『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の“魔法のエスニックパエリア”を再現!
- Thu
- 18:00
- 再現料理
最初は床が固くて落ち着かなかったのですが、順応能力が高いのかマゾなのか、逆に床で寝ないと落ち着かないようになる有様。
おかげで、たまに私の方が早く寝る時でも猫を布団にいれて最初から床に寝転がっており、人として妻として何かが終わりつつある今日この頃です。
どうも、夫から「俺と一緒に眠るのが嫌なの?」と笑いながら聞かれ、慌てて事情を話した当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』にて芝田先生が広田先生におもてなしに最適だと教えられていた“魔法のエスニックパエリア”です!
七月~八月までの真夏はまさに人が集まるシーズンで、お盆や子ども会、祭りの打ち上げなどで意外と人が集まる時期ですね~と柴田先生達が世間話をするシーンがあります。
当管理人の場合、大人になってからはそういう集まりも珍しくなりましたが(←自身も従兄弟も独身族の時期が長かったので…;)、確かに子どもの頃は親戚のお宅に集まったり逆に招いたり、友達一家とうちの庭でBBQをしたり、子ども会主催のプール遊びやボーリング大会に参加したりと親を巻き込んでのイベントが多く、何だかんだで賑やかな毎日でした。
こういう時、大抵食事会もセットになっていて、うちの母も持ち寄りで何品か持参したり、お弁当を持たせてくれたり、うちで集まりがある時は朝から色々準備したりと本当に大変そうでした…(←ですので、毎年夏になると母は必ず「早く夏休み終わって欲しい~」とぼやいていました。幼い時は「どうして~?」と不思議でしたが、今なら「そりゃそうだよね…その節はありがとうございますm(_ _;)m」としみじみ感謝しています)。
勿論、現役奥様の芝田先生もそういった集まりが多く、これまでおもてなしの機会が結構あったみたいで、色んな必殺レシピをお持ちのようでした
うちの母は餃子・瓦そば・から揚げといったTHE・家庭料理が定番おもてなしメニューでしたが、芝田先生が今まで教えられていたおもてなしメニューはカラフル野菜で色鮮やかなピザキッシュなど日常的なようで見栄えのする料理が多く、料理研究家の方が考えられるおもてなしってどんなお手軽レシピでもやはりプロ!って感じでかっこいいな~と思ったものです。
ちなみに、芝田先生が老若男女問わず人が集まる場でのおもてなし料理としておすすめしたいと力説されていたのが、ずばりパエリア!
芝田先生が仰るには、「これは一品作ればすべてまかなえる良さがあるのよ。ご飯物と煮物とー揚げ物とーって用意しなくて済むでしょ?」「つまり、ちらし寿司を出す感覚で出したらいいと思うの!!」「ちらし寿司だと炊いて冷まして混ぜてが必要だけど、これなら一品!!鍋ごと出しても失礼じゃないしね!!」だそうで、聞けば聞くほど「なるほど…!」と目からうろこ。
おもてなしの何が大変かといえば、それなりに手の込んだ料理を何品も同時に作らなければならないという体力勝負な所ですので、一品あるだけでどーんと華のあるパエリアは確かにすごく助かりそうです!
パエリアという料理自体は日本に浸透しきっているものの、ちゃんと作ると面倒そうというイメージが先行して家では滅多に作りませんが、誰かのお宅で食べる分にはすごく嬉しいですし、考えてみれば苦手という方に出会った事がないような気がします(←もしかして、カレーやラーメン並みに万人受けしているのでは…?)。
それに、パエリアだからこそ生まれるパリッとしたお焦げと、芯とは違う絶妙なコシの効いたご飯の美味しさは、普段炊飯器でふっくら炊いたご飯を味わい慣れているからこそ新鮮な気分で楽しめそうですので、まさに晴れの場にふさわしいご馳走だと感心したものです。
この時、芝田先生が「友人達の集まりで出すと好評な一品があるの!これはとにかく作るのが簡単!そして味が女性に非常にうける!!」と太鼓判を押してご紹介されていたとっておきのパエリアが、この“魔法のエスニックパエリア”です!
作り方は簡単で、バター・玉ねぎ・生米・干し椎茸・鶏手羽先を炒めた後にお水(椎茸の戻し汁も使用)とナンプラーを足してフタをし、中火~強火で約十分→弱火で約十分→火を止めて蒸らしの十分と時間をかけて熱を通し、仕上げにレタスやトマトを散らしたら出来上がりです。
ポイントは、お米はバターが染みてキラキラに透き通るくらいまでしっかり火を通しておくこと、炊く時間はちゃんと守ること、蒸らす時は絶対にフタを開けないことの三点で、予想以上に手間がかからない作り方に初見時はびっくりしました。
パエリアに使う野菜といえば、パプリカ・ピーマン・きのこ・ズッキーニ・アスパラ・ブロッコリーなどてんこもり、それもあらかじめ別に温野菜にしておく下ごしらえも必要なので大変という印象だったのですが、こちらは玉ねぎと干し椎茸を一緒に炒めるだけ、それもレタスやトマトといった生野菜も使用という斬新なスタイルで、これなら時間がない時でもさっと作れそうです。
それに、夏場には生野菜のフレッシュさが個人的には嬉しい感じで、広田先生の「ああーっサッパリ。これは気持ちのいいおいしさ!!」「何より野菜がもりだくさんに乗っているから、シャキシャキした歯ごたえと、お米のモチモチがちょうどいい感じの舌触り」という感想を見るたび、思わず喉が鳴ります;。
「簡単だけど豪華に見えて気分が明るくなる料理を食べたい」と思った時、真っ先にこちらの料理を思い出したので再現することにしました。
作中には詳細な分量つきのレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、炒め作業。
中火に熱したフライパンへバター、みじん切りにした玉ねぎ、生米(研がずにそのまま使います)を投入し、木べらで混ぜながらしっかり炒めます。
やがて、白っぽかったお米にバターがなじんでツヤツヤに透き通ってきたら、水で戻した後細かく刻んだ干し椎茸と鶏手羽先を加え、軽く炒めます。
※鶏手羽先は皮の方を下に入れ、こんがりと焼き目をつけることを推奨します。
具とお米が炒まったら、お水(椎茸の戻し汁も含めて使うとよりコクが出ます)とナンプラーを注いでフタをし、中火~強火くらいの火加減で約十分炊きます。
時間がたったらすかさず弱火にしてまた十分程火を通し、水分がなくなってパチパチいい出したらすぐに火を止め、さらに約十分蒸らします。
※強火にかけている時、もし「ん?少し焦げ臭い?」と思ったら火加減はすぐ調節した方がいいです。あと、蒸らす時は絶対にフタを開けず湯気を逃がさないようにしてください。
蒸らしが終わったらフタを開け、上から千切ったレタスと切ったトマトを飾り付ければ“魔法のエスニックパエリア”の完成です!
