【新宿】伊勢丹の覚悟はお客さんに受け入れられるのだろうか
毎日新宿三丁目駅で乗り降りしていると、嫌でも伊勢丹の広告が目につきます。
今年正月の広告は、伊勢丹の、いや、大西洋社長の「覚悟」が全面に出ているもののように見えました。
(伊勢丹サイトから転用)
新宿伊勢丹店頭で見たのは、もう少し長いやつなのですが、
夏に続いて、正月のセールも他社が1月2日からやるのに、18日からと後ろ倒しして、アパレル各社との抗争になりそうな勢いな、伊勢丹大西社長。
でも、それが「百貨店」という業種のプライドと利益を守ると信じての行動なのでしょう。
アパレル業界で孤立する三越伊勢丹 セール時期を巡り社内反乱!@Business Journal
冬のセールを、他の百貨店より遅い、1月18日から行う予定の三越伊勢丹HD。しかし、その決定に従わない店舗が現れた。名古屋三越では独自の判断で、例年通り1月2日からセールを開始する。同店はこの経緯について、「例年通りの時期に開催したいと希望する取引先が多かった」と説明。もちろん、周辺競合店に遅れを取りたくないという本音もあるだろう。さらに名古屋三越の動きに追従するかのようにJR大阪三越伊勢丹でも2日からのセールを決定した。
三越と伊勢丹の融合が進まない中で、三越は業績だけではなく行動でも足を引っ張るようだ。
そして、合併後初の新規大型店である大阪駅のJR大阪三越伊勢丹が振るわない。
さらに、社内の「おもてなし」力アップのために営業時間短縮と定休日を設けるという。
三越伊勢丹、営業時間を短縮 首都圏5店で4月から ー J-CASTニュース(12月4日)
13年4月から首都圏5店の時短営業を決定した三越伊勢丹。「伊勢丹新宿店」「三越銀座店」「三越日本橋本店」などで、それぞれ30分〜1時間程度営業時間が短縮されるほか、定休日も設定される。これまで8月、2月に試験的に導入してきた時短営業に恒常的に取り組む方針だ。
この決定について、同社では時短営業によって、従業員の労働環境の改善を行い、接客レベルの向上に務めると説明。11年にはアパレル業界から要望書が出されていたことも今回の決定を後押ししているだろう。
従業員だけではなく派遣さんの労働条件緩和にも手を付け、現場の疲弊を何とかしたいのだろう。
大西改革は、百貨店という業種のあり方を問うものとして、全方位に敵を作りつつ進んでいる。
冬のセールで三越伊勢丹とアパレル各社が全面戦争!?@BusinessJournal
三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長がアパレル各社と対立し、孤立を深めている。事の発端は、大西社長は冬物バーゲンの後倒(あとだお)しを主張。コレに対しアパレル各社は、夏物バーゲンについては大西社長の意向に沿ったが、冬物についてはノーを突きつけた。結果、年明け早々の1月2日からバーゲンに突入する。
伊勢丹新宿店は後ろ倒しにしたけど、地方はできなかったりするのは、売れないと干上がってしまう販売の最前線にいるアパレルの派遣さんたちの反対ということなのですね。
そこで、ついに百貨店はアパレルへの売り場貸業から自社商品製造に手を付けるらしい。
これに怒った大西社長は「自主企画商品で対抗する」と言い出した。通常のメーカー品に比べて1~2割ほど価格を抑えた、自主企画による冬物衣料の品揃えを前年の3倍に増やし、12月19日から順次、店頭に並べる。
もともとバイヤーの力が強く、商品センスに自信がある伊勢丹だから、メーカーに商品開発の圧力はかけてきたし、売り場ではブランド別ではなく商品分野別の売場作りにしたところにも、納入側の反発はあったはずで、それをさらい自社商品との混載の売り場にするとなると、店頭の混乱は必至だろうなあ。
でも、セールの後ろ倒しが夏の売上減を招いたような記事もあるけど、もう、百貨店で買う人が少なくなっただけだと思う。
百貨店は、所詮「百しか置けない」のだから、何でもかんでも売るのではなく、伊勢丹で買いたい人に売る店になるべきなのだよね。
百貨店が、地域最大級の規模で「なんでもある店」だった時代は終わっていて、専門店にはもっと品ぞろえはあるし、品版さえわかればネットで買う人も多い。
百貨店のバーゲンは所詮、ネットのバーゲンには値段でも品ぞろえでも敵わないのだし、もうバーゲンを待って買う人が多いとは思えない。
ターゲットと商品提供のミスマッチが百貨店の低落の原因なのは多くの識者が指摘することなんじゃないの?
百貨店だけが、それを見ないふりして言い訳してるんじゃないの?
そこに、大西社長は断を下し、新宿店の大改装を機に、百貨店という業種の復権を狙って、いろんなことをいっぺんに仕掛けているんだと思う。
売り上げ世界一の百貨店、伊勢丹新宿本店の全面改装(13年3月に終了予定)を陣頭指揮してきたのが大西社長だ。「ファッションの伊勢丹として、情報発信力を取り戻す」と語る同氏は、百貨店業界のファッションリーダーを自負する。
リスクと覚悟を持って自ら変革し「真の百貨店」を目指す@財部誠一
本来は厳しい時こそ自分たちでリスクを負い、商品や売り場の同質化を防ぐために新しいことにチャレンジしていくべきです。ところが逆に、業界が厳しい状況に陥ったと同時に、お客さまを置き去りにしてしまい、サプライチェーン全体がリスクを取らなくなってしまった。その結果、最終的にお客さまからそっぽを向かれたのです。お客さまにしてみれば、同質化が進む一方で小売業の形態の多様化が進んでいるので「オリジナリティが高く独自性のある店舗で買いたい」とか「そういう環境を楽しみながら買い物をしたい」という気持ちは当然あると思います。そういう中で、当社は比較的リスクを負って商売をしていると思っていますが、ご存じのように百貨店のサプライチェーンでは、たとえば衣料品メーカーが商品を作り、それがアパレルを通じて店頭に並び、売れなければ返品されるというパターンが一般的で、そういう取引では(百貨店側には)何のリスクもありません。(リスクを取って従来のビジネスモデルを変える努力をしないまま)もともと低い営業利益率がさらに低下し、入店客数も減少し、売上が落ち込んでいくという悪循環に歯止めがかからなくなってしまったのです。
こういう自己分析に基づいて、百貨店という業態を信じ、再創造しようとしているのだと思う。
百貨店の中に、家電量販店やユニクロさんを始めとするファストファッションが入ったりしていますが、単純に考えると「お客さまを動員するためには、流行っているものを引っ張ってくるのが当たり前」という傾向に移ってしまったと思います。わたしたちがメンズ館を手がけた時とは考え方が違います。
まさにこのとおりで、庇を貸して母屋を取られるような百貨店が多い中で、元新宿三越がビックロという、まさに百貨店の低迷の現況であるユニクロとビックカメラが手を組んだ姿になっているのを間近に見つつ、新宿伊勢丹がどういう場所になるのか、今年は注目なんじゃないかと思っています。
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