『こまったさんのカレーライス』の“こまったさん特製カレー&イカカレー”を再現!
- Mon
- 23:50
- 再現料理
どうも、お好み焼きにしろ焼きそばにしろ、「蒸し」作業はかなり重要な行程なのだと実感してきた管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『こまったさんのカレーライス』にて主人公のこまったさんがお客さん達をもてなす為に作った“こまったさん特製カレー&イカカレー”です!
こまったさんは、駅前にある小さなお花屋さんの奥さん。すぐに困った困ったと言うのが口癖なせいで、ちゃんとした名前が他にあるものの「こまったさん」というあだ名で呼ばれています。
そんなこまったさんには、少し年上で熊にそっくりな外見をしたヤマさんという旦那さんがいます。実はこのヤマさん、普段は心優しいよき旦那さんなのですが困った事に結構自由気ままかつマイペースな性格で、唐突に「~しよう!」と言った途端すぐに一歩的に行動してしまう為、のんびり気質なこまったさんはいつも振り回されていて少々気の毒になります;(例:鉄道模型にハマッて無断で買いまくっては部屋中に広げる、いきなり「花屋を辞めてラーメン屋になろう」と宣言するなど。もっとも、不思議な世界にいたヤマさんがしでかした事なので、本物のヤマさんとは無関係かもしれませんが;)。ただ、自由人なヤマさんが引き起こすトラブルに振り回されつつもこまったさんはなんだかんだ言って自分流に楽しんでしまっている観があるので、幼い頃の当管理人は「心の広い人だ…大人になったら、みんなそうなるものなのかな」と感心したのをよく覚えています。…結局、予想は外れ当管理人は心が狭いまんまですがorz。
今回のお話も、元はといえばヤマさんの急なお願いが原因。お店が暇で比較的のんびりしていたある日、これならヤマさんだけでも人では足りると思ったこまったさんは一足先に家へ帰るのですが、その直後にヤマさんから「今晩友達を二人つれて帰るから、ご馳走作って待っててくれ」と電話がかかった為、こまったさんは大急ぎでテーブルセッティングをしたり、おもてなしメニューを何にしようかと思案します。この時、メイン候補に挙がったのは「スパゲティ、ハンバーグ、トンカツ、ビフテキ、オムレツ、カニ玉、野菜炒め、鶏肉の煮込み、麻婆豆腐」ですが、どれもしっくりこないとこまったさんは残り少ない時間で大いに悩みます。確かに、気心が知れている人ならともかく、一度も面識のない方に夕食をご馳走する時は一体何が一番無難なのか迷ってしまいがちですよね。ただ、さすがに「野菜炒め」をメインの候補に入れるのはさすがにマズイ気がするので、「こまったさん、落ち着いて!」と思わずこちらの方が慌ててしまいそうになりました(^^;)。
そんなこんなで大いに悩んだこまったさんですが、最終的にこまったさんの相棒である九官鳥のムノ君が耳元で「カレー、カレー!」と騒いだのが原因で、半ば誘導された形でカレーがメインになります。ちなみに、ムノ君はヘタな素人よりもかなり優秀な助手で、片言ながらも的確な料理のアドバイスをくれるイカした九官鳥なのですが、今作でも「テイネイニ、タマネギ、ヨクイタメル」「(玉ねぎで涙が出るこまったさんに向かって)メガネ、メガネ」と言ったり、買い物に出かけたこまったさんの代わりにカレー用のスープが吹き零れてしまわないかの見張りまでしたりと大活躍でした。それにしても、衝動買いしたイカを買い物袋に入れっぱなしにして忘れていたこまったさんに「イカ、イカ」と指摘し、「あ、そうだわ。忘れてた」と照れ笑いするこまったさんに向かって「ワスレルナ」と冷静に突っ込んでいたのには、未だに噴出してしまいます;。
その後、不思議な世界にまたもや巻き込まれて海へ連れて行かれたり、ご飯の炊き忘れという定番ボケをかましたりしつつもこまったさんがムノ君と一緒に作り上げたのが、この“こまったさん特製カレー&イカカレー”!
“こまったさん特製カレー”は「炒め玉ねぎを大量に使う」「にんじんとりんごをすりおろして入れる」「スープをコトコトじっくり煮込む」の三つがコツで、“こまったさんのイカカレー”はとにかく新鮮なトマトを使用してシンプルに味付けするのがポイント。両方とも作中でまるでレシピ本みたいに詳細にレシピが書かれているためイメージがわきやすく、子ども心にお腹がグーっとなったのを覚えています。
こんなに手を加えたカレーが美味しくないわけが無く、事実ヤマさんが連れ帰ったお客さん達は(なんと、最終的には増えに増えて五人以上のお客さんになってました!改めて、カレーでよかったねとこまったさんにガッツポーズをしたい気持ちになります)、「うまそう!」「まるで、インドに来たみたい」と大喜びしていました。
小さい時から「食べたい」と思っていた為、いつも以上に気合が入ります。何故こんなにも再現が伸びてしまったかと言うと理由は簡単で、当管理人がイカを捌くのが非常に苦手だったからなのですが、最近特訓したおかげでやっと慣れ始めてきた為、いよいよ作ってみることにしました。作中のレシピどおり、頑張って作ってみようと思います!
