『ごほうびごはん』の“滝さんのフライパンカルボナーラ”を再現!
- Mon
- 19:57
- 再現料理
なんでも、讃岐うどんの製法を活かしたモチモチパスタで、釜玉風にしてもチーズ入りのソースをかけてもおいしいとの事でした。
日頃あまり地元を離れない身ですので、家族や知人からのお土産は世間の変化を垣間見るいいきっかけになり、とてもありがたく感じています。
どうも、お鍋のシメはうどんかちゃんぽん麺かでいつも迷っている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『ごほうびごはん』にて咲子さんの後輩・滝さんが気に入って作り続けている“滝さんのフライパンカルボナーラ”です!
ある日のお昼、咲子さんはパンが大好きな同僚・小湊さんと、ロックが大好きな今時系後輩・滝さんと三人一緒にランチを食べるのですが、そこで一見料理をしなさそうな滝さんの得意料理がカルボナーラだと判明し、盛り上がります。
卵一つ割るのも苦戦する程料理下手な小湊さんは、内心「私と同じクッキンレベル」と思っていた滝さんが自分よりも料理が出来ると知って動揺し、「冷凍食品なんすけどね…っていうオチじゃあ…?」「麺ゆでてレトルトのソースであえるだけのやつでしょ!?」と必死になっていました;。
個人的に、カルボナーラは最後の混ぜ作業さえしくじらなければ主に混ぜるだけでちゃちゃっと作れて、むしろお手軽な方だと感じている為、小湊さんのあまりの狼狽っぷりに「そこまで焦らなくても…」と苦笑したのを覚えています(←反対に難しいのは、ペペロンチーノ。簡単かと思いきや、お店のような味を出すのは結構難しいです)。
しかし、滝さん曰く「逆に面倒くさくないですか?大量のお湯で麺ゆでるのって…」だそうで、ソースも自分で作ると発言して小湊さんをへこませていました。
確かに、パスタを茹でるお湯を沸かす時間はあっという間に思えて実は地味に時間を食い(←冬場だと平気で五分以上かかりますよね…)、せっかちな当管理人も「面倒だな…早くわかないかな…」と前から気になっていた点でしたので、滝さんの意見には激しく共感したものです。
その後、滝さんは咲子さん達にどうやってカルボナーラを作るのかを語りだすのですが、それはなかなかに独創的で盲点を突くものでした。
それが、この“滝さんのフライパンカルボナーラ”です!
作り方は簡単で、フライパンでバター・にんにく・ベーコンをカリッと炒めてからスイートコーン缶・お水・塩・半分に折ったパスタを投入して一分混ぜ、フタをして火を消して放置し、時間が経ったら再度火をつけて牛乳・コンソメ・とろけるスライスチーズ・塩・こしょうを加え、最後に溶き卵を注いでガーッとかき混ぜて粗挽き黒こしょうをかけたら出来上がりです。
ポイントは、極力手間なし調理にする為ベーコンやパスタはキッチンバサミでジョキジョキすること、ベーコンは最初の内にしっかり炒めておくこと、フタを取る前は中火ですがフタを取った後は強火で汁気を一気に飛ばすこと、溶き卵を入れる時は必ず火を消して炒り卵にならぬよう全力で手早く混ぜることの四つで、フライパン一つでささっと作れるのが魅力的なレシピだな~と感心しました。
おまけに、滝さんが言うにはバターもにんにくもチューブ使用、フタもないからアルミホイルの即席フタで代用するので、洗い物を最小限にできるのがすごく嬉しいです。
滝さんによると、 「味は普通にめっちゃうまいっすよ」(←この矛盾してるようで成立している表現法が若いな~と思います)との事で、興味深そうに聞いていた小湊さんはいそいそとキッチンバサミを楽○市場でポチってました。
帰り道でふと「カルボナーラ食べたい」と無性に食べたくなり、家にろくな食料が残ってなくても、ちょっとコンビニへ寄って買い物さえすればいつでも食べられる所が気に入っていると滝さんは話しており、読んでいる当管理人まで食欲が湧いて衝動的にコンビニまで駆け出しそうになったものです(´∀`)。
カルボナーラにコーンの組み合わせは珍しいですが、塩っ気の強いカルボナーラとコーンは存外相性がよさそうなのもポイント高かったです。
ちょうど時短調理にハマっている時でしたので、再現する事にしました。
作中には詳細なレシピが絵入りで記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
という事で、レッツ再現調理!
