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【科学】ImPACTはプログラム・マネージャーの公募を開始しました:2014年3月7日





みんな大好きIMPACT(違

ついに、プログラムマネージャ-の公募が始まりましたよ。

革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)@内閣府

プログラム・マネージャーの公募を開始しました



プログラム・マネージャー公募

総合科学技術会議の司令塔機能強化の一環として創設が決定されている革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)は、実現すれば産業や社会のあり方に大きな変革をもたらす革新的な科学技術イノベーションの創出を目指し、プログラム・マネージャーに大胆な権限を付与し、ハイリスク・ハイインパクトな挑戦的研究開発を推進する、新たな仕組みです。このたび、ImPACTのプログラム・マネージャーの公募を行います。




今後のスケジュールは以下の通り。
  公募開始    :3月 7日
  概要書類締切 :3月31日正午(必着)
  詳細書類締切 :4月24日正午(必着)
  面接実施予定 :5月下旬頃(書類審査合格者のみ)
  選考結果の発表:6月~

郵送しか認めないのに必着というのもなんとなく納得がいきませんが、みなさん頑張って下さい。

【科学】ImPACTの概要が見えてきましたね:2014年3月3日

2月14日に総合科学技術会議が開催され、このブログで再三取り上げてきたImPACT(革新的研究開発推進プログラム)の募集要項が見えてきました。

革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)について@内閣府

第117回総合科学技術会議(2014年2月14日)において、革新的研究開発推進プログラム運用基本方針等が決定されました。
・革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の実施について (2014年2月14日)(PDF:567KB)
・革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)運用基本方針(2014年2月14日 総合科学技術会議)(PDF:125KB)
・「革新的研究開発推進会議」の開催等について(2014年2月14日 総合科学技術会議)(PDF:117KB)
・革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)のテーマ設定にあたって(2014年2月14日)(PDF:506KB)



お時間のある方は、PDFを見ていただくといいと思うんですが、大まかなところをあげていきます。

5つのテーマが決まりました
○資源制約からの解放とものづくり力の革新 (新世紀日本型価値創造)
○生活様式を変える革新的省エネ・エコ社会の実現 (地球との共生)
○情報ネットワーク社会を超える高度機能化社会の実現 (人と社会を結ぶスマートコミュニティ)
○少子高齢化社会における世界で最も快適な生活環境の提供 (誰もが健やかで快適な生活を実現)
○人知を超える自然災害やハザードの影響を制御し、被害を最小化 (国民一人一人が実感するレジリエンスを実現)

そして、その具体的な方向性は、「求められる非連続なイノベーション」「社会的・経済的インパクトの姿」という項目から読み解いていくことが求められます。

総合科学技術会議の仕事はここまでで、後は新設する「革新的研究開発推進会議」の出番です。
と言っても中身は、最先端研究開発支援プログラム(FIRST)とそれほど代わりはありません。

推進会議の構成員は、内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)、科学技術政策を担当する内閣府副大臣及び内閣府大臣政務官並びに総合科学技術会議の議員のうち内閣府設置法(平成 11 年法律第 89 号)第 29 条第1項第5号及び第6号に掲げる者とする。座長は、内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)をもって充てる。


推進会議の下に有識者会議というのが出来て、具体的な内容は、こちらで議論されます。

推進会議は、内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)、内閣府副大臣(科学技術政策担当)、内閣府政務官(科学技術政策担当)及び総合科学技術会議有識者議員で構成する。有識者会議は、総合科学技術会議有識者議員及び外部有識者で構成する。その他、推進会議の開催等に必要な事項は総合科学技術会議議長が、有識者会議の開催等に必要な事項は推進会議座長が、別に定める。


肝は、プログラムマネージャー(PM)の設置で、このPMはJSTの所属になることが決まっています。

政府、革新的研究「ImPACT」推進支援で新組織-JSTに来年4月にも設置@日刊工業新聞

政府は2014年度に始める革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の推進を支援するため、科学技術振興機構(JST)に「ImPACTセンター(仮称)」を設置する方向で調整を始めた。研究プログラムの管理・運営を担う10―15人の「プログラムマネージャー」の活動を支援する組織。それぞれのプログラムマネージャーに知財や資金、広報などの担当職員を複数配置する。規模は数十人単位を想定しており、14年4月にも立ち上げる方針だ。



そして、2月27日に第1回革新的研究開発推進会議が開催されました。

・革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)運用基本方針取扱要領(PDF:218KB)
・「革新的研究開発推進プログラム有識者会合」の開催等について(PDF:49KB)