という事で、レッツ再現調理!
一番目は、“こまったさんのイカカレー”作成。真っ赤に完熟したトマトのを一旦真っ二つにして中の種を軽く取り除いたら小さくザク切りにし、フライパンでさっと煮詰めて味を凝縮させて起きます。こうしておくと、トマトの余計な水分が抜けてぐっと甘みが引き立つ上、とろみが出るのでイカに絡みやすくなります。
その間、新鮮な生イカからワタ・骨・皮・目玉・墨袋・吸盤などを包丁と手を使って丁寧に取り除き、流水で洗い流します。胴部分とエンペラは食べやすい大振りな輪切りに、ゲソは適当にぶつ切りにします(残ったワタは、ワタ味噌にするとご飯が進むいいおかずになりますし、保存性も高まります。にんにくを利かせると、なお美味です)。
捌き終えたイカは、別のフライパンでバターで一回さっと半生になる程度に炒めて香りをつけてバター汁ごと皿へ取り出し、それをトマトを炒めておいたフライパンの方へざっと加えて炒め合わせます。途中、カレー粉と塩をお好みで振り入れて味付けし、イカに火が通って全体が煮詰まってきたら“こまったさん特製イカカレー”の出来上がりです!
二番目は、“こまったさん特製カレー”作り。弱火~中火に熱した大鍋へ、たっぷりのバターとみじん切りの玉ねぎを入れて黄金色になるまでじっくり炒めます。料理本を読むと、ペースト状の飴色になるまで玉ねぎを炒めるというアドバイスをよく見かけますが(実は当管理人も、カレーは飴色玉ねぎ派です;)、こまったさんによると玉ねぎは金色に光るくらいの状態がベストなのだそうです。
玉ねぎがしんなりツヤツヤ炒まってきたら、食べやすく角切りにした豚肉を入れ、しっかり炒めます。お肉は焦げ目がつくくらい表面を焼き固めた方が、旨みが逃げ出しにくくなるのでお勧めです。
※カレー用の豚肉でなくても、トンカツ用の豚ロース肉や豚角煮用の豚バラ塊肉をぶつ切りにした物をつかってもおいしいのでナイスです。もちろん、豚肉が苦手な方は牛肉や鶏肉で代用してもOKです。
豚肉に火が十分通ってきたら、すりおろしたにんじんと水を投入し、ゆっくりコトコトと煮込みます。こまったさん曰く、「スープは煮込めば煮込むほど、おいしいのよ」との事でしたので、ここは気合を入れて一~ニ時間程度とろ火で煮ました。その際、スープに具材の旨みがぎゅっと濃縮されてきたと感じたら皮をむいてアク抜きをしておいた一口大のじゃがいもを加え、さらに煮込んでおきます。
じゃがいもが柔らかくなり始めてきたら、すりおろしたりんごを半量だけ加えて混ぜながら煮ます。
※作中ではカレールーを入れた後に全量入れちゃっているのですが、ルーを入れてとろみをつけた後に水分が多いものを入れるとシャバシャバになりそうえ怖かった為、折衷案を取って半分ずつ加えることにしました;。その為、ゆるくなってもOKな方はカレールーと同時に加えちゃって大丈夫です。
スープの味が一つにまとまってきたら火を止め、そこへカレールーともう半量のすりおろしたりんごを投入し、ぐるぐるまんべんなく混ぜ合わせます(火を消した後にカレールーを入れるとダマになりにくく、完全に溶けやすいです)。カレールーがちゃんと溶け切ったらまた火をつけ、極弱火で煮込む→火を消して味を染み込ませる→また極弱火で煮込む→火を消して味を染み込ませる…を何回か繰り返します。その後、火を消したら一晩寝かせます。これで、“こまったさん特製カレー”は準備万端です!
ちなみに、下にある二番目の画像は寝かせる直前に撮ったカレーの様子、三番目の画像は一晩寝かせた後のカレーの様子ですが、毎度ながらどうして放置するだけでこんなにもとろみ具合と色合いが変わってしまうのか不思議でしょうがありません(・ω・;)。
イカの方は出来たての内にお皿へそのまま盛り付け、カレーの方は炊き立て白ご飯をよそったお皿の上へたっぷりルーをかければ“こまったさん特製カレー&イカカレー”の完成です!
カレーの濃いスパイス臭がダブルで部屋中へと満ち満ちていく為、空腹時にはたまりません。どちらも香りと見た目共に予想以上の出来で、どんな味なのかすごく楽しみです。ただ、同じカレー味のおかずをカレーと一緒に食べると言う経験は今までに無かった為、内心味がケンカしてしまわないかとちょっとドキドキしています;。『孤独のグルメ』風に言うなら、「うーん…イカカレー炒めとカレーライスでカレーがダブってしまった」って感じですね(´Д`;)。ただ、『こまったさん』シリーズは失敗率が『美味しんぼ』と並ぶくらい低いという極めて信頼性のある作品ですので、今回も信じて実食してみようと思います!
それでは、いざ実食!
まず最初は、“こまったさんのイカカレー”。いただきま~す!
