『クッキングパパ』の“荒岩流野菜いため”を再現!
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- 09:00
- 再現料理
十年前に再現料理をするようになった頃は正直ここまで続けるとは想定しておらず、500記事いけたら恩の字だな~と考えていましたので、当時の自分に報告したら衝撃のあまり泡吹いて倒れそうです(苦笑)。
こんな素人丸出しの記事ですが、体力的にも時間的にも精神的にも金銭的にも結構くる物があった為、途切れ途切れでも続ける事が出来たのは、やはりそれらをひっくるめてもすごく楽しかったからかなと思います。
あと、色んな方々のサポートや後押し、拍手、応援のお言葉、そして様々な作品に携わる原作者の方々や関係者の方々のご温情があったからです。誠にありがとうございます。
ここまできたら、自己満足&応援して見続けて下さっている方々へのご恩返しの為にも、どんなに時間がかかってもやれるところまでやるつもりですので、ご縁がありましたらお付き合いして下さると幸いです。
どうも、猫たちが抜け毛の季節を迎えている為掃除しても追いつかず、掃除機とコロコロ二刀流でヘトヘトになっている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が同じアパートに住んでいる上田兄弟に教えていた“荒岩流野菜いため”です!
今では兄・康巳さんよりも弟・守君の方が主役のようになっている上田兄弟ですが、実は先に登場したのは康巳さんの方で、守君は博多の予備校へ通う為に兄のアパートへ同居するようになったという経緯で初登場。
料理の道を志すようになって以降は笑顔の多い明るい性格になり、自分の屋台を持ってからは大分しっかりしてきた守君ですが、当時は自分が歩むべき道が何なのか分からず「ぶう」と不機嫌そうにしている無口で暗い男の子でした。
初期の頃は何かといえば兄貴風を吹かし、「お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの」という典型的なジャイアニズムを披露する康巳さんと、それに対してブツブツ不満を漏らしつつも後をついていく頼りない弟分の守君という組み合わせが定番で、まさにジャイアンとスネ夫みたいなコンビみたいだな~と思ったものです。(←守君の場合、スネ夫役にしてはズルさと資金力と要領のよさが欠けていますが;)。
初めは社交的で気が強い康巳さんの方が主導権が握っており、お人好しの守君はそれに押されて面倒を見られている感じでしたが、社会人になった後は仕事が長続きせず職を転々として「だってあいつら大阪弁しゃべるんだぜっ!!」というファンキーな理由で大阪の会社を飛び出した康巳さんを家に置いて数週間のニート生活を許したり、将来お店を開く為の資金を使って出来るだけの支援をしようとしたりと圧倒的速度で兄を追い越す成長をしており、読み返すと感慨深い気持ちになります(←ゴッホを献身的に援助していた実弟・テオの話を思い出しました;。願わくば、康巳さんもそんな出世をして欲しいと一瞬思いましたが、すぐに「評価されるの死後になってしまう!」と慌てて取り消しました)。
今回ご紹介するのは、守君が康巳さんのアパートへ来て間もなかった頃のこと。
母から生活費として預かったお金を「
お店の人はいいよと言ってくれていたのですが、責任感のある守君はそういう訳にはいかないと康巳さんにも協力してもらって五千円を支払い、その結果次の仕送りがある一週間後まで千円ちょっとで乗り切らねばならない事態に陥ります。
ちなみに、康巳さんは守君から徴収したお金をたった一日でバイクのローンや友達への借金返済にほとんど使い果たしており、九州男児なのに「宵越しの銭は持たぬ」と言われた江戸っ子みたいな人だな~と苦笑したものです。
こういう時、『いきなり!黄金伝説』の濱口優さんなら海へ潜水して魚を「獲ったど~!」、『ミスター味っ子』の陽一君なら近くの山へ旬の食材を収集しに行く所ですが、残念ながら守君達には狩猟のスキルがなかった為、買い置きしていたインスタントラーメンと残ったお金で買った野菜でしのごうと決意していました。
そんな様子を偶然見ていた荒岩主任は、引越しの挨拶にもらった石鹸のお返しとして豚バラ肉の塊を守君達にプレゼントし、野菜をおいしく食べられる料理を教えます(←その昔、丸大食品のCMでハムを贈る別所哲也さんを「ハムの人」、『ガラスの仮面』で紫のバラを送ってマヤを陰ながら支援する
それが、この“荒岩流野菜いため”です!
作り方は簡単で、油をしいたフライパンでにんにくとしょうがの香りを出した所に豚バラ肉を入れて炒め、キャベツ・玉ねぎ・にんじん・ピーマン・もやしなどを投入して塩こしょうで味つけし、ざっと炒めてからインスタントラーメンのスープの素をパラリと加えて混ぜたら出来上がりです(←調味油もあるならそれも入れます)。
ポイントは、豚バラ肉は最初からスライスしている物ではなく塊肉から切り出して使うこと、強火で手際よく炒め過ぎずにシャキッと仕上げること、スープの素は全部使わず半分ちょっとくらいの量に留めておくことの三点で、こうすると塩気もボリューム感もちょうどいい野菜炒めになると語られていました。
荒岩主任曰く、「俺も学生時代、金がないときよくこうやって作ったもんさ」との事で、今では一からビーフシチューを作れる荒岩主任もいわゆるウェイパー的な調味料に頼っていた時期があったんだな~としみじみした気持ちになります(←インスタントラーメンのスープの調理工程を見ると、下手な出汁の素よりも旨味の元となる食材が材料に沢山使われててびっくりします)。
インスタントラーメンを使った再現料理はこれまでいくつか作ってきましたが、スープの素でシンプルに炒め物をするのはまだやっていなかったので作ってみることにしました。
作中には大体の作り方が絵入りで記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、炒め作業。
油をしいて弱火に熱したフライパンへみじん切りにしたにんにくと生姜を入れてゆっくり火を通し、いい香りがしてきたら強火にして塊からスライスした豚バラ肉を投入し、ざっと炒めます。
軽く炒まったら、一番火が通りにくいにんじんの薄切りを加えて混ぜ合わせます。
にんじんに油が行き渡ったら、薄切りにした玉ねぎ→食べやすいサイズに切ったキャベツ→種を取って横に切ったピーマンと、火が通りにくい順番に野菜を入れていき、どんどん炒めます。
この時、塩とこしょうをさっと振って軽く下味をつけます。
全体的に野菜がしんなりしてきたら最後にもやしを入れて数回混ぜ、お好みのラーメンスープの素をパラパラと散らし、調味油がついていたらそれも垂らし、手早く炒め合わせます(←もやしはすぐに火が通る上に水分が結構出るので、入れたら一気に仕上げた方がいいです)。
※今回、作中で荒岩主任が使っていた出前一丁を使ってみました。
ラーメンスープの素が全域に混ざったらすぐに火からおろし、そのままお皿へ盛り付ければ“荒岩流野菜いため”の完成です!
