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『華中華』の“秋茄子チャーハン”を再現!

最近、味噌とろろご飯と茄子の塩もみに目がないです。前者は出汁の代わりに味噌汁でゆるくといてしめじや豆腐を具にした亜種のなめこ汁風とろろご飯、後者は単に切った茄子を塩もみしただけの簡易漬物なんですが、どれも食が進む代物です。秋はおいしい食材が目白押しなので、近頃では「奮発して松茸に初挑戦してみたいな~」と思い悩む今日この頃です。
どうも、「天高く馬肥ゆる秋」の由来が結構物騒だった事に驚いたあんこです。

本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんがある農家の方の為に旬の秋茄子を使用して作り上げた“秋茄子チャーハン”です!
秋茄子チャーハン図
ある日、ハナちゃんがいつも通りお昼休みを利用して上海亭へチャーハンを作りにやって来たところ、おじいさんやおばあさんと色々立て込んだ話をしていた三浦半島の農家・斉藤さんと初めて顔を合わせます。斉藤さんが言うには、大分前におじいさんが「肩を壊してしまったので、治るまで店を休みます」と連絡したっきりなしのつぶてだったのを心配して上海亭に様子を見に来たとの事で、現在は完全に料理人生命を絶たれてしまったおじいさんの代わりにハナちゃんが毎日二時間だけチャーハンを作っていると聞いて驚きます。
声には出さなくても「こんな若い女性が…」と半信半疑の様子だった斉藤さんですが、そんな事は露知らずなハナちゃん達は斉藤さんの手土産である朝摘み秋茄子を見て喜び、「今日は秋茄子のチャーハンにしましょうか?」「お宅の秋茄子だ、よかったら食べて行って下さい」と言って斉藤さんの為に“秋茄子チャーハン”を作ります。
以前、野菜を上海亭に卸していた農家の斉藤さん
今回再現する“秋茄子チャーハン”のポイントは、秋茄子の下ごしらえ!通常、茄子はザク切りにしてそのまま使うか水につけてアク抜きをするかが関の山ですが、ハナちゃん曰く「茄子と油は相性がいいんですけど、油を吸いすぎるのはよくないので…」との理由で、何と一回塩を軽くふって少々水気を絞ってから調理に使います。ちょっと斬新な発想なので初めて読んだときはびっくりしましたが、確かにこうする事によって余計な油は吸わなくなりますし、おまけに下味まで済ませる事が可能になるので「さすがハナちゃん!」と感心しました。旬の茄子と油を合わせるとこの上なく美味なので病みつきになりますが、同時に油の取り過ぎが懸念されるので、これは画期的な下ごしらえ法だと思います。茄子は思わず「スポンジか!」と突っ込んでしまいたくなるくらい油を吸収しやすい野菜なので悩みのタネでしたが、これで一部の茄子料理(茄子の天ぷらといった水分を抜いてはいけない物)以外は問題が解決出来そうです。
この茄子を豆板醤と甜麺醤などで甘辛く味付けして、基本チャーハンに混ぜ込めば出来上がりなんですが、それを食べた斉藤さんは「こ、こいつは旨い!」「秋茄子の味が活かされている!」と感動します。
このまま斉藤さんが満足したまま帰ったらお話はおしまいだったんですが、「あんなに美味しくて幸せになれる料理を作れるのは、きっと心が優しいからだろう→一緒に秋茄子を育てた息子にも食わせてやりたいなぁ…→ハッ!待てよ、息子は畑にかかりきりで三十過ぎても出会いがなくて未だ独身、そしてハナちゃんも来年には二十歳になる独身だ→これは是非ともお見合いして欲しい!」という怒涛のチャート式お見合い発想が成立し、急遽斉藤さんの一人息子・康彦さんとのお見合い話がハナちゃんの元へ舞い込んできます(^^;)。中華の料理人として一人前になる事しか頭にないハナちゃんは内心困惑しますが、上海亭のおじいさんとおばあさんがすごい熱意で断りきれなかったという話をすると、悩みつつもお二人の立場を思いやり、最終的に断るという暗黙の了解を取ってお見合い話を受ける事にするのでした…。相変わらず、ハナちゃんは人がいいな~と苦笑です;(この続きは、次回再現する“秋野菜の宝石箱チャーハン山芋掛け”にて紹介します)。
このチャーハンがきっかけで、見合いが決定してしまいます。
秋茄子のシーズンがようやく到来したことですし、早速再現に挑戦してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、茄子の下ごしらえ。ヘタを取って縦四つに割った後は二~三センチ幅の大きさに切り、パラパラ程度に塩を振ります。数分後に水分がジワッと出てきたら、軽~く優しく絞ります。この時絞りすぎてしまうと、まるで漬物みたいになって炒め物には向かない水加減になってしまいますので、要注意です(画像の茄子だと、少し絞りすぎたかな~?って感じです)。
秋茄子チャーハン1秋茄子チャーハン2
秋茄子チャーハン3
その間、中華鍋(又はフライパン)にスライスしたしょうがと油を入れて熱し、弱火~中火くらいでゆっくり熱を通して香り油を作っておきます。ちなみに、使い終わったしょうがは千切りにして炒め物や和え物に入れても十二分においしいですよ~(´∀`)。
秋茄子チャーハン4
この香り油に豆板醤を投入して炒め、唐辛子特有のいい匂いが漂い出したら下ごしらえ済みの茄子を加えて手早く炒め合わせます。
秋茄子チャーハン5秋茄子チャーハン6
秋茄子チャーハン7
やがて茄子に火が通ってきたら刻みネギと甜麺醤を入れてさらに炒め、全体的に熱が通ったのを確認したらボウルに移しておきます。パッと見は、簡易的な麻婆茄子ってイメージでした。ここへにんにくの茎のみじん切りを入れても美味しそうです、
秋茄子チャーハン8秋茄子チャーハン9
秋茄子チャーハン10秋茄子チャーハン11
次は、いよいよチャーハン作り。大分前に作り方をご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りにシンプルなチャーハンを作り、仕上げに先程とっておいた茄子炒めを入れて、ざっと混ぜ合わせます。その際、あんまり炒め過ぎると茄子から水分が出過ぎてしまうのでささっとすませるのがベストです。
秋茄子チャーハン13
秋茄子チャーハン12秋茄子チャーハン14
茄子と基本チャーハンがしっかり馴染んだら火を止め、そのままお皿へ盛り付ければ“秋茄子チャーハン”の完成です!
秋茄子チャーハン15
秋茄子が油にまみれてテカテカとしたキレイな紫色に輝いているのを見ると、つくづく「やっぱり茄子は油と相性がいい!」という事を実感させられます。豆板醤や甜麺醤ならではの熟成された香りも芳しくていいですし、これは味も期待大です!
秋茄子チャーハン16
それでは、出来立ての熱々の内にいざ実食!いっただっきま~す!
秋茄子チャーハン17

