『はたらく彼女と、つくるヒモ』の“キハダマグロのタルタル”を再現!
- Tue
- 23:30
- 再現料理
しかしよくよく考えてみると、こんな極寒続きの気候の中、ろくに電灯もない真っ暗な海で会社の人達と何をするのか…?と少しホラー味を感じた為、改めて理由を聞いてみると、「え、海?違う違う、〈海に〉じゃなくて〈飲みに〉行くって言ったんだよ!」と聞き間違いだった事が判明しました。
この時も飲みに行った日も特に何事もなかった為、当管理人の耳が何もない所で不運と踊っちまったというよくある話で済みましたが、もしその日夫が何らかの事故にあって行方不明になってしまった場合、警察の方へ「会社の人と海に行くから遅くなるって言っていました…違うんですか?」と意味深な証言をし、ちょっとした都市伝説みたいなエピソードになっていたかと思うと、今後はもっと耳をすまして夫の話を聞こうと気持ちを新たにしたものです。
どうも、長年一緒にいてもお互い思い込みのボケと真相発覚後のツッコミばかりで以心伝心とは程遠い当ブログの管理人・あんこです。
本日再現する漫画料理は、 『はたらく彼女と、つくるヒモ』にてある夜サプライズディナーが開催された際に登場していた“キハダマグロのタルタル”です!
漫画『はたらく彼女と、つくるヒモ』とは、某洋菓子店で週休一日早朝から深夜まで働くという激務でパティシェをしていた主人公・まいったねぇさん(通称:まい君)が心身ともに限界を感じて同棲中の彼女・れなさんに退職の相談をしたところ、「人生の休暇と思ってゆっくりしなよ」と言われてヒモになり、たっぷりある時間を使って彼女に愛情を込めたいたわりご飯を作る日々を描いた、ヒモが作ってみた系ほのぼのコミックエッセイです(←※作画の野宮レナ先生と彼女のレナさんは、同名の別人です)。
これまで世に出てきたヒモが主役の作品といえば、投資で何億も稼ぐ金持ち美少女小学生達に養われて自堕落なハーレム生活を楽しむ一種のファンタジー漫画や、親も見捨てた酒とギャンブルが好きなヒモ彼を何とか更生させようとする悲壮感溢れる漫画や、東村アキコ先生が自身のアシスタントである夢追い系男子を立派なヒモに養成し経済力のある女性とマッチングさせる実録系漫画
しかし、本作のまい君は時間に規則正しい生活を行いながられなさんをサポートし、趣味は料理で朝も夜も健康に良く美味しい料理を作り、常ににこやかな雰囲気でれなさんをさり気なく元気づけているところが読んでいて非常に好感的で、ヒモというよりもはや主夫だと感じました。
まい君曰く、「ヒモのあり余る時間の使い道として、パチスロ通いよりも実は料理がぴったりだと思うんだ」「料理はお金がなくても時間と手間をかければおいしいものができるんだし!」との事で、実際に作中ではスーパーで普通に売られている食材が多用されているのが特徴で、お財布に優しいレシピが多いです。
使う食材や分量が一覧となってきちんと記載されていたり、絵付きでコツがわかりやすく書かれていたりと、料理する側としては大変ありがたい料理本としても優秀な一冊なので、初心者の方にも安心してお勧めいたします。
あと、こちらの作品を読んでいて幾度となく圧倒されるのが、彼女であるれなさんの器のでかい姉御肌っぷり!
