「典型的」アメリカ中部の家庭の様子、会社の人間関係の中で、デイモン演じるウィッテカーがジワジワと観客の心理を落ち着かない状態へと導く、ウィッテカーの心理状態が周囲へ波及するように。
デイモンは、この役柄を演じるために体型も太めにしているが、凄いのは彼の体型をコントロールする力だけではないだろう。ウィッテカーの頭の中、迷路のような思考経路は本人も把握できない状況になっているのかも知れない。一体どちらを向いてー会社側か FBI 側かー話しているのか動いているのか、これがウィッテカー本人と多分同じに、観客にも判じ難くなる。
決して後味の良い映画ではないが、この事件の根幹にいた複雑怪奇な人間を描き出す事に関しては大成功と思う。
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