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新しい日本語の生徒さんは母娘。2人とも全くの初心者。
「50歳過ぎて日本語をマスターするのは不可能」と講習を受けた日本語学校の先生に言われたし、高校生との記憶力の差は大きすぎる。が、母親は前に時々講師をしたお料理学校の先生なのでイヤとは言えず、先週彼女の自宅に赴いた。

「まるで取っ掛かりのない言葉をゼロからやるのよ」
「わかってるわよ。わたしはともかく、この子がねぇ」と母。
よく言うわよ。
まず「あいうえお」表から。
うちの子供たちは、気がついたらひらがなは知っていたので、この”苦労”はなかった。

hiragana.jpg

「日本語のアルファベットは母音と子音の組み合わせで51・・・」と言いかけると、
「なぜ最初の行に子音がないの?」と母。
「『あいうえお』は母音で2行目から子音と組んでるの。KとAで“か”でしょ」
今度は、アルファベットではKとAなのに、なぜ日本語では一文字なのか?

彼女は何にでも“自分の意見を言わないと気が済まない”と言うと、フランス人によくある、と思われるだろうが、平均的フランス人の5倍くらい自己主張の強い人。
ひらがなを練習するのに、娘がサインペンを選ぶと
「それはダメ、こっちで書きなさい」
「うるさいわね、あたしの勝手でしょ!」
「ダメ、サインペンは書きにくい」
と親子喧嘩になり「ストップ!サインペンでよろしい」と仲裁に入らねばならず、遅々として進まない。

ようやくひらがな表を見ながら「知っている日本語を書いて」
娘はすぐ「ばか」「なると」「わんぴーす」・・・(今日はまずひらがな。カタカナはまた別の戦いだ)
母親は「みそ」「わさび」「みりん」・・・
この時すでに娘の方が倍以上のスピードで、母がひらがなを探している間、絵を描いている。
それを見た母は「やめなさい!」
アンタがのろいからでしょ、と言いそうになるのを呑み込んだ。だから2人一緒は難しいって言ったでしょ。

ひらがなだけではつまらないので「わたしは〇×です」「これは×〇です」までやった。
多分母親に言われて始めた娘は乗り気になり、母親は「思ったよりシンドイ」という顔。
彼女は「一緒にヴァカンスには行きたくない」タイプであるけど、飾り気がなく憎めない。
2022年夏に日本に行く計画で、その時「少ししゃべれるようになる」という目標は保証できないけど、「日本語を習うのが夢だった。ウレシィ!」と言うのでまぁいいか。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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