さて、味の感想ですが…イカがプリップリでウマーーー!これはビールのいいおつまみになります!
カレー粉を直に振り掛けて味付けしたせいかかなりスパイシーかつ刺激的な味わいで、口に入れるとエスニック風で多種多様な香りが脳天をガツンと揺さぶります。すっかりソース状になったトマトの爽やかに甘酸っぱい味がカレー粉とうまく結び付いてイカを引き立てており、まるでインド風イカカレーを食べているような気持ちになりました(もう少し手を加えたら、ややトマト風味でさっぱりなイカカレーっぽいルーに仕上がってご飯ともぴったりになっていたと思います)。胴部分はクニクニさっくり、エンペラ部分はコリコリ、ゲソ部分はシコシコした食感がたまらない感じで、イカだけが具でもこんなに色んな歯触りが楽しめるなんて…と大満足でした。
個人的に、これはインドの伝統料理「バターチキン」をイカバージョンにし、ぐっと手順を簡潔化させた料理なのではと感じました。バターで炒める事によって豊かなコクが染み込んで濃い旨味がついたイカと、本格的なトマト入りカレーの旨味があいまってより深みがでており、単純ながらも侮れない一品です。さっと炒めてから短時間煮絡めるだけに止めたおかげでイカが程よい弾力を保ったままなのがよかったです。ただ、トマトの皮が舌に残りやすいのには閉口したので原作通り刻んで入れるのではなく、真っ赤に熟した生トマトをザルで漉しながら加えて煮込むやり方の方がもっと完成度が増すと思います。
次は、“こまったさん特製カレー”!いっただっきまーすっ!
さて、味の感想ですが…こりゃすごく美味し!洋食屋さんの古風なカレーがお好きな方には堪えられない一皿です!
玉ネギはみじん切り、にんじんとりんごはすりおろして入れた為もったりポタポタした独特のとろみが強く、舌の上でよく煮込まれた野菜が淡く優しい甘味と共にまろやかにとろけていくのにほっと癒されます。フルーティーであると同時に豚肉の出汁がしっかり効いたご飯にぴったりなカレーで、普通のルーよりもややドロドロに仕上がったルーがご飯粒にがっちり絡むのが非常に食べやすくてナイスでした。コクがあるのにマイルドでしつこくない後口が洋食屋さんの古典的カレーとそっくりな印象で、たったあれだけの手順で作ったにしては複雑なおいしさでびっくりです。野菜と果物をたっぷり加えたおかげで見た目よりもややあっさりめな味わいで、胃にもたれにくいヘルシーな出来栄えに感心しました。
最初は玉ねぎ・にんじん・りんご本来の自然な甘さがカレーの辛味をやんわり押さえているので「お、甘口と中辛の中間くらい?」と思いますが、後々ジワジワ辛くなっていく為最終的にはちょうどいい感じになっています。カレー味が染みてホコホコになっているじゃがいももおいしいですが、輪をかけてさらにおいしいのが何と豚肉!ちゃんとザクッとした噛み応えを残しつつ柔らかい仕上がりで、旨さたっぷりの肉汁が僅かながらも染みでてくるのが何とも言えずよかったです(調べてみると、りんごに含まれるりんご酸という成分は肉と一緒に煮込むと繊維をほぐす効能があるのだとか)。その為野菜類と同じく豚肉も主役なルーで、例えるならば「りんご風味の野菜たっぷりほんわかポークカレー」って感じでした。
当初はカレー味のおかずが二種類なんて飽きないだろうかと心配だったんですが、双方共に全く別タイプのカレーだった為、最後まで楽しく食べきる事ができました。食後に食後によく冷やしたラッシーがあれば、完璧です。このままでももちろんウマーですが、トッピングとしてチーズ、卵、揚げ物をのっけてみてもまた格別そうなカレーでした。野菜嫌いのお子さんでも、これならにんじんと気付かず食べてくれるんじゃないかな~と密かに思います。
●出典)『こまったさんのカレーライス』 原作:寺村輝夫 作画:岡本颯子/あかね書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
次回更新のお知らせ
- Sun
- 23:55
- 日記
この度はいつも通りのペースでの更新が出来ておらず、申し訳ございませんでした。
私生活、仕事双方で兼ね合いが難しい事態になっていた為、今回は昨日と今日とで二日ほどお休みを取らせていただきました。何の断りもなしにお待たせさせてしまい、すみません。
明日、再現料理四百個目を記念して『こまったさん』シリーズで一~二を争うほどそそる定番お料理を再現してアップし、更新ペースも三~四日に一度へと戻す予定です。
実を言いますと、再現料理を始め出した頃は三百個くらい再現できれば満足しそう、という意識がございました。けれども、年々再現したい漫画料理は増え続けてまるで尽きず、とうとう四百個目まで到達してしまいました(^^;)。こうなったら、もう千個を目指す勢いで突っ走ろうと考えている今日この頃です。
ご縁がありましたら、何卒これからもよろしくお願いいたします。
『大市民日記』の“山形流冷やしタヌキそば”を再現!
- Tue
- 23:50
- 再現料理
どうも、銘菓ひよこが福岡発祥のお菓子と知って「え、東京生まれじゃなかったの?」と今さら衝撃を受けた物知らずな管理人・あんこです。
今回再現する漫画料理は、『大市民日記』にて山形さんがそうめんや冷やし中華よりも好きだと断言している“山形流冷やしタヌキそば”です!
