問われるのは安倍・菅政治の8年9カ月 東大名誉教授の御厨貴さん
毎日新聞
2021/9/16 16:00(最終更新 9/16 16:00)
有料記事
4133文字
菅義偉首相は退陣理由について説明した記者会見で「新型コロナウイルスとの闘いに明け暮れた日々だった」と、この1年を振り返った。政府のコロナ対応、安倍・菅政権の8年9カ月、そして自民党総裁選とその後に控える衆院選をどう考えるのか。東大名誉教授で政治学者の御厨貴さん(70)に聞いた。【聞き手・関谷俊介】
――政府の新型コロナウイルスへの対応をどうみるか。
◆政府の危機への対応として、これまでは自然災害を相手とすることが多かった。近年では阪神大震災、東日本大震災、熊本地震、その後もさまざまな災害が続き、それが「平成の危機」と言われるものだった。そうした災害への対応については、政治が復興に向けてどうやって動いていけばいいのか経験からわかってきた。ところが、コロナはまったく様相を異にしていた。自然災害からの復興はたくさんの人と人との出会いの中でつくり上げていくものだが、コロナについては人と人が出会ってはいけないところがまず違う。政治の課題としては非常に難しかった。安倍さん(安倍晋三前首相)も昨年、相当困難な問題にぶち当たったと思ったことだろう。安倍さんは全世帯にマスクを配ることはしたが、これといって何をしたかと聞かれても見当たらない。代わりにやってきたのが、官房長官だった菅さんだった。というのも、安倍政権の7年8カ月に菅さんを通さなければ課題を解決できない仕組みを構築したからだ。だが、菅さんは未知の問題を解決することが苦手だから本当はやりたくなかったと思う。
――菅首相が1年間で退陣することになった要因は?
◆菅さんの一番の問題点は、…
この記事は有料記事です。
残り3462文字(全文4133文字)
【時系列で見る】
-
白鵬、誕生日に震災発生は「宿命」 復興支援に尽力、感謝の声
1187日前 -
福島・請戸小学校 震災遺構として10月24日から一般公開
1191日前 -
原発テロ対策の不備招いた規制委の体制
1193日前 -
首相、米国の食品輸入停止撤廃を歓迎 「被災地待ち望んできた」
1193日前 -
人の集まる場所に 気仙沼に建築士が「くるくる喫茶」オープン
1194日前 -
3団地寄れば文殊の知恵 岩手の災害住宅、独居見守りで勉強会
1196日前 -
福島・相馬の「おさかなマガジン」 レシピやさばき方を紹介
1196日前 -
「きれいな海を残したいだけなんだ」 処理水の放出方針、漁師の憤り
1198日前 -
残るセシウム、止まったままのシイタケ原木出荷 森林どう再生
1198日前深掘り -
問われるのは安倍・菅政治の8年9カ月 東大名誉教授の御厨貴さん
1199日前 -
被災地で進む高齢化と過疎 「特例」移住者に存続託す養殖漁業
1199日前深掘り -
震災10年半 被災地、突出する高齢化 「老老復興」に担い手息切れ
1200日前深掘り -
亡き妻へ「来世で会うべ」 10年経て石碑に名刻み、伝承へ一歩
1204日前 -
お帰り二宮金次郎像 東日本大震災で倒壊、地元住民が私費投じ再建
1206日前 -
福島・浪江の再開発 隈研吾氏の事務所が設計へ「世界に発信を」
1209日前 -
処理水、風評被害、遠い帰還… 菅首相の退陣に福島の人々は
1211日前 -
「少しでも明るく」 東京パラのビクトリーブーケ、障害者らが制作
1214日前動画あり -
福島の帰還困難区域 20年代に希望者全員帰還へ 政府方針
1214日前 -
木桶で「昔ながらの酒」 福島の蔵元、杉の香りと深い味わい
1219日前
関連記事
あわせて読みたい
アクセスランキング
現在
昨日
SNS
スポニチのアクセスランキング
現在
昨日
1カ月
' +
'
' +
'' + csvData[i][2] + '
' + '' +
'' + listDate + '' +
'
' +
'