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・・・が出発前の大問題であった。私と娘は一緒に東京に発ち、私は10日だけど彼女は研修で2ヶ月滞在する。ORANGEに聞くと「通話は1週間1時間で25ユーロ、インターネットは29ユーロという法外なお値段。54ユーロx8週間=432ユーロ(5万円強)
シェアハウスの家賃より高いじゃない。
日本人の友達①に聞くと、「古い携帯にソフトバンクのプレペイドSIMカードを入れるのが一番安い。ただしそのためには日本の居住者じゃないとだめ」
非居住者だから、保証人とかめんどくさそう・・・

同じ頃に発つフランス人友人は、「オペラの日本旅行代理店で、日本用のSIMカードを買った。1ヶ月38ユーロ。でもインターネットだけで通話はできない。日本に知ってる人はいないから電話は必要ない、ネットだけで十分」
娘は「困ったときに誰かに電話できないとヤバイし、迷ったときにGoogle mapはゼッタイ必要」確かにそうだ。

と悩んでいるところへ、日本人の友達②:「WIFIのルーターを借りるといい。Facebook で電話できるし、What’s upも使える。空港で借りると高いからネットで注文したほうがいいよ」という意見はご託宣!2ヶ月で12000円、即予約して友達のうちに届けてもらう。
で、私はどうする?
Facebookにページを持っていない友達のほうが多い(気がする)し、電話がないと路頭に迷う・・・ので、空港で通話だけの携帯を借りることにした。娘と一緒のときはルーターを使えるし。この組み合わせが一番に思えたけど、さらに画期的なアイディアがあれば教えていただきたい。次回のために。

日曜日に羽田に着いて、レンタル携帯のカウンターでIphone4を借りる。プロモーション中で、フラップ式のスマートフォンじゃないやつより安い、というラッキー:賃貸料一日210円、通話1分110円、メッセージ15円・・・
「インターネットはご必要ないですか?」ちなみに一日+980円。
いえ、ルーターがあるので大丈夫、とニッコリ。

夜8時。飛行機の朝ごはん以来何も食べていなかった。2人とも倒れそうにお腹が空いて、恵比寿のとんかつ屋さん。ナスとレンコンのはさみ揚げが「涙が出るほど美味しい」と娘。

恵比寿のとんかつ屋さん

30分後には綺麗に空になった。今度は「食べ過ぎて動けない」

今度の日曜日、紀伊國屋ララポート豊洲店で、米澤よう子さんとのトークショーがあります、は前回書きましたが、告知が出たので、もう一度。是非お越しください!


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行けば楽しい田舎の週末

寒すぎるとか忙しいを理由にシャンパーニュの田舎にずっと行っていなかった。天気予報はまぁまぁだし、金曜日の夕方だし、行かない口実は見つからない。ずっと会っていない従兄弟夫婦が「夕食に間に合うように来い」と言うので、16時42分の電車に乗ろうと。
ところが東駅に行くメトロ5番線が「技術的なトラブルで」なかなか発車しない。やっと走り出したか思うと止まる、を繰り返して西駅に着いたのは16時40分!
息子の全力疾走なら間に合うかもしれないけど、私の脚じゃね・・・でも、ここで諦めるのは悔しい、と私は脱兎のように走り出した。ホームにいた人たちが怖がってよけるくらい。
長距離電車の10番ホームに辿り着いたとき、私の電車は扉が全部閉り、車掌さんが「いってきまーす」と手を挙げ、ホームの職員が「いってらっしゃーい」と答えているところ。そこへ、すごい勢い(?)で走ってくる女。2人は顔を見合わせ、
「マダム、どこまで行くんですか?」と車掌さん、
「Bar sur Aube !!」
「急いでください!」
「急いでます!」(見りゃわかるだろう)
ゼイゼイと電車に着いた私を、車掌さんは乗務員用扉から引っ張りあげ、電車は即走り出した。奇跡的!
人間、最後まで諦めてはいけない・・・

翌日土曜日は朝から快晴(心がけが良かった!)、気温もどんどん上がり25度を越える。従兄妹にブドウ畑を見に行こうと誘われ、丘陵の上まで登ったら汗だくになった。でもこの眺め!

