『まかない君』の“カニカマきゅうりのポテチサンド&変則的玉子パン”を再現!
- Tue
- 11:00
- 再現料理
たっぷり入った玉ねぎの甘味が地味にいい仕事をしており、「豚まんといい、焼き飯といい、長ネギよりも玉ねぎを使った方が中華料理店っぽさが出るのはどうしてだろう?」とあれこれ考えつつ完食しました。
肉汁が多すぎて、うっかりすると熟れすぎてドロドロになった桃をかじる時の如くボタボタと旨味の汁がこぼれる感じで、こんなにしっかりした味わいなら確かに酢醤油はいらないかも…と思ったものです(←九州では酢醤油と辛子をつけて食べるのがスタンダード)。
どうも、ドーナツとロールケーキを合体させて生まれた新型のカロリーモンスター・堂島ローナツが激しく気になっている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『まかない君』にて浩平君が弥生ちゃんお手製の夜食をヒントにして作った“カニカマきゅうりのポテチサンド&変則的玉子パン”です!
『まかない君』に出てくるご飯シーンは夕飯がほとんどですが、たまに朝食・昼食・おやつ・夜食のお話が紛れている事があります(←大体7:3くらいの割合。「亀田の柿の種」国民総選挙で強い支持を受けた、柿の種とピーナッツの黄金比率と同じ数値ですね)。
どのシチュエーションの料理もおいしそうでしたが、真夜中にこっそり食べるという背徳感が甘美さを増させるのか、夜食の方が強く印象に残っています(←カップ焼きそばとか、昼より夜の方が二割増で魅力的に見えるタイプ)。
夜食と一口に言っても作る人間によって特色は大分違っており、例えば浩平君は野菜も適度に加えたり、消化にいい温素麺にしたりと体を気遣う感じのメニューが多いですが、弥生ちゃんは反対に“伊達巻サンド”(←軽くトーストした食パンに伊達巻と辛子マヨを挟んだサンド)みたいな油・糖分・炭水化物のゴールデントリオメニューを食べており、改めて料理には性格が出るな~と苦笑しました。
それでも料理するだけまだマシな方で、ある時期など行灯の油を舐める化け猫の如く、夜な夜ないちごジャムを夜食にしていた事が判明しています。
巷で一大ブームを巻き起こしているタピオカミルクティーとカロリー的には変わらないはずですが、見た目的な女子力にはかなり差があり、一応花の女子大生なはずなのに男子小学生のような破天荒さを感じたものです(←こんな食生活を送っていたらメタボが気になる所ですが、サンドウィッチマン伊達さんのカロリーゼロ理論によれば「甘いものはすぐエネルギーに変わるので太らない」「カロリーは熱に弱く、110℃以上に耐えられない」そうなので、高温で熱した糖分の塊であるジャムはむしろヘルシーなスイーツで、ミランダ・カーのココナッツオイルばりの美容食品なのかもしれません)。
そんな神をも恐れぬ夜食生活をしていた弥生ちゃんですが、ある夜さらに恐ろしい食べ物を発明してしまい、数学者のアルキメデスの如く「エウレカ(発見した)!」と言わんばかりの勢いで浩平君に自慢をしに行きます。
その食べ物とは、何と“ポテチサンド”。
食パンにマヨネーズをニュニュッと絞ってポテチを挟むだけという、どことなく『OH!MYコンブ』臭のする恐ろしい高カロリーサンドで、一時期ネット上にて話題になっていた意識低い系パンに通じる物がある、まさに舌と胃袋の快楽最優先の悪魔的発想のパン。
その為、浩平君も最初は「炭水化物に炭水化物をはさむ美意識なき退廃…」と詩人のような嘆きの言葉をもらしつつ眉を寄せていましたが、これが意外とアリな出来だったようで、「うまい!」「おみそれしました」と感心していました。
調べてみると、イギリスやアイルランドでは既にクリスプサンドイッチと呼ばれて愛されている程ポピュラーな組み合わせだそうで、相変わらず弥生ちゃんは「美味しい予感」を察知する勘は鋭いな~と思います。
なお、フランスではフライドポテトにマヨネーズをつけて食べるのが一般的だそうなので、ある意味弥生ちゃんはモードの最先端を行くパリジェンヌ達と同様の感覚を持つシャレオツ女性…と言えなくもないのかもしれません。
そして翌朝、弥生ちゃんの“ポテチサンド”を参考にし、浩平君は自分なりに考え出したオリジナルサンドを朝食に作る事にします。
それが、この“カニカマきゅうりのポテチサンド&変則的玉子パン”です!