『大市民』シリーズの主人公・山形鐘一郎さんは、一見ボロアパートで一人暮らしをしている妙にマッチョで職業不詳な四十代後半男性だと周囲から思われているものの、その正体は車と人生論のエッセイや小説を書いて人気を得ている売れっ子作家。自分のこだわりや人生哲学の話になると少々口うるさくなるのが玉に瑕ですが、四季の移り変わりを楽しみつつキンキンに冷えたビールと美味な食べ物を堪能する事をこよなく愛する、基本的には憎めない人物です(^^;)。「お金がなくても、工夫次第で人生はいくらでも豊かになる」がモットーで、作中を通して主張される数々のささいな幸福の実例を読み進めていくと、「意外と幸せってあちこちに転がっている物なんだな~」と少し元気がわいてきます。特に、夏の夜によく漬かったきゅうりの糠漬けをつまみつつ梅酒のロックをクイッとあおるシーンなど、読むだけで日本人に生まれてよかったとしみじみします。
そんな山形さんが十年以上前、原宿にあったよくあるごく普通のおそば屋さんで何となく注文して以来虜になったのが、冷やしタヌキそば。当初は大して期待もせずに頼んだそうなんですが、これが感動のあまり涙ぐんでしまうくらい「美味しっ(゜Д゜*)!」だったとの事で、おかげでその夏は毎日ずーっとそのお店の冷やしタヌキそばを大盛りで食べてばかりだったそうです。ところが経営状態が思わしくなかったのか、単に後継者がいなかったのか、はたまた毎日のように異様なテンションで冷やしタヌキそばを注文しまくっては歓喜する中年男性に恐れをなしたのか(←すみません、これは冗談です;)、ある日そのおそば屋さんは唐突に閉店してしまいます。正直、何も言わないまま突然閉店してしまったお気に入りのお店が数店ある当管理人としては、作中で「そ、そんな~!」「もーあのそばは食えんのか…」と目が飛び出そうに驚くやらバッタリ倒れてしまうくやらで非常に落胆する山形さんが人事ではなかったですorz。特に、宮崎に昔あったチキン南蛮メインのお弁当屋さんが何の知らせも無く閉店したショックは鈍感な当管理人ですら今思い出しても胸が痛みますので、山形さんの様子は決して大げさには見えません(´;ω;`)。
おかげで山形さんは、約十年もの間「あれ程おいしい冷やしタヌキそばはもう食べられない」と頭から決めてかかって諦めていたのですが、ある年の夏にとうとう思い切って冷やしタヌキそばを近所のおそば屋さんから出前で持ってきてもらいます。すると、予想外にもあの頃のおそばに似ていた為、山形さんは「また、夏の美味しそばが食える!」と色めきたちます。しかし、惜しいところまで迫っているもののせいぜい七十点くらいのそっくりさ加減である事に気付いた山形さんは、ようやく蘇りつつある当時の記憶を辿り、必死に足りない食材は何かと思案します。そうして、山形さんがやっと「コレだぁ!」と叫ぶ程完璧に当時の味を再現したのが、この“山形流冷やしタヌキそば”。
山形さん曰く、「細切りきゅうりと白ゴマと天かす」をたっぷり加えるのが美味しさの秘訣だそうで、これ以上具を増やしたり減らしたりすると途端に「何か違った感じ」になるのだとか。中でもきゅうりのきり方は重要との事で、輪切りでも太切りでもなく、細切りにするのがポイントだそうです。
その後、見事思い出のおそばを再現する事に成功した山形さんは「満足じゃー!」と畳へ横になり、二時間ほどウトウトとお昼寝をして英気を養っていました。
どう考えても夏場にぴったりそうな麺料理だった為、初めて読んだ時から絶対夏に再現する!と心に決めていました。大雑把ではあるものの簡単な作り方も載っている事ですし、早速再現してみます!
という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の用意。きゅうりは流水で表面を洗い流しつつ冷やした後、なるべく細く千切りにします。ちなみに当管理人の場合、ちょっときゅうりが主張するくらいが好きなので少々中途半端な千切りにしましたが、極細がお好きな方はさらに細く切るのもありだと思います;。天かすはキッチンペーパーの上へ一旦広げ、余分な油ッ気を落とします。
なお、天かすはお店で買った物や自宅で自作した物でもOKですが、できる事ならば天ぷら屋さんでタダ同然に売られているサクサクの天かすを使った方がよりおいしくなります(天ぷら屋さんの天かすはさすがプロが作っただけあり、天ぷら油ににじみ出た様々な天ぷら種の旨みを含んでいる上カラッと揚がって軽い仕上がりになっている為、かなりお勧めです)。
その間、お気に入りのおそばをグラグラに沸かした大量のお湯で茹で、適度なコシになったら素早くザルにあけて冷水でジャブジャブぬめりを洗い流します(乾麺の場合はぬめりはそんなに無いので、そこまで力を入れなくても大丈夫です)。
※余談ですが、今回当管理人は大分県から福岡県に帰る途中に立ち寄った長尾製麺さんで購入した峠そばを使用しました。通常の乾麺よりも細めなのにコシがあり、一口食べて思わず「お!」と目を見張るくらい美味なおそばでした。乾麺でこのクオリティはすごいと思いますので、近々お取り寄せしちゃいそうです(^^)。
流水で十分冷やしたおそばをお皿へ盛りつけ、その上か天かす、白ゴマ、細切りきゅうりをたっぷり乗せます。とにかく、具を躊躇無くドサッと乗せる事が秘訣だというように書かれてありましたので、自分の好みに合わせつつ気持ち多めにした方が吉だと思います。
この上から好きな濃さに調節したそばつゆを回しかけ、あらかじめ冷やしておいたビールと共に食卓へいそいそと運べば“山形流冷やしタヌキそば”の完成です!