生野菜が乗ったパエリアは初めてですが、見るからにさっぱりしてそうで夏向けな仕上がりになっていると思いました(←プチトマトを使ったらもっと可愛らしい感じになりそうですね)。
バターの芳しい香りが食欲を誘うのがお寿司にはない最大の利点で、特にお子さん向けかもしれないです。
それでは、小皿に取り分けていざ実食!
いっただっきまーす!
さて、味の感想は…あっさりそうな見た目をいい意味で裏切る滅茶苦茶濃い美味さ!和なようで洋でもあるいい所取りのご馳走ご飯で、干し椎茸のプリプリ感が最高です!
鶏の骨と身から出た濃密なエキス、干し椎茸の奥深い風味がバターのふくよかなコクによって一つにまとまり、強烈な出汁の旨味がご飯一粒一粒に染み込んで潤っているのにうっとりします。
ナンプラーは魚の出汁と醤油を足して二で割ったような感じの味で、臭いも熱で飛んでいるせいかエスニック料理慣れしてなくてもしっくりくる味わいなのですが、魚の豊潤な旨味をさらに熟成させたような塩気はぐっと強まっており、味付けはエキゾチックなバター出汁醤油味という印象でした。
一言で例えるなら「鶏と魚の濃縮出汁ががっつり効いた異国情緒溢れるピラフ」というイメージです。
鶏手羽先は自然と最高な状態に蒸し上がっているので出し殻状態になることもなく十分ジューシーで、しっとり柔らかい身ととろけるような脂の鶏皮がたまりません(←「鶏手羽版茹で鶏」みたいな感じ)。
表面はもっちりしつつも本格リゾットみたいなアルデンテのある炊き上がり、底はパリパリッと香ばしくほんのりほろ苦いお焦げに仕上がっていて、普通の炊き込みご飯とは一味違い、食べるごとにお米の食感と味わいが変化する為最後まで飽きずに頂けました。
この濃厚なご飯に、シャキシャキッと瑞々しいレタスと甘酸っぱい果汁が弾けるトマトが抜群に合っており、後口をすっきり爽やかに洗い流してくれるのがよかったです。
机に置くとぱっと華やいで見えるのでお祝い事にもよさげですが、簡単に作れて冷めてもおいしい普段使いに向いた一品でもありますので、これはいろんな場面で活躍してくれそうなレシピだな~と思いました。
作中でお勧めされていた通り、レモンをさっとふりかけてもおいしかったです。
P.S.
あめふらしさん、ゆゆさん、みかみさん、無記名さん、コメントを下さりありがとうございます。
ご質問にあった『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』のレシピですが、単行本一巻に載っているレシピ以外はご推察通り、過去に発行された『月刊フォアミセス』という雑誌にのみ掲載されている単行本未掲載の料理になります(ちなみに、残念ながら『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の連載は既に終了し、二巻発行の予定も一切掲載されておりません)。
下記の出典欄に何年何月号という記載は一応しているのですが、今はもう古本屋さんでしか入手方法はないみたいですので、当管理人もコツコツ集めている最中です。
お力になれず、申し訳ございません。
あと、無記名さん、コメント管理に何らかの制限が残っていたようで書き込みの際にご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。
お教えして頂いたページ、是非拝見いたします。ありがとうございました。
●出典)『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』 作者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
(月刊フォアミセス 2013年9月号掲載分)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『紺田照の合法レシピ』の“豚肩ロースの炭火焼き-桃色タルタルを添えて-”を再現!
- Sun
- 18:00
- 再現料理
他にも、皮が極限までパリッと香ばしいのに何故か身だけはトロトロにやわらかい焼き鮭や、すっぱ甘い不思議な和風マリネにされた鯛のお刺身、鮭か何かの練り物を肉汁たっぷりな天ぷら状に仕立てたものなど、日頃出会えないお料理ばかりで、こんなユニークなお料理を作れるなんてどんな方なんだろうと興味をそそられました。
どうも、これで900円以下なんて利益が出るんだろうかとつい余計なお世話な事を考えてしまった当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『紺田照の合法レシピ』にて紺田君がBBQ会場で作った“豚肩ロースの炭火焼き-桃色タルタルを添えて-”です!
それは、紺田君殺害未遂事件から少し立った頃のこと。
ようやく一段落ついた霜降肉組は、とあるBBQ会場で懇親会を開くのですが、いかんせん普段はこういうアウトドアとなれ親しんでいないせいか、周囲から浮きまくります(←夜間登山やフリーすぎるダイビングなど、上級者向けな野外活動は得意なのですが)。
というのも、一般客はTシャツにGパンなどラフな服装の家族連ればかりなのに対し、紺田君を始めとする組の皆さんはド派手なスーツにエナメル靴をかっちり着込んだニコリともしない強面軍団で、一目で分かるほど異様な空気に包まれていた為;。
おまけに、食べ物を粗末にすることを何よりも嫌う幹部・狼須さんが「焦がしたらお前も黒焦げだからな~」と
暦の上ではまだ春とはいえ、日差しも強く炭火の熱がガンガンくる中長袖のスーツで黙々と肉を焼く皆さんの姿はかなり暑そうで、近い将来霜降肉組にもクールビズな服装が認められるよう祈らずにはいられません(^^;)。
ちなみに、こんなにスリリングなBBQだというのに先輩方は高級牛タンの解凍を雑に行っていたみたいで、味はガチガチのゴムのようで今ひとつだった模様…。
幸い、狼須さんはいい焼き具合のお肉しか食べてなかったみたいで、お咎めは何もなかったようですが…組の方が鉄板で熱いんだか冷や汗で寒いんだかよく分からない目にあわなくて本当に良かったです(←注:料理漫画の感想です)!