さて、味ですが…四川風チャーハンと名付けたいくらい刺激的でウマーーー!ナスが主役として引き立っています!
未来のお義父さんも大喜び!
塩を振って水気を少々きったおかげでナスがキュッキュットロリとしたちょうどいい食感になっており、おまけに程よい塩味もついています。中でも特筆すべきはナスの絶妙な油加減で、とろけるような身肉になる為に必要最低限な油しか吸っていないのでかなりさっぱりした後味なのが特徴的でした。全体的にキレのあるピリ辛味噌味がついているせいかガッツリいける力強い味わいで、例えるならば「肉抜き麻婆茄子風チャーハン」といった印象です。単に麻婆茄子とご飯を炒めるだけだったらもっとくどくなっていたと思いますが、肉が入っていない上にきつくなり過ぎるギリギリ寸前の所を炒り卵がふんわりまろやかにしてくれている為、バランスが取れていました。
長ネギのシャキシャキした歯触りと独特な甘さがいいアクセントになっていますし、何より香ばしい味噌風味で深い旨味が染み込んでいるパラパラチャーハンがナスとたまらなくマッチしています。豆板醤のビリビリくる辛味と甜麺醤の大豆由来のコクが効果的に使われている、よく考えられたチャーハンだと感じました。これはビールが進みそうです。

野菜でもチャーハンの具として十分成り立つと言うことが証明できる、ナイスアイディアな料理だと思います。簡単に作れてボリュームがあるのにバクバクいけちゃうので、この秋は大いに作りまくろうと思いました(^^)。
○追記
皆様のコメント欄での温かいご意見に甘え、以後もあからさまにおかしくならない限りいつも通りに更新していく事に決めました。その為、あちこちにいつも通りの表現が混ざっています。このように、あまり成長がみられない管理人・あんこですが、これからも当ブログをご不快に感じない心の広い方々と細々と楽しめあえる環境作りをしていけましたら幸いです。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“ドボン鍋”を再現!

近頃、鮮魚コーナーのおじちゃんとちょっとした顔見知りになりつつあります。つい先日、ほぼ一日~二日おきの帰りにちょくちょく顔を出してはじっくり眺めているせいか「よっぽど魚が好きなんやね~」と言われてしまい、少し返答に困ってしまいました(^^;)。確かに魚は好きなんですが、どちらかと言うと大半は再現料理の為でもあるという理由は、とてもじゃありませんが申し訳なくて言えませんorz。ただ、近頃は一時期と違って日常的な晩酌用の肴も吟味していますので、心苦しさが半減しつつあります;。
どうも、最初に「最近よお買いに来てくれとるね~、ありがと!」と声をかけられた時は心臓が跳ね上がる心地だったあんこです(小心者でノミの心臓の持ち主です…)。

