『セイシュンの食卓』の“ひきわり納豆丼”を再現!
- Tue
- 23:50
- 再現料理
どうも、ラップ系や踊り系のお笑いはもうお腹いっぱいだと感じている管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『セイシュンの食卓』にて普段は手抜き料理ばかりな奥さんが旦那さんの為にちょっと手を加えて作った“ひきわり納豆丼”です!
今回ご紹介する『セイシュンの食卓』の一エピソードは、倦怠期を迎えたあるご夫婦のお話。結婚生活十ウン年目を迎えた奥さんは今やすっかり手抜き料理が定着してしまい、「せめて晩飯だけでも充実した生活を送りたい…」というささやかな願いを持つ旦那さんをがっかりさせる毎日を送らせていたのですが、そんな奥さんにも良心の呵責がほんの少しあるのか、料理のある部分だけはこだわりを持っていました。それは、期待を持たせるような料理名の考案。例えば、単なる卵かけご飯を「エッグライス」と名づけたり、味付け海苔を巻いた白飯を「手巻き海苔飯」と称するなど、どんな手抜き料理でもそれっぽい名前を命名して悪びれることなく出しては旦那さんを一喜一憂させて疲れを倍増させていたようで、おかげで近頃は「そんな名前でも、どうせ手抜き料理だろ?」とふてくされるようになったとの事でした;。
これは漫画『おいピータン!!』でもあったネタですが、根拠の無い説得力を感じさせられる凝った料理名というのは確かに存在すると思います。ざっとそれらしいフレーズをひと通り並べてみても、「一週間煮込んだシェフこだわりのビーフシチュー」「朝摘み有機野菜の新鮮サラダ」「五十種以上のスパイスを調合した本格インドカレー」「三ツ星レストラン自慢の天然ホタテのカルパッチョ」「年間約数十個しか生まれない烏骨鶏卵の卵かけご飯」「イタリアの陽光を浴びた濃縮トマトのミートソース」など、パッと見で食べる前から美味しそうと納得させられる決まり文句は無数に存在しますので、かえって期待しすぎてがっかりしてしまう食べ物はこのご家庭に限らず、相当数あるんじゃないかな~と思います(^^;)。かく言う当管理人も、数年前に某デパートで買い求めた「玉手箱ちらし」(紹介文はうろ覚えですが、「新鮮な十二種の魚介が溢れんばかりに詰め込まれた、老舗自慢の贅沢ちらし寿司」がキャッチフレーズだった気がします)にはものの見事に騙された経験がある為、やたらと立派な料理名にはつい警戒してしまう嫌な癖がついてしまいましたorz。
そんなある日、旦那さんは大した期待もせずに晩御飯は何かと奥さんに尋ねるのですが、奥さんからいつもと同じ調子で「ひきわり納豆丼よ」と答えられ、てっきりただの納豆ぶっかけ飯だと思い込んで少し怒ってしまいます。そして、旦那さんはとうとう耐え切れずに「おい!朝飯じゃないんだぞ」と不満たらたらで詰め寄るのですが、その際に奥さんが作っていたのが、このちょっと手が加わった“ひきわり納豆丼”です。
作り方は手抜き以上普通未満といったお手軽さで、バター・醤油・にんにく・ひきにく・納豆・長ネギなどを炒め合わせ、白ご飯の上に乗せたらもう出来上がります。奥さん曰く「スタミナ作りに一杯どうぞ」との事で、疲れた時にさっと元気を回復できる丼料理だと紹介されていました。はっきり言って、それでもまだ手が込んでいるとはお世辞にもいえない料理だとは思うのですが、作中では「しっかりしてるでしょ!」と堂々言い放つ奥さんに対して旦那さんはタジタジになり、「ハイ、結構です…」とすっかり及び腰になっていました;。思うに、こういう言い争いの時に勝つ秘訣は真実かどうかという事よりも、如何に勢いや自信を持って相手を強引に押し切るかという事に他ならない気がします…。
朝は必ず納豆を食べる当管理人にとってはとても興味津々な一品で、一目見たときから再現を決意していました。実を言いますと、納豆に火を通して食べる事は普段あまりしない方なので少々怖気ついていたのですが、一体どんな味なのか気になって仕方がないので早速試してみようと思います!
