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わたしが日本にいた頃だから30年以上前『異人たちとの夏』という映画があった。
主人公の原田(風間杜夫)は離婚して一人暮らしのシナリオライター。
ある日、子供の頃住んでいた浅草に行ってみた。
両親は彼が12歳のとき、交通事故で亡くなっている。はずなのに「おお!よく来た」と父親(片岡鶴太郎)が実家から出てきた。
言われるままに家に上がると、亡くなったころのままの若い母親(秋吉久美子)が笑顔で迎える。
思いがけない再会に喜び、その日から何度か通うようになる。
一方で、同じマンションに暮らすケイという女性と関係を持つようになる…
山田太一原作。細部はよく覚えていないけど、今でも忘れられない映画のひとつ。

原作のアンドリュー ・ヘイ監督版『Sans jamais nous connaitre /異人たち』が今年2月パリで公開された。

映画『異人たち』

見損なってがっかりしていたら、JALの機内映画にあるではないか。

アダム(アンドリュー・スコット)はロンドンの高層ビルに一人で暮らすシナリオライター。

映画『異人たち』
photos: allociné

ある晩、同じビルに住む男性ハリーがウィスキーの瓶を持ってドアを叩き「一緒に飲まないか?」と誘うが、アダムは断る。
数日後、シナリオに行き詰まりアダムは子供の頃住んでいた郊外を訪れる。
そこで30年前に交通事故で亡くなった両親に再会する・・・・
原作と違うのはアダムがゲイであること。そのせいで子供の頃いじめられ、お父さんが何も言ってくれなかったことがしこりになっている。
アダム役のアンドリュー・スコットは優柔不断な雰囲気が風間杜夫に似ている。殆どがオフィスで、夜はアダムとハリーの2人だけという高層ビルは都会のホラーではあるけど。でも両作品を比べると、下町の日本家屋の方がはるかに幽霊に似合う。
クリスマスツリーを飾っている幽霊なんか全然怖くない。

映画『異人たち』

でも『異人たちとの夏』がオカルト的になるのに対し、イギリス版の暗示的な最後の方がいいと、わたしは思った。

ホームに入った母を見舞い、実家の片付けをするため年に何度か東京に帰っている。
実家に入る度、幽霊が出そうとは言わないけど、子供時代の情景が思い出される。
この映画とちょっと重なった。


インスタTakako_wakameもご覧ください。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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