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子供の雄猫がうちにやってきてから、嫉妬とライバル意識でイライラしている中年雌猫アナイス。円形脱毛症になり、その円形は大きくなるばかりだ。

「一人っ子のときは良かった・・・」
anais_canape.jpg

せっかく安らかに寝ているのに、ちょっかい出しに来る子猫。
tama+anais1.jpg

獣医さんのところに連れて行こうとするも、籠を見るなりこちらの意図を見抜いて逃げ隠れ、やっと捕まえるとパニックになり、牙や爪を全開にし、負傷者がでたことも。
うちに来たのは2ヶ月のときだけど、それ以前にトラウマになるような幼年体験があったのか・・・ひどく神経質で人見知りの激しい猫だ。

捕まえようと悪戦苦闘していると、子猫のほうが自主的に籠に入っていたりする。

2度失敗して「捕まりませんでした・・・」と獣医さんをキャンセルしたが、このまま放ってはおけないと再度挑戦。
息子が考え出した新しいメソッドは、バスタオルをすっぽり被せて方向感覚をなくしたところ、タオルごと抱きかかえ、大きいダンボール箱に放り込む。2人がかりですかさず蓋をガムテープを貼りまくる、というもの。

この方法が成功し、でかいダンボールを抱えた私たちは、獣医さんのとこへ到着した。
待合室には騒々しい犬もいて、アナイスは怖いのか物音ひとつ立てない。
そこへ猫の籠を下げた女性が入ってきた。
ガムテープが厳重に貼られたダンボールをまじまじと見て、
「あの、その中には生き物が入ってるんでしょうか?」
「ええ、猫です」
「猫!私はまた蛇・・・ボアじゃないかと・・・」
その女性の猫はなんと17歳(17x7=119歳!)で、リューマチを患っていると思われる、とのこと。
動物は口をきかないだけ、飼い主も苦労が多い。

アナイスの番になり診察室に入った。獣医さんとどのような格闘シーンが展開されるか楽しみ、いや心配していたが、さすがプロ。襟首を掴んでダンボールから出し、おお、いい子だ、などと言いながら、お腹の毛を調べたり目をひっくり返したりしている。

毛が抜けてハゲているのは、そこを舐めすぎた結果なのだ。猫にとって身体を舐めるのは、すごくリラックスする行為なんだそう。だから気持ちがイライラして不安定なときは毛が抜けるまで異常に舐めてしまう。
「炎症と止める薬と抗生物質の注射をしておきましょう」
この激しい猫に注射なんかできるかね。
先生は襟首を掴んだまま首筋に一本目を。感心して眺める。
2本目を打とうとした時、アナイスは歯をむき出して、獣医に襲い掛かった。
まるで『24-TWENTY FOUR』で、捕虜になって手脚縛られたジャック・バウアーが、いきなり敵の下腹に脚蹴りを入れるような逆襲。獣医の手から血が滴る(ほんとの話)。
スミマセンと繰り返す私たちに、先生は、
「大丈夫、傷は浅い」といいながら、自分で手当をして、さすがにビビッたのか、助手を呼んできた。2人で押さえ込んで2本目の注射に成功。ヤレヤレ。

とにかくやっと病院に連れてこれたので、私も息子も一安心だったけど、診察料、注射代、うちで飲ませる精神安定剤に軟膏、締めて120ユーロ!
大変な猫と出会ってしまったものだ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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