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陣痛にあえぎながら病院にたどり着いた女性は男の子を出産した。何か月も妊娠にすら気づかなかったという母親は学生で、赤ん坊を抱くこともせず退院していく。
赤ちゃんは一時的にテオと名付けられ、養子縁組担当の民生委員の手に託される。
彼らのうち2人は、赤ちゃんの世話をし(ひとりは自分のうちで育てる)残りは適切な養母を探し始める。

養母候補者の中にアリス(エロディ・ブシェーズ)がいた。彼女は10年前、夫と養子を探し始めるが、数年後、結婚が破綻。離婚後は精神的に不安定、シングルマザーというハンディで待たされていた。

映画『Pupille/瞳』

担当の民生委員はアリスと面接を繰り返し、彼女が“準備ができている”と判断し、テオの養母候補者として推薦する。養母の年齢制限は43歳、アリスは41歳になっていた。

テオが新しいお母さんと出会うまでを描いた『Pupille/瞳』

映画『Pupille/瞳』

ひとりの赤ちゃんに関わる人数、養父母の審査の厳しさ-本人たちの性格、仕事、収入、彼らの育ち方、両親の性格、養子を取ったときどのくらい休暇が取れるか-に驚く。
そして民生委員たちの人間味溢れる対応に:ジャン(ジル・ルルーシュ)は養父母が決まるまでテオを自宅に引き取り、母親のようにつきっきりで話しかけ、抱き、オムツを代え、夜中に起きてミルクをあげる。

映画『Pupille/瞳』

離婚したばかりのカリーヌ(サンドリーヌ・キベルラン、右)はストレス安定のためドロップを食べ続ける。

映画『Pupille/瞳』
photos:allociné

リディは養母候補を傷つけないため、自分が妊娠していることを隠して面接する。
赤ちゃんの眼を見ること(タイトルの所以?)、話しかけること、抱くことの大切さもよくわかる(遅すぎる!)。

「あれだけ厳しい審査があるのに、なぜマダム〇▽はロベールを養子にできたんだろう?」
と私。〇▽はヒステリックで専横で、他の養母に出会っていたらロベールの人生は違っていただろう、と。
「まったく。しかもシングルマザー」と夫。

PUPILLE
監督:ジャンヌ・エリー
主演:サンドリーヌ・キベルラン、ジル・ルルーシュ、エロディ・ブシェーズ
1時間47分
フランスで公開中


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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