なお、その際お肉や野菜の焼き加減について鋭い指摘をしてきたのは、一見食べ物の匂いにつられてやってきたただのホームレスに見える怪しげなおじいさん。
承諾を取らず勝手に焼肉を食べるという不審者一歩手前の行動を取るのですが、「(牛タンを食べながら)常温に戻して焼かないからぁ~」「この玉ねぎも枯れ葉みたいです。皮ごとホイルに包んで炭の中で焼くと美味しいのに…」「ピーマンも丸ごと焼いた方が美味しいのに」など料理のアドバイスは素人とは思えないほど的確で、その上紺田君がとっておきのタレに漬けておいた豚肉を振るまった時も「醤油、酒、ハチミツ…それにおろしリンゴも入っていますかぁ?」「しかし、いささかパンチにかけますねぇ…豚肉の臭みもわずかですが残ってます」「香り付けにローズマリーを埋め込むとか…ナラの小枝を炭火に入れて燻すとか方法は色々あったはずですが…」と鋭い指摘を入れた為、紺田君は只者ではないと気を引き締めます(←料理のお話のはずなのに、二人の気合がすさまじいせいかスタンド使い同士の戦闘前みたいな効果音が入っているのが何とも…。正直、紺田君が料理系のスタンド使いでも特に驚きませんが;)。
実を言いますと、このおじいさんは霜降肉組が所属している肉食会総本部の会長・鰭中幻一郎さんで、ロシアでの大きい取引に参加できるような骨のある人間を探すためにわざわざ潜入していたそうですが(←日本古来からある王道的伏線・「実は偉い人だった」ですね!)、最初読んだ時は「どこかの伝説的料理人が見所のある新人をスカウトしに来たとか?」とトンチンカンな想像をしていました。
まあ確かに作った本人と大勢の観客を目の前にし、料理の欠点をずけずけと遠慮なく言い並べるなんていう悪魔超人並の残虐ファイト、その筋の人みたいに度胸がないとそうそう出来ないよね…と思いましたが、よくよく考えてみれば料理漫画は普通にそんな掟破りの方々だらけでした(この方とかこの方とかこの方とか)。
本当、紺田君は料理漫画界でも一、二を争うほど礼儀正しくて常識人な主人公だな~と改めて実感します(
その後、紺田君は鰭中さんに「この豚肩ロースはこれをつけて完成です」と桃色をしたタルタルソースをかけて差し出し、再度試食をお願いします。
それが、この“豚肩ロースの炭火焼き-桃色タルタルを添えて-”です!
作り方は簡単で、醤油・お酒・蜂蜜・すりおろしたりんごを合わせたタレにつけて二時間くらい寝かせた豚肩ロース肉を炭火で両面をこんがり焼き、仕上げに細かく刻んだ玉ねぎ・ゆで卵の白身・紅しょうが・マヨネーズ・お酢をよく混ぜて作ったタルタルソースをかけたら出来上がりです。
ポイントは、炭火が難しいなら魚焼きグリルみたいな一気に強火で網焼きできる調理器具で豚肩ロースを焼くこと、タルタルソースにはゆで卵の白身だけで黄身は使わないことの二点で、こうすることによってお肉はよりジューシーに、ソースはよりさっぱりして見た目も美しくなるとの事で、相変わらず細やかな心配りがきいた料理をするな~と感心しました。
食べる前はタルタルソースの変わった色を気にしていた鰭中さんでしたが、一口食べた途端「豚の生姜焼きからもわかるように、豚と生姜の相性は抜群!!」「豚肩ロースと合わさり、口の中で最高のパフォーマンスが繰り広げられている…!」「タルタルソース込みの味付けだった訳ですね!!」と絶賛していました(←あまりに美味しすぎて、鰭中さんの脳裏にはももいろクローバーZをモデルにしたらしき五人の凶器を持った物騒な
そして、「良い腕です…」「愛情と策略が無ければ旨い料理は出来ません。霜降肉組の若い衆にもまだまだ骨のある男がいたもんです」と安心した鰭中さんはそのまま帰り、数日後に組を通してロシア出張を指名していました。
料理によってどんどん出世していく紺田君…最終的にどんな立ち位置になるのか、ワクワクします!
実は等管理人、紅生姜がやや苦手でしたので少し躊躇していたのですが、紺田君のレシピだといつもおいしく食べられるので「紅生姜も好きになりたい!」と思い再現することにしました。
作中には詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、豚肉の下ごしらえ。
ジップロックに醤油、お酒、蜂蜜、すりおろしたりんごを入れてよく混ぜ、豚肩ロース肉を入れてしっかり揉み込んでから約二~三時間ほど冷蔵庫で寝かせます。
時間がたって豚肉を取り出したら汁気をキッチンペーパー等でふき取ってから油を塗った魚焼きグリルへ並べ、表裏をひっくり返しながら全体に火を通します。
※今回の調理法は、本家レシピの応用版を試してみました。魚焼きグリルだと手軽に作れるのが嬉しいです。
その間、ボウルへみじん切りにした玉ねぎとゆで卵の白身、細かく刻んだ紅しょうが、マヨネーズ、お酢を和えて作ったタルタルソースを準備しておきます。
焼きあがった豚肉を食べやすい大きさに切り分けてお皿へ盛り付け、その上へ先ほどのタルタルソースをたっぷりかければ“豚肩ロースの炭火焼き-桃色タルタルを添えて-”の完成です!
焦げた醤油の香りもそうですが、おいしそうなタレ色に焼きあがった豚肉に、桃色と白色が入り混じった可愛らしい桃色タルタルが映え、視覚的にも食欲をそそります。
紅しょうがとマヨネーズの組み合わせ自体は焼きそばなどにありますが、果たしてしょうゆ味の焼肉に合うのか…食べて確認しようと思います!
それでは、焼き立て熱々の内にいざ実食!
いっただっきまーす!
さて、味の感想は…滅茶苦茶洗練された豚料理で美味し!見た目よりもずっとさっぱりした味わいで繊細な一品です!
魚焼きグリルによって両面を高温で一気に焼き上げたおかげで、外はカリッと香ばしく中はふっくら柔らかく仕上がった豚肉はフライパンで焼いた物とは一味違い、まるで本当にBBQや炭火焼きしたような本格的かつ理想的な焼き上がりになっています。
りんごのフルーティーで瑞々しい風味と、蜂蜜の濃密で複雑な甘味が効いた肩ロースは奥行きがありつつも優しい甘辛醤油味で、正直これだけでも結構ハイレベルな出来だと思いました。
しかし、そこにタルタルソースが加わると一変!