シャンパーニュ、ブドウ畑

3週間前、零℃まで下がり、ロワール河沿いのブドウ畑では50%の木がやられたとか。つまり今年の収穫は例年の半分ってこと。5月の零下は致命的らしい。幸いシャンパーニュは被害を免れた。

従兄妹が森(上の写真に見える)で採ったキノコ

シャンパーニュ、ブドウ畑

たっぷりのニンニクとバターで炒めて食べる(美味!)
「ところで何ていうキノコ?」
「知らない」
「ほんとに食用なの?」
「さぁね、でも誰も笑い出さないから大丈夫よ」
「・・・・」

“心がけ”の効果は一日しか続かず、翌日は気温がストンと下がり15度、雨、時々土砂降り。
じっとしていると寒いので、お風呂場と台所のそうじをする。夫とその友達が先週から滞在している家はけっこう汚れている。男2人は気にしない、というか気づきもしないみたい。
きれいになった台所で料理を作った。フィジカルな週末。来てよかった。

[お知らせ]
6月5日(日)午後2時~3時、東京、豊洲紀伊國屋書店で米澤よう子さんとトークショー(!)があります。お時間があれば、近くまで来られたら、是非お立ち寄りください。

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夫の誕生日に、お寿司のテイクアウトをしようと『ふじた』に行く。
前は一本コンコルド寄りの道にあるふじた2に行っていたけど、気がついたら閉店していた。今時(中国人経営でない)お寿司屋が閉るなんて・・・あり得るんだ。
ふじた2はお寿司は美味しいけどちょっとヘンな店だった。ジョギングにサンダルのお兄さんがウロウロしていて、お客かと思ったらウェーターで、応対もスタイル同様ラフ。一緒に行った友達(フランス人)が「ちょっとアナタ、お客に向かってもう少し丁寧にできないの?」と怒ったこともあった。

生き残った元祖ふじた、いつもお寿司を取りに行くのは夫なんで初めてだ。
入ると、インド・パキスタン系のオジサンがカウンターにいて、若い女性のお客2人をからかっている。ボンジュールと言うので、フランス語で注文を言うと、
「イクラヌキ、タイラガイ、タマゴツイカ!」と誰ともなく叫んだ。なんだ、日本語できるんじゃない。
すると奥からやはりインド系のオニイサンが現れ、ひと言も言わず、カウンターを顎でしゃくるので、椅子に座る。
7時半で他にお客はいないのに、カウンターにいる“シェフ”は、私のテイクアウトに取り掛かる様子もない。
「ちょっと買い物して15分くらいで来ます(=その間に握っといてよ)」と言うと、「その方がいい」というお返事。
私はオペラ大通りを渡って京子で日本酒を買い、戻ってくると、インド系の横に日本人が加わっていた。その人は、いかにも美味しいお寿司を握りそうな雰囲気なんだけど、魚の準備をしていて、ひと言も口を聞かない。

これが握り、19ユーロ

パリのお寿司

お寿司が出来上がると、さっきのインド系オニイサンが、ビニール袋に5つのプラスチックケースを入れ(4人分だけど追加を頼んだんで)、ミネラルウォーターの小瓶に並々と醤油を入れ(飲むわけじゃないんだけど)、枝豆のオマケとなぜか割り箸2本(2人でこんなに食えるか!)を入れる。
ビニール袋は超薄くて、「メトロに乗るんだけど大丈夫?切れない?」と聞くと、彼は初めて口を開いた。
「マルセイユまで帰るわけじゃないでしょ」「 !?」
ここに、あの友達がいたらキレていただろうけど、私は「なぜマルセイユ?彼お得意のジョークだろうか・・・?」と思いながら店を出る。日本人の寿司職人は最後までひと言も口を聞かなかった。
果たして、チュイルリーのメトロ駅に着く前にビニール袋には亀裂が入っていた。

後でTripAdvisorを見たら『サービスは最悪』『行くと迷惑そうな顔をされる』『そっけない』・・・私だけじゃないんだ。
でもお寿司は美味しい。おダシたっぷりの卵焼き、鮭皮巻き、平貝、私の好きなしめ鯖、(穴子の代わりに)ウナギ・・・5人前はあっという間になくなった。
Bon anniversaire !