天かすと白ゴマだけだとそっけなさ過ぎる感じですが、ここにきゅうりの涼しげな緑色が加わると、俄然おいしそうに見えます。正直、温かいたぬきうどんや、様々な具が乗ったぶっかけそばは大好物なのですが、冷たいそばに天かすをここまでたっぷり乗せて食べるのは実は今まで一度も試したのこがなかった為、どんな味なのか楽しみです。
それでは、具とおそばをよ~く混ぜ合わせていざ実食!いっただっきまーす!
さて、味はと言いますと…シンプルながらも妙に虜になってしまう旨さ!山形さんか忘れられなくなるのも、無理はないです!
最初は具が少ないぶっかけそばみたいなものかと思って食べたのですが、実際に一口食べてみると通常のぶっかけそばとは全く違った印象の味わいだった為、少し驚きました。麺類の中でも比較的ヘルシーな部類に入るそばを使ったせいか、たぬきうどんよりもさらにさっぱりした後口なのが特徴的です。例えるとするならば、ぶっかけそばは「動の美味しさ」、このたぬきそばは「静の美味しさ」という印象で、確かにぶっかけそば程賑やかなおいしさではないのですが、天かす・きゅうり・白ごまの相性が抜群によく調和し合っている為、物足りないという事はなくちょうどいい感じでした。
パリパリシャキシャキした爽やかな歯触りが堪えられないきゅうり、サクサクから段々もったりフワフワした舌触りに変化していく天かす、プチプチ弾ける白ごまがひんやりツルツルしたおそばにぴったりで、一回食べ出すと止まらなくなります(特に、きゅうりが口当たりをさらに軽くするという重要な仕事をしています)。各種天ぷらから出た旨味が微妙に染み込んでいる天かすが全体へ程よいコクを与えており、おかげでくどすぎないボリュームが出ていて意外とビールにも合いました。また、白ごまの香ばしさが途中でダレるのを防いでいたのがよかったです。
もちろん、大根おろしや梅干しを足してよりさっぱりさせたり、納豆や山芋を加えてスタミナ満点にしたりしても「旨し!」ですが、個人的には是非一度だけでもこの組み合わせだけの味をご堪能してもらえたら…と思っています。というのも、これ以上足したり、減らしたりしないからこそ実現できたバランスのとれた美味しさだからです。しばらく、我が家では定番になりそうです(^^)。
●出典)『大市民日記』 柳沢きみお/日本文芸社
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『極上!給食(秘)グルメ』の“レンジで作れる鶏手羽先の梅風味スープ”を再現!
- Fri
- 01:00
- 再現料理
どうも、そんな貴重な新刊の帯に「打ち切り10周年記念出版」と銘打った編集部の方々の容赦ないドSぶりに、北斗の拳のレイの如く「てめえらの血は何色だーっ!!」と叫びたくなった管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『極上!給食(秘)グルメ』にて元料理人の警備員・稲島今日子さんが学園の生徒・優香ちゃんと一緒に作った“レンジで作れる鶏手羽先の梅風味スープ”です!
