4月のパズ懇で中村義作さんが紹介された問題が、ず~っと気に掛かっていました。
√2をN倍した数を考えます。
1.414…
2.828…
4.242…
5.656…
7.071…
(2+√2)をN倍した数を考えます。
3.414…
6.828…
10.242…
これらの数の小数点以下を切り捨てて整数部分だけを見ると、
√2の倍数は、1,2,4,5,7,8,9,11,12,14,15,16,18,19,…
(2+√2)の倍数は、3,6,10,13,17,20,…
となり、全ての自然数が重複なく出現します!
ウッソ~と、いうのが第一印象、
どうやら正しいらしい、というのが第二印象、
そしてそして、ようやく昨夜蒲団の中ですっきりと説明することができました(^^)
私は初めて知りましたが、きっと有名問題なのでしょう。
思いついた証明は、数日後にでも追記します。
ここからネタばれです。
自然数Nまでの中に√2の倍数は、[N/√2]個あります。[]はガウス記号。
(2+√2)の倍数は、[N/(2+√2)]個。
当然N/√2とN/(2+√2)はどんなNについても整数ではありません。
ここで、N/√2+N/(2+√2)=Nなので(!)、
[N/√2]+[N/(2+√2)]=N-1となります。
どんなNについても倍数の個数の和がN-1なので、
Nが1増える度に倍数の個数が必ず1個増えることになり、題意が成り立つことが示されました。
一般化すれば、このような性質は
1より大きな無理数Aと、A/(A-1)、について常に成り立つことがわかります。
(両者の逆数の和が1というのがミソ)
書いているうちに、6月19日を迎えました。NOBさんの命日です。
- 2009/06/16(火) 23:48:47|
- パズル
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鮮やかですね。
わたしは、√kと(k+√k)/(k-1)について考えました。
両者に同じものが現れないことを、直に示し、
逆数の和が1から「鳩ノ巣原理」ですべての整数が現れる、
というものです。
一般の無理数までは想定していませんでした。
- 2009/06/20(土) 14:07:39 |
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- 数楽者 #1Qqcdk6s
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すごいです。証明を読めば理解できますが、自分には見当もつきませんでした。中村義作さん、どこかで見た名前だと思ったら、家にブルーバックスの本が2冊ありました。パズル懇話会ってやっぱりすごい人たちの集まりなんですね。
- 2009/06/20(土) 22:48:01 |
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- 良き湯河原の武士 #-
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数楽者さん、
逆数の和が1というのは聞いた日に気付いたのですが、そこからの一歩が長かったです。数楽者さんのも今度お会いした時に詳しく教えてください。
良き湯河原の武士さん、
私も入会前は恐れ多かったのですが、皆パズル好きで、いい人ばかりです。>パズル懇話会
- 2009/06/23(火) 00:57:27 |
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- タロタロ #-
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「数の事典」D.ウェルズ著 芦ヶ原伸之・滝沢清訳のルート2の項の最後にほぼ同様の内容の記述があります。
証明は載っていませんけどね。
- 2009/07/20(月) 12:34:40 |
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- Ototo #X5FrIo1E
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Ototoさん、初めまして。
[√2の倍数]の数列と、それに現れない自然数の数列、の各要素の差が2Nになる、という表現ですね。確認してきました。数の事典もこのあたりは読んでいるはずですが、全然頭に残っていませんでした。教えていただきありがとうございます。
返答遅くなって済みませんです。
- 2009/07/25(土) 23:05:52 |
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- タロタロ #-
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キレイですねー!
私に解く能力はありませんけれど、
説明を拝見して、感動するセンスはあるつもり。
腰の低い義作先生の思い出とともに、感慨にふけりました。
- 2009/07/26(日) 21:00:49 |
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- さだきち #SFo5/nok
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さだきちさん。
はい、この解き方はエレガントで気に入ってます。
レスがとても遅くなって済みません。
ドラクエ9ばかりやっててブログを見てませんでした。
- 2009/08/05(水) 01:10:48 |
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- タロタロ #-
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