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11日に幕を開けた第69回カンヌ映画祭。オープニングの司会(カンヌでは“司会者”といわず“Maître de cérémonie/セレモニーマスター”という)はローラン・ラフィット。コメディ・フランセーズの役者で、映画では3枚目役が多い。ので、ユーモラスな司会なんだけど、すごく退屈そうで全然笑わないウッディ・アレンの顔がチラチラと映される。
口ひげを生やすとフレディ・マーキュリーに似てる?

第69回カンヌ映画祭 ローラン・ラフィット
photo:aufeminin

カンヌのオープニングは、審査員とコンペティション参加作品の紹介で45分であっけなく終わるんだけど、今回のオープニングが記憶に残るとしたら、カトリーヌ・ドヌーヴのこの場面。

第69回カンヌ映画祭 カトリーヌ・ドヌーヴ
photo:le huffington post

はちきれそうな黒いロングドレスの“女王”が前触れなく登場すると、観客は立ち上がって拍手。
ドヌーヴはひと言もいわず、ローラン・ラフィットに近づき、頭をグイと引き寄せ、長々と口にキスをして、ひと言もいわず立ち去った。

もちろん“演出”のひとつなんだけど、まぁ話のタネにはなるわね・・・私も、友達に「見た見た?カトリーヌ・ドヌーヴ・・・」なんて言っていたから。
ところが13日、コンペティション参加作品『Ma Loute』(ブリューノ・デュモン監督)の試写で、ファブリス・ルッキーニが、共演のヴァレア・ブルーニ・テデシ(カーラ・ブルーニの姉)に・・・
「ドヌーヴがやったなら僕だって!」

第69回カンヌ映画祭 ファブリス・ルッキーニ
photo: allociné

外国ジャーナリストから「まったくフランス人は・・・」と言われそうだ。

もうひとつの話題は、ジュリア・ロバーツ。ジョディ・フォスターの『Money Monster』で、初めて(!)レッドカーペットの階段を・・・裸足で上がった。
第69回カンヌ映画祭 ジュリア・ロバーツ
photo:Yves Herman

ドレスコードにうるさいカンヌ、去年『Carol』の試写で、ペタンコ靴の女性の入場を拒否し、アメリカのメディアに叩かれたとか。
カンヌ映画祭ガイドによると「毎晩2回、グラン・テアトル・リュミエールであるガラにはスモーキング、イヴニングドレス着用。その他は“相応しい格好”で」なので、ジュリア・ロバーツは問題なし。なんでもセキュリティ・チェックまでハイヒールを履いていたけど(足が痛くて?)その後脱いだとか。
とにかくこの美女が“口が耳まで裂ける笑顔”で現われると、何でも許されそうだ。

男性の“蝶ネクタイ着用”は義務で、忘れてくる人がいるらしく、今年Uber Nœud Papillon(蝶ネクタイ宅急便)が登場。自転車が5分で蝶ネクタイを届けてくれる。
「ブレード・ランナー」「フラミンゴ」「ブラック・スワン」の3種から選べる。