ある夏の日、主人公の栄養教諭・坂上裕二さんが勤務している城水学園で、連日続く猛暑で体調を崩した女生徒が保健室へ運ばれます。偶然その現場に居合わせていた坂上さんは先程の女生徒・優香ちゃんを放っておけず、最近の食生活について軽く質問するのですが、「夕食は、ずっとそうめん」「スイカをちょっぴり食べた」という、聞いているこちらの方が心配になるような回答を連発します。当然、生徒想いな坂上さんは前回同様見過ごす事が出来ず、「知るかボケ!あたしの仕事は警備員だぞ!」と至極まっとうな主張をする相棒の元料理人・稲島今日子さんに頭を下げてバイクに乗せてもらい、一緒に優香ちゃん宅へ緊急家庭訪問をする事にします。本来、こういう業務は担当教師がするべきお仕事なのですが、坂上さん曰く「<望ましい食生活>に関し<専門的立場>から、生徒とその家庭に指導、助言するのも栄養教諭の重要な<職責>!」「僕は行かなくてはならない!彼女の<食>を救う為に(゜Д゜)カッ!」という理由で無視する事が出来ないのだと拳を握り締めて語っていました。さすが元・長距離ランナー、熱血を超えてもはや暑苦し過ぎる程の体育会系な発想です;。この熱さは、かの有名なテニス選手・松岡修造氏に匹敵しそうな気がします。
ちなみに、そんな坂上さんに今日子さんがついて来てくれたのは情にほだされた訳でも何でもなく、単に坂上さんから一万五千円の依頼料をちゃっかりせしめる事に成功したからです;。この徹底した現金主義は、ある意味『GS美神 極楽大作戦!!』の美神さんを彷彿とする物があり、何だか清々しい気持ちになります(^^;)。
その後、お二人は優香ちゃんの家にたどり着くのですが、何と優香ちゃんの家は洋食レストランでお父さんはそこのコックさん。料理人ならば食の大事さはよくよく理解しているはずなのですが、優香ちゃんが言うには先月からずっとお店を休業し、「暑いから」という理由だけでご飯も作らず毎日眠りこけるだけの日々を送っているという相当にヘビーな状態になっていた事が発覚。何でも、優香ちゃんのお母さんが夫婦ケンカで実家に帰っていて精神的に参ったところを夏バテが追い討ちをかけ、その結果体がどんどん弱っていき、遂には冷房が効きまくった暗いレストラン内で眠りこけるまでに悪化したとのことでした。…こんな劣悪な環境下でも、毎日最低限の家事をして普通に学校へ通っていた優香ちゃん偉すぎです(つД`)。はっきり言って、世を儚んで家出してもおかしくないレベルです。そりゃ、そうめんくらいしか喉を通らなくなって当たり前だ~、と初見時はため息をついたのを覚えています;。
当然坂上さんは怒って冷房を切り、すぐに窓を開けて優香ちゃんのお父さんに夏バテになるメカニズムを説明します。それによると、「人間は汗をかくことで体温を調節します。冷房が効いた部屋にずっといると、その機能が低下してしまう。だから<夏バテ>になるんです」「冷たいものの飲み過ぎはいけません!人間の体は、水分を取り入れてそれを排出するまで一旦体温になるまで加熱し、さらにそれを保温する働きがあります。だから冷たいものを飲みすぎると胃腸の熱エネルギーを奪ってしまい、同時に消化吸収力、免疫力が低下して体が弱ってしまうんです」だそうで、ここらへんは料理漫画と言うよりは健康番組っぽいノリで大変興味深かったです。
そして、一通り夏バテ予防策について説明し終えた坂上さんは、現役時代に薬膳料理を食べる事によって夏バテを克服できた事を優香ちゃんのお父さんに話し、論より証拠という事で早速冷房で冷え切った体を温める陽の食材で薬膳料理作りに取り掛かります(本来、夏は体を冷やす陰の食材を取った方がもちろんベストなのですが、最近は冷房で体を冷やしすぎる方が急増している為、むしろ陽の食材を摂ったほうがいい場合もあるとの事。いやはや、本末転倒ですね;)。
その際、料理が作れない坂上さんの代わりに調理を担当することになた今日子さんが「ったく、これだから熱血馬鹿は…;!」と愚痴りつつ、助手として後方支援に回った優香ちゃんに口頭でレシピを教えて作ってもらったのが、この“レンジで作れる鶏手羽先の梅風味スープ”。作り方は中学生の優香ちゃんが「えっ、随分簡単に出来るスープだね」と戸惑ってしまったくらい簡単で、刻んだ長ネギ・しょうが・にんにく・梅干しを鶏手羽先と一緒にボウルへ入れ、日本酒・水・塩・こしょうも加えて電子レンジで何度かに分けてチンしたら出来上がりです。これなら相当に短時間で出来る上、この暑い中わざわざ火を使ってさらに暑い思いをする事なくお手軽にスープを作れちゃうので、とても画期的な夏向きレシピだと思います!