このへんは段取りなので、PMの選定は、この有識者会議でなされて、上に上がっていくことになります。

PMの要件はどんなものなのか。

①応募は1名でなされること。
②応募するテーマに関連して、事業化を指向した研究開発活動や先端技術を核とした事業化活動等に卓越した構想力、知見、企画力及びマネジメント能力を有すること。
③科学技術振興機構(以下「機構」という。)に雇用され、PM業務に専任できること。採用決定後3か月以内で可能な限り速やかに、機構との雇用契約(機構による直雇用、機構への出向等)を締結できること。(雇用契約の調整に特段の困難がある場合、有識者会議の承認の下、採用決定後一年以内に締結すること。)



いまの組織を離れてJSTに雇用されて、専任しろというわけです。
ERATOの技術参事みたいですが、もっと能力は上じゃないとつとまりませんね。

④の例外規定もよく読むとなかなか面白いのですが、それに加えて日本国内在住に限るという点がどうなのでしょう。

⑤応募段階におけるPMの居所が海外である場合には、採択後、速やかに居所を日本国内に移し、研究開発プログラム実施期間の全体にわたって PM 業務を確実に実施できること。テーマに示された産業や社会のあり方の変革の実現にとって真に必要と認められれば、PMの国籍は問わない。



国籍は問わないけど、日本在住じゃないとダメです。
海外で研究が行われては、日本国の研究に関わる秘密情報が筒抜けになるわけですから、国内で行なうのは当然ということなのでしょう。

そして、PMの人数と予算は以下のとおり。

PM採用数は十数名程度を目安とし、PM1人当たりの研究開発プログラムの金額規模は総額で 30~50億円程度を目安とする。ただし、採択数及び金額規模はあくまでも目安であり、提案内容によって増減があり得る。なお、金額規模は、実施しようとする内容に見合った適切な額とする。



どんな人が応募するのか、どんな研究内容になるのか4月までには決まるでしょうが、今後も注目していきたいと思います。

【科学】ImPACTはそろそろ決まりますかね?:2014年1月8日




年末に見過ごしていた記事をもう一つ。

政府、革新的研究「ImPACT」推進支援で新組織-JSTに来年4月にも設置@中小企業ニュース

政府は2014年度に始める革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の推進を支援するため、科学技術振興機構(JST)に「ImPACTセンター(仮称)」を設置する方向で調整を始めた。研究プログラムの管理・運営を担う10―15人の「プログラムマネージャー」の活動を支援する組織。それぞれのプログラムマネージャーに知財や資金、広報などの担当職員を複数配置する。規模は数十人単位を想定しており、14年4月にも立ち上げる方針だ。



12月24日の記事です。

これも大手新聞では見つからず、内容も全く同じですが、この記事くらいでしょうか。
発信元は政府でしょうから、プレスリリースそのままというやつですね。

政府、革新的研究「ImPACT」推進支援で新組織-JSTに来年4月にも設置@日刊工業新聞

14年2月ごろにプログラムマネージャーの募集を始め、同4月までに10―15人を選定する予定。企業、大学、研究機関などでマネジメントの経験がある人物を想定している。採用されたプログラムマネージャーについては、JSTに所属させる方向で検討している。



このところ、先月書いた、この記事へのアクセスが多いのですが、そろそろ決まるんでしょうかね?

【科学】革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)が発表されました:2013年12月12日

テーマは12月中に決定するそうなので、それも注目ですね。



こう書いたんですが、最先端研究開発支援推進会議は非公開なので、まだわかりません。

それにしても、12月17日の総合科学技術会議あとの山本大臣の会見後の答弁は、この新組織に関しては触れられてないのですが、24日に発表になっているということは、決まっていたんでしょうね。

山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年12月17日@内閣府

(問)日経BP河野です。 ImPACTについてお伺いします。現在のところ、ImPACTの支援企画、それからPM、プロジェクトの数について、ある程度のイメージはお持ちでしょうか。
(答)これは今、制度設計中ですので、余り細かいことは申し上げにくいのですが、そこはまだ、今、検討中というふうに申し上げたいと思います。



総合科学技術会議とJSTの役割分担がまだよくわかりませんが、これまで多くの科学プロジェクトを推進してきた自負がJSTにもあるでしょうから、スムーズな運営にはJSTの参画は欠かせないだろうと思います。