本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が田舎の民家へ泊まった際に貰い物のキャベツで急遽作った“ドボン鍋”です!
ドボン鍋図
この時に宿泊した田舎の民家は虹子さんの上司・深井文化部長さんが別荘用として買ったおうちで、「たまにはゆっくりしてきなさい、キミの家庭サービスのためにねっ!」とご好意で貸し出されたものでした。お話の前後を読むと、どうやら毎日遅くまでバリバリ取材やお仕事をしている虹子さんに新鮮な空気を吸ってのんびり休んでもらい、久々に家族団欒をして欲しかった模様です(深井文化部長はどうやら虹子さんを娘同然のように思っているらしく、この他にも様々なエピソードがあります^^)。実を言いますと、この時荒岩主任達は後々までお付き合いする事になる農家の政さんご夫婦ともお友達になっています。『クッキングパパ』三巻にはこの政さんを始め、TV局の酒井さん、営業第二課の梅田君なども初登場を果たしているので、何気にお勧めな一冊です。
久々に家族サービスしようと荒岩主任達を誘った虹子さん
現地に到着してからは、荒岩主任とまこと君は川へヤマメ釣り、虹子さんは民家でカレー作りに取り掛かります。その際、虹子さんは「こんな時くらい、あたしが夕食作ってみるわ!ばっちり美味しいカレーライス作っとくから!」と慣れない手つきながらも張り切るのですが…残念ながら大失敗!味付け自体はうまくいっていたものの、目を離して政さんの奥さんとおしゃべりしている隙にカレーは無残にも七輪の上で黒焦げになってしまいます;。二十巻以降は独特の料理センスでおいしいオリジナル料理を作れるようになる虹子さんですが、三巻当時はまだ凄まじい腕前だったんだな~という事を再確認です(^^;)。しかし、それと同時に私自身も油練り飯状態になったネチョネチョチャーハン、ピクリとも膨らんでいないシフォンケーキ、味が全くしない焼きうどんなど、虹子さんを笑えない大失敗を繰り返していた過去があった事を思い出し、ガクッと肩を落としましたorz。でも、それと同時に虹子さんのように失敗にくじけずコツコツと作り続ける事こそが料理の上達には一番大事な事なのでは…と思い当たり、勇気づけられました。
ちょっと目を離した隙に、せっかくのカレーがおじゃんに…
そして、珍しく弱気になって「は~あ、どうしてあたしってこうなんだろ…」と涙ぐんでいた虹子さんに荒岩主任が「いーんだよ、お前の気持ちだけで」と力強く慰めてスピーディーに作り上げたのが、この“ドボン鍋”!
これは荒岩主任が博多大学時代に山岳部の友人から教わった即席料理で、キャベツとコンビーフと鍋さえあれば誰でも簡単に作れちゃう料理なんだそうです。確かに作り方は単純そのもので、十字型に切れ目を入れたキャベツにコンビーフを押し込み、簡易的な味付けをして水と一緒に煮込んじゃえばもう出来上がりと言うのですから驚きです。荒岩主任曰く「キャベツは健康野菜だ!たっぷりのビタミンC以外にビタミンA、B1、B2、E、K、Uを含んでいる」との事で、お腹をキレイにしたい方にはうってつけの料理なのだとか。
その後、“ドボン鍋”のスープをすすった虹子さんはすっかり元気を取り戻し、荒岩一家の家族サービス作戦は無事成功するのでした(但し、初期の恒例だった「ねぇ、あなた。私達もそろそろ寝ましょうか~(´∀`*)」は政さんの唐突な「こんばんはー!どりゃ、久しぶりに町のモンと飲もうかの!」という一升瓶を持っての訪問で台無しになってしまいましたが^^;)。
荒岩主任、漢です…!そしていい旦那さんです(つД`)
先日、イオンにて立派で瑞々しいキャベツが破格のお値段で手に入りましたので、健康の為にも早速再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の準備。キャベツは外側の葉を数枚外した後に流水で隅々まできれいに洗い、下の茎部分を少し切り落として十文字の切れ目をザクザクと入れます(浅いとコンビーフが入りづらい上に後々お箸で取りにくくなりますので、結構深めに切り込むのがベストです)。コンビーフは缶詰から出した後にコネコネしながらほぐします。意外な事に、コンビーフはひき肉っぽい適度な粘りがあるので揉むと面白いです。
ドボン鍋1
ドボン鍋2ドボン鍋3
このキャベツに先程ほぐしたコンビーフを容赦なく押し込みながらギューギュー詰め込みます。少し力がいりますが、整形している時は工作気分を味わえるので一番楽しい作業です(^^)。
ドボン鍋4
コンビーフを全部キャベツの中へ詰めきったら鍋に入れ、そこへキャベツが半分~ひたひたに浸かる水、皮をむいたにんにく、塩を投入してフタをし、火をつけて沸騰するまで待ちます。実はフタは原作には書かれていない手順なんですが、フタを開けたままだと全域に熱が行き渡りにくい感じがしたので、あえてしてみました。
ドボン鍋5ドボン鍋6
ドボン鍋7ドボン鍋8
沸騰して約十~三十分程度経過したら火を消し(あんまりキャベツを煮すぎると甘味が出過ぎてしまうので要注意です)、そのまま机へ運べば“ドボン鍋”の完成です!
ドボン鍋9
煮えたキャベツの甘い香りと、コンビーフの肉々した香りとがフタを開けた途端に蒸気と化して漂いだし、思わずにっこりします。見た目は具が極端に少ないポトフっぽいですが、スープの匂いはむしろもっと濃い感じの印象なので、果たしてどんな味なのか予測がつかなくて非常にワクワクします。
ドボン鍋10
それでは、お鍋からキャベツとコンビーフをえいやっ!と引きちぎってスープと共に小皿へ取り出し、いざ実食!いただきま~す。
ドボン鍋11
ドボン鍋12

さて、味ですが…部分ごとにキャベツの食感が変化して美味しっ!思っていたよりもかなり正当派な味わいです!
虹子さんも大満足なドボン鍋
コンビーフ特有のジャンクチックな旨味エキスと脂分たっぷりな肉汁がキャベツの表面に程よく浸透しており、味付けは塩だけしかしていないはずなのに不思議と深みがあって癖になる旨さでした。コンビーフにあらかじめ含まれていた香辛料のおかげで複雑な風味が全体へ広まっている為、「シンプル塩味」というよりは「まったりしたコクの塩味」って感じの凝った味がします。正直、再現前は薄くて食べられたものではないんじゃないかと危惧していたんですが、逆にしっかりした後口なので「コンビーフも缶詰とはいえ、一応牛肉なんだな~」と感心させられました。あと、にんにくのガツンとくる香りやキャベツの強い甘味がコンビーフと一緒にお鍋へ溶け出しているせいかスープの味わいの方もなかなか絶品で、このスープだけでも立派な一品料理として通用しそうだと思いました(ちょっとしたコンソメスープに似ています)。
また、名前通り丸ごとドボンと投入して煮ている為部位によって火の通り具合が結構違っていて、例えば外側はシナシナヘニャリとした穏やかな口当たり、中心側はジャキジャキザクザクと熱が入っているのにどこか生っぽい歯触り、そしてそれらの中間はシャクシャクと一番バランスがいい食感で、交互に食べるとそれぞれの個性がよく分かって面白いです。とにかく信じられない量のキャベツを次から次へと平らげられるので、豪快な見た目によらず体に優しい料理でした。

