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雌猫バトル

気持ちよくお風呂に入っていたら、
「ママン、アメリーが子猫を見つけたんだって!」 それがどうした?
「今から連れてきていいかって!」 なんでうちに連れてくるの?
「アメリーのうちには猫がいるから飼えないって」 うちにもいるって知らなかった?
「だって可愛そうじゃない、飼っていい?・・・お願い!」

身寄りのない子猫と聞くと弱いので、ウィともノンとも言えないでいると、電話は切れ、10分後には猫を連れたアメリーと父親が立っていた。

20cmくらいの子猫を想像していたら、かごから現れたのは6ヶ月は経っている、すでに図体はデカい猫。でも可愛い。

chaton3.jpg

「雌?雄?」「さあ・・・」
調べると、りっぱに雌。
「うちも雌猫で、性格悪いし、女同士ってのは・・・」
「それはわかるけど、うちは5階で、飛び降りたりするとやばいし」と父親。
一晩くらい窓閉めときゃいいじゃない。

「前に子供を作ろうと雄猫と引き合わせたんだけど、異性でもうまくいかなくて」
「そりゃお膳立てされたってとこが気に入らなかったんじゃない。自分の相手は自分で決めたい」と父親。
大真面目で言うところが、猫好きの困ったところだ。お互い様。

で、押し切られて預かることになった。アナイス(うちの猫)と上手くいかなかったら、明日引き取りにきてもらうという条件で。

アナイスは最初、興味を示してかごの周囲をウロウロしていた。アグレッシヴなところのある女なんで、用心して娘の部屋に閉じ込める。ご飯と水を持っていくと、ガツガツと飲み食いし、グルグルと膝にのってきた。情がうつると返せなくなるじゃない。

chaton2.jpg

かと思うと、物音に敏感で警戒した顔になり、今までのグルグルがうそのように毛を逆立てる。アナイスとドア越しに会見したときは、“子猫”が怖がりフーフーと吹き、アナイスはしらけた顔で立ち去った。

その後、無関心を装うも・・・

anaisdodo.jpg


翌日の日曜日、“子猫”がアナイスにますます警戒的なので、返すことにする。眠れぬ夜を過ごした娘も、もう固執しない。
かごを取りに行っている間、子猫が部屋から出て、偶然のように通りかかったアナイスと鉢合わせ!
「フギャー!」「ホギャー!!」と叫びあって、子猫のほうが飛びかかりそうになった。
娘の叫び声で駆けつけて「まぁまぁ」と引き離し、流血にならずにすんだ。

「どうもお騒がせ。獣医のところでもらってくれるっていうから」(最初からそうすりゃいいのに)とアメリーと父親は猫を連れて帰った。ところであの「フギャー!」「ホギャー!」で何を言い合ったのだろう。

「アタシのテリトリーでウロウロすると八つ裂きだからね!」
「うっせえ、このババア。痛い目にあいたくなかったら黙れっての」
という感じではないだろうか。猫の世界もなかなか大変だ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。

長谷川たかこ

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