NO.374 学ぶ若者達・・・実習生の報告より。(その2)
学生の実習報告(その2)です。
働くということ
「陶友の理念に『すべての障害者に働く場を』とあるが、最初はなぜ彼らは”働く”のか考えていなかった。しかし、彼らと働く経験を通して少しづつその意味がわかってきた。
ここでは、『街の豆富屋さん』としてリヤカーを引いて豆腐を売っている。
注文をとるためにお客さんの名前を書くために今まで苦手にしていた”字を書く”と言う事を、60歳近くなって挑戦している人、包丁を握って料理をする事ができるようになった人、苦手な犬がいる家に我慢して配達に行く人、働く事で、人はいくつになっても成長し続ける。
彼らの働く姿は、生きることそのものだと思った。」(Kさん)
「利用者の働く姿を見ていて、与えられた仕事に誇りを持っているように見えた。
特に食品判のKさん。彼は商売のプロだ。天気が悪くリヤカーを出せない時も、他のメンバーより率先して、「オレが歩いて届けてくるけん!」とアピールしていた。なぜそこまでするのかと尋ねると、「お客さんが待っとるけんね!」と笑顔で答えてくれた。その時の笑顔はとても輝いてまぶしかった。。
利用者一人ひとりが、自身を持てるような、輝くことができる場を提供するということは、支援するに当たり大切な事だと思った。」(Tさん)
「障害を持つ人たちを働かせてかわいそうだ』・・・一昔前は、この世界にもあった見方。
働くということはどういうことなのか。生計を立てるためにのみ、心身をすり減らすがごとき資本主義的労働。その対極から、私たちは「発達を保障する労働」ととらえた実践をしている。
実習期間中に「労働とは何か」の講座も持って理論を学び、その姿を仲間たちの中に見る。
地域に根ざし、人とつながる
「・・・地域の人々との結びつきの強さを感じた。お客さんと利用者の絆や、リヤカーに集まってくるお客さん同士の絆がここから生まれる。
現在私たちの回りで失われている、人と人との関わりや信頼といったものを彼らが再生している。街の小さな範囲のことにすぎないが、彼らが作るつながりは、今なくなりつつたる大切なものだ。
利用者さんたちは、待っているお客さんのために重いリヤカーを引き、お客さんたちはそんな彼らを温かく受け入れてくれて、計算が苦手なことを知り「ゆっくりでいいよ」と、待って力を貸してくれる。
互いに助け合って生活していくという、人として大切な事を、彼らが働くということを通じて学んだ。」(Mさん)
「・・・リヤカー販売に同行し、利用者の方々と地域の人たちのやり取りを見て、陶友・仲間たちと地域社会の信頼関係が形成されているということを何度も感じた。
ここまで地域に浸透するまでにはどれぐらいに時間がかかったかわからない。一ついえるのは毎月の通信の発行や、祭りの開催や様々なちいきに開かれた取り組みをして積み上げてきたのだろう。
地域で障害者が活躍する場を作るためには、地域に開かれていることが重要である事を学んだ。」(Tさん)
地域で理解を得ることは、なまやさしいきれいごとではありません。それでも、百の言葉よりもこつこつと、仲間たち自身を知ってもらうことが、一番です。
応援団「ゆうゆう」のみなさんをはじめ、沢山の人たちとの関わりを積み重ねて、支えられてきた。
・・・つづく。
次回から、若者達の内面の変化についての報告です。
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テーマ:福祉のプロを目指す - ジャンル:福祉・ボランティア
2008.04.11 | | Comments(1) | Trackback(0) | ・道場日記・オッス!!