小さめとはいえ、キャベツ丸一個なのでゆうに三~四人前はあります。結局三人(父・母・私)では全部食べきれなくて翌日に持ち越したんですが、それはそれでザワークラウトっぽい練れたおいしさになっていたので十分楽しむことが出来ました。ただ、一番下の部分の硬い芯の部分はずっと硬いままですので、最終的には切り取った方がいいように思います。残ったスープは調味しなおすとスープスパゲティの素として使えましたので、色々な可能性が秘められた料理だと感じました(^^)。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

最近食べた、ちょっと変わった食べ物四種

先週から多少ごたついた出来事があった為、残念ながら本日アップ予定だった記事を今日までまとめきれず、その結果明日~明後日に発表する事に致しました。誠に申し訳ございません。
その代わりと言っては何ですが、久しぶりに日頃撮りためておいた小ネタをささっとまとめてアップさせて頂きました。少しだけでもお目汚しになれれば幸いです。

一つ目は、八月くらいにコンビニで見つけた「プッチンプリン・期間限定ソーダ味」です。
ソーダ味のプッチンプリン1
香ばしくてほろ苦いカラメルソースの代わりに、甘いソーダ味のソースが使われているという異色のプリンです。見た目はまるでスライムを髣髴とさせるようなはっきりした水色な為、最初に見た時は「これはちょっと…」と躊躇したのですが、その内「いやいや、食べてみないと分からない(はず)。それに、何と言ってもネタになる(゜∀゜)」というまた例の悪い発作が出た為、相方・マサル君の心底愉快そうな視線を浴びながら購入しました。
ソーダ味のプッチンプリン2
そして、ドキドキとハラハラが入り混じった奇妙な気持ちになりながら実食すると…ぐぅっ!こ、これは不味い(´Д`;)。
プリン生地の部分は通常通りでおいしいんですが、ソースの部分が激しく難アリ。確かにソーダっぽい微妙な酸味とか刺激っぽさはあるので辛うじて「ソーダ味だ!」と分かるものの、一番肝心なシュワシュワ感が皆無なので、とても変な感じに仕上がっています。それに、致命的な事にソーダとプリン生地は全く合わないという根本的な欠陥がさらけ出されていた為、二口食べたら即座にご馳走様を言いたくなるような味になっていました(ただ、「お残しは許しまへんで~!(by忍たま乱太郎)」という信念があるので完食しました)。何と言いますか、「小学生の男の子が仲間達と悪ノリして作ったプリン」って印象の商品です。
ソーダ味のプッチンプリン3

二つ目は、『餃子の王将』一支店で取り扱われている九月だけの限定新メニュー・「きのこあんかけラーメンセット」
きのこあんかけラーメンセット
本当は単品だけでも注文出来たんですが、セットにするとミニ天津飯orミニチャーハンがついてくるので、迷わずミニ天津飯つきのセットにしました。ここの天津飯は惜しげもなくどっぷりかかっている醤油あんが絶品なので、何度食べても飽きません(^^*)。
なんと、セットにするともれなく天津飯がつきます
もちろん、主役であるきのこあんかけラーメンも大層美味でした。具はしめじ・まいたけ・エリンギなどのきのこ類の他にひき肉・ニラ・溶き卵が入っています。普通、こういうあんかけラーメンはあんの下に鶏がらスープが注がれている事が多いんですが、ここのきのこあんかけラーメンはあん自体がスープになっていてたっぷりかけられていました。豆板醤が加えられているのかピリ辛ですが卵入りなので比較的まろやかで、辛い物が苦手な方でもおいしく食べられるような仕上がりです(あとこれは勝手な予想ですが、隠し味にお酢が忍ばせてあるように感じました)。シコシコした歯触りの中華麺にこれらの旨味たっぷりなあんがとっぷりと分厚く絡み付き、かなり最後の方まで汗をかきつつフーフー頂けるがとてもよかったです。正直、限定と言わずここの看板メニューとして十月以降も売ってくれればいいのに…と残念な気持ちで一杯です(´・ω・`)。
きのこあんかけラーメンの麺の様子

三つ目は、母が教えてくれた「永谷園のお吸い物スパゲティ」です。
永谷園のお吸い物スパゲティ
一昔前だとまだまだマイナーなイメージがありましたが、今では玉木宏さんがCMで宣伝した事もあって大分有名になりました(^^)。母の作り方だとCMのようにバターや醤油は使わず、永谷園のお吸い物の素とこしょうだけで味付けするのみというシンプルな物なんですが、これが滅法ウマー(゜Д゜)です。この時はしめじ・ベーコン・ピーマンを具にして海苔を上からパラリと散らしたのですが、ちょっぴり松茸風味なお吸い物味の麺があっさりしてていくらでも入りそうなおいしさでした。正直、市販の醤油系パスタソースより斜め上を行く味わいなので感心しました。母が言うにはエリンギを使ったらより松茸気分が味わえるそうなので、また近い内に試してみようと思います。
永谷園のお吸い物スパゲティ2

