珍しく禿同:サイエンスポータルレビュー
JSTが発信しているサイエンスポータルの記事はRSS登録して読んでいるが、
いつもは、「?」と思うことも多い。
でも、このレビュー記事は「禿同」だったので紹介。
【2010年12月1日 寄稿『結論ありきの事業仕分け』 】
>事業仕分け第3弾後半戦が終わり、研究費や大学改革予算について厳しい判定がなされた。議論を聞いていると事業仕分け委員の主張は従来から財務省が指摘していることと似たものが多く、「また結論ありきではなかったのか」という印象がぬぐえない。地方自治体の住民サービスを市民の視点から見直すということに関しては成功している事業仕分けだが、国家戦略にかかわることや高等教育政策といった事柄に対し、素人のしかも財務省目線のみでの不十分な議論で結論づけるということは、非常に危険なことだと言える。現政権が掲げる新成長戦略との大きな齟齬(そご)をどのように整理するのであろうか。
こう書きだして、その「結論有りきぶり」を検証していくのだが、
私も感じていた「仕分け人の勉強不足」「聞く耳持たない態度」「とにかく削減」を
見事に書き出している。
>議論を聞いていて感じたことは、知識があまりに不足してはいまいかということだ。
基本的な仕組みを知らないままに「とにかく削減」を
自分たちの命題とし、そのために渡された財務省からの資料をよく読み
(勉強熱心なのは認める、でもその資料に過不足はないのか?)
そして、短い時間で文科省の役人他を「やっつける」議論をする。
今回の仕分け人は、人選も熟慮されていたようには思えない。
科学側の人間が見られなかったからだ。
さらに話を聞く耳を持っていない。
>また科学技術振興調整費については総合科学技術会議の科学・技術・イノベーション戦略本部(仮称)への改組と一緒に議論する予定になっていることを総合科学技術会議の事務局が説明しても、真摯に捉えようともしなかったように見受けられた。
また、今回の事業仕分け全般でも問題になっていたが、
民主党のさまざまな施策との関連性が全くない。
>グローバルCOEプログラムは、3分の1程度縮減という第1回事業仕分けの結果を着実に実施するよう求める結論になった。ただ、グローバルCOEでは約7,000人が全国で雇用されている。「雇用」が大事だと主張している菅政権の政権運営方針との整合性をどのように考慮しているのだろうか。全く理解できない。
あまりにも予算削減有りきなのだが、「事業仕分け」は「コストカッター」だけなのだろうか?
事業の「無駄遣い」「重複」「過剰」の整理を行うのが「仕分け」であって、
最初から「カット」することが「仕分け」だったのだろうか。
この点でも筆者の科学新聞・中村直樹さんの考えに同意だ。
>本当にこんなことで、良いのだろうか。事業をあらためて考え直すという意味では事業仕分けは非常に功を奏したと思っている。しかし、諸外国においても、研究プロジェクトや高等教育予算など、国家戦略と直結するものを事業仕分けの対象とすることはあり得ない。
事業仕分けだけが「評価」された民主党は、
事業仕分けのあり方を見誤ってしまったのではないか。
幹事長を失職した枝野さんと大臣になった蓮舫さんは、うまく連携できていたのだろうか。
事業仕分けは、当初の目的や目論見を超えた役割を持たされて、
その効力以上の事をしようとしているのではないか。
省庁の政務官や副大臣など民主党議員と仕分け人の対立も目立った事業仕分け第三弾だったが
どうも、「政治主導」のはずが「仕分け人」という名の民間人主導に見えるのは
私だけではなかったようだ。
>日本の役人独特の文化の一つに「一律に適用する」というものがある。どこか特定の部分だけを削減したりすると、いろいろな文句が来るため、全体を一律に削減することで批判を避けようというものだ。そうした役人文化を打破することが民主党政権の打ち出した「政治主導」ではなかったのだろうか。
曲がり角に立っていることは間違いないとは思うのだけど。
いつもは、「?」と思うことも多い。
でも、このレビュー記事は「禿同」だったので紹介。
【2010年12月1日 寄稿『結論ありきの事業仕分け』 】
>事業仕分け第3弾後半戦が終わり、研究費や大学改革予算について厳しい判定がなされた。議論を聞いていると事業仕分け委員の主張は従来から財務省が指摘していることと似たものが多く、「また結論ありきではなかったのか」という印象がぬぐえない。地方自治体の住民サービスを市民の視点から見直すということに関しては成功している事業仕分けだが、国家戦略にかかわることや高等教育政策といった事柄に対し、素人のしかも財務省目線のみでの不十分な議論で結論づけるということは、非常に危険なことだと言える。現政権が掲げる新成長戦略との大きな齟齬(そご)をどのように整理するのであろうか。
こう書きだして、その「結論有りきぶり」を検証していくのだが、
私も感じていた「仕分け人の勉強不足」「聞く耳持たない態度」「とにかく削減」を
見事に書き出している。
>議論を聞いていて感じたことは、知識があまりに不足してはいまいかということだ。
基本的な仕組みを知らないままに「とにかく削減」を
自分たちの命題とし、そのために渡された財務省からの資料をよく読み
(勉強熱心なのは認める、でもその資料に過不足はないのか?)
