2024-12-28

timeleszとタイプ

この文章は、色々なグループを程々に推しているアイドルウォッチャーが、タイプロをうっすらと眺めながらアイドル2024年くらいの日本男性アイドルグループ必要なことについてつらつらと考察してみたという記事です。

timeleszの置かれた状況とタイプロ開催の目的

timeleszの前身Sexy Zoneは、2011年に結成されて結成13年を迎えるベテラン男性アイドルグループです。元々は5人組だったところに、2024年の時点では3人まで体制が縮小し、巻き返して人気拡大を狙うために増員という決断をしてタイプロが開催されることになりました。タイプロは「timeleszの人気拡大」のための増員施策としてのオーディション番組という位置付けとなります

では、増員前のtimeleszってどのくらい人気なの?というところですが、wikipediaによると執筆時点の最新シングル「because」の初動が25万枚(同社は音楽配信には積極的ではないケースが多いのでCD売上枚数比較しています)。これがどのくらいの数字かというと、比較対象として、Snow Man2024年に発売したシングル「break out」は初動106万枚、 SixTONESの「GONG」は初動42万枚、またSTARTO社以外のアイドルでも、JO1は(wikipediaには記載が開く、またダウンロードストリーミング配信等もあるので正確な比較はできませんが)シングルCD初週売り上げが50万枚を超えている記事がありました。そういったことが、2024年時点のtimeleszの人気を測る上で一つの指標になると思います

timeleszの持つ魅力とアイドル市場

私自身がアイドルウォッチャーをしていて過去に驚いたことの一つが、Sexy Zone時代グループセンターは圧倒的な華を持ちパフォーマンスも上手で世間的な露出も多い中島健人さんではなく、グループで一番可愛らしいビジュアルを持つ佐藤勝利さんだという事実でした。これは、Sexy Zoneは結成当時、若さとそのビジュアルに重きを置くグループ(言い換えると、それが自分達に求められている最たるものだという認識が内部にあるグループ)だということだと理解しています。彼らのデビュー年齢を考えても「かわいらしい未完成男性(デビュー当時は男性というより男の子ですね)」というテーマグループの形が作られたのだろうと。

事実として、そこから10年以上経った今でも彼らの外見的魅力は、年相応以上の可愛げや、可愛げに変わる色気や精悍さ等に置き換わりつつも、デビュー当時以上に磨かれて放たれています

一方で、(Sexy Zoneデビュー以前からも人気はありましたが)東方神起BTSといった歌もダンスも上手な「完成した(完成に近い)」男性アイドルとしてのK-POPが本格的に日本に台頭してくることで、徐々に「未完成」の男性アイドル需要が減ってきているというのが、2024年男性アイドル市場様相ではないかと感じます。(補足:これはどちらがいい悪いという話ではなく、単純に日本人口が増えていかない局面なので、男性アイドルファンも総数は増えない。その中で様々なアイドルグループがあるということはパイの取り合いになるため、相対的Sexy Zone路線に対する需要は減少するということです)

さらに、旧Sexy Zone にとって逆風となったのは、こうしたK-POPが台頭してくることで、相対的アイドルファン側の見る目が肥えてしまたことです。ハイレベルパフォーマンスをするグループも同じ“男性アイドル”という舞台上の勝負となってしまうため、パフォーマンスを見るファンの感動の下限値が以前に比べて高くなってしまたことも、「未完成」というアイドル像ではファンを拡大することが尚更難しい状況を作る一因となりました。

新生timeleszへの生まれ変わり

そういう状況の中で、逆風に向き合いながら成長して適応してきた10年以上のキャリアを持つメンバーが、グループ名前を変えて、メンバーを新たに募集して人気を拡大していくというのは、旧来のチームのコンセプトを刷新していく必要があります。つまり、「未完成を経て、完成した男性になった」アイドルとして、ハイレベルパフォーマンスをする同世代グループと競う必要がある、ということです。(世界的なアイドルとなったBTS日本ファンを数多く持つ彼らと同世代男性アイドルであるということを考えても、要求されるレベルは相当に高いということが伺えます

timeleszの強みは、Sexy Zoneから古参ファンがいること。そして、日本国内ではテレビでもYoutubeでも大人気の菊池風磨さん擁していることをはじめとして、各メンバーで個々の活動もできていて、色々な媒体への露出が容易であるということです。つまりグループ楽曲広報について、国内地盤が整っている。さらに、タイプロを開催したこと世間的な注目や話題性を集めてもいる。あとは興味を持った人をどれだけCD等の潜在購買層(ファン)として引き込めるか、また引き込んだ人をどれだけ深く長く留めておけるかというところで、グループとしての魅力の向上が最優先課題であるということがわかります