香りも見た目もインスタントラーメンを使っているようには見えない感じで、いりゴマとゴマラー油の香りがWで効いてて食欲をそそります。
ほんのり醤油色に染まった野菜が見るからにおいしそうなので、これは期待が持てそうです!
それでは、熱々の内にいざ実食!
いただきまーすっ!
さて、感想は…単なる肉野菜炒めとは一線を画した味わい!豚バラ肉の脂が馴染んだしんなりシャキシャキした野菜がたまりません!
豚バラ肉の塊を切って使ったせいか、薄切り肉にはないがっつりしたボリューム感があり、普通の炒め物よりもワンランク上の贅沢感が出ています(←肉自体は同じでも、噛むごとにジュワッと肉汁が出るか出ないかでここまで印象が違うとは驚きでした)。
スープの素を使っている為、塩胡椒だけよりもぐっと味にメリハリがついた深い味付けに仕上がっているのですが、同時にざっかけないジャンクっぽさも兼ね備えており、本格的なのにあくまで親しみの持てる家庭料理という仕上がりなのが特徴的です。
色んな汁気と混じって出来上がったタレはどこか懐かしいインスタントラーメンの味を彷彿とさせますが、こちらは様々な野菜の甘味や豚バラ肉のコク、香味野菜の風味が入り交じっているのでただお湯で溶いた物よりもずっと複雑な旨さでした。
例えるなら「中華料理店のまかない風無限肉野菜炒め」というイメージで、肉と同じくらい野菜を大量においしく頂けます。
単品で上品に頂くよりも、こってりした旨味ダレが絡んだ野菜と肉をご飯に乗せて下品にバクバクと食べるのに向いているおかず的な一品。
ごまラー油の香ばしさと濃い旨味が効いた醤油味のタンメンの具という印象で、ゴマのプチプチ感がいいアクセントになっている王道的な味わいでした。
実は、一種類だけなのもつまらないかな~と思い、「出前一丁」の他にも「サッポロ一番塩ラーメン」バージョンと「うまかっちゃん」バージョンの二つも作ってみました。
「サッポロ一番塩ラーメン」は、素材の味をシンプルに引き出す比較的あっさりした味付けで、ちょっぴりカレーっぽいスパイシーな風味と切りゴマの油分が効いた旨塩味。
「うまかっちゃん」は意外にもまろやかなコクが効いた優しい後口で、調味油がプラスされたせいかほのかにとろみがついてこっくりとした味わいでした(←強いて言うなら、焼きちゃんぽんの具味?)。
『木曜日のフルット』の“鯨井風汁なし麺”と同じく、使うインスタントラーメンによってガラッと味が変化するのが興味深く面白いです。
うえやまとち先生やスタッフの方々が話し合った結果では、一位・出前一丁、二位・東京ラーメンこれだね、三位・サッポロ一番塩ラーメン、四位・チャルメラ、五位・屋台ラーメン、六位・うまかっちゃんの順に合うと感じられたとの事(←当管理人と夫は、サッポロ一番塩ラーメンが野菜を特に引き立てている感じでお気に入りでした)。
残った半量のスープでも充分ラーメンはおいしく出来ますし、一度で二度おいしいレシピだな~と感じた再現でした。
P.S.(その1)
ほーりーさん、kawajunさん、再現楽しみさん、コメントとご質問を下さりありがとうございます。
○ほーりーさん→はい、『紺田照の合法レシピ』はハードボイルドの皮を被ったギャグ料理漫画です(
○kawajunさん→当管理人もそのシンプルな納豆トーストが好きで、夫がいない時にこっそり食べてます!チャーハンでもあれなので、確かに即死レベルに悶絶すると思います;。正直、納豆モンブランの方もいつか試したいです…夫にバレないレベルで作れるといいのですが。
○再現楽しみさん→何と、その味っ子料理をご存知とは通ですね!実を言いますと、そちらの再現も検討しておりました(←他に考えているのは、陽一君の揚げピザパイ、赤糸ちらしの白雪鍋、モアロハンバーグ)。材料探しで手こずっているのですが、手に入ったら作りますね。
P.S.(その2)
突然ですが、当分ちょっと忙しくなる為、更新頻度が少し間遠になります(←恐らく、一ヶ月に二回くらいのペースになると思います)。
冒頭であんなにやる気のある事を書いていたのにこんな発表をすると、「俺たちの戦いはこれからだ!(
落ち着いたらまた徐々にペースアップしていきたいと考えておりますので、ご了承して頂けますと幸いです。
●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『紺田照の合法レシピ』の“ピーマンの入った和風卵サンド”を再現!
- Sun
- 18:00
- 再現料理
その内夫が帰宅し、軽い会話をして台所へお茶を入れにその場を離れたのですが、少し間があって「ギャーーッ!!」「クサーーーイ!!!」という夫の絶叫が聞こえて慌てて戻ると、そこにはこっそり納豆チャーハンを食べたらしき夫が顔をくしゃくしゃにして嘆く姿がありました。
「一口いい?って聞いてくれたら納豆入りだって教えたのに」と心配する想いと、「清々しいくらい盗み食いの罰が当たっているなぁ」と感心する想いとが交差し、思わず笑ってしまいました;(←出そうとするのを「食べ物を粗末にしたらダメ!」と注意すると、渋々水割り焼酎で喉に流し込んで「アルコール消毒」と失礼な事を言っていました。作った本人を前にしていい度胸です)。
どうも、おかめ納豆で有名なタカノフーズ様が推奨されている納豆ヨーグルトパンケーキを一度内緒で食べさせてみたいと考えている鬼嫁な当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『紺田照の合法レシピ』にて紺田君がおすそ分けしてもらったピーマンを使って作った“ピーマンの入った和風卵サンド”です!
