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週末に友達夫婦のうちに夕食に行った。30年来の付き合いで彼らのグルメな食習慣は知り尽くしていると思っていたら、ミネラルウォーターの銘柄が変わっていた。エスプレッソマシンがなくなっていた。
「ネスレ製品、ボイコットしてるのよ」と友人妻。

ネスレが発展途上国(主に東南アジア)に乳児用粉ミルクを売り、1977年から不買運動が始まったのは有名だが、アフリカではまだ悪徳商法が続いている、と彼女。
毎年、世界中で150万人の新生児が粉ミルクのせいで死亡している、という事実にOMS(世界保健機関、英語でWHO)とUNICEFは驚いた。
ネスレの粉ミルク年商額は130憶ユーロ。ブルキナファソとトーゴの医療機関の15%には、毎年プロモーション用の粉ミルクが無料で送られてくる。
アフリカでは“欧米のライフスタイルに倣おう”というCMが多く、欧米から輸入されるものはなんでも高級だ。
母親が母乳で育てようと哺乳瓶を与えようと、子供の知的能力に何ら差がないのは科学的に証明されている。
“質より量”を選び、3か月目から哺乳瓶で育った息子と、「もう出ない!」というまで母乳を希望した娘に知能の違いは感じられない。
だから粉ミルク自体に非はないんだけど、問題は、アフリカ住民の経済的状況が欧米のそれのそれと違うという点。
貧困層は粉ミルクを水で薄めすぎるため、栄養失調で抵抗力がなく感染性の病気に罹り・・・多くは死亡する。

さらにサハラ以南のアフリカ住民の半数は飲料水がない生活をしている。
飲料水は遠くまで汲みに行くか、買わなくてはならない。

nestle afrique

それができない場合、粉ミルクを汚染された川の水で薄める・・・結果は推して知るべし。
アフリカの粉ミルクが“毒入りプレゼント”と言われる訳。

一方、母親は母乳を与えている間は非常に妊娠しにくい。排卵に必要なホルモンに授乳が影響するせいだ。
「粉ミルクに切り替えたアフリカ女性は次々に妊娠して、子供5人も養えない!ということになるのよ」と友人妻。

その日から、私もネスレ・ボイコットに参加することにした。キャピタリズムもここまでくると犯罪だ。
しかし、世界最大の食品・飲料会社ネスレはこれだけのメーカーを傘下に持ち、

ネスレ製品ボイコット

今後、このリストを持ってスーパーに行かなくちゃ・・・


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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