素朴な焼き肉料理が、さらに垢抜けた華やかな創作料理に変身します。
黄身がない分プリプリサクサクした軽やかな食感と、あっさりした甘酸っぱい後口に仕上がったタルタルソースは、豚肉の僅かな癖を消しつつ旨味の輪郭をくっきり浮き上がらせる感じで、そのまま食べるよりもかえって下味や豚肉のジューシーさが際立つのが特徴的でした。
紅しょうがはそのままだと酸っぱくてが舌に障りやすいですが、マヨネーズにより酸味も辛味もまろやかになって爽やかに調和するのがよかったです。
材料が似ているので生姜焼きっぽく感じなくもないのですが、紅しょうがからにじみ出た梅酢の香味が効いたタルタルソースはがっつり系で骨太な味わいの生姜焼きにはない、女性的な淡い上品さを感じましたので、全く新しいおいしさだと強く印象に残りました。
作るのが簡単な割には凝った味わいになりますので、すごく助かるソースです。
この紅しょうがタルタルソースはしょうがに合うものでしたら何でもかけちゃって大丈夫だと思いますので、色々試してみる予定です(鶏の照り焼きやから揚げにも合いそうな予感)!
P.S.
かべさん、なおかたさん、自由人さん、デスだよ姉ちゃんさん、銀猫さん、コメントを下さりありがとうございます。
●出典)『紺田照の合法レシピ』 馬田イスケ/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『どんぶり委員長』の“ピリ辛肉みそ隠れ納豆丼”を再現!
- Wed
- 23:50
- 再現料理
すると、確かに‘なっとうだモン’はなくなっていたのですが、一昨年と去年に熊本城復興支援プロジェクトで本当の意味でのお城納豆を販売していたことを知り、びっくりしました。
今年はまだ売られていないようですが、お店で見かけたら必ず買おうと思います。
どうも、熊本城の全復旧が終わるのは2039年の予定と知り、2020年に東京オリンピックが決定した時同様「その頃、自分はどうなってるんだろう…」と遠い目になった当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『どんぶり委員長』にて吉田君が納豆が嫌いな委員長の為に作った“ピリ辛肉みそ隠れ納豆丼”です!
ある朝、登校中に偶然会った吉田君と委員長は一緒に教室へ向かうのですが、吉田君が朝食に食べた納豆の事について話しだした途端、委員長は「いいいいいいいっ!!」「キライキライ大っキライ!!」とすごい勢いで断言します(←この激しい「嫌い」の連呼、『ヱヴァンゲリオン』のアスカや『ふしぎの海のナディア』のナディアを思い出しました;。そういえば三人とも、すごく気が強くて頑固な所は共通していますね^^;)。
どうやら委員長は納豆を一度も食べていないものの、初めて見た時から嫌いでたまらなかったらしく、吉田君がフォローしようとするも「まずあの香り」→「くさいっ!!」、「あのねばり」→「気持ち悪いっ!!」、「そしてあの味」→「ありえないっ!!」と食い気味に完全拒否しており、「…何か人の悪口にも聞こえてきた気が…」(←確かに!)と吉田君を落ち込ませていました。
食べ物の好き嫌いは理屈ではありませんので仕方ないですが、自分が好きな物を聞く耳持たずで猛烈に拒絶されると、不思議と自分まで否定されているような感覚にちょっとだけなりますので、吉田君が思わず胸にグサッと来るシーンは非常に共感したものです(←「同じ釜の飯を食う」とは、真反対なシチュエーションになるからでしょうか?うまい例えが思いつきません;)。
お餅もとろろもトルコアイスもコシヒカリも、粘りが強ければ強いほど喜ばれるのに、納豆は別格扱いで嫌われてしまう…不憫でなりません(つД`)。
ここまで嫌いだったらもはやそっとしておいた方がいいと思うのですが、吉田君は委員長が単なる食わず嫌いなのが引っかかったようで、いつもと違って自分から「お前のために納豆で美味しいどんぶり作ってやるよ!!」と大コマで宣言するのですが、次の大コマで「断る!!」と委員長からすぐに力強く宣言返しされており、ずっこけました(←何故かFF8の斬鉄剣返しのシーンを思い出しました;。恐らく、インパクトの大きさと予想外な所が似ていたからと予想)。
しかし、委員長は丼自体は食べたかったようで、「昨日の晩ごはんキーマカレーだったんだけど、改めて思ったの、ひき肉の旨みって最高だなって!!」「というワケでアタシのためにひき肉でどんぶり作ってくれる?」と唐突に依頼し、吉田君が断るのをスルーして学校へ直行していました。
ひき肉を使ったおかずはご飯に合う物が多いので、委員長の気持ちはよく分かるのですが、普段はお餅・カレーパン・トムヤムクン・博多ラーメン・ピザ・じゃがバターなど変わった食材での丼リクエストが目立つので、初見時は「あれ、意外と普通…?」と失礼な事を考えたのを覚えています(←※委員長はウケ狙いで食材指定をしている訳ではありません)。
そして放課後、吉田君は委員長の希望通りひき肉を使いつつ、何と納豆をも美味しく食べられちゃう創作丼を生み出して委員長の度肝を抜かします。
それが、今回ご紹介するこの“ピリ辛肉みそ隠れ納豆丼”です!
作り方は簡単で、おろしにんにく・おろししょうが・味噌・料理酒・牛豚合いびき肉を炒めて作った肉味噌に、料理酒と醤油を加えてよく炒めた納豆を混ぜ合わせてご飯に乗せ、仕上げに刻みネギとラー油をかけたら出来上がりです。
ポイントは、納豆をしっかり炒めて粘りをなくした後に料理酒と醤油で香り付けと味付けを済ませることで、こうすると粘りも匂いも大分マシになると作中で説明されていました。
あと、ラー油の香りが最後のダメ押しで納豆の癖をやわらげてくれるとの事で、日頃のデリカシーのなさ(例:体重を気にする委員長に「どんぶりの食べすぎで最近、太ったんじゃね?」と致命的な失言)が嘘のように細かい気配りがきいた丼だな~と感心です。
以前、『セイシュンの食卓』の“ひきわり納豆丼”という同じくひき肉+納豆の丼を作ったことがありますが、あちらはにんにくバターしょう油で洋風かつシンプルな味付けだったのに対し、こちらは和風かつそこそこ濃い目な味付けになっている為かえって味の想像がつかず、どんな仕上がりになるんだろうと気になったものです。
正直、何をしても納豆が苦手な当管理人の夫みたいな人間もいるので心配だったのですが、幸い委員長の場合は本当に食わず嫌いだったようで、「しょう油の風味も相まってごはんとの相性バッチリ!」「今まで納豆を食べなかったのって…人生損してたかしら…」「この肉みそと一緒に食べると納豆が見事に一体化して…まるでお肉みたい…!!」と絶賛しており、吉田君と同じくほっと胸を撫で下ろしました;。
嫌いなものを無理して食べることはないですが、美味しい選択肢は数が多い方が人生楽しくなると思いますので、そういう意味で納豆好きになってくれてよかったな~と思った回でした。
たまたま冷蔵庫に残っていた材料を確認した所まさにこの丼の材料で、「これは作ってみなくては!」と思い再現することにしました。
巻末には分量つきの詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、肉味噌作り。
中火に熱したフライパンへ牛豚合いびき肉、おろしにんにく、おろししょうがを入れて炒めます。
ひき肉の色が白っぽく変わってきたら料理酒と味噌を加えて混ぜ合わせ、汁っぽさがなくなって全体に味がよく染みこんだら別器へ移しておきます。
これで肉味噌は準備万端です!