ある休日、紺田君の家へおばあちゃんから沢山送られてきたというピーマンをおすそ分けしに真希さんがやって来たのですが、そこへウイスキーボトル二刀流ですっかり出来上がった豊野華さんが乱入します。
真希さんと初対面だった豊野華さんは、「だっ、誰よこの女ぁ~っ!?」とまるで夫と愛人の浮気現場に遭遇した正妻の如く激おこ状態になりますが、「紺田君と同じクラスの春真希です」と聞いて「ええっ!紺ちゃん学生だったの!?」「ま、まさか高校生だったなんて…」と驚きの方が上回り、少し酔いが冷めていました;(←同じ高校生キャラの中では空条承太郎に匹敵する程
紺田君は決めるべき所はビシッと決めるものの、普段あまり喋らない方なので住所まで教えていたのは意外でしたが、それだけトレーニング仲間が出来たのが嬉しかったのかと考えると胸に迫るものがあります(←紺田君は
ちなみに、豊野華さんはこの時「ちょっと紺ちゃん聞いて~っ!!」と叫びながら部屋に入っていますが、女性(?)の「ちょっと聞いて」がちょっとじゃ済まないのは足立佳奈さんの「私今あなたに恋をしています」の歌詞を見れば一目瞭然ですので、これは長い愁嘆場になりそうだ…と予感したのを覚えています。
豊野華さんがここまで取り乱している原因は、恋人の青弘さん。
何でも、豊野華さんは将来的には同性婚のできる国へ移住して結婚したいという夢を抱いてるそうなんですが、青弘さんはギャンブル好きで貯金が全くないカラッポ男だったようで、もう別れた方がいいのかと悩んでヤケ酒に走ったとの事(←ギャンブラーでもアカギみたいな天才肌で、勝率が狂気の沙汰のような男性なら…と一瞬思いかけましたが、貯金ゼロという事は覚醒する前のカイジっぽいので絶望的)。
他のコマを見て察する限り、『きのう何食べた?』のシロさんに似たオカン系お料理男子みたいですが、同時に『きのう何食べた?』のケンジさんみたいなあったらあるだけ自分の好きな事にパーッと使ってしまう生活力のないタイプでもあるようなので、お二人を足して二で割った感じの彼氏さんだな~と苦笑しました。
すると、話を聞いていた真希さんが漫☆画太郎タッチでガチ泣きし、「だって…だって豊野華さんがあまりにも…」「今から、ここに青弘さん呼んで下さい!皆で話し合いましょう!」と我が事のように親身になって言い出し、「アンタの感受性どんだけぇ…(CV:IKKOさん)」と豊野華さんにちょっとした感動を与えていました(←『ガンダム』のニュータイプに相当するレベルのシンクロ率の高さ。
まるで動物を飼った事のある元飼い主が、ペット系映画の予告編を見てえげつない共感力で涙腺が崩壊した時並の大泣きで、一応ヒロインなのに少年漫画のキャラクターの如く容赦なく鼻水をたらして泣く真希さんの姿を見て、「この子は間違いなくいい子だ…!」と感じたものです。
そんな時、紺田君がTVで流れていた都内の連続バラバラ殺人事件のニュースを見て閃いていたのが、この“ピーマンの入った和風卵サンド”(←殺人事件に関連した料理を作れる図太い主人公って、紺田君の他には『喰いタン』の高野聖也さんくらいでしょうね…)!
作り方はとても簡単で、出汁醤油に一晩漬けてみじん切りにした味付け卵・その漬け汁・細かく刻んだピーマン・練り辛子・マヨネーズをよく混ぜ合わせ、縦に割ったロールパンに挟んだらもう出来上がりです。
ポイントは、味つけ卵をみじん切りにする時エッグスライサーで数回角度を変えてバラバラにすることので、こうすると均等に卵が切れてキレイな仕上がりになるとの事でした(←己の犯罪を思い出すのか、氷のような無表情でその様子を見守る豊野華さんにガクブル(((( ;゚Д゚))))。
数年前、ファミリーマートで半熟煮たまごサンドが売り出されたのを見て「合うんだろうな~」と思ってはいましたが、そこへさらにピーマンや辛子マヨネーズを足してしまうという発想はなかったので、初見時は大胆なレシピだな~と感心しました。
実際に食べた豊野華さん曰く、「なんて…包容力なの…!!」「だし醤油の味が染みた卵が…カラシが効いたマヨネーズと絡んでとっても濃厚」だそうで、本当はピーマンが苦手なのにも関わらず喜んで食べていました。
生ピーマンと卵サンドという、今まで聞いた事がない未知の組み合わせが気になってしょうがなかったので、再現してみることにしました。
作中には大体のレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、卵の下ごしらえ。
殻をむいた茹で卵をお水で適度に割った出汁醤油と共にジップロックへ入れ、冷蔵庫で一晩寝かせます(←結構濃い目でOKです)。
時間が経って味が染みたのを確認したら取り出し、エッグスライサーで数回角度を変えながらカットしてみじん切りにします。
次は、具の用意。
ボウルへ先程の出汁醤油の漬け汁、バラバラになった味付き卵、種を取ってみじん切りにしたピーマン、マヨネーズ、練り辛子を加え、よく混ぜ合わせます。
この具を真ん中に切れ目を入れたロールパンへたっぷり挟んでお皿へ盛り付け、プチトマトを傍らに添えれば“ピーマンの入った和風卵サンド”の完成です!
生のピーマンをパンの具にすると聞くと少し違和感を感じますが、こうして見ると黄色い卵と緑のピーマンの取り合わせがとても鮮やかで、ぱっと見は美味しそうに見えます。
加熱しても苦手な方がいるくらいピーマンは嫌われがちな野菜ですが、果たしてこの料理はピーマンの弱点を上手にカバーできているのか…食べて確認してみようと思います!
それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
いただきまーすっ!
さて、感想は…とても軽やかな口当たりのサラダ風サンドで美味し!ピーマンと卵がこんなに相性がいいとは驚きです!
マヨネーズで覆い隠されたおかげで生ピーマンのえぐみや臭みは微塵もなく、シャキシャキサクッとした張りのある爽やかな食感だけが活きており、噛むごとに癖になります(←みじん切りの玉ねぎにやや近かかったですが、あちらよりもさらにしゃっきりしており、適度な青みが瑞々しいアクセントをプラスしているのが最大の違い)。
ゆで卵の白身のプリプリした弾力や黄身のホコホコした舌触りとは対照的なのがかえって互いを引き立て合っており、まるで全体が食パンの白い部分みたいにふんわりしっとりした甘やかなロールパンがそれら全てを受け止めているのが優しい感じで、サンドイッチよりも食べ応えがあるのにとてもソフトな印象のサンドです。
練り辛子のピリッとしたドライな辛味をマヨネーズのまろやかなコクがマイルドに包み込み、ピーマンのフレッシュでほのかな苦味が後口をさっぱりと締めてくれるのが絶妙なバランスで、濃厚なのにあっさり感のある味わいがたまりません。
全体的に出汁醤油の風味豊かな和の塩気がほんのりと効いており、塩コショウのみで味付けした物よりも舌に染み入るような深い旨味があるのが特徴的で、例えるなら「こってりした洋風出汁巻き卵風辛子マヨサンド」というイメージでした。
普通のゆで卵とは違い、出汁が染みることによって少し水分が抜けたゆで卵は味がより濃縮され、市販の卵サンドよりも塩気が均一に行き渡っている為しっかりした味で食べやすいのがよかったです。
当管理人も生のピーマンは独特の癖があるのであまり好きではありませんでしたが、この食べ方ならいくらでも食べられるくらい気に入りました!
