単に象牙の塔に籠り研究するだけの学界の人ではなく、生活人としても「豊かな」家庭を築き上げた人たちが逝く仲間を送る言葉。近しい人を死と云う形で送り出した者でなければ判らない、人一人がこの世から居なくなった時にできる物理的質感の変化。逝ってしまった人の占めていた空間にできる空洞。それが埋められるまでには時間がかかる。
どれもが生々しく、軽々しく扱えるものではない。ただ、彼らが如何に真摯に生と死とに向かい合ったか、そして「今」を真剣に生きる姿勢は、人生をどう生きるか、を考える時に大きな指針となる。色々と考える事はあるけれど、これからの決意を新たにするためにも、一度はしっかり読み汲み取りたい心の言葉だと思う。**