という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の用意。長ネギは一口大のブツ切り、にんにくは芯を取り除いてからみじん切りにしておきます。納豆は大抵タレや辛子が付属でついていますが、それは取っておいて素のままにします(納豆のタレは卵かけご飯の味付けに使ったり、辛子はなすの塩もみに和えたりするとおいしいです)。また、バターもすぐ使えるようすでに出しておきます。
次は、炒め作業。火にかけたフライパンへ油、バター、挽き肉(作中ではどの肉なのか明記されていませんでしたので、お好みの挽き肉でいいと思います。当管理人の場合、合挽き肉を使用しました)を入れて炒め、火が通ってきたらにんにくのみじん切りと醤油を加えてよく混ぜます。
※今回は『セイシュンの食卓』のレシピコーナーにて説明されていた手順通り作成しましたが、にんにくの香りを大切にしたい場合はバターでキツネ色になるまで炒めてから挽き肉を入れた方がいいと思います。
にんにくに火が通ってきたら長ネギを投入し、途中でバターを足してしんなりするまでさらに炒めます。この時、挽き肉の火加減を帰ることによって結構出来栄えが違ってくるので、ジューシーな質感がお好きな方は程ほどの炒め具合で止め、カリカリした軽い食感がお好みな方は徹底的に炒め揚げる事を推奨いたします。
長ネギがくたっとしてきたら、そのまんまの納豆、塩、こしょうを加えてよく混ぜ合わせ、味の微調整をしつつ炒め合わせます。ちなみに、納豆のネバネバは炒めれば炒めるほどなくなっていきますが、納豆の粘りはご飯にも合って栄養満点ですし、何より納豆は火を通すごとに苦味が増すような気がしますので、そこまで炒めすぎない方がおすすめです。個人的に、「粘りが弱まったかな~?」くらいがちょうどいい頃合だと思います。
自分好みの味の濃さに仕上がったら火を止め、炊き立ての白ご飯をよそっておいた丼の上へどっさり乗せれば“ひきわり納豆丼”の完成です!
納豆と挽き肉の茶色が重なって色味にかける感じですが、長ネギの緑色がギリギリ殺風景になるのを防いでいます。見た目は見るからに地味ですが、香りはほんのり焦げたバター・納豆・醤油の三つの匂いが組み合わさってかなり食欲をかきたてる物で、嗅いでいるだけでお腹がなりそうでした。果たして味はどんな感じなのか、非常に楽しみです。
それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!いっただっきまーす!
さて、味の感想はと言いますと…舌にガツンとくる旨さでなかなか美味し!納豆好きにはたまらないスタミナ満点な一品です!
パラパラカリッと炒められてより香ばしくなったひき肉と、熱が入る事によって豆本来のコクが増した納豆がよく合っています。納豆のネバネバは炒める事によって多少弱まったものの、全体をまとめる程度の適度な粘りはまだ残っており、ご飯に絡みやすく食べやすい感じでした。また、納豆の粘り気には独特の旨味成分があるので、それが殊更ひき肉や納豆の旨さを増幅させていたのもポイント高かったです。にんにくならではの胃袋を刺激してくる力強い香りと、バター醤油のこってり濃厚な味わいが組み合わさっている為かなり白飯にぴったりな仕上がりで、少量でもご飯が進みまくりました。
火入れした納豆にありがちなほろ苦さをひき肉の脂分が包み込んで和らげているのでそこまで苦味は出ておらず、比較的まろやかな味わいになっています。にんにくバター醤油の相当にワイルドな味と納豆の一癖ある味がうまく結び付いて調和しきった、「和洋折衷納豆そぼろ」だと思いました。あと、中がトロリと仕上がった長ネギの自然な甘さがいい箸休めになる為しつこく感じさせるギリギリ寸前で濃さを中和しており、おかげでがっつりいける割には結構軽くいける後口なのが特徴的です。
正直納豆は炒めた物よりも、刻みネギを混ぜてそのまま混ぜた物をご飯にかけるのが一番だと思っていたのですが、お腹がすいて仕方がないときはこっちの方がはるかにおいしいのでは…と思いました。七味唐辛子を入れてピリ辛味に仕立てても美味そうです。
●出典)『セインシュンの食卓』 たけだみりこと東京ブリタニアン/リクルート出版
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
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