まずは、炒め作業。フライパンへバター(固形でもチューブでも可)を入れて火にかけ、おろしにんにくを入れて弱火でじっくり火を通します。
香りが立ってきたらベーコンスライスをキッチンバサミでチョキチョキしながら加え、カリッと焦げ目がつくまでしっかり炒め、スイートコーンの水煮缶を投入してざっと混ぜます(←缶の水気はあらかじめきっておきます)。
次は、煮込み作業。
コーンにベーコンの油分が絡まったらお水と塩を入れて沸騰させ、キッチンバサミで半分に断ち切ったパスタをダイブさせて、一分くらい菜箸で混ぜ合わせます。
パスタの表面にお湯がなじんだらフタ(←アルミホイルでも普通のフタでもOKです)をして火を止め、パスタの袋の裏にあるゆで時間よりも一分マイナスした時間だけ放置します。
時間が経ったらフタを取って再び点火し、強火で汁気を飛ばしながらパスタをほぐし、牛乳、コンソメ、とろけるチーズ、塩、こしょうを加えて味を調えます。
ここで火を止め、溶き卵を一気に注いだら卵が固まらないよう一心不乱にパスタをガーッとかき混ぜ、ソース状にします!
ソース全体にとろみがついたら手早くお皿へ盛り付け、仕上げに粗挽き黒こしょうをパラリと散らせば“滝さんのフライパンカルボナーラ”の完成です!
正直、これでちゃんとカルボナーラになるのだろうか…とハラハラしていたのですが、出来上がってみるとちゃんとした見映えで「おおー!」と感動しました。
黄色くツヤツヤに輝くパスタとコーンがとてもそそる感じで、早く食したいとワクワクします。
それでは、麺がのびない内にいざ実食!
いっただっきま~す!
さて、味はといいますと…カルボナーラなのにカルボナーラじゃない、不思議な美味しさ!牛乳と全卵を使うからこそ生まれた、あっさり癒し系な味にほっとします!
卵黄のリッチなコクとカリカリベーコンのジューシーな肉のエキスが全体に効いている所は本家カルボナーラと同じですが、牛乳の優しい味わいとコーンのほっとする甘味出汁が織りなすまったりとした味わいはクリームスープスパっぽくもあり、例えるとするなら「コーンスープとカルボナーラを足して二で割ったクリーミーパスタ」というイメージです。
にんにくのガツンとくる力強い風味と、コンソメのスタンダードな旨味出汁が味をキリッと決めている為、即席の手作りというよりは何かの素を使ったようなしっかりした味つけなのが印象でした(←よくあるにんにくのみじん切りタイプだと絡まずソースと共にお皿に残りがちですが、おろしタイプだと香りも立つ上にパスタの隅々まで絡んで食べやすいのがナイスです)。
粉チーズの代わりにとろけるチーズを使ったせいか、チーズ特有の濃厚な旨さや熟成された塩気は感じるもののどっしりした味わいや独特の匂いはほとんどなく、チーズ入りとは思えないくらい軽くライトな後味なのが特徴的でした。
コーンのプチプチ弾ける甘さとのどかな香ばしさ、そして黒胡椒のビリッとスパイシーな辛さが交互に舌を刺激するのが飽きない感じで、いいアクセントになっています。
また、パスタは半分に折るとややフォークで巻きにくくなるので少し心配だったのですが、これはパスタの茹で汁を100%使用してやや固めのねっとりしたとろみに仕上がったソースがパスタ同士をがっちりくっつけてきなれるおかげでそこまで気にならず、安心しました。
ビールにも白ワインにもピッタリで、お酒のつまみ兼夕食にも最適な一品です。
牛乳を多めに加えて、スープパスタ風にして食べても美味しかったです(←これは母のアイディアでしたが、意外といけてびっくりしました)。
●出典)『ごほうびごはん』 こもとも子/芳文社
(「週刊漫画TIMES」1/29号 掲載分)
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。