料理が完成して試食タイムに移った後、このスープは優香ちゃんとお父さんから「あ、ちょっぴりすっぱくていい感じ」「優しい味だな、体に染み入っていく気がする」と喜ばれますが、普段からコックのお父さんが直々に作った特製ビーフシチューやオニオングラタンスープを食べなれている優香ちゃんは、ついポロっと「スープはやっぱり、パパが時間をかけて煮込んでくれたやつが一番だな…」と漏らします。
実は、こんなに簡単なスープにしたのは今日子さんがわざと優香ちゃんからお父さんのスープがいいと言わせる為だったようで、その言葉を聴くことによって料理人としての自分が必要となっていることを気付いて欲しいが為に今日子さんは一肌脱いだようでした。おかげで優香ちゃんのお父さんは今日子さんの心遣いに気付いてもう一度やる気を取り戻し、無事お店を再開させる決意をするのでした。
暑さのあまり火を多用する料理が億劫になっていた為、この料理を久々に見つけた時は「これだー!」とピンときました。作中を読み進めると、作り方だけでなく詳しい分量まで載っていましたので、早速再現してみようと思います。
という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の下準備。長ネギはそのままみじん切り、しょうがとにんにくは皮をむいてから細かく刻み、梅干しは種を取ってから包丁で叩くようにして梅肉をみじん切りにします。長ネギは多めに刻んじゃっても大丈夫ですが、にんにくは入れすぎると口当たりが悪くなったり、しょうがは加減をしながら加えないと辛くなり過ぎる為程々にした方がいいです。
鶏手羽先は表面の余計な汚れをキッチンペーパーで拭き取ったり、毛がまだ残っていたら取り除いたりします(あっさりめに仕上げたい方はそのまま、ちょっと濃い目に作りたい方は真っ二つに切り分けます)。なお、これは作中にはない手順ですが、鶏肉自体にしっかり味がついている方がお好みな方は、この時点で塩とこしょうを少々鶏手羽先にすり込んでおくと後で食べやすいです。これで、材料の用意はOKです。
次は、電子レンジでの加熱調理。大き目の耐熱ボウルへ、先程の鶏手羽先→長ネギ、しょうが、にんにく→たたき梅干しの順に投入してラップをかぶせ、電子レンジで約五分間チンします。この時、ボウルに熱がこもり過ぎてしまわないよう、絶対にラップの端っこは隙間を開けておいて下さい。
※電子レンジのワット数は書かれていなかったので試行錯誤するしかなかったのですが、私の家にある電子レンジに限って言えば500Wでちょうどいいくらいでした。ただ、電子レンジの機種・癖・メーカーによって大分異なってくると思いますので、最初はちょくちょく調子を見ながら目を離さずに作った方がいいと思います。
五分経過したら取り出し、鶏肉と野菜に熱が通っているのを確認したらざっくり混ぜます。そして、水、日本酒、塩、こしょうを加えたら、端っこの隙間が開くように気をつけて耐熱ボウルの上をラップを覆い、電子レンジへ入れて約三分間チンします。
三分経ったら取り出してアクを大雑把に取って混ぜ、味見をして塩加減を調節します。もし、このときになっても鶏手羽先に火が通っていなかった場合は、少しずつ電子レンジにかけて気長に熱を通すことをお勧めします。ここまでくると、ボウルからは鶏肉のいい香りが蒸気となってぶわっと溢れ出してくるのでお腹がすいてきます(´Д`*)。
味見で納得できる味付けになっているのを確認したらスープ用の器へ具ごと入れ、そのままれんげと共に机へ運べば“レンジで作れる鶏手羽先の梅風味スープ”の完成です!
うっすらピンクがかった淡い色合いのスープに、鶏の脂分がちらちらと光り、なかなか綺麗な見た目です。当初は電子レンジで鶏手羽先が生焼けになりはしないかと不安でしょうがなかったのですが、調べてみると生の部分はどこにもなかったので安心しました。ぷりぷりに仕上がった鶏皮の表面が食欲をそそります。
それでは、スープをれんげでひとすくいしていざ実食!いっただっきまーす!
さて、味はと言いますと…レンジで作ったとは思えない出来で旨し!手間いらずなのにこの完成度は侮れないです!
正直、作る前は「たったこれだけの手順だったら、相当素っ気ない味になりそう」と半ばネタ化を覚悟していたんですが、実際に飲んでみると鶏の出汁がそこそこ出ていて美味だったので感心です。それも単に鶏手羽先の肉部分の旨みが染み出ている感じの淡泊なスープなのではなく、まるで鶏ガラスープみたいな複雑な深みが出ているようにすら感じさせるスープで、鶏の骨の濃密なエキスが僅かながらも出ている感じだったので驚きました。一口すすると、鶏の出汁と共に鶏皮のほのかな脂分やとろみが混然となって混ざり合い、サラサラというよりはほんのりトロッとした優しい口当たりになっているのが印象的で、酸味がある割には喉をスルスル通りやすかったです。
シンプルな塩味の鶏がら風スープに梅干しのさっぱりした酸味が抜群に合っており、例えるとするなら「中華風・鶏と梅のすましスープ」というイメージでした。また、みじん切りにしたにんにくやしょうがのサクサク感、長ネギのしゃっきりした歯触りが鶏肉にぴったりで、スープ全体にも爽やかな香りや自然な甘味をプラスし、鶏肉によくある臭みを消しているのがよかったです。鶏手羽先も中までちゃんと熱が通っていてジューシーかつ程よい弾力が美味な仕上がりで、煮たお肉にありがちな肉汁が完全に出切ってパサパサになった状態は回避出来ていた為最後の一つまでおいしく頂く事が出来ました(どちらかと言いますと、「煮た」というより「蒸し煮」にした感じの味わいです)。
はっきり言って、レンジでここまで簡単かつ本格的なスープを作れるとは思ってもみませんでした(^^;)。作中にあるとおり、確かにビーフシチューなどの手間ひまかけたスープには敵わないかもしれませんが、夏バテでくたくたになった体を回復するお料理を短時間で用意したい時にはうってつけのお料理なんじゃないかな~と思いました。
●出典)『極上!給食(秘)グルメ』 原作:西村ミツル 作画:野間ろっく/実業之日本社
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『美味しんぼ』に登場する“雄山のさくらんぼ酒”を熟成中!
- Mon
- 23:50
- 再現料理まとめ、その他
こんばんは、ツイッターをしようかどうか迷ったものの「考えてみれば、大抵の呟きは前置きでしているような…」という事実に気付いて諦めた当ブログの管理人・あんこです。
本日は、『美味しんぼ』にて海原雄山氏が作って美食倶楽部で秘蔵している“雄山のさくらんぼ酒”を再現…ではなく、作成準備の一部始終をアップします!