普通にサンドイッチの具にするのはもちろん、もうちょっと漬け汁を多めに入れて汁っぽくし、トマトやレタスが入った生野菜サラダにかけてもいけそうだと感じました。
●出典)『紺田照の合法レシピ』 馬田イスケ/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『クッキングパパ』の“荒岩流冷やし中華”を再現!
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- 再現料理
今となっては正確な原因は分からないのですが、素麺みたいに細くもなく、うどんみたいに太くもないという中途半端な所が扱いづらく、食べていてムズムズするのが苦手な理由だったように思います。
しかし、大人になってシンプルな麺つゆではなく“田舎風そうめん”みたいな濃い甘辛つゆにつけたり、チャンプルーみたいに炒めたりするようになってからは「おいしい!」と手の平返しをするようになっており、味覚の変化って面白いな~と思います。
どうも、二十代の頃は月見蕎麦に入っている卵は先割り溶き崩し派だったものの、現在は後残し半熟トロリ派になっている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が出産を控えて食欲がないけいこちゃんの為に作った“荒岩流冷やし中華”です!
連載初期、まだ新婚ほやほやだったけいこちゃんは程なくしておめでたが判明し、妊娠八ヶ月が経過した頃でも金丸産業で事務としてバリバリ働いていました。
妊娠初期はつわりがあったようですがその後はおさまり、産休三ヶ月のみで育休なしでもすぐに復帰できていたようですので、『クッキングパパ』ワールドでは虹子さんやカツ代さんに次ぐくらいタフな女性だな~と思います。
お腹も大きくなって動くのに大分難儀していましたが、「ひゃーっ、けいこちゃんずいぶんふくらんできたね」「コラコラ、ひとを風船みたいにいうんじゃないっ」と軽口を叩き合いつつ明るく頑張る姿は、『魔女の宅急便』のおソノさんに似ていて微笑ましかったものです。
実は子どもの性別は出産するまでのお楽しみにしていた為、男の子のまさし君が産まれてくる事はこの時点では全く分からなかったのですが、「でも男がいいなー。あたしに似ていい男になるぞー」と既に未来を予知するような発言をしており、母の勘というのは鋭いものだと感じました(←「お母さんに似てかわいい女の子になる」というのはよく聞きますが、「お母さんに似ていい男になる」とお父さんそっちのけで宣言したのは後にも先にもけいこちゃんだけで、けいこちゃんの男気がヒシヒシと伝わってくる名シーン;)。
ちなみに、日頃けいこちゃんと男友達感覚で仲良くしている田中君もこの時ばかりは色々気遣って手助けしていたのですが、けいこちゃんが「もう動くんだよ、おなかけったりするんだからー。ホラッ」「ネッ、不思議ねっ」とお腹を触らせてくれた際、「な、なんかけいこちゃん女っぽくなったというか、きれいになったみたいだな…」と少しときめいており、新しいフェチの門を開きかけていて苦笑しました。
考えてみれば、田中君はしっかり者で優しい王道ヒロイン・夢子さんの他にも、年上のキャリアウーマン人妻・虹子さん、おしとやかなお嬢様・間宮千香さん、甘え上手な妹系女子高生・はるみちゃん、グラマーで色っぽいダンスクイーン・マリアさん、『ローマの休日』のアン王女似のイタリア人・ソフィアさん、ミステリアスで陰のある訳あり美女・美奈子さんなど、年齢・性格・外見が見事にバラバラな女性達にメロメロになるという、苦手なジャンルが皆無な生粋の女性好き(
ギャルゲーの主人公にはうってつけで、登場する女性キャラも多種多様なので、田中君を主人公にした『ときめきメモリアル』の会社版恋愛ゲームがあったら面白そう…と半ば本気で考えたものです。
ある日、けいこちゃんは荒岩主任から「立ちっぱなしはよくない、椅子に座って見積書をまとめてくれ」と指示を受けて座ろうとするのですが、いきなり目眩がしてフラフラッとし、周囲から心配されます。
けいこちゃんが言うには、夏の暑い時期でただでさえぐったりしている中、赤ちゃんに胃が圧迫されて食欲が減退し、ほとんど食事を取っていないとの事で、「なんかさ、さっぱりしておいしいものないかしら?」とみんなに相談します。
『美味しんぼ』の妊娠していた女性陣だと、ジュディさんは分厚いステーキ、歌子さんとみさ子さんは焼き鳥三昧、テルエさんはブラックさんの豆腐料理ご膳など、かなりボリューミーな食事をしていてケロッとしていた為、子どもの頃は感覚が麻痺していて「意外とけいこちゃんって食べない方なんだな~」とトチ狂った感想を抱いていたのを覚えています(←今はもちろん、けいこちゃんの反応の方が一般的だと分かっています;)。
すると、一部始終を見ていた田中君が「ヘイッ、けいこちゃん。今日の昼おいし~い冷やし中華をおごってやろうかっ!!」と粋な申し出をし、それを聞いたけいこちゃんも「冷やし中華…いいわネッ!」と乗り気になります。
かつて、海原雄山氏から「あんな物は中華料理なんかじゃないっ!!」「あんな下等な物食べてみなければクズかそうでないかわからぬと言うのなら、食べ物について云々する資格はないわっ!」など、まるで冷やし中華に親を殺されたかの如くディスられていましたが、実を言うと体力回復&つわり対策に最適な料理の一つ。
酸味がきいてさっぱりした味だと食欲がない時でも食べやすいのは勿論、お酢の疲労回復効果、きゅうりの水分補給効果、トマトに含まれるクエン酸のつわり軽減効果が妊婦にふさわしいらしく、偶然とはいえ「田中君ナイスアイディア!」と感心したものです。
残念ながら、田中君のおすすめするお店は運悪くお休みだったので行けませんでしたが、「けいこくん明日からしばらくこれないからな」と気を使った荒岩主任が、自宅で作る事になります。
その際、荒岩主任が夢子さんに協力してもらって用意したのが、この“荒岩流冷やし中華”です!