次は、納豆の炒め作業。
油をひいて熱したフライパンへ納豆を入れてよーく炒め、パラパラし出したら料理酒と醤油を加えて香り付けと共に味付けをします。
そこへ先ほど取っておいた肉味噌を投入してしっかり炒め合わせます。
この納豆肉味噌を炊き立てご飯をよそった丼の上へたっぷり乗せ、最後に刻んだ長ネギを中央に散らしてラー油を振り掛ければ“ピリ辛肉みそ隠れ納豆丼”の完成です!
醤油や味噌、にんにく、ラー油などの強く香ばしい匂いが漂うため、丼からは納豆の匂いはさほど感じません(
和風っぽいと思ってましたが中華風っぽくもありますので、一体どんな味かするのか楽しみです!
それでは、冷めない内にいざ実食!
いただきま~すっ!
さて、味の感想は…納豆の旨さはそのままに癖だけ緩和してて美味しい!大豆製品同士なので相性がすごくよく、しっくりくるお味です!
味噌の熟成されたふくよかな風味と深い塩気が、ジューシーで濃いエキスがたまらない牛豚挽き肉によく染み込み、ご飯が激しく進みます。
納豆本来の味や臭いは肉味噌の濃厚な味付けによってあまり目立たなくなっていますが、あの粘り強いコクだけはしっかり生き残って存在を主張し、肉味噌をさらに奥行きのあるものにしていて感心しました。
委員長の言う通り挽き肉に混ざると本当に肉っぽくて、にんにくの強い旨味が効いてるのもあってパンチの効いた漢飯というイメージですが、物が大豆なのでお腹にガツンとたまりつつどことなくヘルシーな味わいなのが特徴的です。
材料はほぼ和な感じですが、最後のラー油でエキゾチックかつ刺激的な辛さがプラスされ、中華風なピリ辛にんにく味噌味に仕上がっている為、「豆腐ととろみを抜きにした和風麻婆納豆丼」っぽいかもと思いました。
ただ、挽き肉系料理には珍しい事に甘味が全くなく、そのせいか後味がすっきりシャープな辛口で、よくある麻婆味とはまた違った感じの美味しさなのがよかったです。
ネギのシャリシャリした小気味良い食感と清涼で瑞々しい辛味が要所でいいアクセントになっており、最後まで飽きずに食べられました。
ラー油の代わりにに七味唐辛子を振っても合いそうですし、海苔をかけてもさらに和風になってよさげですし、自分で色々トッピングして工夫の余地がありそうなのが魅力なレシピだと思います。
吉田君が言うには、ここに生卵を落として食べても抜群においしいみたいですので、今度試してみようと思います(←目玉焼きとか半熟卵を落としてもいけそうですね)!
P.S.
なぎさん、コメントを下さりありがとうございます。
●出典)『どんぶり委員長』 市川ヒロシ/双葉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』の“魔法のミートパイ”を再現!
- Fri
- 15:24
- 再現料理
てっきり猫ブームが来てから生み出された新しいグッズかと思っていたのですが、調べたところ何と正式な物は大正時代、原型のような物は江戸時代から既に存在していたそうで、猫に快適に過ごして欲しいと願う猫好きはいつの世も存在していたのだな~とほのぼのしました。
どうも、猫ちぐらの色が程よく焼かれたパイ生地の色にそっくりな為、猫が中にいる時は「猫パイ状態」と心の中で密かに呼んでいる当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』にて芝田先生が広田先生にリクエストされて教えられていた“魔法のミートパイ”です!
それは、広田先生がまだ芝田先生のお料理教室の生徒だった頃のこと。
芝田先生のレシピはほとんどが斬新で美味しく、市販の物を凌駕するお料理ばかりだったのですが、他の方から「先生のミートパイ食べたら他のは食べれないわー」と特にお勧めされ、俄然興味を抱かれます(←こんなに絶賛されたら、料理研究家としても主婦としてもかなり自信がつきそうです。かつて料理漫画・『てんまんアラカルト』で「本当に美味い料理はね、トラウマになるんだ」という衝撃的なセリフが出た事があるんですがある意味それは正しく、真に美味で印象的な料理は心につき刺さったままず~っと残るんですよね…勿論、表裏一体で同レベルまずくてもきっちり残りますけど)。
他の方々に聞かれてみても、「アレはうまい!!」「アレはおいしーわ」とすごく印象に残っていたようで、広田先生はすっかりその気になられて「つ…つくってみたい!!そのミートパイっ」「てか食べたい!!」とすぐに芝田先生へ講義の予約を入れられていました。
ミートパイって響きはとても魅力的なんですが、自分が作ってみるのは大変そうといいますか、正直面倒くさそうな予感がビシバシしていましたので、「広田先生、毎日のご飯作りがきつい、簡単に作れるのがいいとイントロにて高確率で仰っているけど大丈夫だろうか…」と初見時は余計なお世話なことを考えたものです;。
何しろ、日本に匹敵するほど調理や食べる事に手間隙かける美食大国・フランスがミートパイの有力な発祥元ともいわれていますし(※諸説あります)。
案の定、芝田先生のレシピは超本格派で手間のかかるものだったらしく、生地から手作りし、具もあれこれ作り、オーブンに入れてからも何か手順があったみたいで、「いや コレ大変…」と最後の方はぐったりされていました;。
感動するほど美味しい料理は、大抵手がかかるもの…と分かってはいますが、疲れて「もうこれでいいんじゃないかな…」と心が折れたくなる気持ちは痛いほどよく分かります(←ちなみに、最近当管理人は大量の濃厚なホワイトソースのロールキャベツを作ろうとして包んでいた時、途中「キャベツとひき肉のクリーム煮にしようかな…バスクリンの登別カルルス温泉の素を入れたお湯のように、この鍋も乳白色に染まって中が見えなくなるだろうし…」と危うく邪心が騒ぎそうになりました。すぐに正気に戻って全部包みましたがorz)。
けれども、いざ焼き立てを食べてみるとそれはもう格別の旨さだったそうで、「(作るのは大変ですので)あれ以来作ってないです」「でも、先生のミートパイを食べたら他のミートパイを食べれない…というのは本当で、事実、他の市販品を食べても食べてもイマイチぐっとこない…」と仰っており、すごいな~と感心しました。
当管理人も芝田先生のレシピを繰り返し作るたび、どんどん舌が肥えて他のレシピじゃ満足できなくなっている為、信憑性があるな~と思います。
その後、芝田先生は広田先生のリクエストを受けられたのか、とにかく簡単かつさらにおいしくなった新しいミートパイのレシピを考案されます。
それが、この“魔法のミートパイ”です!
