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毎朝6時半に「腹が減った」と起こしに来るのはリュリュだ。でも今朝はタマで、時計を見ると7時を過ぎていた。パリに戻って3日後のこと。
キャッツフードの音を聞いたらどこかから飛んでくるかと思ったけど現れない。
野良猫だったリュリュは基本的に人間が怖いので、人が寝静まってから中庭をうろつくのが好きだ。でも朝には必ず帰ってくる。
ご飯より大切な用事なんてあるんだろうか?雨も降っているので心配になって探しに行く。

わたしたちの住んでいる建物は小さい4棟に分かれていて、それぞれ階段がある。
リュリュ!と呼びながら4つの階段を上がり降りしたけど白黒の姿はなかった。
通りに出てみた夫も首を振る。
8月15日(Assomption/聖母の被昇天)の前後は、お盆のようにパリが最も空っぽになる時期だ。
「怖がりだから絶対外には出ない」と夫。
「わたしだって捕まえるのが大変なんだから誘拐もありえない」
時間が経つに連れてますます心配になる。

「屋根伝いに隣の敷地に行って出られないとか?」と夫。
それは考えなかった。でもどうやって屋根に上る?
そういえば高い木に上って“降りられなくなった”ネコ騒ぎがあったのを思い出した。
ネコ経験者としてわたしも呼ばれて見に行ったら、2階のアパートの前の木で子猫が立ち往生。隣の建物の猫らしい。
消防署に電話したら「そんなことにかまっているヒマはない」と言われたそうだ(ごもっとも)
2階の住人が窓から細い板を渡し“橋”を作ってあげたのに猫は知らん顔。
そして間もなく、猫は器用に幹を伝ってあっという間に降りてきた。
“立ち往生”ではなく、ただ世の中を眺めていただけらしい。

午後「この子を見たらご連絡ください」の紙を建物の入り口と、両隣の建物に貼りに行く。
通りの住人がみんな行く薬屋さんにも頼んだら「もちろん!」とウィンドウに貼ってくれた。

lulu affiche

右隣の建物はデジコードではなくインターフォンなので、誰か開けてくれないか、と根気よくすべての住人の名前を押してみた。
誰も返事をしてくれない。
この週末、ほんとに猫の子一匹いないのだ。


インスタTakako_wakameもご覧ください。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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