第69回カンヌ映画祭 蝶ネクタイ宅急便

カンヌ中心限定で85ユーロ。不況のせいで、フランス人もいろんな“隙間ビジネス”を思いつくようになった。よいことです・・・


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夫に先立たれて、ひとり暮らしのおばあさん、Deng(デング?)は一時もじっとしていない。ホスピスにいる母親を見舞い、おかゆ(のようなもの)を食べさせ、孫を学校に迎えに行く。成金になった長男は妻と子供と暮らし、次男はゲイで定職がなさそうだ。デングは頼まれもしないのに、料理(いつも肉団子)を作って2人の息子宅に押しかける。
長男は「疲れるからそんなことしなくていい」と優しく断るけど、嫁にはうっとうしい(「私がちゃんと料理できないみたいじゃない!」)
恋人と仲睦まじくしていた次男は「来るときは電話くらいしてくれ」と文句を言うが、「母親なんだから来たいときに来ていいはずだ!」と逆に怒鳴られる。

2人の息子、右が長男

中国映画 『Red Amnesia/闖入者』

ある日からデングのうちに謎の電話がかかるようになる。取ると“相手”は何も言わず、切れる。
警察に話しても“ひとり暮らしの老人の妄想”とまじめには取り合ってくれない。
そのうち、彼女は誰かに後をつけられている気がしてくる・・・
長男は自分のうちに住むことを薦め、次男は泊りにくると言うが、デングは頑なに首を横に振る。
息子達の心配や優しさも彼女の閉じた心には届かない。彼女が心を開くのは、亡くなった夫の“亡霊”だけ。ひとりでご飯を食べながら、デングは夫に話しかける。

怪電話や追跡の理由に、彼女は思い当たることがあった。1960年代、中ソが対立したとき、中国北東部にあった大工業地帯が、デングの夫も含む何百万人という工員とともに山岳部に移された。その「国内亡命者」の間で何があったのか・・・?

中国映画 『Red Amnesia/赤い記憶喪失 』(原題は『闖入者』)

中国映画 『Red Amnesia/闖入者』

毛沢東時代とこの動乱を生きたデング、そのトラウマを“一時もじっとしていない”ことで紛らわそうとしているのがリアルだ。
何もせずにいられる人は心が平穏だから、と思う。”親切”を押し付けておいて、相手が喜ばないとムッとなる、のも・・・身に覚えが。頼まれもしないのに、子供に何かしてあげて、その反応にひとりで腹を立てているのは誰だ?

監督のワン・シャオシュアイは、2011年の『我11』でも、この政治的動乱を描いているそうだ。地味な、哀しいお話だけど、中国の歴史の一コマとその後遺症を知る、いい作品・・・よく考えると、中国の歴史はすごく大筋しか知らない。
デング役のLü Zhongは中国では有名な舞台女優とか、他の俳優も上手い。
ラジオFrance Inter の映画評では「今週1本観るならコレ!」

Red Amnesia
ワン・シャオシュアイ監督作品
1時間45分
MK2 Beaubourg などで上映中

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11月13日のパリ同時テロの実行犯の一人、サラ・アブデスラム(26歳)。他の犯人たち同様自爆するはずが気が変わり、自爆ベルトを捨て、仲間の助けで逃走。4ヶ月逃走の後、3月18日、ブリュッセルのモランビーク地区で捕まった。モランビーク地区は過激化養成地区として知られ、パリ同時テロはここで数年前から準備されていた。ブリュッセル警察のドジが批難されたわけだ。
国際協定で、サラ・アブデスラムのフランス引渡しに時間がかかり、4月末にイル・ド・フランスのフルリー・ムロジス刑務所にひそやかに護送される。
この刑務所は2955人収容でヨーロッパで一番大きい。唯一の女性所長でも有名だ。

サラ・アブデスラムのムショ暮らし

サラ・アブデスラムは他の囚人から“拍手で迎えられた”(何、考えてるんだろう !?)
ナディーヌ・ピケ所長(↓)は「拍手と罵りが混じっていた」と訂正するけど、どうやら拍手のほうが多かったらしい。

サラ・アブデスラムのムショ暮らし

彼はベッド、机、プレクシグラス(割れない)のTVの独房(9㎡)に入れられ、24時間ヴィデオで監視されている。彼の一日は眠る、TVを観る、お祈り(コーランを与えられている)そして一日2回の散歩が許されている。
「かなりの時間眠っている」とピケ所長、4ヶ月逃げ回った後だものね。