作り方は本当にお手軽で、ガラムマサラ・塩・小麦粉を混ぜた豚挽き肉と玉ねぎを炒めて作った具を解凍した冷凍パイシートに乗せ、さらにそこへ半分に切ったゆで卵を乗せて冷凍パイシートでふたをし、ふちをフォークで押さえて卵黄をぬってオーブンで焼いたら出来上がりです。
ポイントは、豚挽き肉に調味料を合わせるときはもみ込むのではなくなじませる程度にさっと混ぜるくらいに留めることで、かえって手順が楽になっているのに驚いたものです(←ひき肉系は白っぽくなるまで練るという大変な作業がつきものですので;)。
通常、ミートパイはミートソース系の甘酸っぱい具か、ビーフシチュー風のこってりした具が入っている事が多いのですが、芝田先生のレシピは材料も味付けもこれ以上ないくらいシンプルで、かなり驚いたのを覚えています。
何でも、ガラムマサラの風味が普通の味付けを本格的にしてくれるのだそうで、確かにこれは外ではお目にかかれなさそう…と興味津々になりました。
広田先生が仰るには「まさにアメリカンパイって感じで肉汁たっぷり!」「しかも卵がいい感じにコクを出してボリュームもUP!!ミンチと卵が合わないわけがない!!」なお味だそうで、事実他の方にもとても好評だったそうです(←何とある男性は、「持ち帰って妻にも食べさせてあげたいと思って」とわざわざ一切れ残して持ち帰られたとの事。『サザエさん』などに登場するお父さんの折り詰め的存在にされるなんて、絶対美味しいに決まってます!)。
先日『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』を読み返していた時、偶然ミートパイのお話が目に留まり、「そういえば、作ってみようと思ってそのままだった!」と気づき再現することにしました。
作中には詳細な分量つきのレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、具の準備。
豚挽き肉にガラムマサラと塩をふりかけてなじませるようにしてざっくり混ぜ、軽く混ざったら小麦粉をまぶしてさらに混ぜます(←決してもみこまず、あくまでもさっと程度にするのがコツです)。
ざっと混ざったら中火に熱したフライパンで炒め、豚挽き肉に火が通ったら玉ねぎのみじん切りを投入して透き通ってくるまでいため合わせます。
炒め終えたら火からおろし、そのまま冷ましておいたら具は出来上がりです。
次は、パイの成型作業。
袋の裏の説明通りに解凍した冷凍パイシートをオーブンシートに乗せ、パイシートのど真ん中へ先ほど冷ました具を細長く載せていきます。
はみ出さずきっちり乗せたら、半分にカットしたゆで卵を並べます。
そこへさらにパイシートを被せたら、端っこをフォークでギュっギュっと押しつぶすようにしてくっつけ、卵の黄身を全体にまんべんなくぬります(←刷毛でやると断然やりやすいです。当管理人はうっかり実家から持ってくるのを忘れたのでスプーン使用でしたが、非常にやりづらかったです…)。
この生地を、200度に熱した余熱ありのオーブンで約二十分焼きます。
パイがこんがりと香ばしく焼けたのを確認したらオーブンから取り出し、荒熱が取れた後お皿へ移せば“魔法のミートパイ”の完成です!
シュークリーム屋さんやデパ地下の焼き菓子コーナーでよく漂っている、焼きたてパイならではの芳醇なバターの香りが濃密に香ってくるのが至福です…(´Д`*)。
こんもり盛り上がったゆで卵のふくらみだけでもワクワク感がすごいですが、切ってゆで卵の黄身の美しい黄色が姿を現したときは食欲の跳ね上がり方が半端なく、早くザクッとかぶりつきたい!とうずうずしました。
それでは、冷めない内にいざ実食!
いっただっきま~す!
さて、味の感想は…確かにこれは他ではそうそう味わえなさそうな高級感溢れる旨さ!すごくシンプルなのに、かえって後を引きます!
バターの心とろかす芳しい風味と、熱々サックサクな口当たりが堪らない香ばしいイ生地を噛み破ると、中からスパイシーかつ肉々した歯応えの挽き肉がたっぷりふわりと飛び出すのが最高に贅沢な感じで、まるでレストランで特別な日に食べているかのようなリッチな気分に浸れます。
ガラムマサラだからこそ出せる複雑で深みのある香り高さが効いたあっさり塩味のせいか、ボリューム満点のはずなのに恐ろしいくらいの量を食べちゃいました(←カレー粉の清涼な香味に似てますが何かが決定的に違い、カレー粉よりもさっぱりしてスパイスの主張がやや奥ゆかしいイメージ)。
小麦粉をまぶしたおかげでパサついた感じはなく、そこそこジューシーでしとっと柔らかなお肉に仕上がっており、豚肉特有の癖のない甘やかな肉汁が舌に広がります。
オーソドックスな濃厚トマト味のミートパイもおいしいですが、こちらはジャンク感がなくさらに品があって大人っぽい一皿になっている印象で、夜にワインやビールと合わせて頂くのも乙そうです。
このただでさえ美味なパイに、玉ねぎの優しいサクサク感、茹で卵の黄身のホクホク感、白身の淡白なプリプリ感が加わり絶妙なアクセントまでプラスされると、もはや完璧としか言いようがない高クオリティさでした。
時間がたってしんなり冷めても、オーブントースターに数分かけるだけですぐに焼きたてザクザクの美味しさが復活するのがありがたいです。
普段、あまりこういうパイ系となじみがない夫に食べてもらったところ、「うまい!!また作って!」と喜ばれましたので、男性にも受けが良さそうです。
P.S.
kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。
●出典)『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』 作者:広田奈都美 監修:芝田里枝/秋田書店
(月刊フォアミセス 2014年7月号掲載分)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『華中華』の“島野料理長の湘南しらすチャーハン”を再現!