四つ目は、相方・マサル君が面白半分で買ってきた「ピザーラ焼きそば・テリヤキチキン味」
ピザーラと焼きそばが合体したカップ麺
ピザーラのテリヤキチキンピザを焼きそばで再現したという何とも挑戦的な珍品カップ焼きそばです。あおり文句には「チーズとテリヤキの風味が絶妙に絡み合う」とありましたが、いざ食べてみると…すみません、全然絡み合ってなかったですorz。
香りの方は確かに「うわー、本当にテリヤキチキンピザの匂いがする!本物みたいで面白い!」と相方・マサル君と盛り上がりましたが、口に含んでみると「…味があんまりしない」と二人して暗澹たる気持ちになりました。匂いはテリヤキチキンピザその物なのに、味は正反対なくらい薄くてぼやけてモサッとしてておいしくなかったです(相方・マサル君は「旨くないタンタンメンに入ってるひき肉みたいな肉」と表現していました)。見た目が濃ゆいのに、不自然なくらい薄いというがっかりな商品です。内心、「見た目は最高、中身がスカスカな異性を見た時の残念さならうまく表現出来ている」と思いました。思わず「匂いを似せる事ばかりに夢中になって、一番重要な味を似せるのを思いっきり投げましたね…?」と某社開発部に突っ込みたくなる味でした。
匂いはまさにてりやきチキンピザなんですが…

徐々に、けれども確実に寒くなってきている今日この頃ですが、皆様もお体にはどうぞお気をつけ下さいませm(_ _)m。

『八朔の雪―みをつくし料理帖』の“鰹飯”を再現!

最近、江戸時代に興味を抱いています。それまでは飛鳥時代・平安時代・鎌倉時代・戦国時代・幕末時代の方に魅力を感じていた為、儒教思想で息苦しく縛られているイメージの江戸時代は「つまらない」としか感じられなかったのですが、一年程前から所用で江戸時代を調べるようになってからは印象が変わりました。確かに、この時代の上流階級の男女は全く「個人」と言う物が見えなくて甚だ退屈なのですが、庶民の方となると打って変わり、女性も男性も押さえつけられながらもたくましく図太く生きている様がとても清々しいです。何しろ、今まで興味がないと一刀両断していた分知らないことばかりなので全てが新鮮で、近頃は大学一年当時を思い出しながら活き活きと情報を吸収しつつある今日この頃です。
こんにちは、やっぱり食わず嫌いは勿体無くていけないなと思うあんこです。