まりタイプロで獲得すべき人材も、このグループとしての魅力を向上してくれる人物ということになります

タイプロでtimeleszが獲得すべきものと、獲得しなくても良いもの

STARTO社のアイドルグループは、歌(演奏などの音楽性を含む)が得意なグループと、ダンス(アクロバットローラースケート等も含む)が得意なグループと大きく二種類あります。このうち、timeleszは前者の歌が得意なグループに属していると考えています

しかし、2024年現在アイドルグループが人気を獲得するための要素としては歌よりもダンス比重が大きいです。これは、2020年に現TOBEを率いる滝沢秀明さんがSixTONESSnow Manをそれぞれ歌重視、ダンス重視グループとしてデビューさせました。その両グループCD売り上げ枚数を比較して得られる推論です。

この推論が正しいと仮定すると、人気拡大を狙うためのtimeleszの課題(=タイプロを経て獲得すべきもの)として、最優先すべきはダンスチューンでファンを魅せられるようになることです。更に、グループとしての仲の良さを下敷きにした会話の面白さ、アイドルとしてのレベルを超えた歌の上手さを獲得できればなお良しといった感があります。この辺りについて、詳しくは後ほど述べます

また、すでに固定メンバーデビューして10年以上の歴史があってファンダム形成されたものがあるからこそ、通常のアイドルグループオーディションと比べるとタイプロではあまり考えなくても良い面もあります。それは、「ビジュアルメンバーの獲得」と「メンバー若さ」です。

timeleszがタイプロを経て獲得すべきもの

ダンスチューンで更にファンを魅せられるようになる

先ほども言いましたが、今の男性アイドル界隈はダンスに対する比重が大きいです。ここから人気を拡大をしていくためには、ダンスブレイクで本職のダンサーさんを引き連れて踊っても様になるレベルダンスの実力者が入って全体のダンスレベルを引き上げてくれることが望ましいです。

松島聡さんもお上手ですが、例えばブレイクダンスアクロバットの大技ができるとか、コミカルな動きで笑わせられるとか、アイドルとしてのダンスだけではなく、踊ることそのもので目を引ける人が入ることで一段グループとしてレベルアップしていくと思いますダンスパフォーマンスにおけるエースです。(このポジションは、アイドルダンスけが求められるわけではなく、グループ代表して色々なジャンルを踊れる必要があるので、ダンスリーダーではなく、個人としてダンスに突出した人というイメージです。)

特に、timeleszとなって一作目(実質timeleszとしてのデビュー曲)の「Anthem」のような楽曲で派手なパフォーマンスを出来る人が、2024年アイドルグループには一人は必要です。また、timeleszにとってもそれは過去Sexy Zoneにはない新たな魅力として、新しいファン層を開拓する大きな原動力になってくれるはずです。

グループとしての仲の良さを下敷きにした会話の面白

グループとして長く売れていく上で、仲の良さと会話の面白さはファンを飽きさせない・離れさせない意味で非常に重要です。

チームとしての仲の良さを育むには時間がかかる部分ですが、それを時間をかければそれを実現させられるような、チームメイトからファンからも愛される楽しい人・自分他人を上手に楽しませられる会話ができる人を選ぶということは、timeleszは特にタイプロという過程を経て選んだ人と選ばれた人で一つのチームになるという特殊過程を踏まざるを得ないことからも、とても大切な部分です。

単に単発で魅力的なパフォーマンスをするだけなら仲が良い必要はないかもしれませんが、男性アイドルグループファンというのは、グループメンバー間の仲の良さを好意的に受け取るという性質があるように思います。そして、メンバー間の空気の悪さはおそらく本人たちが思っている以上に敏感にファンに伝わります

アイドルグループファンにとって待望のイベントは、新曲の発売とコンサートですが、新曲の発売は一年に数回のタイミングしかなく、コンサートも常時あるわけではありません。(下手したらこれらのイベントは年に一回もないこともある)

この間、Youtube等のグループが出演する番組ファンアイドルを見るわけですが、ここがファンにとって面白くなければファン熱量を維持できません。自身が推すアイドルたちが仲良くしており、その姿をコンテンツとして面白く視聴できるということは、アイドル側のビジネスの都合でグループファン熱量を減らさない(結果的ファンダムから離脱する人数が少なくなる)という意味で、人気を維持拡大していくにはとても大切な部分です。(timeleszが所属しているSTARTO社の場合特に関西出身グループの方々はこの部分を文化として非常に大事にしている印象があります

Sexy Zone時代は、中島健人さんと菊池風磨さんの不仲説が一時語られるなど、この部分に特に苦手としていた印象があります(それがどの程度の不仲だったのかという詳細な事実がどうかは私は存じ上げないまま申し上げていますファンの方、気に触りましたら申し訳ありません)。

timeleszというチームを一つにしていくための潤滑油として、また古参ファン新規ファンを分割させないように上手にtimeleszを一枚岩にして長く進んでいくためにも自分と周りを楽しませる会話ができて雰囲気をよくして、知らず黒子のような役割を果たせる人を追加することは、今後のtimeleszのグループ活動において必須であると思います