プログラムマネージャー(PM)は公募のようですが、どういう人材なのでしょうね?
山本大臣はこんなお考えのようです。

(問)PMの人材像なんですが、FIRSTのときはかなり大御所というか、かなり大物の研究者が選ばれたと思うんですが、今回のPMについてはどういった人材を……
(答)その辺の基準についても今議論中ですけれども、要は、PMは一言でいうとハリウッド映画のプロデューサーみたいな役だと思いますので、一つの目的に向かって必要な要素をしっかり集めてくる、そういうきちっとした戦略を描ける方を選ぶべきだと思います。ですから、まずはどういう基準でやっていくかということをしっかり詰めて、それに合った方を探すと。今、PMのことに言及していただきましたけれども、このImPACTの成功の成否は、いかに優秀なPMを見つけるかというところにかかっていると思いますので、そこはもう総合科学技術会議が責任をもって進めていかなければいけないと思っています。



SIPがかなり大物を参与という形でPDに採用しましたが、こちらのPMがどうなるかも注目です。

【科学】SIPが年末に進展していました:2014年1月8日



注目していましたが、年末見過ごしてました。

【科学】COIとSIPとIMPACTの違いを述べよ:2013年12月12日

こんな記事を書いたのに、見落としてました。

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP(エスアイピー))政策参与への辞令交付と意見交換について【平成25年12月18日、25日】@内閣府

山本大臣は、平成25年12月18日及び25日、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の10の対象課題候補について、研究開発計画や実用化・事業化に向けた出口戦略の具体化のために採用する10名の政策参与に対して、安倍内閣総理大臣名の辞令を交付しました。



募集していた政策参与が決まったそうです。17日には名簿が配布され、20日は会見でこんな発表もされていたのに、新聞でも記事を見ませんでしたが、それでいいのでしょうか?

山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年12月20日@内閣府

来年度からのSIP、戦略的イノベーション創造プログラム創設に向けて、10の対象課題候補について政策参与の公募を行いました。総合科学技術会議の有識者議員に選考していただきました。18日付で10名の政策参与が就任いたしましたことを御報告したいと思います。5名が産業界、5名が学界出身者で、すばらしいメンバーだと思います。いずれの方も産業界、学界において重要な地位にいるということで、名前だけ簡単に紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、革新的燃焼技術を担当いただくのは、トヨタ自動車株式会社エンジン技術領域 領域長の杉山雅則参与。この方は、業界の中核企業であるトヨタ自動車において、入社以来、同社のエンジン開発を牽引してこられた方です。
 2番目、次世代パワーエレクトロニクスを担当いただくのは、三菱電機株式会社開発本部役員技監の大森達夫参与。大森参与は、業界を主導する三菱電機において、新材料を用いたパワエレ等の先端デバイス開発に従事し、研究から製品化までを実現してきた方です。
 3番目、この革新的構造材料を担当いただくのは、東京大学名誉教授であり新構造材料技術 技術研究組合理事長でもある物質・材料研究機構顧問の岸輝雄参与です。一貫して最先端の材料研究に従事し、世界に対してこの分野の我が国のプレゼンスを象徴する方だと思います。
 4番目のエネルギーキャリアを担当いただくのは、東京ガス株式会社代表取締役副社長の村木茂参与。水素エネルギーについて国の主要な政策会議で中心的な役割を担い、エネルギーソリューションや街づくりといった広い視点を持つ方です。
 5番目、次世代海洋資源調査技術を担当いただくのは、東京大学名誉教授であり、国際資源開発研修センター顧問の浦辺徹郎参与です。現在まで約30年間、本研究分野で活躍し、現在は国連海洋法大陸棚限界委員会委員に日本を代表して参画をされておられます。
 6番目、自動走行システムを担当いただくのは、トヨタ自動車の技監の渡邉浩之参与。世界的に我が国のITS分野を代表する方として認識をされ、この業界を牽引しています。
 7番目、インフラ維持管理・更新・マネジメント技術を担当していただくのは、東京大学工学系研究科特任教授の藤野陽三参与。アカデミアの立場から、国の主要な研究開発プロジェクトを数多受託し、研究リーダーを担った経験が豊富であり、国レベルでの活動にも大変意欲を持っていらっしゃいます。
 8番目、レジリエントな防災・減災機能の強化、この分野を担当いただくのは、京都大学防災研究所教授の中島正愛参与。国内での豊富な研究開発活動に加えて、世界地震工学会の筆頭副会長を務めるなど世界的にも活躍されており、自然災害から人々の命を守るという重要なミッションに対して大変意欲を持っていらっしゃいます。
 9番目、次世代農林水産業創造技術を担当いただくのは、法政大学生命科学部教授の西尾健参与です。農林水産省での行政経験を持ち、博士号も取得の上、現在は大学で活躍されております。研究開発の面から、我が国の農業の産業競争力強化に意欲的な方です。
 最後、10番目の革新的設計生産技術を担当いただくのは、株式会社日立製作所日立研究所主管研究長の佐々木直哉参与。同社において、設計シミュレーション、研究開発に従事をされ、地域や製造現場のニーズを重視した競争力強化の視点から、新たなモノづくりの時代を切り開くことが期待される方です。
 産学からトップクラスの人材を確保したと考えておりまして、これから政策参与の方々とタッグを組んでSIPの中身を一層充実、進化させていきたいと思います。