今日作ってみる再現料理は、小説『八朔の雪―みをつくし料理帖』にて主人公・澪ちゃんが「つる家」を任された三日目に作って出した“鰹飯”です!
八朔の雪 みをつくし料理帖
『みをつくし料理帖シリーズ』とは、一八〇二年(江戸時代中期)の時にわずか八歳で大洪水による災害で両親を失った孤児の少女・澪ちゃんが縁あって大阪の名店「天満一兆庵」に引き取られた事をきっかけに、天賦の料理の才を徐々に開花させつつ人としても料理人としても成長していく人情風味の時代料理小説です。
実を言いますと、主人公である澪ちゃんは小さい頃に「雲外蒼天(並大抵ではない辛酸や苦労が相次ぐ人生ではあるが、それに耐え切った時誰にも拝めないような美しい空を見上げる事が出来る)」の相が出ていると易者から指摘された事がある程の苦労性で、十八歳の現在も第二の家というべき「天満一兆庵」の崩壊、次期跡取りの失踪、面倒を見てくれた旦那さんの死去、母親同然なおかみさんとの寄る辺なき江戸での仮住まい生活と相当な辛苦を味わってきています。しかし、それでも澪ちゃんは持ち前の真っ直ぐな心根と前向きでおっとりした性格とで頼りなくも何度も立ち上がって乗り越えている為、見ていると心が洗われて段々温まっていくような気持ちにさせられます。決して気が強い訳ではなく、むしろ気弱な方の澪ちゃんなんですが、その分心の奥底に眠る半ば狂気的な料理への情熱はすごく、時折「こんなごく普通の優しい少女のどこに、そんな熱意と根性が…」と目を見張る事もしばしばですので、読んでいて飽きません。
そして、この小説の一、二を争う見所は澪ちゃんがお店で作る特製和風料理!作る描写から食べる描写まで詳細に記されているのですがこれが超絶においしそうで、読み返すたびに喉がゴクリと鳴ります。物語中、最初は大阪出身の澪ちゃんが作る上方料理は江戸の人々にあまり馴染みがない為敬遠されるんですが、諦めずにあの手この手で工夫して出していく内に少しずつ受け入れられていく様子がとてもいいです。名前の方も「ぴりから鰹田麩」「とろとろ茶碗蒸し」「ほっこり酒粕汁」とそそる物ばかりですし、その上巻末には付録として分量表記付きのレシピまで載っていますので、料理小説好きな方や食べる事がお好きな方におすすめです(^^)!
今回再現するのは、江戸へやって来て以来ずっと奉公している蕎麦打ち職人の恩人・種市さんの厚意から譲ってもらったお店「つる家」を、蕎麦屋から上方料理店へ転向させようと試行錯誤していた時に澪ちゃんが戻り鰹を使って作った“鰹飯”です。
作り方はいたって簡単で、食べやすい大きさに切ってしょうがと一緒に甘辛く煮た戻り鰹を汁ごとご飯に投入し、さっくり混ぜ込めば出来上がりです。これは脂がたっぷり乗った戻り鰹だからこそおいしい一品なんだそうで、作中の「味醂の照りとしょうがの香りとでおいしそうに煮えているその一片を口に運ぶ。たちまち、うっとりと至福の表情になった」というフレーズにはたまらない物があります。
けれども一八〇〇年代当時、どうやら江戸は初鰹を至高の魚として好む割には戻り鰹を時期外れの「猫跨ぎ」として嫌っていたらしく、せっかく新鮮な材料でこしらえたというのになかなか売れません。その点、大阪では既に戻り鰹のおいしさは知られていて料理によく使われていたらしく、澪ちゃんは何とかしてこの“鰹飯”を売って起死回生を図りたいと悩みます。
そんな時に思いついたのが、「はてなの飯」戦法。見栄っ張りな江戸っ子に戻り鰹を喜んで食べているという羞恥を感じさせない為に「はてなの飯」という名前で巧妙に正体を隠して好奇心を刺激させ、一旦は無料試食として振る舞いその旨さに目覚めたお客さんの口コミによっていい評判を広げてもらうという方法だったんですが、これが大当たり!仮に食べてみて「これは戻り鰹だ」と気づいたとしても、お客さん達は怒るどころか「つる家」の趣向と見事な洒落っ気を讃えるのみで、おかげで新生「つる家」は転向三日目にして無事上方料理店として繁盛し始めるのでした(一日目や二日目は、「親父さん、あんたの打った蕎麦なら食いたいが、その小娘が作る上方料理はご免だぜ」とお客さんが全然入ってこなくてかなりピンチだったのです;)。
連日飛ぶように売れ、その内真似するお店まで多数現れたという“鰹飯”の味はどんな物なのか非常に気になりましたので、早速作中のレシピ通り再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の下ごしらえ。旬の戻り鰹は皮・血合い・骨を取り除いた後に小さめの角切りにし、しょうがは細く千切りにした物をどっさり多量に用意しておきます。
鰹飯1鰹飯2
戻り鰹を捌き終えたらザルに入れ、熱湯をサッとかけて軽く湯通しします。霜降りになったかな?くらいでちょうどいいです(あんまりお湯をかけ過ぎてしまうと、硬くなってしまうので注意です)。
鰹飯3
この戻り鰹を小鍋に入れ、醤油、お酒、味醂、たっぷりの千切りしょうがを加えて煮付けます。この時、強火でさっと火を通してから放置して味を染みこませる方法か、それともごく弱火でゆっくりジワジワ熱を通してから放置する方法かのどちらかに統一した方が身が柔らかめに仕上がります。
鰹飯4鰹飯5
鰹飯6鰹飯7
戻り鰹の中心にまで味が染みきったら炊きたて白ご飯へ煮汁ごと投入し、練ってしまわないようなるべくざっくりとしゃもじで切るようにして混ぜ合わせます。その後、フタをして短時間蒸らします。
※煮汁の量は多すぎず少なすぎず、少しずつ加減しながら入れると失敗しにくいです。
鰹飯8鰹飯9
煮汁がご飯粒に浸透したら、お茶碗によそいます。その間、海苔を刻んでおきます。
鰹飯10
刻んだばかりの海苔をご飯に散らし、仕上げに汁物と副菜が載っているお盆へちょこんと置けば“鰹飯”の完成です!
鰹飯11
作中の記述によると、澪ちゃんがその日にお客さんへ提供した献立は「鰹飯、枝豆の東煮、豆腐と菊花の澄まし汁」の三品との事でしたので、ついでにまとめて再現しちゃいました。「枝豆の東煮」は関東で盛んに作られている枝豆料理(枝豆をさやごと醤油や砂糖で甘辛く煮て作ります)、「豆腐と菊花の澄まし汁」は調べた所菊花の形に切った絹ごし豆腐と春菊を大輪の菊に似せて作る細工系汁物(出汁は鰹の一番出汁)が一番近そうだと判断し、それぞれ作りました。どれも食欲がそそる料理ばかりで、特に“鰹飯”は脳天をとろかすような甘い芳香がプンプン漂い、匂いだけでもう「おいしい」と思っちゃうくらいの最高な出来上がりです。これらを一気に食べたら一体どうなるのか…考えただけで幸せ気分になりました。
鰹飯13
鰹飯14
鰹飯15
それでは、出来立て熱々の内にいざ実食!いただきまーすっ!
鰹飯16

さて、味の感想ですが…戻り鰹らしい深い旨味がご飯全体に行き渡っていて美味しっ!まさに秋ならではのご馳走です!
鰹飯12
時期外れか痩せてるかした鰹に火を通すとガチガチに硬くなって食べにくくなりますが、今回は脂がたっぷりのっている旬真っ盛りな戻り鰹をふんだんに使用した為ホワッとした仕上がりで、口の中へ入れると密度の濃いエキスと一緒にハラハラ崩れてご飯とすぐに一体化していきます。煮る前にきっちり湯通ししたおかげで魚料理にありがちな臭みは一切ありませんし、何より煮汁をご飯にそのまま混ぜ込むやり方を採用しているせいかご飯粒がとてもふっくらツヤツヤしていたのが印象的でした。千切りしょうがのパンチがきいた風味が戻り鰹にもご飯にも効いている為濃い割にはくどくない後口で、普通の炊き込みご飯にはないキリリと引き締まったおいしさが心に残る一品でした。
鰹はマグロと匹敵するくらい舌にいつまでもじんわり響くような強い旨さが特徴的な魚ですので、他に材料を足さずとも十分に満足出来る仕上がりになっています。同じ海の物である海苔との相性もすごくいいですし、これは秋が来るたびに食べたくなる味だとため息が出ました。噛めば噛む程ご飯粒から鰹の脂分や出汁が徐々に溢れ出てくる為、病み付きになります。

