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ブルゴーニュに住んでいる友達のマチューがパリに来ているというので、晩ごはん食べに来ない?と誘った。15年来の古い友達だけど、パリを離れてからは1年に一度会うか会わないか。

ドアを開けるなり、暗がりの玄関で「変わってないね!」。
そういうお世辞は、ちゃんと顔を見てから言うものよ。日本では“夜目、遠目、傘の内、で女性は綺麗に見える”っていうのよ。大体、一年でそんなに変わってたらこの先どうなるの。
年齢にもかかわらずナイーヴなとこは彼の魅力になっている。

知り合った頃、彼はエマという女性と一緒に暮らしていた。高校で出会い、それからずっと目移りもせずカップルを続け、大学卒業してマチューがブルゴーニュに仕事を見つけると、2人して引っ越していった。

間もなく子供が生まれ、翌年にまた子供ができて、それから2人は結婚する。
盛大な結婚式だった。純白のウエディングドレスのエマを見て、「子供2人いて白いドレスっていうのは・・・」と夫が首をかしげていたけど。

翌年にまた子供、3人とも女の子だ。
その頃からエマが「気がつけば3人の子持ち・・・私に青春はなかった」と言い出した。
夜遅くまで帰ってこなかったり、口を開けば口論になり、結局別れることになった。

3人の子供は1週間置きにパパの家とママンの家を行き来するようになり、マチューは仕事から帰ると子供の世話、掃除、洗濯・・・とめちゃくちゃ慌しい週と、ポッカリ時間のある独身の週を交互に暮らすことになる。

その頃会ったとき、「エマはほとんど初恋の女性で、そのままずっと一緒だったんで、自分が女の口説き方を知らないってことに気づいた」と困っていた。

その後、サイトで出会った女性と一緒になり、仲良さそげに暮らしていたのに、長くは続かなかった。

で、今は?と聞くと、高校時代の同級生で、マチューに気があった女の子が、やっぱり離婚して、連絡してきたんだと。「実は僕も気になってた子なんだ・・・」
素敵な再会物語!

学校の先生をしている彼女が、子供2人連れてブルゴーニュに引っ越してきて、職を見つけ、一緒に暮らし始めたそう。
「今度紹介するよ」と嬉しそうに笑う。

長い回り道、と彼は言うけど、きっと必要だった道のり。
パートナーを見つけるまでの果てしない物語だ。


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コメント
7月にお世話になったかなこです。
その節は大変お世話になりました。

ブログいつも楽しみにしています。

今回の話、バツ1子持ちの私にぐぐぐっと来る素敵な話で
最後の
「きっと必要だった道のり」
のフレーズにノックアウトです。
すてき、わたしもいつかは!!

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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