック・ドゥロールの娘だ。

RD

さて、もう一人、話題の耐えない女政治家はこの人、法相、ラシダ・ダチ。
間もなく生まれそうな大きなお腹、そして左手薬指に輝く指輪!一面に使うこの写真から、右派の新聞、フィガロ誌が指輪を消した。それをエクスプレス誌が暴いた。
フィガロの言い訳は、「目下、法相が司法官たちともめていることの記事なのに、この指輪のせいで、争点がズレるのを避けたかったから」
ショーメの指輪で16000ユーロ。贈ったのは子供の父親?
ニュース解説では、サルコジのロレックスの値段まで登場して「不況が関係ない人たちもいるようです」。でも、消したりするから余計騒ぎになるんで、指輪くらいつけたっていいじゃない、と思いますけど。

追伸:社会党一等書記の選挙は、42票の差で、マルティーヌ・オブレイが当選。ところが、セゴレーヌ・ロワイヤル陣営は、投票に不正があったとして再投票を求めている。「負け際の悪いやつ」という評判。社会党がこんな風に分裂して、結局、利を得たのはのはサルコジという皮肉な結果!


浮世絵展

ukiyoe

フランス国立図書館で「日本の版画-浮世絵」展が始まり、ヴェルニサージュに誘われた。
広重、北斎、歌麿など有名どころによる、富士山、東海道、吉原の女、相撲、歌舞伎・・・などの版画が、すごい点数展示されていて、最初は「よくこれだけ集めた!」と感心したけど、最後には「まだあるの?!」と言いたくなる。でも、浮世絵の美しさを再認識するいい機会だ。日本にいたら、これだけ一挙に見ることはできない、と言い聞かせ、最後まで見た。とりわけ、褪せたような朱色や緑の色調が美しく思えた。

ところで一昔前まで「うちに日本の版画があるんだけど、見に来ないか?」というせりふが、口説き文句だったのを知ってます?日本の版画=エロチックという固定観念があって、こういう“合言葉”が生まれたのだと思う。日本で、ランデブー=逢引と思われているのに似ている。
フランスに来たばかりの頃、食事をご馳走になった後「うちに日本の版画があるんだけど・・・」というセリフは何度か聞いたっけ。そのウラの意味も知らず「別に興味ありませんから」と、さっさと帰っていた。食い逃げである。

一緒に行った友人は、美術書の出版社の社長さん。彼が若い頃、この図書館に勉強しにきたそうだ。フレデリック・ミッテラン図書館と名づけられた大図書館が出来る前は、ここに国の大事な本や、有名な作家の手書き原稿などが収められていた。国立図書館にするには小さすぎるけど、建物は美しく、天上の高い閲覧室は一時代前の雰囲気だ。

友人は、北斎の版画を持っている。日本に行ったとき、銀座を歩いていてこの版画に出合った。取引先の社長さんに「さっき素晴らしい版画を見たけど、私には手が出ない」と話したところ、その版画が翌日ホテルに届けられた・・・という夢のような話である。
それ以来彼は、日本では欲しいものをいうと、翌日に届けられる、と信じている。「今度私もやってみよう」と言うと、外国人じゃないとダメなんだそうだ。


barak

フランス人の85%がバラック・オバマ当選を喜んでいるとか。
ちなみにフランス人はリエゾンしてバラコバマと発音するので、最初は“バラ・コバマ”かと思っていた私のような人もいるのでは。

さて、なぜ彼に支持があるかというと:
フランスはイラク戦争に反対したので、ブッシュ大統領との関係が険悪になり、フランス製品ボイコットや、フレンチ・フライをフリーダム・フライと改名するなど、アメリカで反仏感情が盛り上がった。
アンチ・アメリカ精神はあるけど、アメリカの経済・政治力は否めないので、「いい加減、仲良くしてもいい頃」と思っていたところ。オバマはイラク戦争に強く反対しているし、うまくやれそうな期待がある。

また多民族を抱えるフランスにとって、メティス(混血)のオバマが大統領になるのは、大きな進歩だ。

ファンは政界にも多く、特に社会党の政治家は、労働者階級からのしあがったオバマを支持。フィヨン首相も「新しいアメリカの象徴」と期待をかける。
サルコジ大統領は、当選以来、電話でお話ししようと試みているけど繋がらないらしい。選挙前にオバマ氏がヨーロッパを訪れたとき、フランスは素通りしてドイツに行っちゃったのも、肩透かしであった。片思い・・・?

フランスで、すごい人気だったテレビシリーズ『24時間クロノ』では黒人の大統領が登場して「おお!」と思ったものだ。しかも他の大統領に比べて、一番信頼できそうな人物だった。
『24時間クロノ』のシナリオ作家たちは慧眼だったわけだ。




obento

料理の好きな友達が自分でおべんとうを作って食べていたら、友達が「お金払うから私にも作って!」。友達の友達がそれを見て「私も!」。友達の友達がオフィスでそれを食べていたら、同僚が「美味しそう!」・・・と広まり、週に1回おべんとうを作り始めた。

今日のメニューは鮭のフライ、かぼちゃのお煮付け、もやしの和え物、春雨サラダ、だし巻卵に、ひじきや野菜入りのお寿司。これで12ユーロ。鮭フライのソースはコショウがピリリときいたゆずみそ、とさりげなく凝っている。
お昼はサンドイッチやテイクアウトのサラダでワンパターンだったフランス人が感激するバラエティと美味しさ。ボリュームもある。
先週のメインは鶏のつくね、その前は豚肉のしょうが焼き・・・と、毎週メニューが変わるので楽しみ。だし巻き卵は毎回レギュラーで、プラス副菜が3品つく。

「Obento」は、パリで少しずつ知られ始めている。シャンゼリゼのドラッグストアが、いろいろなお惣菜がちょっとずつ入ったランチボックス「Obento」を売り出した。あの界隈はレストランが高めなので、テイクアウトを買う勤め人がたくさんいる。
フレンチ・コードでもご紹介した「食の本屋さん」ラ・ココットが、日本から買ってきたお弁当箱を売り出したらたちまち完売。お菓子教室に加えて、お弁当教室を始めるという。
先日、ラジオでも「自分で作ったランチを持っていけば、バランスが取れて経済的」と「Obento」
を奨励していた。

ちょっと前までは、同僚の男性が奥さんの作ったおべんとうを食べていると、冷やかされたり、一緒に外で食べないのは付き合いが悪いぞ、と批難されて、肩身が狭かったが、今日では最先端だ。
今、パリでObento屋をやったら、絶対流行りそう!

プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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