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『裏の家の魔女先生』の“簡易パンプディングのパイナップルジャム乗せ”を再現!

 最近、フードデリバリーを使う機会が増え、いろんなお店をアプリで見かけるようになったのですが、実店舗ではなかなか見かけないような個性的なお店を発見するようになり、びっくりしています。
 “飲めるチーズケーキ”や“飲めるハンバーグ”が名物のお店、納豆ご飯だけしか扱わない専門店(令和納豆とは関係ありません)、「告白はママから♡」という背景のストーリーが気になって仕方がない店名など、注文するしないは別として思わずメニューを見たくなるようなお店がちらほらあり、あれこれ見ている内に時間が経過しています。
 お店側としては、まずお客さんにその存在を知ってもらい、「どういう料理を出すんだろう」と興味を持ってもらうことが一番大事ですので、こういう戦略はかなり効果的だと思います。

 どうも、急にピーマンの肉詰めを大量に食べたいと思い立ち調理したところ、ピーマンへひき肉を詰める作業にかなり手間取り、台所に立って約二時間後にやっと作り終えたキング・オブ・不器用な当ブログの管理人・あんこです。


本日再現する漫画料理は、 『裏の家の魔女先生』にて沙希子さんがおやつの時間に深冬さんとオトさんに振る舞った“簡易パンプディングのパイナップルジャム乗せ”です!
簡易パンプディングのパイナップルジャム乗せ図
 ある日、深冬さんは部活動で自作のロボを操作してデュエルする蛍太君を尻目に一人で下校するのですが、その途中オトさんと沙希子さんに誘われ、取材を兼ねたお茶会に参加することになります。
 取材内容は、ホラー作家らしく「学校の怪談」。
 沙希子さん曰く、現役高校生の間でリアルに語られている怪談話を知りたかったとの事で、深冬さんは「全然恐くないですよ」と言いつつも色々と話していました。
 「学校の怪談」というと、自然と「学校の七不思議」というフレーズが連想されて七つあるように思えてしまいますが、深冬さんの学校では三つしか伝わっていないとの事で、沙希子さんは「七つ全部知ってしまうと呪われるから語られないということかしら」と推測します(←昔から「何故、七つ目を知ると不幸になるという設定なのだろう?」と不思議だったのですが、最近調べたところ、「七」という数字はあらゆる宗教において「一つの周期が終わる」「完結」「完全」を意味することが判明しました。なので、ある意味「頂点に到達=後は下るだけ」ともいえる為、七つ全部そろうのは不吉というイメージが定着したのかもしれません)。
 しかし、深冬さんは「いえ、残りの4つは各自好みの怪談をチョイスして自分だけの七不思議を作ろうってことみたいです」と非常にグローバルな現代っ子らしい理由を述べており、沙希子さんを「…価値観の多様化が反映されてて新しいですね」と少し驚かせていました。
 2020年から始まった新しい教育指導「アクティブラーニング」(生徒自らが能動的に学習に参加させること)に通じるものがある、令和ならではの画期的な怪談システムですね!
 ちなみに、下の画像は「旧校舎3階の踊り場の壁に、作業中の事故で職人が塗りこめられている」という怪談のワンシーンですが、シチュエーション的に『金田一少年の事件簿』「学園七不思議殺人事件」に出てくる放課後の魔術師を思い出しました。
学校七不思議について取材を受ける深冬さん
 その後、深冬さんは「恐怖のループ階段」「体育館死霊の盆踊り」(←伝説の某Z級ホラー映画とは関係ありません)など、様々な怪談話をしますが、「恐怖のループ階段」はループを解除して下の階に降りたければ校歌を3番まで歌えばいい、「体育館死霊の盆踊り」はバックミュージックが何故か『ハッチ大作戦』『怪僧ラスプーチン』といった1970年代ディスコミュージックだったりと、1990年代~2000年代中盤に流行したオカルトブームの洗礼をどっぷり受けた当管理人の目から見てもツッコミ所満載でした;。
 ガチで怖い話が紹介されるゲーム『学校であった怖い話』『夕闇通り探検隊』に比べると、ゆる~いノリでどこかクスッと笑えてしまう怪談話で、巷にあふれている過激な都市伝説に比べるとやや物足りないと言えなくもないですが、これくらいのどかな小話の方がお茶菓子片手にクラスの子とのんびり楽しめてよさげだと感じました。
 ちなみに、沙希子さんは校歌のくだりの時「昔の妖怪談だとこんな時はタバコを吸えば元に戻ると言われてます」と話しており、それと同じで、校歌を歌うのは気分を自然と切り替えさせて怪異から目を覚まさせる効果があるのでは?と予想していました。
 未成年だとタバコが吸えないので、校歌の歌詞に集中させて気を紛らわさせるように仕向ける…追いつめられた時にこそ心を落ち着かせ、平常心を取り戻すことが大事だという教訓をさりげなく怪談話におり込むとは、この話を考えた人物はなかなかの知恵者だと感心したものです。
 最近は大人と言えど喫煙者には風当りの強い世の中ですので、当管理人はこういう時、タバコを吸うのではなくプッチ神父の如く素数を数えて落ち着こうと思います。
異常な事態に巻き込まれたとき、落ち着きを取り戻すのが肝心
 この取材の際、沙希子さんがたまたま仕込んでいて深冬さん達に出したのが、“簡易パンプディングのパイナップルジャム乗せ”です!
 作り方は簡単で、プリンの素と牛乳で作ったプリン液を切った食パンにかけて冷やし固めた簡易パンプディングの上に、生パイナップルと砂糖を混ぜて煮詰めて手作りしたパイナップルジャムをかけたら出来上がりです。
 ポイントは、パイナップルはペクチンが少な目でよく煮詰めないととろみが出にくい為、もったりするまでよくかき混ぜながら火を通すことで、こうするとちゃんとジャムっぽく仕上がるみたいです。
 パイナップルジャムというのはあまり聞いたことがない為、初見時は斬新だと思いましたが、ネットで調べてみると最近ではだいぶポピュラーになってきたみたいで、初夏にぴったりな爽快な味わいだとあちこちで紹介されていました。
 果物は火入れすると生の時とは味も食感もだいぶ異なりますが、パイナップルジャムはいい意味で生の時の良さは消えにくい見たいですので、どんなジャムになるのかとても興味深々になったものです。
本式ではないお手軽バージョンのパンプディングとのこと
 先日、生のパイナップルを手に入れたので、再現することにしました。
 作中には大体のレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、簡易パンプディング作り。
 プリンの素の箱の裏に書かれている通り、ボウルへプリンの素と牛乳を加えてよく混ぜ、プリン液を用意します(←原作では水は一切使われていなかったため、箱の裏に書かれていた水は牛乳に置き換えました)。
 このプリン液を、適当に切った食パンを敷き詰めたタッパーへ回しながら流し込み、フタをして冷蔵庫へ入れます。
 そのまま冷やし固めたら、簡易パンプディングは準備OKです!
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 次は、パイナップルジャム作り。
 生のパイナップルを一から捌いて皮と芯を取り除き、五ミリ角くらいに細かく刻みます。
 刻み終えたら、小鍋へ移し入れます(←切ってるそばからまな板にパイナップルの果汁がどんどんたまりますので、それも小鍋へ入れます)。
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 そこへ砂糖を投入して火にかけ、木べらで絶えずかき混ぜながら数十分程煮詰めます(←この時、木べらでパイナップルを砕くようにして潰しながら煮ると、よりジャムっぽく仕上がります)。
 徐々に水分が飛び、煮詰まってとろみが出てきたら器へ移し、冷まします。
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 すっかり固まった簡易パンプディングを適度な大きさに切ってお皿へ盛り付け、最後にパイナップルジャムを上からかければ“簡易パンプディングのパイナップルジャム乗せ”の完成です!
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 黄金色にキラキラと輝くパイナップルジャムはまるで宝石のようで、うっとりします。
 ほんわりして柔らかい簡易パンプディングも、あんなに簡単とは思えないほどそれらしい出来ですし、どんな味がするのか楽しみです!
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 それでは、パンプディングにジャムを絡めていざ実食!
 いただきまーすっ!
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 さて、感想ですが…今までに食べたジャムの中でもかなり上位に入る味わい!生の時とは一味違う甘味に魅了されます!
 パイナップル特有のトロピカルで爽やかなジューシー果汁が、煮詰められる事でさらにギュッと濃縮されており、どこか高級感のある美味しさに仕上がっています。
 なかなかの量の砂糖が入っている為、シロップ漬けの缶詰パイナップルを思い出すくらい結構な甘々具合ですが、それでも後口がべっとりせず引きがいいのに感心しました。
 細かく刻んだパイナップルの果肉は、砂糖漬けにした果物にちょっと似た、やや引き締まったどこか粘りを感じる食感ですが、砂糖漬けと違うのは、口の中で生の時の新鮮さを感じさせつつじわ~ッととろけていくところで、食べやすかったです。
 あんずジャムのねっとりと重厚な深い甘さに近いものがありますが、パインジャムはそれをさらに贅沢かつ華やかに仕立てたような味わいで、明るい気分になりました。
 パンプディングはプリンの素を使った簡易版ではあるものの、ふわふわジュクジュクした空気を含んだ食パンの食感が十分美味。
 卵を使わず作ったせいか、プリンというよりはトロトロした口溶けのミルキーなブラマンジェ風だと思いました。
 シンプルなパンプディングと、しっかりした味付けのジャムはまるで白ご飯とおかずみたいな組み合わせで、ぴったりの相性です。