調味がしっかりしているので冷めた後も味が落ちず、その上海苔との組み合わせが抜群に合うので、原作でもされていた通りおにぎりにして持ち歩いてみてもいいと思います。
あと、枝豆の東煮は濃い甘口醤油味がついた枝豆が日本酒やビールにぴったりの相性でしたし、菊花豆腐の澄まし汁は風雅極まりない鰹出汁が効いて一口すすると口がさっぱり洗い流されるおいしさでした。どの料理も反発しあわず調和していたので、改めて澪ちゃんに感心です。
この他にも『みをつくし料理帖シリーズ』には粋でおいしそうな料理がたくさん出てきていますので、また何か再現してみようと思います(^^)。

○おまけ
実は、同じく高田郁先生が手がけた名作・『出世花』は、エレガンスイブという女性雑誌で黒沢明世先生によって漫画化されています。原作の自然と頭に入ってくる温かな文章もいいですが、こちらの方も漫画と言う媒体だからこそ表現できる原作の良さが映えています。よろしければ、是非ご一読下さい。
あと、これは完全な蛇足ですが「再現料理を予定中の漫画」リストを更新いたしました。この度は長々とした文章を最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。
○追記(2010/9/27)
先程、この記事で取り扱っている『みをつくし料理帖シリーズ』も岡田理知先生の手によって漫画化されているというご指摘を受けましたので、URLを貼られて頂きます。リサーチ不測で中途半端な記事にしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。

●出典)『八朔の雪―みをつくし料理帖』 高田郁/角川春樹事務所
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

『クッキングパパ』の“スペアリブ炊き込みカレー”を再現!

先日、また初卵を買ってきちゃいました(卵かけご飯にした感想を、「初卵の黄身の味噌漬け」記事の最後に追記として書く予定です^^)。張りがとにかくすごいので、溶いた後もご飯への絡まり具合が半端じゃなく、最近では母も初卵の卵かけご飯にはまっている状態です。その為、どうせならこの卵でついでに『クッキングパパ』の“卵かけご飯三種”も再現してみようかと考えています。
こんにちは、再現したい料理は山程あるのに体力と時間と材料費が足りないあんこです;。

今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にてまこと君とみつぐ君がキャンプの時にさなえちゃんやえっちゃんの為に作った“スペアリブ炊き込みカレー”です!
スペアリブ炊き込みカレー図
まこと君達がまだ小学四~五年生だった時、夏休みを利用して博多に帰省していたさなえちゃんがもうすぐ東京へ戻ってしまう前に、最後の思い出作りとして日帰りキャンプをしようという計画が持ち上がります。この頃にはもうみつぐ君はえっちゃんにベタ惚れでしたので、どうせならダブルデート風に過ごそうと考えたまこと君とみつぐ君は前日にえっちゃんを誘いに行きます。しかし、えっちゃんはえっちゃんで実はまこと君の方が好きだった為(要約すると、「みつぐ君の事は決して嫌いじゃないんだけど、それでもまこと君の方がずっと好き…でもさなえちゃんがいるしな~」という複雑な心境だった模様^^;)少し迷うのですが、それでも一緒にいたいという気持ちが勝ったえっちゃんは何とも言いがたい表情で「うん、いいよ」と承諾します。ここらへんを読むと、えっちゃんのいじらしい乙女心が透けて見えるのでちょっとしんみりしてしまいます(´・ω・`)。
そして翌日、まこと君と荒岩主任ご一行は車で浮羽町(福岡県南東部に位置する山のふもとにある町で、未だに自然豊かな場所です)の近くにある渓流スポットへ行きます。到着後はみんな水着に着替えて川で泳いだりしながら遊ぶんですが、この時えっちゃんは勇気を振り絞って「ほらっ」と手を差し出してきたみつぐ君を「いいっ、一人で行けるから」と素っ気なく対応してしまいます;。正直、優しくする余裕がないえっちゃんの気持ちは分からなくもないのですが…この時ばかりは「手ぐらい握ってあげて、えっちゃん(つД`)!」と言いたくなりました。その直後、がっくり肩を落として落ち込でいるみつぐ君の姿を知っている為、余計に気の毒ですorz。
みつぐ君気の毒(つД`)
けれど時間が経つにつれ、みつぐ君は魚をバンバン釣って「わあ、すごいみつぐ君!」とさなえちゃん達から歓声をあびたり、まこと君と二人で食事の支度を一生懸命したりする事によって徐々にえっちゃんからの評価を上げる事に成功します(計算ではなく、全部自然にしたことだからこそ心に訴える力が強かったんだと思います^^)。
この時、まこと君とみつぐ君が協力して用意したのがこの“スペアリブ炊き込みカレー”。実を言いますと、この料理は荒岩主任がまこと君達のキャンプの為に一から考えてくれたオリジナルレシピで、まこと君達が前々からうまくいくまで練習した料理でもあります。材料はスペアリブ・にんじん・サツマイモ・玉ねぎで、これらの材料をカレー粉などで味付けしてご飯とともに炊き上げればあっという間に出来上がりです。荒岩主任が言うには「アウトドアにぴったり!」「スペアリブの骨からいい味が出る。ちまちま作らず大胆に作ろうぜ!」との事で、スペアリブが苦手ならハムやソーセージを使ってもいいんだそうです。確かに、作中の描写を見る限り豪快なキャンプ料理って印象で、これを青空の下で汗をかきつつ食べると堪えられない物があるだろうな~と思いました。やっぱり、何だかんだ言ってキャンプにはカレーが一番お似合いなのかもしれません;。
その後、このおいしい炊き込みカレーをみつぐ君は自分の為に何度も練習してくれたと知ったえっちゃんは態度を軟化させ、再度川へ向かう際に「手ぐらいつないでよね!」と笑顔で話しかけるのでした(その時のみつぐ君の笑顔は、是非コミックスでお確かめ下さい^^)。
頑張るみつぐ君と見守るえっちゃん
残念ながら、原作通りキャンプをしつつ飯ごうで炊くという本格的な再現は出来ませんが、その他はなるべくレシピ通りに再現してみようと思います。