作り方は簡単で、茹でて冷水でしめた中華麺へ細切りにしたきゅうりと茹で豚、錦糸卵、ハーフカットにしたパイン、スライスしたトマトを飾りつけ、その上から醤油・ごま油・お酢・砂糖・料理酒をよく混ぜて作ったタレを回しかけ、最後にちぎった海苔と紅しょうがと練り辛子をトッピングしたら出来上がりです。
ポイントは、お水を一滴も使わずアルコール分を飛ばした料理酒でタレを割ること、パインは必ず生を使用すること、麺は冷水で四~五回は揉み洗いしてぬめりを取ることの三点で、こうするとすっきりした仕上がりになるのだとか。
冷やし中華のタレは鶏がらスープやお水等で割ってマイルドに仕上げるレシピが多いのですが、荒岩主任はキレのいい濃い目の味が好きなようで、あえて料理酒を使ったみたいでした。
賛否両論である「冷やし中華にパイン」に挑戦するなんてチャレンジャーだな~と思いましたが、荒岩主任曰く「肉とパインってすごくあうぞ」だそうで、実際に食べたけいこちゃん達にも「おいしいーっ」「うんっうまいっ」と好評でした。
最近、急に暑くなってきて早くもバテそうになっているので再現する事にしました。
作中には大体のレシピが絵入りで記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、具とタレの用意。
きゅうりは薄く斜め切りにしてから千切り、トマトはヘタを取って輪切り、卵は溶いて薄焼きにしてから錦糸卵を作り、豚肉は中に火が通るまで茹でて細切りにし、生のパインは皮を取ってハーフカットにします。
その間、ボウルへアルコール分を飛ばした料理酒、醤油、ごま油、お酢、砂糖を入れてよくかき混ぜ、タレを作っておきます。
※豚肉を茹でる時は、料理酒を多めに入れてお湯で茹でたり、八割方熱が通ったら火を落として余熱でじっくり茹でるとしっとり仕上がります。あと、薄焼き卵は何も入れずに焼いてもいいですが、水溶き片栗粉を入れて焼くと破れにくいのでお勧めです。
次は、盛り付け作業。
たっぷり沸かした熱湯で生の中華麺を茹で、茹で上がったら一気にザルにあけてたっぷりの冷水で何度も揉み洗いし、ザルで余分な水気をしっかりきります(←すぐに使わない時は、ごま油をまぶして冷蔵庫に入れて保管します)。
麺がしゃっきりしたらお皿へ高く盛り付け、先程の五種類の具をそれぞれ彩りよく飾ります。
具を乗せ終えたら一番上にもみ海苔と紅生姜をトッピングし、お皿の隅に練り辛子を絞り、仕上げにタレを回しかければ“荒岩流冷やし中華”の完成です!
トマトと紅生姜の赤、きゅうりの緑、錦糸卵とパインの黄色、もみ海苔の黒、豚肉の茶色の取り合わせが見るからに美しく、食欲をそそります。
その昔、缶詰みかんが使われた冷やし中華を食べて以来この手の組み合わせは避けていたのですが、荒岩主任を信じて食べてみようと思います!
それでは、冷たい内に軽く混ぜていざ実食!
いただきまーすっ!
さて、感想は…昔ながらのラーメン屋さんで出されそうな冷やし中華っぽくて美味!これからは冷やし中華にパインを標準にして欲しいくらい、アリです!
冷やし中華のタレは、ごま油が効いたオーソドックスな甘酸っぱい酢醤油ベースのさっぱりした味付けで、甘い・辛い・酸っぱいのバランスがよく、冷たいツルツルの中華麺にぴったり。
水を一滴も使っていないので味がビシッと決まっていて濃いめで、麺のタレというよりは具にもちゃんと調味するタレというイメージで、通常の冷やし中華よりも輪郭がくっきりとして垢抜けているのが特徴的です。
水の代わりに料理酒で割っている為塩辛すぎるという事もなく、お湯で茹でただけの豚肉の臭みをしっかり消しており、後口の風味がキリリと引き締まっているのが爽快で、大人向けのおいしさだと思いました。
豚肉はしっとりあっさりと茹で上がり、噛むごとに旨味たっぷりの肉汁が溢れるのが食べ応え満点で、ハムや鶏肉よりも全体を本格的で豪華な仕上がりにしているのがよかったです。
荒岩主任の言う通り、ジューシーで瑞々しくさらっとした果汁の生パインと茹で豚は相性抜群で、衣がなく麺にも違和感なく合うせいかパイン酢豚よりも断然しっくりくる組み合わせになっており、「辛くないトロピカル雲白肉風」な旨さになっていました(←個人的に、メロンよりもパインの方が豚肉とナイスコンビだと思います)。
紅生姜や練り辛子のピリリとくるシャープな辛味のアクセント、きゅうりのパリパリシャキシャキした涼しげな食感、錦糸卵の優しいふんわりした口当たり、トマトの弾けそうなくらいフルーティーな酸味が存在感のあるタレによって一つにまとまっており、夏向けのすっきりした一皿になっていました。
本当に食欲がない時でもスルスルいけそうな飽きのこない味付けで、市販よりも安価なのに市販よりも断然おいしくて驚きました。
缶詰パインの甘ったるい味と違い、生のパインは自然な甘さなのでどの具とも反発しないのがよく、安心しました(←但し、海苔と紅生姜は要注意;)。
タレ作りも具作りもびっくりするくらい簡単なのに、想像以上に満足度の高い味わいに出来上がったので、これから夏の定番にしたいメニューだな~と思いました。
P.S.
いちろうさん、もふさん、kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。
●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『紺田照の合法レシピ』の“スタミナバクダン丼”を再現!
- Sat
- 18:00
- 再現料理
それも垂直飛びだけではなく、フリスビーの如く横に回転しながら飛んだり、ひねりを入れて一回転しながら飛んだり、身体を大きく反りながら飛んだりとバリエーション豊富で、滞空時間も長いほうなので一瞬バレリーナに見紛う程です。
おかげで当管理人の飼い主馬鹿はますます進行しており、白黒メス猫をジャンプさせるたびに「空飛ぶ妖精!(
どうも、キジ白オス猫はもはや寝っ転がらないとネズミのおもちゃと戯れなくなってきており、何だか切ない当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『紺田照の合法レシピ』にてデンジャラスなドライブをした紺田君が体力を回復する為に作った“スタミナバクダン丼”です!