サラ・アブデスラムのムショ暮らし

肝心なのは自殺を防ぐこと。犯人中、唯一の生き残り、唯一の証人だ(口を割ればだけど)。
24時間ヴィデオ監視に加えて、5人ずつ一日計32人が交代で見張っているとか(5人グループが4時間ずつ6交代=30人、後の2人は何をしている?・・・この国では時々、計算のわからない数字に出会う)
ニュースでは、独房のシーツや囚人服は紙で作られている(自殺しようとしても切れる)と報じられたけど、現実には普通の布。
「サラ・アブデスラムと一度お話したい」という囚人が後を絶たないとか。でも彼は他の囚人と口をきいてはいけない。監視人とは「テレビで観たこと、サッカーやニュースの話をする」くらい。今のところ「問題のない、扱いやすい囚人」だそうだ。


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青木ヶ原樹海を舞台にしたガス・ヴァン・サントの最新作『Nos souvenirs/追憶の森』、
主演がマチュー・マコノヒーと渡辺謙、と聞けば観ないわけにはいかないけど、批評がメチャクチャ悪い。
2015年カンヌ映画祭のコンペティション参加作品中、“群を抜いて最もけなされた作品”。“この作品の失敗に、観客は驚き悲しみ”、プレス上映ではブーイングになった。ル・モンド紙は、『中村たくみ(渡辺謙)のキャラにショックを受けた。“一時代前のアジア人のカリカチュア”だ』
『エレファント』『パラノイドパーク』『ハーヴェイ・ミルク』など反体制の優れた作品[好き嫌いは別として)を作ってきたガス・ヴァン・サントが、なぜこんな厚みのない、甘ったるいものを作ったのか?とラジオでも言っていたけど、それでも観たい。私はマゾか・・・

妻を亡くしたアーサー(マチュー・マコノヒー)は、死のうと決めて片道切符を買い、はるばる日本までやってくる。
目的地は自殺の名所とされている青木ヶ原樹海。中に入ると「ちょっと待て」「考え直せ」という看板が次々に。立ち入り禁止の縄を乗り越えて奥へ奥へ入っていくと、怪我をして弱っている日本人、中村たくみに出会う。彼は何としても樹海から出たいという。2人して寒さや大雨や濁流と戦い、中村を救おうとするうち、アーサーも生き延びようとしていた・・・

「ホラ、この道をまっすぐ行けば出口に着くよ」・・・しかし、樹海はそんなに簡単には出してくれなかった。

『追憶の森』ガス・ヴァン・サン

自分のコートを中村に貸してあげて寒いアーサー

『追憶の森』ガス・ヴァン・サン

2人で樹海を彷徨う間、アーサーのフラッシュバックが挟まれる:妻(ナオミ・ウァッツ)と口論が絶えない毎日(それも稼ぎの少ない仕事を選んだアーサーが原因の、根深く傷つけあう喧嘩)、彼女の病気・・・

『追憶の森』ガス・ヴァン・サン

そして彼女の死後、グーグルで「the best place to die 」と叩くと、一番上に青木ヶ原が上がってくる。「ここにしよう」・・・

観終わってすぐは-あまりに覚悟して行ったせいか-それほどひどくもないじゃない?
でも時間が経つうちに・・・やっぱりこれは失敗作だ。大筋は“ありうる超自然のストーリー”になりえたのに、細部まで変につじつまを合わせようとして信憑性が全くなくなってしまっている。薄っぺらい。樹海の自殺者たちの死体も、遊園地のお化け屋敷のようだ。
・・・でも観て後悔はしてない、というパラドクサル。それに、マチュー・マコノヒーはユニクロの赤いダウンがよく似合う。

Nos souvenirs
ガス・ヴァン・サント監督作品
マチュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ウァッツ
1時間50分
フランスで上映中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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