- Mon
- 22:40
- 再現料理
どう考えても旬が過ぎ去る前に食べたり着たりした方がいいのですが、「冷蔵庫にはまだ○○がある、今日食べよっかな~どうしよっかな~?」「いざというハレの時にデビューさせたい」という一種のもったいない精神が邪魔をし、飴をなめるようにいつまでも幸せな余韻をかみ締めるのが心地よく、結果賞味期限や季節が終わる寸前に慌てて消費するという残念な使い方をしてしまいます(^^;)。
最近はやっと服をすぐ着られるようになったのですが(
どうも、貧乏性とドケチが板についたかまぼこみたいになっている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『華中華』にて満点大飯店が三浦海岸のビーチハウスで期間限定商品として出していた“島野料理長の湘南しらすチャーハン”です!
前回、ハナちゃん直伝のしらすチャーハンによってハナちゃんの夫・康彦さんの友達である明さんの海の家が繁盛しだしたお話をご紹介しましたが、それよりちょっと前、満点大飯店サイドのビーチハウスがどんなしらすチャーハンを出していたのかご紹介したいと思います。
去年の夏は島野料理長が責任者としてビーチハウスの料理を担当していましたが、今年の夏は何とかつての先輩・チビ太さんがビーチハウスの調理責任者代理として腕を振るっており、ハナちゃんを驚かせます。
連載当初は三馬鹿トリオの一人として下っ端扱いでしたが、あれからコツコツ修行し、数年前に西瓜チャーハンでビーチハウスを大繁盛させた功績もあってそこそこ評価されるようになったそうで、急激に出世したな~としみじみ思いました(←実はそのチャーハンはハナちゃんが考えた物で、お手柄を譲ってあげた形になるのですが…結局それは内緒のまま;。ドラマ『半沢直樹』の「部下の手柄は上司のもの(by大和田常務)」というセリフを思い出します)。
とはいえ、正直なところ島野料理長もビーチハウスの料理をチビ太さんに任せるのは心配だったみたいで、チャーハンの基本を一から厳しく仕込み直したり、チャーハンに乗せる卵焼きの試験を十七回やり直させたりとかなりスパルタな事前研修をさせており、苦笑しました(←その間、チビ太さんのお昼はずーっと天津飯だったのかと考えると、涙ぐましいものがありますね^^;)。
本来なら自分が例年通り責任者をやりたかったと思うのですが、どうやら前々回、ロー・サンチクから厳しい指摘を受けてからはもう一度初心に戻って自身の料理を見直すという職務が増えて満点大飯店に留まらざるを得なかったらしく、やむなくチビ太さんという後進を取り急ぎ育てた模様。
『任務は遂行する』『部下も守る(育てる)』「両方」やらなくっちゃあならないってのが「幹部」のつらいところだな…って、島野料理長まるでブチャラティみたいですね。
ある意味どのキャラよりも漢だと思います。実際はガチのオネエですが。
そんな島野料理長がビーチハウスの特別メニューとして考え、チビ太さんに作ってもらっていたのがこの“島野料理長の湘南しらすチャーハン”です!
作り方は少し凝っており、釜揚げしらす・卵・刻みネギ・ご飯・塩・胡椒で作ったチャーハンの上へ釜揚げしらす&刻みネギ入りの半熟卵焼きを乗せ、仕上げに中華スープ・砂糖・黒酢・醤油を煮て水溶き片栗粉でとろみをつけた黒酢餡をたっぷりかけたら出来上がりです。
ポイントは、前回でもご紹介した香味油でチャーハンを炒めること、チャーハンの味付けは薄めにすること、黒酢餡は煮過ぎると酸味が飛ぶので火入れは程ほどにすること、卵焼きは天津飯の卵みたいにふわっとさせつつ厚めに焼くことの四つで、材料は単純なのに難しそうな料理だな~と尻込みしたのを覚えています;。
特に、天津飯の卵焼きはオムレツと同じくらいキレイに焼くのが難しい卵料理四天王の一つだと思う為、それを限られた時間で何個も作れる料理人は本当に尊敬します…(←ちなみに、残りの四天王は出汁巻き卵とポーチドエッグです!…当管理人の中では)。
ハナちゃんが言うには、「卵焼きとチャーハンの両方にしらすを入れて‘食べた感’をしっかり植え付ける」「黒酢の餡で爽快感をもたらすと同時に、疲れた体の乳酸値を下げさせる…」という計算をしているから島野料理長はすごいとの事で、相変わらずお客様のニーズに応えた手堅いレシピ作りをしているな~と感心しました。
実際、黒酢には他の酢よりもアミノ酸の含有量が多く、汗をかいて失われたミネラルを補給し代謝を上げる効能があって夏バテ対策には最適な調味料ですので、海の家で食べるのに最も理にかなったチャーハンだといえそうです。
案の定、このチャーハンは島野料理長のファンである奥様方だけではなく色んな層から大人気で、だからこそ明さんはハナちゃんに新作のしらすチャーハン作りをお願いしたのですが、勝負が始まって間もない時にとんでもない異変が三浦海岸で起こります。
それは、何と他の海の家も一斉にしらすチャーハンを売り出し始めたこと!