アイドルとしてのレベルを超えた歌の上手さ

timelesz(旧sexy zone)は歌に強いグループだというのは前述した通りで、良い楽曲がたくさんあります。これは、通常のアイドルオーディションで結成されるアイドルにはないtimeleszが培った強みの一つです。ただ、これを新メンバー過去をなぞって普通に歌うだけでは、古参ファンに、過去メンバー比較してオリジナルの方が良かったと言われてしまいかねないリスクがあります。(というか、ほぼ確実に言われると思います

過去楽曲新メンバーが歌ってそれを古参ファンに受け入れてもらうには、過去楽曲が全く新しい解釈で歌われるなど、過去を上回る出来栄え披露できる必要があります過去というのは常に美化されるので、過去と同等レベルでは受け入れられず、おそらく相当の出来栄え必要です。

未完成男性からの脱却という意味でも、新たなグループ過去楽曲一定の「完成」のレベルに持っていくことで、古参ファンメンバー追加の正当性

受け入れる下地になっていくでしょう。

もちろん、強引に新しい人を加入させて時間をかけて既成事実化して受け入れさせる(あるいは諦めて離させる)という方法もあると思いますが、古参ファンを惚れ直させるという作業を丁寧にすることで、長く強固な質の良いファンダムが出来上がっていくのがタイプロを経たtimeleszの理想形であろうと考えます。そのために、過去楽曲を新たに歌い直せるレベル歌唱力の人をタイプロで確保する必要があると考えています

timeleszがタイプロで獲得する優先度が低いもの

ビジュアルメンバー

アイドルは飛び抜けたビジュアルメンバー必要と言われますが、timeleszに限って言えばその必然性は薄いです。なぜかというとすでに佐藤勝利さんがいるからです。なまじなビジュアルメンバーを入れたところで、今の時点で化粧品などの広告塔にもなりうる鉄壁ビジュアルを持つ佐藤勝利さんに勝るかという点を意識する必要があります

そもそもビジュアルメンバーがなぜアイドルグループ必要なのかというと、グループメンバー全員の人柄なり長所を知ってもらうには時間がかかるからです。

から、少数の見目の良さを各所で露出することで、興味をもって貰ってファンになる入り口を用意する。そこからグループパフォーマンスなりメバーの人となりを知ってもらって、ファンになってもらうという過程の中で、最初入り口になるのがビジュアルメンバーです。

でも、先述したようにtimeleszはすでに菊池風磨さんが大人気で各所に露出しまくっていたり、ビジュアルではすでに佐藤勝利さんという鉄壁ビジュアルを誇る人がいたり、テレビなどの歌番組にも普通に出れる状況が出来上がっているので、ビジュアルメンバーをあえて獲得する優先度は他のアイドルオーディション番組に比べると低いです。

しろ、timeleszの前身Sexy Zoneは見た目とコンセプト重視でグループを組んだ流れで今の状況になっていて、そこから変革して人気を拡大したいと思っていることを考えると、尚更ビジュアルメンバーを(他の人を追い落としてまで)追加する意義はよく考える必要がある状況だと思います

アイドルとしての若さ

timeleszに限って言えば、タイプロで若い人を入れることを必要以上に意識する必要はない(というか、年齢を判断基準考慮する必然性は低い)と思います。なぜかというと、彼らはすでに(人気拡大を狙ってオーディションを開催している立場にあるといえど)トップアイドルからです。

アイドル若いうちにデビューする必然性というのは、売れるか売れないかからない中で、少しでも若い時代デビューした方がトライエラーで爆発する可能性をたくさん試行できるからです。例えば40・50代になって容姿が衰えてからアイドルとして爆発的に売れるようなことは考えづらく、それより前に世間に見つかる必要があると思えばその試行ができる期間は長い方がいいという感覚若いうちからデビューできる方が良いということになるわけです。

しかし、timeleszはすでにトップアイドルファンダムもあり、加入が決まればそれこそ次の日にでも歌番組に出て歌う可能性もあるようなグループです。そうした時に、若くて歌やダンススキルが揃っているなら最高ですが、若いだけで伸び代の塊だという人だと、却って悪目立ちしてtimeleszの人気を落とすだけの人になりかねません。最悪、歌については口パクなども可能ですが、所作ダンスについては本人以外にはどうしようもありません。

タイプロを経てtimeleszは注目されています。おそらく、メンバーが決まって最初歌番組の出演等も注目度が高いと思いますが、高いからこそ、そこで経験値が低く満足なパフォーマンスができなければ終わりです。ジュニアのように育ててから露出するという作戦は取れないので、若さと将来性ではなく即戦力として成立するかどうかを最初に見る必要があります

増員を経て成功した若いアイドルとして、Snow Manデビュー直前に加入したラウールが最大の成功例かと思

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