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出頭命令

または呼び出し状。Convocationの訳だ。
新しい在住カードを受け取るため、サイトで空いている時間を探し、やっともらえた出頭命令は15日の11時半。
“感染防止のため時間通りに来ること”とあったのできっかりに行くと、シテ島の警察署の前には既に20人以上の列ができている。その最後についた。見ていると10分置きくらいに2-3人ずつ入れている。
真夏日で気温がどんどん上がり、わたしたちが並んでいるのは日向。マスクの形を残す日焼けになりそうだ。

bronzage masque
photo:iSock

ようやく建物に入れたのは12時過ぎていた。入れた!と喜んだのは束の間、前には80人近く待っている。
同じ時間帯に呼び出された人がこれだけいるの?
10年前はどうだったっけ?室内で座って待った記憶がある。
感染防止のため、と出頭時間は10分刻みになっているのに、これじゃ意味がない、どころか逆効果だ。

周囲にはもちろん色んな国籍の人がいて、わたしの前はアフリカ民族衣装のおばさんで、その前はインド人。
察するに1年の滞在許可証を受け取る人も10年カードも一緒。
わたしのような、10年カード4枚目で前科もなく、フランス国籍の子供を産んでいる(移民が産んでいるからフランスの出生率は高い)人は、さっさと渡してくれてもいいと思う。というのは、そこで立ったまま2時間、計2時間半待ったのだ。
マクロンは任期中に公務員を1万500人削減すると言っていた。そのしわ寄せが在仏外国人に来ているのか?
大統領有力候補だった右派フィヨンは50万人削減を掲げていた。奥さんの架空雇用がバレて失墜しなければ、5時間待ちになっていただろう・・・

さて、インド人は時々列を離れ、どこかに偵察に行き、
「職員はみんなお昼に出かけ、開いている窓口はひとつだけ(窓口は10ある)。シンジラレン!」
民族衣装のオバサンは“耐え忍ぶのみ”という表情で口を開かない。

1時半ごろ、ようやく窓口がある部屋まで前進した。窓からのぞくと、ひとりひとり呼ばれて、窓口で呼び出し状と古い許可証を見せ、番号札をもらっている。わたしの前には10~12人。
「ひとり5分として1時間・・・」と言うと、
「少なくとも」とインド人。
そこへ職員たちが能天気にお昼から帰ってきて、長蛇の列に「サ・ヴァ?」と声をかける。この暑さと長さ、サ・ヴァなわけないでしょ。
でも窓口が2つになり少しスピードアップした。
番号札をもらうと椅子に座れる。インド人が振り返り「やっと!」
「最後の直線コース!」とわたし。

新しい在住カードをもらって警察を出たのは2時をすぎていた。Tシャツは汗で背中に貼りつき、喉はカラカラ。脚は棒のようだ。
でもこれで後10年は安泰、と思えば・・・

インスタTakako_wakameを(今頃)始めました。

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コメント
こんにちは。
フランス地獄あるあるですね!私も今年レジデンスカードの更新でした。前回と条件が色々変わっていて用意する書類も増えて、ちょっとあたふたしましたが、地方なので意外と早く更新できてしまいました。パリは大変そうですね。状況本当に、お察しします。改善や思いやり、エフィカシテに縁のない事務処理の人々には本当に困りものです。これで、給料払われてるのかと思うと、フランス大丈夫か?といつも思っています。
こんにちは!EUあるあるですね!
たとえばスペインでは、予約を取るための業者がいて、移民弁護士でさえ彼らに頼んで予約を取るそうです。
窓口はたくさんあっても、何故か実際に開いている窓口が少ないのめEUあるある、絶対ある!です。
こんにちは、たかこさん。
自分の用事では無いのですが、友達の付き合いでパリのお役所に行った時に(興味本位で)、”言論の自由”と日本語で刺青をした職員のひとがいてびっくりしたことがあります。そのあたりは自由なんですね。
Re: 体験者さま
ええ!予約取り業者はもちろんお金取るんでしょうね。
極右のように大声では言わなくても、随所で”取りにくく”しているんでしょうね。
Re: micio 様
その職員、日本オタクなんでしょうか!
昔のことですが、窓口の銀行員が立ち上がったらショートパンツで目を疑いました。
その後、禁止になりましたけど。
フランスの現実の詳細な紹介、有難う御座います
長谷川さま
 3週間遅れの亀レスにて、失礼します。
 以前も、この「在住(滞在)許可証」に言及されていましたね。
その折の解説の方が長くかつ詳細で、役所に於ける行政手続の煩雑さと、
それに対する長谷川氏の苛立ちが濃厚に投影されていた印象があります。

 炎天下で「忍耐と寛容の精神を涵養し、その育成と発露顕現に努めた」
との由、お疲れ様でした。「フランス社会の厳しい現実」の詳細な紹介、
有難う御座います。ただ、長谷川さんは滞仏期間も長く各種体験の蓄積
も豊富なので、その点では恵まれていらっしゃるのでは?----とも想像
してみました。
 フランス在住初年者の場合は、その滞在許可証の取得が難渋を極める
大事業のようで、いろいろと御苦労も多々抱えていらっしゃる模様です。
ご関心あれば、以下の検索要素を参考になさって、自己責任にてネット
で検索なさってみて下さい。

[ブログ、50歳のフランス滞在記、ついに、滞在許可。2006-03-30,
take_uu2004]

 他人様のブログなどを、ネット上で気楽に拝読しているのが一番ですね。お元気で。
Re: Yozakura様
コメントありがとうございます。
確かに、体験の蓄積のおかげで忍耐力は養われました。
日本は外国人材が増えていますが、滞在許可の取得、けっこう大変なのでは?

Yozakuraさんもお元気で。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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