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ジレ・ジョーヌの抗議の強さに、政府は5日、燃料税引き上げの“モラトリアム”を発表した:1月1日に予定されていた引き上げを6カ月延ばす。
これを聞いて、ジレ・ジョーヌの多くはせせら笑った。6か月の執行猶予があるだけで結果は同じじゃないか。

彼らの怒りが鎮まらないのは、マクロン大統領が出てこないせいもある。
12月1日、マクロンはブエノスアイレスのG20に出席していて、催涙弾で霞んだシャンゼリゼの光景をテレビで観た。
「あなた、国が大変なことになっているのに、ここにいていいんですか?」と言われたかとどうか知らないけど。

国に戻ったマクロンは月曜朝、主要大臣を招集して、この“6カ月のモラトリアム”が決められたが、矢面に立って発表したのは首相のエデュアール・フィリップだ。

トレードマーク「2日の無精ひげ」が4日くらいになってない?無理もない・・・

エデュアール・フィリップ首相
photo:Ouest France

デモ隊が叫ぶのは「マクロン辞めろ!」
マクロンの表情も険しくなってきた。

マクロン、ジレ・ジョーヌ
photo:Ouest France

庶民には「上から目線」で、金持ちを優遇するマクロン政策が抗議の的になっているのだ。
「マクロンはクラスの優等生しか対象にしていない。でもクラスにはふつうの生徒もいるし、落第生もいる」とジレ・ジョーヌの代表者のひとり。マクロンは富める者と富めない者(大多数)の溝を深くしてしまった、ということ。
右派中道のフランソワ・バイルーは「国民の反対を押し切って統治することはできない」
元首相フランソワ・カズヌーヴ(社会党)は「国民の声を聞くことは、弱体化することではない」

これらの忠告に、そしてモラトリアムでは鎮まらないジレ・ジョーヌに、6日、政府はついに燃料税引き上げ取り消しを決める。
この取り消しは、国にとって約40億ユーロ(約6500億円!)の“儲けそこない”になるという。

ISF(Impôt de solidalité sur la fortune=富裕者の財産にかかる税)廃止も、源泉徴収導入も決行したマクロンが初めて折れた。
それでもジレ・ジョーヌは8日のストを諦めない。
折れるのが遅すぎた。矢面に立って、ジレ・ジョーヌの抗議に直面すべきだった。グズグズしている間に怒りは沸点に達してしまった。

フィリップ首相は「例外的な警戒態勢にする」と言っているけど・・・デモは「表現の自由」で認められている権利だ。
問題はアグレッシヴな極右派、極左派、常習犯の“壊し屋”。彼らがデモを利用して猛威を振るうのを、何とか阻止できないもんだろうか?


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コメント
マクロン閣下「駅は面白い所だね。成功した者とそうでない者達がいる」日本のテレビでも紹介されていました、爆笑。アホなん?
でも、折れるだけまだマシかも。
ニッポン国のムシュー・アベの場合、嘘はつく、質問には答えない、数の論理で全て通す、と酷いものです。
Re: タイトルなし
« une gare, c’est un lieu où on croise les gens qui réussissent et les gens qui ne sont rien, parce que c’est un lieu où on passe, un lieu que l’on partage (…)».
「駅は、成功した人たちと何の力もない人たちにすれ違う場所だ。駅は通り過ぎる場所、共有の場所だからだ」
ですね。
「何の力(価値)もない人」が侮蔑的と批判されましたが、いいたいことがわかんないセリフです。
Re: やよい様
それでも日本国民が抗議に立ち上がらないのは、国民性の違いでしょうか。

マクロンは折れるのが遅すぎたので、燃料税引き上げ取り消しだけでは怒りを鎮められません。
毎週土曜日のデモで経済的打撃も大きいし、どうなるでしょう・・・
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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