参与も決まって、これから研究内容に落とし込まれていくんでしょう。
そこら辺も注目なのだけど、なかなか取材情報が見つからないのが痛い。
これだけの予算なのに科学記者は注目していないのだろうか?
発表があればいいんだろうか。

その辺りの科学記事の大本営発表体質が気になるところである。

ところで、SIPを巡っては、山本大臣を筆頭とする総合科学技術会議側と健康・医療戦略室で配分をもめているらしい。

SIPをめぐる医療・健康戦略室との議論:その4@気分は直滑降

その1〜その3で記したように、健康・医療戦略室は、科学技術の重要予算における健康・長寿分野の比率を算出するにあたって、「アクションプランの対象施策であって、かつ科学技術振興費で実施されている事業」のみを対象とした。 理由はシンプル。 その2つの条件を付さないと、彼らが欲する「医療分野4割以上」という数字が導き出せないからだ。



こういう話をブログに書いてしまう大臣が現れたというのは、官僚から見るとやりにくいに違いない。
オフレコのギリギリを書くという点では、ネットリテラシーが高い山本大臣は、炎上するようなミスをしない。
言質を取られずに、きちんと議論をリードする書き方をするからだ。

内容については、山本大臣のブログを読んで欲しい。

【科学】COIとSIPとIMPACTの違いを述べよ:2013年12月12日



たぶん、URAの試験に出ます(嘘)

(注:URA:University Research Administrator の略)

今年から来年にかけて続けて大型研究予算ができます。

まず、先日発表になったCOISTREAM

【科学】革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)に注目しよう:2013年11月1日

これが年間120億円くらい。文科省とJSTで仕切ってます。

そして、昨日発表になったImPACT。

【科学】革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)が発表されました:2013年12月12日

これが5年間で550億円くらい。内閣府総合科学技術会議とJSPSで仕切るんでしょう。

内容的には、このコラムが面白い。

<4> インパクトの大きさに投資する@RISTEX シニアフェロー  奥和田 久美

最近は日本でも、産業界などから「DARPAモデルの研究ファンドを日本にも」という要請があり、総合科学技術会議では「ImPACT」という研究支援の検討を始めている。DARPAはご存じの方も多いと思うが、米国国防総省の科学技術開発費の1/4程度を使って、国防高等研究計画局が「固定観念に囚われない自由度の高い研究」への投資しているファンドのことである。DARPA予算は米国連邦政府の科学技術予算の約半分を占めており、規模的にも対象範囲の広さの点でも存在感が大きい。



また日本版◯◯かよ! という感じですが、FIRSTの後釜です。

そして、山本大臣も一押しのSIP。

【 2013年9月18日 ”戦略的イノベーション創造”の10課題 】@サイエンスポータル編集ニュース

総合科学技術会議(議長・安部晋三首相)は、日本の経済再生のために府省庁の枠を越えて来年度から取り組む「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の3分野10項目の研究課題候補を決めた。

主な課題候補は、エネルギー分野ではマグネシウムや炭素繊維などの革新的構造材料、自動車の低燃費化を目指す革新的燃焼技術、次世代インフラ(社会基盤)分野では、車の自動走行(運転)システムや、センサーやロボットを使ったインフラ維持管理・更新・マネジメント技術、地域資源分野では、高収量や自給率の向上を目指した次世代農林水産業創造技術など。長寿健康分野の課題候補は後に、健康・医療戦略推進本部が決定、追加する。



これが517億円。これは、内閣府と総合科学技術会議が陣頭指揮で課題を見るとJSTが下支えするのではないかと予測。


これらに共通していて、わかりにくいのが、PDだのPMだのという言葉が出てくる点だ。

同プログラムでは、課題ごとにプログラム・ディレクター(PD)を置き、社会や産業界の需要、市場や雇用の規模、国際的な競争力強化の方向性、研究開発の新規性や難易度などを検討し、今年度中に事業化戦略を作る。



ERATOだと研究総括というのだけど、要はプロジェクト全体を見て、予算配分したり研究の進捗を見極めたりする人で、これが大学教授の場合もあれば、企業研究者の場合もある。