“雄山のさくらんぼ酒”とは、『美味しんぼ』27巻の「究極の披露宴」というエピソード中に登場した海原雄山氏お手製の果実酒の事です。何と約十年も熟成させた究極のさくらんぼ酒だそうで、海原雄山氏にとって秘蔵中の秘蔵な一品だと説明されていました。作り方はそう難しい事はなく、焼酎・氷砂糖・さくらんぼを瓶に入れて長らく熟成させるだけなのですが、さくらんぼは極めて旬が短いので一年の内に限られた時期にしか作られない為、そこそこ貴重なお酒なようです。
本来はそうおいそれと出して飲んでいいお酒ではないようですが、作中で栗田さんが海原雄山氏から出された「縁起がいいと同時に味も美味しい、おめでたい席には最適な飲み物を作れ」というお題に答えてある飲み物を作る為に、中川さんの許しを得て海原雄山氏に無断でちゃっかり使っちゃっていました(^^;)。案の定、海原雄山氏は実に悔しそうな顔をしていましたが、自分が「美食倶楽部にあるものは何でも使っていい」と命じていた手前栗田さんに怒るわけにも行かず、やむなくぐっと言葉を飲み込んでいた様子でした。少々海原雄山氏が気の毒でしたが、いつもは山岡さんと栗田さんをぐうの音も言わせない程完璧な勝利をおさめて得意げな顔をする事が常な御仁ですので、この時の見るからに「やられた!」と言いたげな表情はなかなか見物だったです;。
もともと、五月末くらいからずっと作ってみようかどうか迷っていたのですが、先々月(六月下旬)にようやく手頃なさくらんぼが出回った事から一念奮起し、とうとう作成しました。現在、ようやく二ヶ月目へ突入しようかという頃合いでやっとさくらんぼを取り出すところまでこぎつけたので、そこまでの過程について軽くご説明させて頂きます!
※本当は、今日も通常通りある程度まとまった再現料理記事をアップしたかったのですが、公私共に慌しさが一段と増していた事と、今月半ばに何日か家族旅行に行く事から様々なところで調整するべき部分が出てきた事からあまり時間が取れず、やむなく今回のような準備段階での記事を発表することと相成りました。中途半端になってしまい、申し訳ございません。次回の更新時からまた普段通りの記事更新を再開致しますので、ご縁がありましたらまたお越しして頂けますと幸いです。
という事で、レッツ再現下準備!
まずは、さくらんぼの準備。画像で確認する限り、日本のさくらんぼを100%使用しているようだったので、今回は国産の佐藤錦を使って仕込む事にしました。真っ赤に熟れており、身にピチピチしたツヤとはちきれんばかりの張りがあるものがいいですが、あんまり熟しすぎていても果実酒作りには不向きなので避けるようにします。このさくらんぼを、流水で綺麗に洗って余計な水気をしっかり拭き取っておきます。
よく洗って完全に乾かしておいたガラス製の大きな貯蔵瓶へ、さくらんぼ→氷砂糖→さくらんぼ→氷砂糖の順にそっと詰めていきます。この時、さくらんぼの表面に傷がついていないか確認しつつ加え、仮にそういう傷が入ったものが見つかったらその場で料理酒には使わず食べてしまう事をお勧めします。
この上から、焼酎かホワイトリカーを少しずつ注ぎ入れ、がっちりふたをします。また、その際にフタの側面に果実酒の名前と作成日を書いておくと後々分かりやすくて便利です(画像の文字がかすれてちょっと不気味になってしまっているのは、あまり触れないで下さい…orz)。
※『美味しんぼ』のレシピでは記述がなかったので省きましたが、お好みでレモンも一緒に投入しても適度な酸味と爽快な風味がプラスされておいしいと思います。
このさくらんぼ酒を冷暗所で安置すれば、“雄山のさくらんぼ酒”の下準備完了です!このまま数ヶ月放置していてもいいのですが、私の場合時々見ては少し揺らしたり、異常がないか確認したりと定期的に状態をチェックするよう心がけていました。あとはもう見守る事しか出来ないので、時間が何とかしてくれるのを祈るばかりです(`・ω・´)。
ちなみに、下記の画像がつい先日撮った約二ヶ月熟成させた“雄山のさくらんぼ酒”です。氷砂糖も溶け切り、香りもさくらんぼの香りが大分移って豊かな物になっていたのでほっと一安心しました。この中からさくらんぼを取ってまたフタをし、再度冷暗所で熟成させます。
あとは、この“雄山のさくらんぼ酒”を何ヶ月か熟成させ(さすがに十年熟成は断念しております;)、それを使って今度は栗田さんの“おめでたい席に相応しい飲み物”を再現にしようと思います!
P.S.
コメントのご返信が何十日も遅れてしまい、誠に申し訳ございません。お盆の時に折を見て…と考えていた為、非公開から公開へと踏み切ったのですが、お盆行事の参加と細々とした用事とが重なって時間が取れず、結果またお待たせする結果となってしまいました。時間を見ては少しずつご返信させていただきますので、何卒よろしくお願い致します。
●出典)『美味しんぼ』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/小学館
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