作り方は簡単で、“カニカマきゅうりのポテチサンド”はマヨネーズを塗り広げた食パンへ塩揉みしたきゅうりとカニカマを乗せ、さらにマヨネーズを絞った後にポテチを乗せるだけ、“変則的玉子パン”はガパオ缶・青唐辛子・カレー粉・塩を加えて溶いた卵をバターと油を入れて熱したフライパンに流し込み、その上へスライスチーズ→食パンの順に被せて両面をこんがり焼くだけで出来上がります。
ポイントは、きゅうりとカニカマはマヨネーズを和えずそのまま乗せるだけに留めること、パンを卵とチーズの上に被せたらしばらくぎゅっと押さえて密着させることの二点で、こうするとかえって味がまとまるのだとか。
やはり、浩平君としては炭水化物+油だけの組み合わせでは落ち着かなかったらしく、野菜や卵を足してちゃんと栄養面もカバーしているのが「さすが一家の料理係!」という感じで、もはや性別を飛び越えて弥生ちゃん達のお母さんみたいです;。
ラピュタパンみたいに焼いた卵を単に乗せるのではなく、あえて上から食パンを乗せて吸わせるという大胆な調理法に、初見時は弥生ちゃん同様「パッと見フレンチトーストみたい」と面白く感じたものです。
材料自体はごく普通ですが調理方法が斬新で、どんな味になるのかずっと気になっていたので再現してみる事にしました。
作中には大体のレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、“カニカマきゅうりのポテチサンド”作り。
きゅうりは千切りにして塩を振ってしばらく放置した後水気をよく絞り、カニカマは手でざっとほぐし、マヨネーズを塗り広げた八枚切りの食パンの上に乗せます。
そこへさらにマヨネーズをさっと細く絞り、ポテチを横半分に飾ります。
これで、“カニカマきゅうりのポテチサンド”は出来上がりです。
次は、“変則的玉子パン”作り。
ボウルへ卵、いなばのタイガパオ缶(「とりそぼろとバジル」とも言います)、刻んだ青唐辛子、カレー粉、塩を加えてよくかき混ぜます。
この卵液を、バターと油を熱して溶かしたフライパンへ流し入れます。
※生の青唐辛子が手に入らない場合は、酢漬けにした青唐辛子をキッチンペーパー等で余分な汁気を取り除いて代用します。
この卵の上にすぐとろけるタイプのスライスチーズを置き、そこへ間髪いれずに八枚切りの食パンをかぶせ、しばらく押さえて密着させます。
食パンからはみ出る卵はパンの下に手早くたくしこんで一体化させ、卵にしっかり火が通っていい色合いになってきたら裏返し、反対側も軽く火を通します。
反対側も少しキツネ色になったら取り出して食べやすいサイズに切り分け、そのまま二種類のパンをお皿へ盛り付ければ“カニカマきゅうりのポテチサンド&変則的玉子パン”の完成です!
思っていたよりもカラフルな感じの仕上がりで、お手軽な割には手が込んでそうに見えます。
特に“変則的玉子パン”はバターとスパイスが入り混じったような華やかな風味がふわっと香るのが食欲をそそり、一体どんな味がワクワクします。
それでは、出来たてほやほやの内にいざ実食!
いただきまーすっ!
さて、味の感想は…今までに食べた事がない個性的な旨さでびっくり!他の王道サンド同様、定番化してほしい完成度です!