 パイナップルジャムは、こんがり焼いたトーストやプレーンヨーグルトにかけてもよく合っていて、こんなに見た目が美しくておいしいとは予想外でした。
 ポープソテーのソースに使ってみてもいけそうなので、いつか試してみたいです。


P.S.
 Sullaさん、さしみさん、無記名さん、コメントを下さりありがとうございます。
 Sullaさんからお聞きした『GUNSLINGER GIRL』のトマトスープパスタですが、実は私もずっと前から再現したいと思いデータを探している最中です…しかし、味付け情報があまりに少ないのと、ローマやシチリアに伝わるスープパスタレシピが見当たらず、難航しておりますorz。いつか、納得できるレシピを思いついたら再現したいです。
 あと、コメント欄に書かれていましたゴマダレのぶっかけうどん、とても美味しそうですね!すだちがスーパーに売られていたら、試してみようと思います。
 さしみさんのおっしゃっていた豆乳スープの素麺、私もお気に入りなので共感しました!僭越ながら、当ブログが西川先生の激ウマレシピを知っていただくきっかけになれて、とても嬉しいです。
 無記名さん、冷たい麺って味付けがほぼ決まっているせいか、どうしても単調になりがちですよね…温かいうどんとごまダレの組み合わせは一味違うので、試していただけると幸いです。
 

●出典)『裏の家の魔女先生』 西川魯介/秋田書店
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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