ハリウッド風に作られていないペネロピ・クルーズは、地に付いた迫力があり新鮮でしたが、物語は観方によっては一種の恐怖物。。。に分類されるかも、と思わせるものがありました。
季節風(恐らくシロッコ?)の強い小さな町からマドリッドに移った娘たちと行方不明の母親、友人の母親。そして明かされる娘、ペネロピ・クルーズ演じるライムンダの秘密、母の秘密、さらに孫娘が抱えなければならなくなる秘密。
いずれも重く、とてもそれらを抱えたまま普通には暮らせないような内容ですが、それに潰されず強く生き抜く女達。しかし簡単には肯定できないものがあります。
死は確かに我々の世界とは表裏一体のもの。日常生活ではまるでそれが無いようにすごしているわけですが、自然死と人為的死では、それらの持つ影響力は大きく変わるはずで、「死」を身近に感じながら生活する生命力の強い女達とは言い切れません!
このあたりの映画の中の解釈、流れが引っかかりました!後味はあまりよろしくありませんが、考えさせる映画ということではオススメデス。
***遅ればせながら、タイトルの「帰郷」には無理があるのではないでしょうか。どちらかというと帰るとは言っても、「因果応報」の方の解釈がこの映画のテーマに近いような感覚ですが。。。