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学生にとって魔の6月が近づいてくる。高校生にとってはバカロレア、中学生はBrevet(ブルヴェ)と呼ばれる中学修了試験。でも入る高校はブルヴェの結果を待たず、平常点の平均で決められる。
3年前まではよほどのことがなければ、区の公立高校にすんなりと入れた。ところがいい高校がない区もあって、越境してくる生徒は増える一方。区制度が広がり、パリを東西南北に分けるようになった。
うちは東地区で、3、4、11、12、20区が含まれる。他の区からできる子が志願してくるから勢い競争率は高くなり、“うちの近くの高校”に行けない子が増えている。
6年前、長男のときなんか、勉強している姿をあまり見ないうちに高校に入っていた。親ものんびりしていたもんだ。

ブルヴェの問題集。2社しか出していない。
brevet.jpg

娘は先生たちからのプレッシャーもあると言ってストレスな毎日。
5月半ばには、第一希望から滑り止めまで6つの志願校を決めなければならない。平均点何点ならこの高校に入れる、という去年の結果をもとにしたプリントが配られ、それを参考に決める。

バカロレア合格率が高い高校は、平均点20点満点中15~16。5段階評価のオール4と言われると、敷居の高さが実感できる。平均点には体育や音楽や“態度”も含まれるので、理数はすごく強くても、体育や美術で足を引っ張られる子などが損だ。
フランスも子供を鋳型に入れるような教育制度になってきた。受験戦争がせっかくの子供時代を奪ってしまう日本で子供を育てたくないとこっちで産んだのに・・・

高校進学の説明会に集まった親たちもいつもよりピリピリしていた。
「願書を記入するとき注意しなければならないのは、第一志望の高校の選択」と、校長先生。
「ちょっと高望みの高校を書いて、それがダメだった場合、第五、第六希望(つまり滑り止め)の高校に行く可能性があります」
ザワザワ。
第一から第六志望まで一度にコンピュータ処理するからという、わかったようでわからない理由だ。(続く)


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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