ある
岩下さんは『カイジ』の利根川さんみたいな重厚感のあるツイードダブルのスーツと、長州小力さんを強面にさせたような顔立ちがチャームポイントの男性で、その昔よその暴力団組員を車で引きずり回すという昔の西部劇っぽい
ご本人曰くカタギに戻ったとの事ですが、「減点だ、ブレーキが急過ぎる。尋問でいきなり殺すアホがいるか?ブレーキも同じだ、じっくりとやれ」という、映画に出てくるマフィアっぽい小粋かつ物騒な例えで紺田君を威嚇。
おまけに、「もう赤信号だ、轢き殺すぞコラァ!ルールを守らねぇとぶち殺すぞ!」と繁忙期に殺気立っているガラの悪いトラック運転手のような怒号を放つなど、引退どころか現役バリバリのオーラを醸し出しており、紺田君も「この教官は一筋縄ではいかないようだ」と気を引き締めていました。
今や学校の先生は保護者からも教育委員会からも世論からも圧力がかかる為、もはやサービス業かと思われる程生徒に低姿勢になってきているそうですが、自動車学校は生徒自らが望んでやってくるというスタイルなせいか、関連検索ワードは未だに「怖い」「高圧的」「怒鳴る」などで溢れ返っており、岩下さんのような教官も実は結構いるのかも…と恐ろしく感じたものです(←そもそも、「教官」という響きが怖いというか軍隊みたいですよね…。『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹を連想します)。
そんなこんなでスリリングな路上教習を受けていたある日、お二人は岩下さんに恨みを持つと言う『SAW』のジグソウ似の犯人により、時速90km以上で走り続けないと爆発する車に乗せられるという死のドライビングの罠にかけられます(←この時やあの時やその時も思いましたが、安定の治安の悪さに震えます。紺田くんの住む町は、『名探偵コナン』の米花町や『ジョジョ』の杜王町並に危険な場所だと思います…)。
爆弾を動かしてもドカン、ドアや窓のスイッチに触ってもドカンという絶望的状況で、さすがの岩下さんも「なっ!?なんだとぉ!?」とMMR風に焦り、「おいてめぇ、早く俺と運転替われ!」と言うのですが、意外にも紺田君は神がかった運転技術を駆使し、人や車をうまくよけてハイスピードで走り続けます。
実は紺田君、以前先輩の丸長さんに誘われてゲーセンでレースゲームをやりこんでいたそうで、その結果『頭文字D』も真っ青なドリフト技術を習得したのだとか。
遊びに関する事は不得意ですが、どうやらシステマ・真剣白刃取り・肉の袋詰め・運転技術といった実用的な事に関しては上手に出来るみたいで、器用なのか不器用なのかよく分からなくて苦笑したものです(←ギャンブル・スポーツ・ゲーム・漫画・プラモデルなど遊びなら何でもござれな『こち亀』の両さんとは正反対の存在ですね;)。
結局、機転をきかせた紺田君が車の窓を割って脱出&車は猛スピードのまま海へ突っ込ませて大爆発させ、死のドライブから無事生還していました(←『西部警察』やハリウッドのアクション映画を思わせるド派手な爆破シーンで、ある意味自動車学校のいい宣伝になったんじゃ…と不謹慎な考えが頭をよぎってしまいました)。
90kmの速度で空中に投げ出された車から海へ飛び込めばその衝撃はかなりの物だと思うのですが、紺田君と岩下さんは全身がびしょびしょになるだけで済んでおり、まるで宇宙空間を褌一丁で泳ぎ回った『魁!!男塾』の江田島平八塾長並にタフな体をしているな~と感心したのを覚えています。
その後、犯人が岩下さんに再びボコられて警察に逮捕されたのを見届けた紺田君は帰宅し、クタクタになった体をシャワーで温めてから夕食作りに取り掛かります(←この時バスローブを着ているのですが、どう見ても幹部組員にしか見えぬ貫禄で、とても十八歳とは思えません;)。
こうして、紺田君が「爆弾」「常に動いていないと死んでしまう」というキーワードをヒントに作った夕食が、この“スタミナバクダン丼”です!
作り方は簡単で、丼ご飯の上にマグロの刺身・納豆・たくあん・アボカド・卵の黄身・刻み海苔を乗せ、上からにんにく醤油漬けとコチュジャンをよく混ぜ合わせて作ったタレを回しかければもう出来上がりです。
ポイントは、納豆は極小粒タイプを使うこと、納豆は何も入れないまましっかりかき混ぜてからタレを入れること、たくあんは千切りにして水気をきること、にんにく醤油漬けはみじん切りタイプを使うことの四点で、単純な料理なだけに下ごしらえが大切みたいでした。
通常、ばくだん丼は納豆・卵・マグロの他にオクラや山芋を入れる事が多いですが、こちらはスタミナをつけるのが目的なせいか、アボカドやにんにくといった濃い食材が代わりに入っているのが特徴。
コチュジャンがききすぎて辛い時はマヨネーズをトッピングした方がいいそうで、「ふぅ…辛みがマイルドになった。さすが料理界の爆発物処理班だ」と紺田君もその存在に救われていました。
にんにく醤油漬けがいい具合に浸かったので、いい機会だと思い再現する事にしました。
単行本のカバーに詳しい分量つきのレシピがきっちり記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、材料の下準備。
お刺身用のマグロのサクは食べやすいサイズにそぎ切りにし、アボカドは皮をむいて角切りに、たくあんは細切りにして漬け汁をしっかり絞ります。
納豆は何も入れていない状態のまま白い糸がたっぷり出てくるまで何度もかき混ぜ、途中付属のタレを加えて丹念に練り混ぜておきます。
その間、小皿に入れたにんにく醤油漬けへコチュジャンを調合してよく混ぜ合わせ、タレを作っておきます(←丸ごとにんにくの場合、みじん切りにしてから使います)。
※市販のにんにく醤油漬けでもいいですが、煮沸消毒した瓶へみじん切りにしたにんにくと醤油を入れ、丸一日放置するだけで簡単に自作できますので、そちらをおすすめします。長期保存は出来ませんが、冷蔵庫で一週間は持ちます。
次は、盛り付け作業。
炊きたてご飯をよそった丼へ先程の納豆、アボカド、たくあん、マグロの刺身を彩りよく飾りつけ、真ん中に生の卵黄をそっと落とします。
全ての具を盛り終えたら、周囲に軽く刻み海苔を散らします。
にんにく醤油漬けとコチュジャンのタレを具にたっぷり回しかけ、マヨネーズと一緒にテーブルへ運べば“スタミナバクダン丼”の完成です!