そして、短い時間で文科省の役人他を「やっつける」議論をする。
今回の仕分け人は、人選も熟慮されていたようには思えない。
科学側の人間が見られなかったからだ。
さらに話を聞く耳を持っていない。
>また科学技術振興調整費については総合科学技術会議の科学・技術・イノベーション戦略本部(仮称)への改組と一緒に議論する予定になっていることを総合科学技術会議の事務局が説明しても、真摯に捉えようともしなかったように見受けられた。
また、今回の事業仕分け全般でも問題になっていたが、
民主党のさまざまな施策との関連性が全くない。
>グローバルCOEプログラムは、3分の1程度縮減という第1回事業仕分けの結果を着実に実施するよう求める結論になった。ただ、グローバルCOEでは約7,000人が全国で雇用されている。「雇用」が大事だと主張している菅政権の政権運営方針との整合性をどのように考慮しているのだろうか。全く理解できない。
あまりにも予算削減有りきなのだが、「事業仕分け」は「コストカッター」だけなのだろうか?
事業の「無駄遣い」「重複」「過剰」の整理を行うのが「仕分け」であって、
最初から「カット」することが「仕分け」だったのだろうか。
この点でも筆者の科学新聞・中村直樹さんの考えに同意だ。
>本当にこんなことで、良いのだろうか。事業をあらためて考え直すという意味では事業仕分けは非常に功を奏したと思っている。しかし、諸外国においても、研究プロジェクトや高等教育予算など、国家戦略と直結するものを事業仕分けの対象とすることはあり得ない。
事業仕分けだけが「評価」された民主党は、
事業仕分けのあり方を見誤ってしまったのではないか。
幹事長を失職した枝野さんと大臣になった蓮舫さんは、うまく連携できていたのだろうか。
事業仕分けは、当初の目的や目論見を超えた役割を持たされて、
その効力以上の事をしようとしているのではないか。
省庁の政務官や副大臣など民主党議員と仕分け人の対立も目立った事業仕分け第三弾だったが
どうも、「政治主導」のはずが「仕分け人」という名の民間人主導に見えるのは
私だけではなかったようだ。
>日本の役人独特の文化の一つに「一律に適用する」というものがある。どこか特定の部分だけを削減したりすると、いろいろな文句が来るため、全体を一律に削減することで批判を避けようというものだ。そうした役人文化を打破することが民主党政権の打ち出した「政治主導」ではなかったのだろうか。
曲がり角に立っていることは間違いないとは思うのだけど。
- 関連記事
-
- 理研生物言語研究チームの遺言:【本】さえずり言語起源論 (2010/12/03)
- 頑張れ東大生:利根川進先生の授業にもぐりこんできた (2010/12/02)
- 珍しく禿同:サイエンスポータルレビュー (2010/12/01)
- サイエンスアゴラ2010終わりました (2010/11/22)
- 今年もやります横串フィールド (2010/11/22)