まだ結婚していなかったとはいえ、共に生活する者として相方の収入がゼロになってしまうと聞くと少し怯むものがあってもおかしくないと思うのですが、まい君から退職について話をされたところ、開口一番「まあ…なんとかなるよ…!」「私の収入があるじゃん」とにっこり笑顔で受け入れられ、まい君が一日でも早く職を見つけられるよう頑張ると言っても「そんなに急がなくていいんじゃない?」「今まで働きづめだったんだからまい君のしたいことをしなよ」とヒモ生活への背中を押す優しい言葉まで言っているシーンがあり、男前だなぁ…と感動しました。
自身が大手アパレルメーカーの会社員としてフルに働くキャリアウーマンだった事も大きかったと予想できますが、それ以上に彼氏であるまい君を一人の人間として信頼していたからこそ出た言葉だと感じ、こんな伴侶だったら心強いだろうな…と思ったものです(←経済力があって度量のある女性に養われると聞くと、条件反射的に『ドラゴンボール』のブルマが思い浮かびますが、確かにバイタリティのある性格はお二人共似ている気がします。その為、一瞬まい君はベジータのポジションか…と考えましたが、ベジータはアニメ・『ドラゴンボール超』のギャグ回以外は家事を一切していないので真逆ですね)。
れなさんが言うには、まい君の料理は「どこかで食べたような、でもどこにもないような…落ち着く味がするね」だそうで、まだ付き合いたてだった頃に手料理を初めて食べた時も「この人となら何があっても暮らしていける気がする」と感じたとのこと(←実際、作中で登場しているレシピはシンプルながらもほっとする、それでいてオシャレなエッセンスを感じる家庭料理が多く、こんな料理を連日ふるまわれたら胃袋を掴まれそうです)。
最終的にこの二年後、充実した生活で気力が回復したまい君はごく自然に「そろそろ働きはじめようかな」と思い立ってヒモを卒業し、作業療法士として働きれなさんとも結婚されたようで、読後感もよかったです。
今回ご紹介するのは、第二話で作られていた“キハダマグロのタルタル”!
作り方は簡単で、みじん切りにしたキハダマグロ・玉ねぎ・パセリ・ケッパー・塩・醤油・粗挽き黒コショウ・ウスターソース・エクストラバージンオリーブオイルを混ぜ合わせ、仕上げにサイコロ状に切ったアボカドを敷いたお皿へ丸く盛り付け、いくらを飾り付けたらもう出来上がりです。
ポイントは、キハダマグロはさっぱりした背中の身のサクを使用すること、マグロの身は細切りにしてから小さく刻むことの二点で、こうするとトロリとした口あたりで程よいコクのある味わいになるとの事でした。
元となったタルタルステーキは、生肉やにんにくを使ったがっつり系のレシピが主流ですが、こちらはマグロで尚且つウスターソースを使うというのが新しい発想で、定番料理でありながらも独自のセンスを感じさせます。
ちなみに、こちらの料理はれなさんの誕生日にサプライズとして出したご馳走の前菜で、仕事でクタクタになって帰ってきた夜にこんなおもてなしをされるなんて羨ましい…と感じたものです(←我が家は平成も令和も、「私作る人、僕食べる人」の昭和スタイルです。当管理人はまい君と同じく作るのも食べるのも好きなタイプなので問題ないですが、たまに夫がパスタを作ると「人が作ったご飯もいいなぁ」としみじみ思います)。
最近、品質がいいキハダマグロの刺身用のサクをお得な価格で手に入れることができたので、以前から気になっていたこちらの料理を再現することにしました。
作中には至れり尽くせりの詳しいレシピがちゃんと記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!
ということで、レッツ再現調理!
まずは、キハダマグロの下準備。
背側の身のサクを一旦細切りにした後、さらに小さく切ってたたき状にします。
※サクがない場合は、同じく赤身でさらに味が濃い中落ちを使うのもありかと思います。
次は、味付け作業。
ボウルへ先ほどのキハダマグロをいれ、そこへみじん切りにした玉ねぎ、パセリ、ケッパーを投入し、スプーンなどでざっくり合わせます。
そこへ、塩、醤油、粗挽き黒コショウ、ウスターソース、エクストラバージンオリーブオイルを投入し、全体に味が行き渡るようしっかり混ぜ合わせます。
具材に調味料がよく混ざったら、あらかじめ皮を剝いてサイコロ上に切ったアボカドを敷いたお皿へ丸く盛り付け、最後にイクラを飾り付ければ“キハダマグロのタルタル”の完成です!
作中で言われていた通り、パーティー向きの宝石みたいに華やかな一皿で、薄くスライスしたフランスパンを添えたら立食パーティーでも手軽に食べやすそうです。
やや大胆な組み合わせなので少しドキドキしますが、マグロとアボカドという無敵の鉄板コンビを信じてみようと思います!
それでは、軽く混ぜ合わせていざ実食!
いただきまーす!
さて、感想ですが…自宅にいるはずなのに、一気に今風のシックなジャズバーに転送されたのかと思ってしまう程、「外」のおつまみ感がする美味しさ!ビールは勿論、白ワインや辛口のジンジャーエールにぴったり合いそうな粋な味です!