“カニカマきゅうりのポテチサンド”は、「カニカマ入りで軽い後口のインスタントポテサラサンド」で、本物にはない香ばしいコクとジャンクな味付けが特徴的。
しんなりジャキジャキした塩揉みきゅうりの程よい塩気と、ふんわりシコシコした弾力のカニカマの磯風味の相性は抜群で、最初から混ぜていないおかげでそれぞれの味がちゃんと分かり、カニマヨサラダにありがちな単調さが全くないのがナイスでした。
バリバリとポテチを噛み砕いてマヨネーズと一体化させていくと、じゃがいも本来のホクホク感と素朴な甘味が徐々に甦り、口の中でリアルタイムに即席ポテトサラダが出来上がっていくのが新鮮で面白く、口の中で調理する感じが病み付きになります。
フライドポテトとポテトサラダを足して二で割ったような独特の美味しさで、ファーストフード店にありそうなフランクに食べられるおやつ系惣菜パンというイメージでした。
“変則的玉子パン”は、一口でガツンとくる異国情緒漂うスパイシーな味付けで、東南アジアの屋台で売られていても納得するレベルのエキゾチックな味付けが印象的。
ほんのり香る程度の上品なカレーの風味と、すっきり爽やかで重くない青唐辛子の辛さがいいアクセントになっており、ナンプラー系のエスニックな塩気が効いたちょっぴり甘辛い卵がパンによく合っています。
表面はしっかりめに焼いたオムレツとおかず系フレンチトーストをミックスさせたようなこってりした旨さですが、裏側はバターの芳しい香りが染み込んでカリッと焼き上がったシンプルなトーストという感じで、どことなくピザトーストを彷彿とさせる味わい。
ホロホロに柔らかくて意外と肉々しい鶏そぼろと、ミルキーにとろけるチーズのコクが程よいボリューム感を出しており、例えるなら「オリエンタル風オープン卵サンド」という感じでした。
“カニカマきゅうりのポテチサンド”はポテサラサンドとは思えぬさっぱり感、“変則的玉子パン”は缶詰を使ったとは思えない本格的な仕上がりで、感心しました。
ただ、両方とも出来たてを食べるのが肝心で、時間が経ってポテチがしなったり、チーズが固まってしまうとせっかくの良さが半減してしまうので、お弁当にするのはやめておいた方が無難です。
P.S.
nanasyさん、kawajunさん、レニンさん、コメントを下さりありがとうございます。
ご指摘されて気づきましたが、実はうちも白黒メス猫の方が圧倒的に抜け毛の量が多く、そのせいか比較的ブラッシング好きで、ひょっとして毛色と抜け毛には因果関係があるんだろうか…?と興味深い気持ちになりました(←キジ白オス猫の方が多毛なのに、そこまで毛を散らさないのも謎です)。
近々、知り合いの猫仲間達に確認してみようと思います!
●出典)『まかない君』2巻 西川魯介/白泉社
『まかない君』6巻 西川魯介/白泉社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
一ヶ月以上ぶりの更新です…。
- Wed
- 20:41
- 日記
やっと大雨が過ぎ去った翌日、いきなり強烈な日差し&セミの鳴き声が降り注いで早くも真夏日みたいになり、「高低差ありすぎて耳キーンってなるわ!」というフットボールアワー後藤さんの懐かしいツッコミが頭に蘇りましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
一ヶ月に二回くらいの更新ペースになりそうだと書いていたのに、早くも一ヶ月に一回ペースになってしまい、誠に申し訳ございませんm(_ _;)m。
運がよければ再来月の末頃にはまた時間が取れるようになり、再現料理のペースもぼちぼち元通りに戻れそうですので、その時まで大目に見て下さると幸いです。
今月分の再現料理記事は、来週始めにアップ予定ですので、もしご縁がございましたらよろしくお願いします。
P.S.
りょうさん、kawajunさん、ちやまさん、コメントを下さりありがとうございます。
○おまけ
下の画像は、我が家の猫たちの近況画像です。
家から一歩も出られないという一昔前の軟禁された亡命貴族みたいな身の上ですが、クーラーのきいた室内でお昼寝をするだけという