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BOBO、BCBG、ロリータ、BIMBO、EMO・・・くらいは知っていたけど、NAPPY、JAH-JAH、MODASSEなんて聞いたこともなかった。ファッションのジャンル、というか各“宗派”を、ヴィジュアルにユーモラスに解説した『Dictionnaire du Look』(ルック事典)は、若いエディター(女)、写真家(男)が出した本。
ラジオの本紹介で聞いて、面白そうなので買ったら、果たして面白い。

dictionnaire_du_look.jpg

それぞれの“宗派”の熱心な実践者がモデルとして登場している。
例えば、ファッショニスタ代表のダフネ。彼女のワードローブは:
-革のブルゾン
-トレッギング
-Levi’s501、スリム、フレアー
-ヒールつきブーツ、
-シャネルのツイードジャケット
-ファー・ジャケット
-ルブータンのハイヒール(底が赤いヤツ)
-オーバーサイズのサングラス
-エルメスのバッグ
-レペットのバレリーナシューズ
-サルエル・パンツ色違いで多数
-コンビショーツ(ショートパンツのサロペット)・・・
と、これだけでイメージが沸きあがってくる。

トレッギングってこれ。ヴィニールのレギンス。
tregging.jpg

彼女のオシャレ出費に「限度」という言葉はない。それなのに他の人よりお金を遣っていないふりをするのが好き。
有名ブランドで買った服を「これ、H&Mよ」と言って、友達の唖然とする顔を見たがる。もっともこの人種に本当の友達は少なく、いるとすれば、デブかブスの引き立て役・・・とかなり辛らつ。

彼女が崇めるアイドルは、ケイト・モス(当然)、サラ・ジェシカ・パーカー(ちょっとケバくない?)、アレクサンドラ・ゴロヴァノフ(テレビのキャスター、才色兼備)、マドモアゼル・アニエス(ファッション評論家)、マリー・アントワネット(なるほど)・・・ヴィクトリア・ベッカムとかパリス・ヒルトンが出てくるかと思ったら。

アレクサンドラ・ゴロヴァノフ
golovanoff.jpg

好きな映画は『プラダを着た悪魔』『Sex and the City』『Pretty Woman』(ロデオ・ドライヴでのショッピングのシーン)。

ファッショニスタが最も恐れるのは老い、12歳のときから「老いたくない」症候群にかかるとか。

大事な自己主張であるファッションは、着る人の性格や哲学やら階層にも関わってくる。そういう社会学的な側面もユーモラスに触れていて、「あ、こいつ○×に似ている!」と笑っちゃったり、自分に似てる!とギョッとする本である。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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