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閉店間際のピカール(冷凍食品のチェーン)に飛び込み、今夜食べさせるものをカゴに投げ込みレジに行くと、長い列ができていた。
ほかの店員さんもいるのにレジはひとつしか空いていない、ということが閉店間際にはよくある。
みんな早く帰りたいので、店じまい支度に忙しいのだ。
「もうひとつレジ、開けてくれんかな・・・」と思いながら並んでいたら、さすがに店員が現れて、隣のレジに座り「カードとチェックの方だけ!」と叫んだ。
反応するお客が私の前にいなかったので、誰もいないレジにいそいそと進むと、後ろにいた若い女が「ちょっと、みんなを追い越そうってわけ?」とイチャモンをつけてくる。見ると、MP3のヘッドホンをしていて聞こえなかったらしい。
「だってカードとチェックの人っていうから」と私が大声で答えると、ウッという顔になり、何も言わずにもとの列に戻った。世の中で起こっていることをちゃんと聞いてから、文句いえっての。

帰り道、今読んでいる『パリジャンは味オンチ』という本を思い出す。パリに40年住む、ミツコ・ザッハーさんの著書で、「みんなが憧れる『花の都パリ』。でもそこに住む住人はみんな意地悪でわがままで恋愛過多で味オンチで料理オンチ!?」という内容だ。
著者が体験したり遭遇した「パリジャンの本当の姿」が描かれていて「いるいる、こういう人」と笑っちゃう箇所も多いが、読み終えた友達の「これだけやなヤツにばっかり出会って、よく40年もいるわね!」という感想もうなづける。ま、とにかく読み終えましょう。

フランス人に限らず日本人だって、欠点や嫌いなところを挙げていったら一冊の本ができる。
逆に、一回日本に行ってすっかり日本オタクになったフランス人がよく言うように、
「日本人は全員、丁寧で親切で感じがよく、食べ物はすべて美味しく、どこもかも清潔で・・・」というのも真実ではない。
どの国にも同じように愛すべきところとやめて欲しいところとがあり、後は全く相性の問題だと思う。

私がこの国に住み続けているのは、腹の立つことはあっても感心することも同じくらいあり、自分の性格にとって居心地がよく、相性がいいと感じているからだ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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