『裏の家の魔女先生』の“トマサバごまだれうどん”を再現!
- Tue
- 21:23
- 再現料理
かなり有名で簡単な食べ方ですのでわざわざこちらに書くのも恐縮ですが、たっぷりのすりごまを入れてトロッとさせた濃口醤油に少しの日本酒と練りごまペースト、お刺身を投入し、数時間好みの具合に漬けてご飯に乗せて熱湯をざっとかけるだけで完成(←わさびと海苔を薬味として乗せたり、熱湯に白出汁をちょっと風味付けで落としたりしたら、さらに最高です)。
「刺身」としては繊細な味はわかりにくくはなるものの、鮮度の落ちた魚の臭みを抑えつつごまの旨味が「お茶漬け」として最高においしく食べられますので、おすすめです。
どうも、関東ではお刺身は熟成した旨みの強いもの、関西や福岡は活かりを重視している傾向にあると聞き、確かに一理あるかもしれないと思った当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、 『裏の家の魔女先生』にて沙希子さんがあるお客様をもてなすために作っていた“トマサバごまだれうどん”です!
前回、師匠のオトさんとの奇妙な共同生活が始まった沙希子さんですが、少したってからまた新しい同居人が増えます。
それが、オトさんの同胞でもはや神に近い上位の魔女(?)・ミルドレッドことミルさん。
相変わらず独自のクトゥルフ神話的専門用語が多いので大まかな推測になりますが、どうやらオトさんとは昔からの腐れ縁的な古い友人だそうで、時代を超え名前や姿形を変えて交流してきた模様(←本性はキツネで様々な時代の美女に乗り移ってきた『封神演義』の妲己ちゃんや、年齢性別立場を変えて人間社会に潜んできた『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨を彷彿とさせます)。
古来では「満たされることなき貪食の神」「血に渇した氷の獣」と呼ばれていた獣神で、かつては戦の神として崇められていた時期もあったそうですが、時が経つにつれて段々人間に近い姿へ移行していったようで、以前オトさんが最後に会った時は、ルドルフ二世の宮廷で胡散臭い支持者を侍らす豊満な貴婦人だったとのこと(←不老不死のタイムトラベラー説があるサンジェルマン伯爵に似たロマンを感じます)。
現在は、獣形態だと白い長毛で高貴なペルシャ猫、人間形態だと知的で華奢なメガネっ子金髪美少女で、オトさんと同じく段々幼年化してきているなーと思いました(←しかし、ミルさんは『動物のお医者さん』に出てくる菱沼さんの猫・フクちゃんと一緒で汚れることを気にしない性格の為、せっかくの美しい毛皮は大抵ボサボサで汚れています。お風呂に入れられる時、大暴れするところもそっくりです;)。
ちなみに、オトさんはその昔エジプトで崇められていた時は、何と褐色の肌で巨乳(!?)のエキゾチックな美女だったそうで、180度方向転換しすぎで初見時は衝撃を受けました。
ライオンを思わせる頭飾りと、くっきりとした目鼻立ちで気が強い系の美しい横顔は、以前見たことのあるセクメト神(←エジプトの女神)をモデルにしたのかな?と予想しました。
『攻殻機動隊』の草薙素子さんみたいに、外見を自由自在に変化できるともはや外見は一種の記号と言いますか、ネット上のアバターみたいなもので、「どれも自分であって自分ではない」感覚でどんな大胆な恰好でも躊躇なくできそうですので、羨ましいです。
オトさん曰く、「このくらい小さいほうがエネルギー効率がいいんだ」そうですが、大量に食べてもすぐお腹がすくので、かえってアメ車の如く燃費が悪いのでは…と思ってしまいました。
ちなみに、不思議な力を持つ彼女たちは己の武器を装飾品に擬態させてさりげなく身に着けることができるみたいで、ミルさんはあらゆるものを切り裂き屠る月光の結晶で作られた牙を眼鏡として耳にかけていました(←なんでも、貪食が過ぎて大昔に自前の牙がへし折れたから為、その代用との事。虫歯で歯を抜かざるを得なかった子供がインプラントにするようなものでしょうか?
なんとなく、『座頭市』の仕込み杖や、暗殺者のユニークな暗器達を思い出し、ほっこりしたものです。
その後、CIAO ちゅ~るを食べて満足した猫形態のミルさんは人間形態に戻り、沙希子さんへ「今度は人間の食べ物が欲しいわ」と
こうして、沙希子さんがありあわせのものでチャチャっと作ったのが、この“トマサバごまだれうどん”です!