生にんにくならではの強烈な香りと、唐辛子の力強い香りが組み合わさり、空腹時には危険なレベルの食欲をそそる丼に仕上がっています。
マグロの赤・アボカドの緑・たくあんの黄色・納豆の茶色・卵黄のオレンジの取り合わせがとてもカラフルで美しく、これは味の方にも期待が持てます!
それでは、黄身を崩し少し混ぜていざ実食!
いただきまーすっ!
さて、感想は…口の中でガツンときて爆発するような美味しさ!唐辛子の刺激的な風味が隅々まで染み渡った、これぞ男飯といった丼物です!
生にんにく特有のカァ~!と力が湧いてくるパワフルな風味と、コチュジャンのピリッとした辛甘さが効いたエキゾチックな醤油ダレが個性的な具を一つにまとめており、ご飯にもぴったり合っています(←すごくさっぱりして甘さ控えめな焼肉のタレみたいな味でもありました)。
にんにくから溶け出たエキスのせいか丸みのある塩気になってて、ワイルド系な味付けの割にはトロンとしたまろやかな口当たりで、甘口醤油やたまり醤油に似たこっくりと熟成した旨味が特徴的です。
この濃厚な辛味噌風味の醤油は納豆やアボカドと相性抜群で、納豆はにんにくを増量したキムチ納豆風のご飯泥棒な旨さ、アボカドは韓国風のパンチが効いたヅケっぽい仕上がりになっており、肉なしとは思えぬボリューム満点な味わいが印象的でした。
たくあんのパリパリボリボリとした歯応えと昔懐かしい和の甘じょっぱさがいいアクセントになり、だらけそうになるのを適度に引き締めているのがたまりません。
例えるなら「焼肉屋さんのごま油抜き海鮮ユッケ風バクダン丼」で、卵黄の濃く甘いコクがマグロにまったりと絡み、 旨味をさらに引き立てているのがよかったです。
ここにマヨネーズを加えると、打って変わってマイルドで優しいこってり感のある味わいに変化するイメージで、七味マヨや明太マヨかけご飯に似た醍醐味がありました(←アボカドには勿論、何とマグロとよく合っててびっくり!)。
生のマグロに生にんにくはヘビーなんじゃ…と想像していましたが、意外にもマグロの味は濃くてにんにくをしっかり受け止めており、ご飯が進む旨さでした。
納豆が苦手な夫にも納豆抜き(←その代わりにアボカドを増量しました)バージョンも作って食べてもらいましたが、「これ合うねー、にんにくが効いてる!」と喜んでおり、一風変わったアボカドマグロ丼としておいしく頂けたようでした。
作中ではコチュジャンを入れすぎると辛いと書かれていましたが、単行本にある分量ならそこまで辛くありませんでしたので、辛い物が嫌な方でもスルッと食べられそうな一品です。
P.S.
シビレフグ太郎さん、コメントを下さりありがとうございます。
●出典)『紺田照の合法レシピ』 馬田イスケ/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
『クッキングパパ』の“鰆の西京揚げ”を再現!
- Tue
- 18:00
- 再現料理
父とは母は焼酎派、妹と私は日本酒・ビール・ハイボール派で、家に帰っても二次会とばかりにガンガン飲みまくり、誰も止める人間がいない為カオスな状態に;。
翌日、さすがに胃が少し重くて他の家族が心配だったのですが、父も母も妹もケロッとしていたようで、「四天王の中で最弱なのは私だな…」と複雑な気持ちになりました。
どうも、日頃母と私には牙とツメを向けるオスのキジ白猫が、たまに遊びに来る妹には大人しくて紳士的なのを見るたび焼きもちをやいている当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が守君とひとみさんの為に作って差し入れした“鰆の西京揚げ”です!
前回、やっとひとみさんのお父さんに結婚の許可をもらった守君ですが、屋台を始める為に貯金を使い果たしたのもあり、式も入籍ものびのびになってしまいます。
どうやら、ちゃんとしたホテルで着飾るとなるとお金がかかる、かといって両親に出してもらうのは嫌だ、そもそも着飾ったりして大げさにあげる式は自分達に向いていない気がする…という悩みもあり、それで行動に移せなかった模様。
格式高い所で盛大な式をすると、周囲の人間に「幸せそう」と安心してもらえたり、職場からも「それだけの責任を背負える人間」と信用されるという大きいメリットが得られるので悪くないと思うのですが、あるアメリカ学者の論文によると「結婚式費用が高いカップルほど別れやすい」「200万円以上かけると離婚が3.5倍増」という衝撃的なデータが明らかになったそうですので、自分達に合ったささやかな式を挙げたいと思う守君とひとみさんの考えは至極まっとうだと感じたものです(
しかし、たまたま話を聞いていた田中君が「だったらこの屋台でやったらいいじゃん!!」とマリー=アントワネットの「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」的な100%他人事な思い付きを口にし、それを聞いた守君とひとみさんが「それっいいですねっ!!」と乗り気になった事から、前代未聞の屋台婚を取り行う事になります。
最近、新郎新婦がゲストに喜んでもらう事を重視するおもてなし婚の考えが徐々に広まっていますが、さすがに新郎新婦が自分達で婚礼料理を作って振舞うお式は初耳ですので、これ以上ゲスト想いなおもてなしをする新婚夫婦はそうそういないだろうな~と感心しました(←『華中華』のハナちゃんが、式の最後に自分で“目出鯛チャーハン”を作っていたのを思い出しました)。
こうして一ヵ月後、田中君や一部始終を聞いて手伝う事になった荒岩主任ら営業二課チームにも色々手伝ってもらい、守君とひとみさんは全て手作りのアットホームな式を開いていました。
最初は屋台の前にある喫茶店「ブルーベル」の店内を貸し切って結婚式、二次会は外にある屋台「ひとみ」で宴会という段取りで、招待客の他にも常連客や友人がぞくぞく詰めかけ、まるで縁日のようににぎやかな集まりになっていたのが印象的でした(←『ミスター味っ子』のラストにあった凱旋帰宅みたいな大団円っぷりで、絵だけ見たら最終回っぽいです;)。
料理の方も、友達である魚屋の伊藤君からは豪勢な舟盛り、昔通っていた調理師専門学校の恩師からはシェフ特製のオードブルセット、荒岩主任からは特製料理を山ほど差し入れされ、結果すごくゴージャスなテーブルになっていました(←ビュッフェタイプだと自分のペースで好きなだけ飲食出来るので、マイペースな食いしん坊には嬉しいスタイルですね!)。
中でも守君が喜んでいたのが、同じアパートのおばちゃんから手渡された思い出の料理・いなかパイで、「あのころボクは2浪中の予備校生で…いつもふさぎこんでて。そんなときこの料理と出会って、荒岩さんやおばあちゃんと親しくなるほど、ますます料理がおもしろくなって―」「本当にありがとうございました、みなさんのおかげです!!」と感極まっていました(
その後、二次会まで進んで料理も全て出し終えてやっと落ち着いた守君とひとみさんに、「あんまり食べてないだろ~」と言いながら荒岩主任が出したのが、この“鰆の西京揚げ”です!