マグロの赤身のあっさりしたコクに、ウスターソースのスパイシーでシャープな酸味と、黒コショウのピリッとくるドライな辛味は相性がよく、例えるなら「洋風仕立ての香味マグロのたたき」みたいな味付けだと思いました。
玉ねぎのシャキシャキした小気味良い食感と、パセリのサクサクした爽やかな歯触りが、柔らかくてほのかに粘りのあるタルタルマグロをより引き立てています。
キハダマグロは本マグロやミナミマグロに比べるとやや淡白めで、刺身だとどうしても物足りないイメージがありますが、タルタルにすると他の素材が色々カバーしてくれて十分豪華な一皿になっていました。
また、付け合わせられたアボカドのこってりした味わいとイクラの贅沢な塩気のアクセントは地味に重要で、さり気なく味変をし、最後まで単調なく食べられたのが良かったです。
当初、生のマグロとウスターソースって合うのだろうか…と心配していましたが、ウスターソースの香りが生魚にありがちな生臭さをスパッと断ち切り、他の個性が強い食材の中で欧風ポン酢のような役割を果たしてそこまで違和感がなかった為、料理は奥深いと感心しました。
これまで進んで買おうと思わなかったキハダマグロですが、こんな洋風味でも合うのなら、今後はもっと思い切った調理法でいろいろ試してみるのもありかも…と目から鱗が落ちました。
オシャレすぎる料理だと抵抗感のある夫も「うまい!」と好評で、お互いお酒が進みました。
細かくたたいて作るので、特価で販売されている切り落としでもおいしく作れるので、おすすめです!
P.S.
Sullaさん、いちろーさん、無記名さん、ブログ拍手欄にて拍手の際にコメントをしてくださり、ありがとうございます!
Sullaさん、長らく拍手コメントしていただいていたことに気づかず申し訳ございません…!ここ数年拍手欄でコメントをいただくことがなかった為、まったく気づいておりませんでした…。もう見て頂いていないと思いますが、改めてこの場にて謝罪いたします。
いちろーさん、大変ありがたいお言葉痛み入ります。とんでもないです、とても光栄で嬉しかったです。未だ自分の文章に満足していない為、自信が持てないのですが、そう仰って頂けて安堵しております。九州といえどまだ寒く咳き込みやすい日が続いておりますので、どうぞご自愛ください。
無記名さん、優しいお言葉を下さりありがとうございます。一か月に一度ペースと思っているのですが、なかなか難しいのが歯がゆいです…。美味しそうな料理を紹介されている素敵な作品と、ご縁があり見て頂いている方々が知り合う、ほんの小さなきっかけとなれるよう、無理せず更新いたします。
●出典)『はたらく彼女と、つくるヒモ』 作画:野宮 レナ 原案:まいったねぇ/KADOKAWA
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。
Comment
2023.03.08 Wed 07:39 | No title
海に行く…行方不明になってたら半魚人になってそうですね…
理想のヒモは『ヒモとはいったい、ウゴゴゴ…』と言いたくなりますw
イクラが苦手なんでそのままで!って訳にはいきませんが、相変わらず読んでて『これ作ってみたい!』と思える素敵なブログです♪♪
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- URL
2023.03.16 Thu 10:58 |
10年ぶりくらいに来たけど
まだこのサイトがあった事に驚いた。
しかもワカオやどんぶり委員長の料理、
味っ子のクレープ焼きそばまで再現している。
管理人さんのエネルギッシュさに敬服します。
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- URL
2023.07.24 Mon 19:02 | No title
あんこさん、こんばんは。
関東は毎日とても蒸し暑いのですが、九州はいかがでしょうか?
(年々過ごしやすい春と秋が短くなって、暑い夏と寒い冬が長くなっているように感じます‥‥。)
今回はそんな暑い夏にピッタリの料理ですね〜。
あんこさんも述べられているように、キハダって刺身だとすごく淡白で物足りなさを感じることもあるんですよね。ただ本マグロと比べてとてもお安いのは魅力的なので、この料理のお陰で食卓への登場回数が増えそうです!ありがとうございます。
それではのんびりと更新お待ちしております。無理なさらずご自愛ください。
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- キンメ
- URL
2023.10.03 Tue 21:40 | あんこさん大丈夫ですか?
大丈夫でしょうか。
また気が向いた時にでも、お知らせでよいのでお願いします。
ずっとあんこさんのブログを初期から読んでいて、最近どうしたかなーと思ってます。
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- 長年ファン
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