アメリカではフリーのPMというのもありそうだけど、日本ではまだいないかもしれない。
研究者を現場監督として、もっと上のレベルでミーティングできる人なのかなあ。

さらに、JSTはPMを使って研究の産業化を加速させるプロジェクトとしてACCELというのを始めた。

戦略的創造研究推進事業におけるACCELの実施について@JST

JST(理事長 中村 道治)は、戦略的創造研究推進事業などで創出された世界をリードする顕著な研究成果について、プログラムマネージャー(PM)によるイノベーション指向の研究マネジメントにより、技術的成立性の証明・提示(Proof of Concept:POC)、および適切な権利化まで推進するためのプログラム「ACCEL」を今年度より開始しました。
ACCELでは、研究開発課題ごとにJSTが配置するPMが研究代表者と協力して、研究成果を最大限に生かした社会的・経済的価値創造に向けてのビジョン、具体的用途とPOCを設定し、研究開発課題の提案からマネジメントまでを行います。



これが5年で15億円。
第1号は、「エレクトライドの物質科学と応用展開」

エレクトライドは、ERATO「細野透明電子活性プロジェクト(平成11年~平成16年)」の成果として、室温・大気中で安定な機能性化合物として見いだされた後、FIRST「新超伝導および関連機能物質の探索と産業用超伝導線材の応用(平成21年~平成25年)」において超伝導も示す同化合物がルテニウムを担持することで高活性のアンモニア合成触媒となることが発見され、当初予定を上回る際立った結果として今後の展開が期待されるとの評価を得ています。



結果が出れば延長されるということでしょうか。
ここにもPMがいます。このPMはJSTの人ですね。

ERATOの技術参事とも違うんでしょうか? 違いそうですね。

新しい名前の予算が次々に出てきて、そこに新しい名前の役職が出来て、やっていることがよくわからない。
もう少し整理してもらえると助かります。

それにしても、ACCELだって、ERATOと同規模ですから、日本の研究ファンドでは最大級といえる額です。
ところが、FIRST以降、次々とさらに大型のファンドが出来、10億円は当たり前、5年30億円から、5円50億円、さらにその上も見えてきそうで、一見、大リーガーの契約金額のようですが、研究者の給与ではないので、お間違えなく。


そして、こうした巨額の資金が科学技術研究予算に投入されるのは、喜ばしいことなのかどうか。

先ほど紹介したコラムでは、この点についてDARPAのファンドモデルの説明としてこんなことを書いています。

 ① インパクトの大きい研究に投資する
基本的に「ハイリスクだがインパクトが大きい」とみなされる研究を支援する。「インパクトが大きい」ということは、英文ではHigh-pay offまたはHigh-rewardと表現される(DARPAではHigh-pay off、NIHではHigh-rewardが使われている。NSFが好んで使うTransformativeにもやや近いニュアンスがある)。すなわち、「できるかどうかわからないけれど、できたらすごい」という研究を支援する。



官僚の好きな日本語英単語づくりには脱力しますが、その言葉の意味もかなり換骨奪胎されたものです。

 ② プロジェクトマネージャーに全部任せる
一人のプロジェクトマネージャー(PM)に全部任せる。任されたほうは、他職は休職してでも期間中はプロジェクトに専念する。結果的にうまくいかなくても、PMを務めあげたこと自体が、その後のキャリアにおいて高く評価される。



それにしても、PMとかPDになるにはどんなキャリアが必要なのでしょう。
また、今後、そのキャリアに達する人はどれくらいいらっしゃるのでしょう。
そちらが心配になってきました。

そして、ハイリスクとかインパクトを求めていますが、その意味の違いを認識できているだろうかと。

ちなみに、日本の科学者の方々がよく「ハイリスク研究に支援を」と言われるのを聞くのだが、米国の研究支援では「ハイリスク」という言葉が単独で使われているケースを見かけない。特に、DARPAモデルでは研究の成功確率が低いことは、研究投資の判断材料にはならない。チャレンジする価値は、狙えるインパクトの大きさのほうにあるのだから。目標が達成できたとしてもそのインパクトが小さいと見なされる研究は、成功確率が高くてもチャレンジする価値が無いし、ましてやインパクトが大きいか小さいか判断できない研究に対して、成功するかしないかを考える必要すらない、というのが、このモデルの前提である。



成功しなくてもいいんですかね?
日本では、なかなか成功しないかもしれないけど、成功したらインパクトあるからファンドくださいとは言いにくいし、その研究を誰が選んだのかということにならないですかね?
いわゆる目利き論争ですが。

イノベーションも、インパクトも、ハイリスクも、もう一度どういう意図で使っているか、すりあわせたほうが良くないですか? 

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プロフィール

fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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