作り方は意外と簡単で、西京味噌・日本酒・みりんを混ぜて作った味噌ダレを鰆の切り身に塗って湯葉で包み、戻したかんぴょうで結んで120度に熱した油で薄く色づくまで揚げたらもう出来上がりです。
ポイントは、鰆の身は塩をふってしばらく置いて臭みを消してから使うこと、湯葉は何重にも渡って丁寧に包むこと、揚げる時は焦げたり破裂しないよう低温を保ちながら揚げることの三点で、こうするとしっとり優しい旨さに仕上がるとの事でした。
湯葉を何枚も重ねて作る工程といい、中に魚を入れる事といい、かんぴょうでしっかりと結び目を作る所といい、「よろこぶ」に通じる昆布巻きを連想させる料理で、縁起のいい料理だな~と荒岩主任の心遣いにほっこりしました(←鰯の代わりに春に最盛期を迎える鰆を包み、人生の春を迎えているお二人を暗に祝福しているのがまたツボをおさえてていい感じです)。
初見時は昔からある伝統料理なのかな?と思っていたのですが、調べた所どうやら完全な創作料理みたいで、びっくりしました。
ちなみにこの料理を出した後、荒岩主任は「今のきみたちはしっかり結ばれて最強のペアさ、なんてな」という渾身の親父ギャグを放っているのですが、次のコマでは『ベルサイユのばら』でマリー=アントワネットに空気扱いされたデュ・バリー夫人の如く華麗にスルーされており、ちょっと気の毒だったです;。
先日、スーパーの鮮魚コーナーで偶然ピカピカの鰆の切り身を見つけ、これはいい機会だと思い再現する事にしました(←普段滅多に置いていないので、嬉しかったです)。
作中には大体のレシピが絵入りで記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、鰆の即席西京漬け作り。
新鮮な鰆を三枚におろして食べやすい大きさに切り、小骨を取ったらまんべんなく塩を振ってしばらく放置し、臭みを抜きます。
水分がうっすらと出てあらかた臭みが抜けたら、キッチンペーパー等で水分をきっちりふき取り、味噌、日本酒、みりんをよく混ぜて作った味噌ダレを全体に塗りつけます。
※レシピでは長時間漬けず、すぐに包んで使用すると書かれていましたので、直前に用意した方がいいです。
次は、湯葉の準備。
豆腐が作れるくらい濃度が濃い豆乳をフライパンに入れて弱火にかけ、数分たって上にうっすらと湯葉の膜が張ってきたら、お箸でくっつかないよう広げながら水で湿らしたまな板へ取り出します。
三分くらいで薄い湯葉は出来上がりますが、今回のように何かを包める頑丈な湯葉にしたい場合は、十分以上放置してしっかりした厚みになるまで火にかけた方がいいです。
※市販の乾燥を湯葉を水で戻して使ってもいいです。
今度は、包み揚げ作業。
先程の湯葉の中心に味噌ダレを塗った鰆を置き、出来れば二重三重にキレイに包みます(←湯葉の表面に豆乳が残っていたら、破かないよう気をつけながらある程度取り除く事をお勧めします)。
この包みを、塩をまぶして揉み洗いした後十分くらい茹でて余分な水分を絞っておいたかんぴょうで結び、120度に熱した揚げ油でたまにひっくり返しながらゆっくりじっくりと揚げます。
湯葉の色がほんのりキツネ色に色づいてきたら取り出して一旦油をきり、パセリと一緒にお皿へ盛り付ければ“鰆の西京揚げ”の完成です!
おでんのもち巾着みたいな可愛らしい見た目がユーモラスで、しっかり結ばれたかんぴょうの結び目が新たなご縁を表しているようで、確かにお祝い事向きの料理だと思います。
湯葉も西京漬けも揚げるのは初めてなので味の想像が付きませんが、荒岩主任を信じて食べてみようと思います!
それでは、揚げたての内にいざ実食!
いただきまーすっ!
さて、感想は…湯葉の濃い甘味が効いたはんなり優雅なおいしさ!ふんわりした口当たりで、とっても癒される味わいです!
外側はパリッと香ばしく、内側はむっちりシャッキリしている湯葉の食感が心地よく、極薄で滑らかな舌触りの油揚げみたいな味がするのですが、油揚げよりもずっとあっさりしているのが特徴的。
鰆は低温でじっくり蒸し焼きにしたせいか、水分がほとんど飛んでおらずかなりジューシーでふっくらしており、キメ細やかな身がホロホロジュワッと舌の上に広がるのが何とも繊細なイメージでした。
味つけは西京漬けにそっくりでこっくりと甘い雅な白味噌味ですが、漬けずにさっと塗るだけにしているので味噌漬けにありがちな肉質の固さはなく、生魚だからこそ出せるフレッシュ感が残っているのがよかったです。
湯葉を噛み破った途端、まったり甘口で口溶けのいい味噌ソースがトロリと溢れ、全ての具をまろやかに包み込むのがすごく優しい感じで、京の高級料亭みたいな本格的な旨さと、家庭料理のような温かさが両立していました。
鰆は太刀魚と鯖とスズキを足して三で割り、臭みや癖を一切なくしたような品のいい旨味の魚なんですが、脂があまり乗ってなくて淡白なのを揚げた湯葉の油分が程よく補っており、味にさらに奥行きが生まれていたのにうっとりです。
かんぴょうは煮た物と違い、しんなりしつつもシコシココリコリした弾力のある歯触りで、油を吸ってほのかにコクが出ているのがしみじみ美味で、柔らかい食材の中でいいアクセントになっていました。
鰆の身は水分が多いですが、軽い塩分で臭みと共にごく軽く水分が抜けているのが味をさらに高め、それがこの料理をより洗練されたものに仕上げていました。
一見女性受けしそうな料理にみえますが、肉好きの夫にも食べてもらった所しみじみと「旨い」と言っていたので、男性にも喜ばれる一品だと思います。
P.S.
無記名さん、kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。
●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。