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の用意。にんにくとしょうがはみじん切り、玉ねぎはザク切り、にんじんは皮をむいて大雑把に切り、サツマイモは皮つきのまま適当に切り分けます(ただ、サツマイモがあまり新鮮でない時は皮をむいてから使う方が無難です)。なお、スペアリブは大きい物だけ適当に切り、小さな骨のかけらや血を取り除くのみでOKです。
スペアリブ炊き込みカレー1スペアリブ炊き込みカレー2
スペアリブ炊き込みカレー3スペアリブ炊き込みカレー4
スペアリブ炊き込みカレー5
といだお米は通常通りの水加減にして三十分~一時間程度水を吸わせておき、時間が経ったら先程の野菜類とスペアリブを上からドサドサッと投入します。
※後々調味料を色々と足す場合は、水は少なめにしておいた方がいいです。
スペアリブ炊き込みカレー6スペアリブ炊き込みカレー7
そこへ醤油、カレー粉、塩、こしょうを加え、ざっと混ぜます。
スペアリブ炊き込みカレー8スペアリブ炊き込みカレー9
スペアリブ炊き込みカレー10スペアリブ炊き込みカレー11
ちなみに私の場合、欄外で「お好みであったら入れて下さい」と紹介されていた隠し味があったので、どうせなら全部入れちゃおうと思って赤ワイン、ケチャップ、ウスターソースも入れました。これで準備完了ですので、後はフタをして普通に炊きます。本当なら飯ごうがいいんだそうですが、今回は文化鍋と直火で勘弁してもらう事にしました(^^;)。
スペアリブ炊き込みカレー12スペアリブ炊き込みカレー13
スペアリブ炊き込みカレー14スペアリブ炊き込みカレー15
炊き上がったらすぐにフタを開けてしゃもじでざっくり混ぜ(その際、ご飯を練ってしまわないように要注意!)、またフタをして約五~十分蒸らします。
スペアリブ炊き込みカレー16スペアリブ炊き込みカレー17
ご飯が落ち着いたら再度フタを開け、そのままお皿へ好きな量だけ具ごとよそえば“スペアリブ炊き込みカレー”の完成です!
スペアリブ炊き込みカレー18
カレーならではのスパイシーな香りが鼻を強烈に刺激し、矢も盾もなく「早く食べたい!」という気持ちになります;。サツマイモは皮付きのまま使用したので色もきれいですし、にんじんの赤とサツマイモの紫という取り合わせのせいか、どこか秋を彷彿とさせます。スペアリブの塊が想像以上においしそうで、見るからに味が楽しみな出来です。
スペアリブ炊き込みカレー19
それでは、出来たての内にいざ実食!いっただっきまーすっ!
スペアリブ炊き込みカレー20

さて、味はというと…こりゃウマーーー!キャンプでワイワイ盛り上がりながら食べるのが似合うイメージの、極めてワイルドなカレーご飯です!
えっちゃんとさなえちゃんも大満足なキャンプご飯
カレーピラフをよりしっかり強めに味付けした感じのおいしさで、黄色くパラリと炊き上がったご飯を口に含んだ途端、ピリピリッとスパイシーな辛さが舌の上を勢いよく走り抜けていきます。醤油やワイン、ケチャップ、ウスターソースといった隠し味が効いているせいかシンプルなのに後を引く味で、おまけにスペアリブの骨と肉からいい出汁が出ている為とても本格的な旨さのカレーでした。最初は「サツマイモ入りのカレー…相当に甘そう」と保守的な味覚のせいで躊躇していたのですが、実際に食べてみると「カレー味:サツマイモ味=8:2」の控え目な割合で、数回食べてようやく気付く程度でしたのでちっとも気になりません。むしろ、ご飯全体に染み込んでいるカレー粉のスカッと爽やかな辛味やスペアリブの脂分を、サツマイモの素朴な甘さがほんわかと和らげてくれる為、このカレーには必要不可欠な存在だと感じました。
にんじんのサクサクした歯触りとほのかな甘味、玉ねぎのふくよかな風味、サツマイモのホコホコした食感がカレー味のご飯にぴったりで、いくらでもバクバク食べれちゃいます(サツマイモはちょうどふかし芋っぽい仕上がりになっているので回りにご飯がいっぱいくっつくんですが、これがまたウマー!)。あと、何と言ってもスペアリブがすごく美味で、ガブリとかぶりつくと濃ゆくてジューシーな肉汁がタラタラと流れ出してくるのがたまりませんでした。しょうがとにんにくが臭み消しをしているので臭味は残っていないですし、言う事なしです。油を一滴も使っていないおかげであっさりヘルシーですし、色んな方々に是非ともおすすめしたいアウトドア風料理でした。

後日、男性側の意見も知りたいと思って相方マサル君にも試食してもらったんですが、「うん、うまい!でもサツマイモが甘いから、今度はじゃがいもで作って」という感想を頂いてちょっと(´・ω・`)ショボーンになりました。どうやら、「カレーは辛いからカレー!よって、甘い食材を入れるのは何が何でもNG」という方には、サツマイモをじゃがいもに置き換えて作った方がいいようです;。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
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プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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