明さんが周囲にそれとなく確認したところ、ハナちゃんや満点大飯店のしらすチャーハンがあまりに人気で飛ぶように売れているのを見た他店の方々が、「これはイケる!」「うちも三浦にある有名店にレシピを提供してもらってしらすチャーハンを売り出そう!」とどんどん便乗し、最終的にはしらすチャーハンがないお店の方が珍しい事態に発展したのだとか。
ざっと見ただけでも、フレンチ風しらすチャーハン、カレーしらすチャーハン、ヘルシーしらすチャーハン、あおさしらすチャーハン、イタリアンしらすチャーハンなどもはや何でもありな状態で、しらす縛りでよくぞここまでばらばらのチャーハンを思いついたな~とあっけに取られました;(←個人的に、フレンチ風がどんな感じか気になります。コンソメベースの味付けか、バターピラフ風か、もしやクリームソースをかけてしまうか…妄想は膨らみます)。
実を言いますと、チャーハン対決自体はつい最近本当に実現しているのですが、流石に具までは限定していませんので、工夫して個性を出さなくてはいけなかった料理人さんたちはさぞ苦労しただろうな~と同情したものです。
一応みんなのまとめ役でもある明さんは、こんなにしらすチャーハンばかりでは共倒れしないかと不安になりますが、ハナちゃんは皆がしらすでそれぞれ違うチャーハンを生み出したことは逆に凄い事なのだからそれを活かし、かつて横浜中華街でも行われたチャーハン対決のような一大イベントにして盛り上げてはどうでしょうかと提案して、とうとう三浦海岸チャーハンバトルが開催されることになります。
果たして、ハナちゃんたちの暑いチャーハン勝負の行方はどうなるのか…続きは、また次の機会にご紹介しようと思います(^^)。
「未だに卵焼きを焦がす不器用人間なのに、お店の天津飯みたいな卵焼きに挑戦とか無謀すぎる!」と今まで作るべきか作らぬべきか悩んでいましたが、順番的に作らないとおかしいので、思い切って再現することにしました(「ねーちゃん!あしたっていまさッ!」の精神で )。
作中には詳細な分量つきのレシピが載っていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、食材の下ごしらえ。
小鍋に中華スープ、砂糖、黒酢、醤油を入れて一煮立ちさせたら弱火にして水溶き片栗粉を回しいれ、とろみがついたらチャーハンにかける黒酢餡は準備完了。
その間、中華鍋(又はフライパン)へスライスした生姜と油を入れて弱火にかけ、香味油を作っておきます。
※香味油が出来上がる頃に取り出す生姜はカリッと程よく揚がっており、そのままチップス感覚で食べることも出来ます。これがなかなか侮れない美味しさです。
次は、チャーハン作り。
先ほど用意した香味油入りの中華鍋に生卵をそのまま落とし、間髪いれず白ご飯も投入してお玉でつぶしほぐすようにして手早く混ぜ合わせます。
そこへ釜揚げしらすをたっぷり加え、ざっと炒め合わせます。
塩と胡椒で薄めに味付けした後、刻んだ長ネギを加えてもうひと炒めし、ご飯全体に具が行き渡ったのを確認したら火からおろしてお皿へ丸く盛り付けます。
チャーハンはこれでOKです。
ここまできたら、いよいよ卵焼き作り。
ボウルに卵、釜揚げしらす、刻んだ長ネギ、塩を入れ、白身のこしを切るようにして菜ばしか泡だて器でしっかり混ぜ合わせます。
この卵液を、油をやや多めに入れてよくなじませた中華鍋(火加減は若干強火で)へ一気に流し込んで数回軽くかき混ぜ、形を丸く整えたら中華鍋を振ってひっくり返し、ぐるぐる回して軽く火を通したらすかさずチャーハンの上へそっと乗せます。
焼き卵でチャーハン全体をほぼ覆えたのを確認したら熱々の黒酢餡をかけ、急いでテーブルへ運べば“島野料理長の湘南しらすチャーハン”の完成です!
原作ではチャーハンが見えないくらいトロトロの卵で覆われていたのですが、当管理人の圧倒的なスキル不足により、破れまくりの中途半端な出来になりました…orz。
とはいえ、黒酢餡のつややかなとろみが細かい失敗を隠してそれなりに美味しそうに見せてくれているので、餡は偉大だと思いました(←破れたオムライスをケチャップで隠す感覚で、結構うまくいきます^^;)。
それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
いただきま~すっ!
さて、味の感想は…男女問わず、幅広い年代の方から支持されそうな間違いのない美味しさ!濃ゆそうな見た目に反し、意外とスルッと胃に収まります。
ハナちゃんのしらすチャーハンに比べ、釜揚げしらすをそのまま使っている為油分が抑えられたあっさり系の塩味になっており、生姜の風味ですっきりしているせいか「口当たりがハラリとしたチャーハン風しらすの中華炊き込みご飯」と言えなくもない味わいになっています。
噛むごとにネギのシャキシャキ感と釜揚げしらすのほわっとした淡い舌触りが一体となり、潮の旨味がしっとりとほどけていくのがたまりません。
このやや淡白で上品なチャーハンに、ギリギリかたまったような半熟トロトロふわふわの極厚卵がコクをプラスし、さらに黒酢餡がねっとりと包み込んで全体の一体感をぐっと高めているのがナイスでした。
この黒酢餡は従来のケチャップ餡や醤油餡と違いとてもシンプルな味付けで、普通の中華スープをベースに黒酢の酸っぱさと砂糖の甘さに醤油の塩気効いたさっぱり系のストレートな甘酸っぱさが特徴ですので、正直白ご飯だったら物足りなかったと思うのですが、チャーハン相手だとバランスがちょうどよかったです。
黒酢だからこそ出せる奥深くて爽やかな酸味が口にも体にも優しい仕上がりで、夏場でもパクパクいけそうな新定番天津飯だと思いました。
ただ、卵と餡で贅沢感がプラスされたのはいいのですが、惜しいことに一緒に食べると釜揚げしらすの風味が若干かき消されているのが唯一の弱点でしたので、このチャーハンにこそ揚げしらすを加えた方がより美味しくなるのでは…と感じました。
見た目も味もすごく良かった分、肝心のしらすの存在感が薄くなっている所が本当に残念で、個人的にもっと改良を加えたいと思いました。
黒酢の餡はチャーハンのほかにもから揚げにした魚やお肉にかけても十分いけそうでしたので、応用が利きそうなのが嬉しかったです。
P.S.
ミトナリさん、コメントを下さりありがとうございます。
ご質問にあった現在おすすめの気になっている料理・食べ物系の漫画ですが、既に当ブログで再現させて頂いたり、コメント欄で教えて頂いた作品を除くと『肉極道』、『中華一番!極』、『まどろみバーメイド 』、『うわばみ乙女ずかん』、『めしねこ 大江戸食楽猫物語』(←蛇足ですが、この作品に出てくる主人公猫の柄は我が家の一歳メス猫にそっくり!)です。
ミトナリ様、そして他の皆様がコメント欄でおすすめして下さった料理漫画はどれもこれも気になるものばかりでしたので、近日中に一読してみようと思います!
●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。