fc2ブログ
12日夜のセザール賞授賞式。映画館が閉まり封切りになった映画がひどく少ないのに誰に賞をあげるの?とわたしは乗り気ではなかったけど、夫が絶対見るというので一緒に見始め、結局最後まで付き合った。

会場のオランピア劇場は、観客なしでノミネートされている人たちだけがポツポツと間隔を空けて座っている。
その光景も異常だけど、前代未聞は司会の悪さ。
マリナ・フォイスは好きな部類に入る女優だけど、披露するギャグが下ネタで、笑える下ネタならまだいいけど、可笑しくないのでシラケるばかり。その内容を書くと掲載禁止になるかもしれないし、書いても面白くないのでやめるけど、最優秀衣装の授与で登場した女優、コリーヌ・マジエロがステージで全裸になったときは、その意味も必要性もわからず、会場も気まずい雰囲気になった。

彼女は上手い女優だから、3時間半という長丁場、即興でしゃべっているような自然さで、それは認めるけど、シナリオは何とかならなかったものか・・・
ただし、ニコラ・ゲスキエール(LVのアートディレクター)に特注のドレスは素晴らしく、よく似合っていた。

ニコラ・ゲスキエール、LV、ドレス

深いVカットの黒いドレスに4000個のパール(ガラス)と2000個のシルバークリスタルの総刺繍。175時間かかったそうだ。

ニコラ・ゲスキエール、LV、ドレス
photos:Gala

ふつう女性司会者は何度か着替えるけど、マリナ・フォイスは最後までこの一着で通した(元を取らなくちゃ)。

2020年にかかった映画は少ないのでアルベール・デュポンテルの『Adieu les cons/さらばバカども』とエマニュエル・ムーレの『Ce qu’on dit et ce qu’on fait/言葉にすることと行動に移すこと』がいくつもの部門にノミネートされ、ノミネートはされるのに取り損ねるフランソワ・オゾンの『ETE 85/85年夏』も今度は何か取れるかと期待したけど・・・

結果は『さらばバカども』が6つも賞を取った。
43歳のスューズ(ヴィルジニー・エフィラ)は自分が自己免疫疾患で余命いくばくもないことを知る。
彼女は10代のとき子供を産んだが、親の圧力で子供はすぐに施設に入れられた。
生きているうちに子供に会いたい、と彼女は役所に赴く。彼女が係員と話している部屋の隣で、IT技術者のJB(アルベール・デュポンテル)は、左遷されたことを苦に自殺しようとしていた。しかし銃口がずれ、壁に大穴が開き、隣部屋の係員に重傷を負わせる。

adieu les cons

スューズは子供探しに「コイツは使えるかもしれない」と

adieu les cons
photos:allocine

JBと彼のパソコンを連れ、そこを逃げ出す・・・デュポンテルお得意のナンセンスコメディ。

個人的には、男女の機微を淡々と描いたムーレの『Ce qu’on dit et ce qu’on fait』が傑作と思ったけど、この時期、荒唐無稽で笑える映画が求められる、ということかもしれない。
ああ!早いとこ映画館を開けて欲しい・・・

インスタ(始めたばかり)のアカウントです:takako_wakame


に参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ


国際恋愛・結婚ランキング


コメント
コメントの投稿
プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

カレンダー
11 | 2024/12 | 01
日 月 火 水 木 金 土
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
フランス語講座
上級者用仏語スペル
アーカイブ