作り方は非常に簡単で、茹でてザルで湯切りした冷凍うどんへザク切りしたトマト・サバ缶・ごまダレ・千切りにした青じそを乗せたらもう出来上がりです。
ポイントは、冷凍うどんは茹でた後冷水でしめたりせずそのまま使うことで、温かいままのうどんと冷たいトマトの取り合わせが意外とあっててツルリといけるようです。
ごまだれのうどんはそこまで珍しくありませんが、それはほとんど和風で尚且つ冷たいうどん、洋風のごまだれを温かいうどんと合わせるのは今まで見たことがなく、どんな味がするのか気になったものです(←ごまだれと聞いても、パッと思いつくのは冷やし中華やバンバンジーくらいで、我ながら貧相な発想力に愕然)。
先日、冷凍の讃岐うどんとサバの水煮缶が安く手に入ったので、再現することにしました。
作中には大体のレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、うどんの下準備。
小鍋でお湯を沸かし、凍ったままの冷凍讃岐うどんを投入し、軽く混ぜて1分ほど湯がいてザルでしっかり湯切りし、丼容器へ移します(←茹で時間はメーカーごとに違いますので、袋裏面の作り方をよく確認してください)。
次は、盛り付け作業。
丼容器のうどんの上へ、ザク切りにした生トマト→汁切りをして少し身を崩したサバの水煮缶→市販のごまだれの順に材料を乗せていきます。
この時、サバ缶の汁は汁気が多いのが嫌な方は入れない方がいいですが、汁っぽくなっても構わない方は、そこそこの量の汁を加えると魚の旨味が濃厚に効いた汁うどん風になります。
最後に千切りにした青じそを上に飾り付け、テーブルへお箸と一緒に運べば“トマサバごまだれうどん”の完成です!
トマトの赤、青じその緑、うどんの白が目にまぶしい、夏らしい色合いの料理です。
冷凍うどんは数えきれないほど食べてきましたが、こういう洋風のレシピはほとんどなく、どういう仕上がりになっているのかとてもワクワクします。
それでは、うどんにごまだれを絡ませていざ実食!
いただきまーすっ!
さて、感想ですが…さっぱり系に見せかけて、実はそこそこがっつり系な一品!ゴロゴロした鯖の食べ応えがすごく、うどん一玉でも結構お腹いっぱいになるボリューム感が素晴らしいです!
一見サラダうどん風に見えますが、どちらかといえばサバのしっかりした身がガツンと口の中で主張する肉々しいうどんというイメージで、マヨネーズをそのままかけただけのサラダうどんよりも、さらになめらかでクリーミーな味付け。
ごまの香ばしい風味と、マヨ系ソースのまったりした酸味とコクの組み合わせがどことなく冷やししゃぶしゃぶを連想させる感じで、それなのにほんのり温かいのでちょっと混乱しました。
冷製うどんやぶっかけうどんというより、洋風の釜玉うどんに近い醍醐味です。
温かい分、ごまの香りが冷たいタレの時よりも開いて穏やかに香る感じでした。
サバの水煮から出たこってりと濃厚な青魚特有の奥行きのある脂と、生トマトから出たフルーティーな甘酸っぱい果汁がごまだれ全体に溶け込んでおり、即席で混ぜただけとは思えない程深みのある味わいになっていました。
また、冷凍うどんは普通の茹でうどんよりもツルツルとして透明感のあるコシが強い為、生半可なタレでは滑ってうまく味が乗りにくいのですが、こちらはトロリとして麺によく絡んでいた為、食べやすかったです。
青じその爽やかな香りとサクサクした小気味よい食感がいいアクセントになっており、バランスがよかったです。
冷やしうどんも好きですが、温かいうどんのほんわり優しい口当たりが好きなため、こちらも好みでした。
今回、当管理人はサバの水煮缶を使用しましたが、サバの味噌煮缶や醬油の味付き缶を使ってみてもいけそうなレシピだと感じました。
P.S.
kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。
当管理人もその家族も、呆れるほど元気に過ごしております;。kawajunさんも猫さん達も、お元気でしょうか?
恥ずかしながら、ミラノ風=ゴールドを連想させる料理とは知りませんでした…「ミラノってお洒落で都会っぽいイメージだから、そんなキラキラしたイメージで作ったのかな?」と田舎者丸出しで考えてました、お恥ずかしいですorz。
●出典)『裏の家の魔女先生』 西川魯介/秋田書店
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。