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フランス 田舎

12時間ノンストップで食べて踊ってシャンパン飲み放題という、恐ろしい田舎の週末から戻った。夫の従兄弟ジャン・ピエールが60歳の誕生日を70人招待して祝ったのだ。ジャン・ピエールは家業のシャンパン製造を継いで、Royer&Filsというシャンパンを造っている。彼らが結婚式や誕生日をやると、シャンパンだけは惜しみなく振舞われる。正午過ぎから始まったフェット(パーティ)、まずはスープ・ド・シャンパーニュと呼ばれるシャンパンとジュースの食前酒に始まり、わいわいがやがや、やっと席に座ったのが2時、シャンパンが開き、オードブルのクリームソース詰めパイが運ばれてきた。食べ終わるともうダンスが始まる。次の魚料理は、ヒメジの包み焼き、白ワインが開けられる。食べ終わるとダンス。この段階で3時を過ぎている。タバコを吸いに外に出て戻ってみると、トゥルー・ノルマン(食事の中間で飲む強いアルコール、消化を助ける)が待っていた。グラン・マルニエのアイスクリームにたっぷりリキュールがかかっている。そうとは知らず「わっアイス!」と食べた娘がひっくり返った。そしてまたダンスタイム。この頃になると、一皿食べる→お腹ごなしに踊って汗をかく→また1皿食べる、を繰り返していれば、長時間に渡って飲み食いできるという、田舎パーティの恐ろしいメカニズムがわかってくる。しかも田舎のおじさん、おばさんたちは村のダンスパーティで鍛えているから、みんな踊れるし、踊るのが大好き。滅多にないダンスの機会とあれば気合の入れ方が違うし体力も違う。トゥルー・ノルマンの後は肉料理、赤ワイン、チーズにサラダ、デザートと続き、“昼食”が終わったのが午後6時すぎ。この後も飲んで踊るが続き、10時には夜食がでて夜中の12時過ぎまで続いた。ちなみに翌日曜日も「残り物で続けようぜ」と、フェットは続く。さて、日本人の胃と肝臓でこのようなパーティに付き合うコツは:

?アペリティフ、シャンパン、白、赤ワインと混ぜないほうがいい。今回はシャンパン屋のパーティなので、私はリッチにシャンパンで通した!

?料理の全体量を把握し、食べられないものはパスする(フランス人でもパスする人がいる)。

?踊れなくても人目を気にせず踊る。結構楽しい。

写真はパーティ2日目のジャン・ピエール。輝く白髪、肌はつやつや、体重120kg!

娘とジャン・ピエールのお嬢さん2人



マジソン郡の橋

アラン・ドロン ミレイユ・ダルク 

橋の撮影で田舎町にやってきったカメラマン、ロバート・キンケードが、農家の主婦、フランチェスカに道を尋ねたことから始まる運命的な恋。大ヒットした映画『マジソン郡の橋』を、アラン・ドロンとミレイユ・ダルクが舞台で演じている。ゴシップ雑誌の表紙を2人が飾り話題にはなっているが、批評はかなり悪い。映画のヒットの大きな要因は、まじめで不器用そうなクリント・イーストウッドと、娘のようなナイーブさを持つ田舎のおばさん、メリル・ストリープ。この2人のキャラが、中年の束の間の恋に真実味を与え、感動をよんだ。一方、アラン・ドロンは、年季の入ったプレーボーイ、ミレイユ・ダルクもかってはモト大統領ジスカール・デスタンの愛人でもあったスキャンダル多い女優で、極めて都会的。しかもこの2人、一時恋人同士だった。イメージが違うのだ。とは言っても、この2人を実物で見るのは興味深い。遊びまくった中年男女が生きる4日間の真実の恋、という別の物語を見るつもりで、行ってみようかな。(シャンゼリゼ、マリニー劇場)

日曜日は必ず朝市に行く。朝市といっても朝寝坊の私はお昼近くて、同じく朝寝坊の、髪はクシャクシャで、パジャマの上にコートを着たような人たちと一緒にチーズや魚や野菜を買う。並んで順番を待ちながら、お店の人たちはきっと5時頃起きてるんだろうな、と思う。ある日、チーズ屋のクリストフに尋ねた。私の予想は甘かった、3時起き!なんだって。パリから1時間くらいの距離からくるので、3時に起きてトラックに商品を積み込んで、バスティーユに着くのが5時。朝一番のお客がやってくるのが7時半くらいというから、5時から7時半まで何やってるの?と思う。屋台作りに時間がかかるんだそうだ。確かに果物や野菜をピラミッド状に美しく積み上げたり、何十種類ものチーズを並べて、すぐにサーブできるように切り分けたり、砕いた氷の上に魚たちを整列させるのには時間がかかるだろう。バスティーユの朝市は、朝寝坊の住民のためか午後2時頃まで開けている。残った商品をトラックに積み、帰り着いて陳列台やパッケージを洗うと夕方6時。「夜8時50分からのテレビ映画を見始めるとすぐ眠っちゃう。終わったときに目が覚める」。スーパーの、パックに閉じ込められた野菜やちょっとくたびれた魚とは全然違う、新鮮で手頃な値段の食料が並ぶ朝市。パリっ子の元気のモト!

プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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